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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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「花鳥の連中がこっちに挨拶に来るだぁあああああ!?」
「昨日の放課後、向こうからそう連絡が来たらしいよ」
「俺はんな事聞いてねぇぞ……!! 侑、お前いつから知ってた!?」
「朝。玲子先生に呼び出されて。高木君も一緒にいたから知ってるはず」

 淡々と事実だけを述べる侑太郎に、誠司はわなわなと拳を震わせた。
 女嫌いの誠司にとって、ここまで淡白な侑太郎はかなり好感の持てる相手なのだが、だからこそ侑太郎とは仲良くやっていきたいと思うのに、肝心の侑太郎は誠司相手にも淡白な部分がある。そこが気に食わないのだ。会長と副会長なら親密で協力しあうものではないか。それでこそではないか。

「なんで煌一が聞いてて俺が除け者なんだ!!」
「だって、朝に誠司が一緒に聞いてたら、昼休みで帰るとか言い出すだろ。逃亡防止」

 それは否定できなかった。
 昼休みまでいたかもわからない。聞いた直後には早退していた可能性の方が高いような気がした。

「……煌一は」
「先方が来る前に誠司が逃げ出さないように、門番してる。廊下でね」
「………っだぁあああああぁ……、どうして俺がこんな目にぃ……!!」

 流石は実質生徒会長の侑太郎。抜かりがなさ過ぎる。
 頭を抱えて誠司は机に突っ伏したが、他に突破口があるとは思えない。大人しく従うより他ないらしい。
 誠司が観念したのを悟ったのか、ふう、と一息ついて侑太郎は誠司の頭をぽんぽんと軽く叩いた。

「こっちが向こうに行くんじゃいろいろ問題あるだろ? 俺たち男子だし、そもそもお前女嫌いだし。それ分かってて向こうから来てくれるって言うんだから大人しく会長しろよ」
「……大人しく会長したらお前は何のご褒美を俺にくれると言うのかぁ……」
「試験勉強くらい付き合ってやる」
「んなの褒美になるか馬鹿ー!!」

 しかし、これ以上駄々をこねると侑太郎が怒り出すのは目に見えている。ここは大人しく従っておくべきだ。……なんだかいいように操られているような気もするが、あまり深く考えないでおく。
 それでも当然気乗りはしない。男子校だから誠司はこの学園に入ったのであり、合併の話なんてひとことも聞いていない。同規模の男子校と女子校が合併するのだ、誠司が入学する頃に話が出ていたっておかしくはない。それに、担当教員ですらも「今日初めて聞いた」と言っていたのだ。何だ、その週末に喫茶店で長話してたらふとそんな案出たから実行しちゃえ、みたいなノリは。怒りをどこにぶつければいいのかわからずに、誠司は落ち着くことができず指先で机をとんとんと叩いていた。

「前園さん、羽村さん、花鳥の連中来たみたいですけどー?」

 どうやら廊下の窓から校門の様子を覗いていたらしい、一年の高木 煌一がドアを少し開けて声を掛けた。瞬間、誠司の体がびくりと強張る。
 煌一はその誠司の様子を見て笑みを深くすると、今度は扉を全開にして生徒会室に足を踏み入れる。明らかに人工的に染め上げられた、赤茶というよりもだいぶ赤に近い髪が揺れ、まだ一年生なのにかかとが潰された上履きがぺこぱこと床を蹴っていた。

「やっぱ挨拶代わりにバリケードは必須だと思う人ー、はーい!」
 
 悪戯っぽい笑顔が標準装備の煌一は、一人で楽しそうに生徒会室の備品である机を廊下に持ち出そうと、隅に置いてある机に手を掛けた。

「――高木君、選挙期間中部活できないように手足使い物にならなくしようか……?」

 そこを、ゆらりと立ち上がって煌一の後ろについた侑太郎が、シャツの襟首を掴んで動きを止める。
 
「羽村さんちょっと頑固すぎですってー。ちょっとした冗談だし☆」
「今その冗談言うのは誠司の精神上悪い」
「前園さんだって冗談とそうじゃないのくらい聞き分けられますって! まったく、共学化を機に可愛い彼女のひとりやふたり作っちまえばいーんですよ!」
「学校は学問の場であって出会いを求めるところじゃないだろ」
「けど、学校でしか出会えない人ってたくさんいるでしょう」

 それを言われるとさすがの侑太郎も言葉に詰まっているようだった。

「たまたま共学化して、たまたま出会った子が羽村さんの運命の人かもしれない!」
「そう簡単にうちの有能な副会長を渡せるか!! 煌一、バリケードだ!!」
「あいあいさー!」
「って、ちょ、話を戻すな馬鹿共!!!」

 侑太郎が誠司と煌一の襟首を再び掴み、抵抗して暴れると侑太郎も若干苦戦しているようだった。
 花鳥の女だ。その生徒会となれば、お堅い連中ばかりだろう。侑太郎はきっと普通の女子が好きであろうとは思うから、余計な心配などする必要はないのかもしれない。
 でもむしゃくしゃするのだ。自分が女嫌いなのが影響しているのは分かっている。侑太郎は有能な副会長で、誠司の親友で、めちゃめちゃ優しいのである。だからどんな女が相手であろうときっと優しく接するだろう。それがわかるから我慢ならない。一刻も早くバリケードを作らなくては。
 煌一とふたりがかりで暴れて、侑太郎の手が離れ、真っ先にドアに向かったその時、ちょうど生徒会室の扉ががらりと開かれた。



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2008.07.31(Thu) | 絶対終わらない学園ネタ | cm(0) | tb(0) |

続いた。



 格式高い女子高、花鳥学園。
 年季の入った旧校舎の廊下を、二人の女生徒が歩いていく。彼女たちの向かう生徒会室は旧校舎にあるのだ。
 一人は背が高く、少し茶色く長い髪をポニーテールにしている。名は佐伯 琴葉。この花鳥学園の名誉ある生徒会長だ。
 その隣をしずしずと歩く少女は、肩より少し短く、真っ黒な髪を一直線に切り揃えている。背は琴葉よりも5センチほど低い。名を祈山 小夜子という。琴葉の補佐役、つまりは副会長の座についている。

「なぁんていうかさぁ、何も無いのに生徒会室行くってのも面白くないよねー」

 紺色のセーラーを揺らしながら、ため息交じりに琴葉が小夜子に声を掛ける。

「何かあった時のための生徒会だよ、琴葉ちゃん。まあ、確かに粗方先週までで片付いてるし、生徒会室でゆっくりお茶でもしよっか」

 穏やかに小夜子が返すと、おおっ、と琴葉が目を輝かせた。

「小夜ちゃんのクラス、今日調理実習だったんだよね!?」
「うん。琴葉ちゃんのためにちゃんと多めに作ったから」
「やっりぃ! 流石小夜ちゃん、いいお嫁さんになる! ……して、本日のメニューは?」
「手作りのスコーンとジャム! 生徒会室に紅茶の葉っぱも何種類かあったはずだから、淹れるね」

 それを聞いて琴葉の足は自然と速くなった。
 琴葉ちゃん、そんなに急がなくてもー! とその後を小走りで着いて行く。
 そしてその後方から、轟音と悲鳴っぽい高い声。

「……小夜ちゃん、何か変な音するよね」
「う、うん、あとなんか女の子の叫び声みたいなの」

 二人が恐る恐る振り向くと、一人の大柄な男性が猛然とこちらに向かって走ってくるところだった。ぎょっとして二人は一斉に廊下の端に寄る。男は何か引きずりながら二人の前を通り過ぎていく。

「琴せんぱぁあああああああいぃいいいい……!!」

 引きずられている何かが琴葉の名を呼び、数メートル引きずったまま走ったかと思うと、男はぴたりと歩を止めた。
 そしてくるりと振り向き、琴葉と小夜子の姿を確認すると、

「たぁあああいへんなんだよ!!! どうしよう!!!」

 と叫んだ。

「……いや、わかったからさ。取りあえず、ゆーり放してやりなよ。可哀想」

 男に襟首を掴まれたまま引きずられていた小柄な少女、――前園 由梨は瞳を潤ませて、琴葉の言葉に何度も頷いた。




「でー、何だってのメダカー!」

 小夜子が淹れた紅茶と、小夜子が持参したスコーンとジャムを口にしながら、琴葉は文句を垂れた。琴葉の目の前の席で、メダカと呼ばれた男は苦い顔をする。

「だからさぁ、メダカって呼ぶのいい加減やめてくれよなぁ」
「仕方ないじゃん。いやあ、可愛かったなあ去年の春のメダカー」
「メダカじゃなくて日高先生って呼べー!!」

 その話は小夜子も知るところで、メダカ――もとい、日高 元気の隣でくすくす笑っている。小夜子だけでなくこの名の由来については琴葉たちよりひとつ下の学年の由梨も知っているらしく、琴葉の隣で笑顔を隠さない。
 今年で勤務二年目になる元気は、去年新任の教師として赴任してきた際、新人ながら一年の担任を任された。それが去年の琴葉と小夜子のクラスで、自己紹介の際に緊張のあまり『日高』を『目高』と間違えて黒板に書いてしまったのだ。そこから瞬く間に噂が広まり、この有様となる。

「えっと、ですからメダカ先生。用件は?」

 大人しいくせにちゃっかり先生をあだ名で呼ぶ小夜子に琴葉は満足そうである。小夜子までそうでは言っても無駄だと判断したのか、元気はため息をつくと、重い口を開いた。

「半年後にこの学園は風月学園と合併するんだそうだ。で、今から三ヵ月後に生徒会選挙」
「ちょ、ちょちょちょ、ちょい待ち! そんなのあっさり言われても困るって! 何!?」 

 ティーカップに口をつけていた琴葉はものすごく驚いたらしく、かたん! と音を立ててカップを机に置くと、身を乗り出して元気に詰め寄る。琴葉ほど行動には出ないが、小夜子と由梨もそれなりに驚いているようだった。

「だ、だから! 三ヵ月後に生徒会選挙なんだって! 新生徒会はこっちの生徒会と向こうの生徒会合わせた六人で形成して、取りあえず、佐伯と向こうの会長と、どっちが会長になるかで選挙やるんだって話で!」
「そんなこと言ったって、こっちと向こうじゃ仲悪すぎて合併するとかしないとかそれ以前の問題でしょー!?」

 ついに琴葉は腕を伸ばして元気のネクタイを掴むとがくがく揺すぶった。
 やめてくれよぉぉ、と元気の情けない声が響く。

「仲、悪いから会長だけ選挙なんですよ、琴先輩っ」

 琴葉の隣に座っていた由梨が、琴葉のスカートをくいくいと引っ張りながら小さく主張する。あ、と琴葉も気付いて元気のネクタイを離し、再び椅子に腰を落ち着けると腕を組んで唸った。

「どっちが主導権握るかー、ってことか。数としてはこっちも向こうも同じくらいだろうし、三ヶ月選挙活動すれば向こうの生徒でもこっちに靡くかもしれないってこと?」
「ちなみに、欠席しなきゃこっちと向こうの生徒数は同数だそうで……。けど、合併するってんなら女子票だけってのは嫌だよなあ」

 引っ張られたネクタイを直しながら言う元気に、琴葉も頷いた。
 元々サプライズ好きな理事長だとは思っていたが、ここまでするとは思っていなかった。けれど合併の話が嘘だとも思えない。
 実際に合併する以上は、自分か向こうの会長か、どちらかがそれなりの支持を得なければ。琴葉は完璧主義者からはほど遠いが、元々共学志望であっただけ、共学化へ寄せる思いもそれなりに強い。

「で? 選挙選挙っても、いきなり活動できるわけじゃないでしょ? 向こうに行ける機会とかあんの? もしくは向こうさんがこっちに来てくれるとか」
「風月の生徒会がこっちに来るなんてぜぇったいないですっ!」

 元気相手に問いかけた琴葉だったが、そこに由梨が割って入った。
 
「あ、ああ。前園の言う通りでさ。向こうさんの会長がとんでもない女嫌いとかで、こっちには来ないだろうって。だから明日明後日にでも出向いてくれるか、佐伯」
「いくら風月の会長だからって女嫌いで選挙通りますかってーのよ。これだからボンボンは!」

 腕を組んだまま、はあっと仕切りなおすように息をつくと、琴葉は元気に向けてびしっと右手の親指を立てて気合いを示した。

「ま、共学化賛成だし。やったるわい!」
「さっすが琴葉ちゃん! 男らしい!」
「やっぱりゆーりの琴先輩素敵です!!」
「ってことでメダカ! 明日向こうに殴りこみ行くからその辺の許可とかよろしくv 今日はここでゆっくり小夜ちゃんの手作りスコーンを食べるのだー」

 生徒に軽くパシリとして使われながら、労いの言葉ひとつもかけてもらえない元気はその後廊下で密かに悪態をついたという。



2008.07.19(Sat) | 絶対終わらない学園ネタ | cm(0) | tb(0) |

試しに。


「……何帰ろうとしてるんだよ、誠司」
「もー俺十分待ったもん。だるい、眠い、疲れた、帰る!」

 学校指定の革の鞄を手にそそくさと生徒会室を後にしようとする、この学校の生徒会長――前園 誠司の学ランの裾を、副会長――羽村 侑太郎は左手で、誠司の顔も見ずに完璧に掴んだ。侑太郎の視線は机の上にあり、英語の教材に向けられている。その間誠司は一刻も早くこの教室を出ようとひたすら出口に向かって足を進めるものの、少しも扉に近づくことができない。侑太郎の異様な握力のために、誠司が部屋を出るよりも先に制服が破れそうなほどだ。

「玲子先生に待ってろって言われてるんだから」
「あんなケバケバババァのいう事なんて聞いてられっか!! それと! 召集掛けられたの俺らだけじゃないだろ! 煌一はどうした!」
「高木君は遅刻5回のペナルティで校内のトイレ掃除中」
「そんなのにあいつが従ってるわきゃない!!」

 ふう、と侑太郎が息をつくのが聞こえて、ヤバい、と直感的に誠司は思ったが時既に遅し。
 侑太郎は誠司に視線を移すと両手で誠司の制服の裾を握り、自分の方へ引っ張った。

「どわぁあっ!?」
 
 侑太郎は華奢なくせに異様に力が強いのだ。剣道の道場の息子で、剣道だけではなく武道全般習っているせいなのかもしれないが、それならぱっと見でわかるくらい筋肉がついていてもいいと誠司はよく思っていた。勢いよく後ろに引っ張られ、床に背中を打ちつける。半端なく痛い。
  
「高木君はまだ一年生。遅刻ばっかりしてるようじゃ生徒会の仕事も成り立たない。それにトップは誠司なんだから君がいなきゃ話にならないだろ?」
「ふ、何だよ侑。プロポーズのつもりか?」
「……誠司、僕は話の分からない馬鹿が大嫌いなんだ。出てってもいい?」

 おまけに冗談がまるで通じない。その上頑固者。
 これで人生面白いのか? と誠司が感じることも度々、……いや、かなりあるが、侑太郎も気を抜くべきところは抜いているようだし、ただ少し真面目なだけなのだ。そう思うことにしておく。

「わぁかったよ、いりゃいいんだろ! 侑が俺と付き合ってくれんなら、とでも言おうと思ったけどぶん殴られそうだからやめとくわ」

 誠司は立ち上がると制服の埃を落とし、手近な椅子に腰掛ける。
 侑太郎はそれを確認してから再び英語の問題集に目を落とした。
 それにしても。
 こんな風に生徒会顧問に待たされることなど普段では有り得ないことだ。
 この学校の生徒会顧問は誠司以上の面倒くさがりで、仕事などは全部プリントにして全て侑太郎にやらせている。そのくせ誠司が仕事をサボると怒るのだ。自分は上司の前でだけしっかり生徒会顧問しているくせに。
 
「言おうと思ったけど、って。言っちゃってるくせに」
「愛だばーか!!」
「何だよそれ」

 侑太郎はいつも通り余裕で笑っていたが、それでも今日の生徒会顧問の行動は腑に落ちないらしく、時折腕時計を確認している。もう大分待たされているのだ。これで校内放送で、ドッキリでしたー、とか言ったら絶対ぶん殴る、と誠司は決めた。
 しかしそんな個人的決定事項も空しく、ちょうど良く生徒会室のドアが開いた。

「はーいはい、じゃあ生徒会会議始めるわよぉ! 席に着きなさいっ」

 入ってきたのはこの学校唯一の女教師、重松 玲子だった。この学校に赴任してきたのもそもそも何か下心があるだろうことは明白だったが、それにしても男子校でコレは不味いんじゃないかと誠司が思うほどに玲子の服装は過激である。似合わないならスルーもできるが、顔立ちや髪型に服装がよく似合っているから性質が悪い。嫌でも生徒達の視線を引いてしまう。だからこそ目立ちたがり屋の誠司としてはどこまでも気に食わない存在だ。

「おシゲー、高木クンがいないので会議できませーん」
「いいのよあの子は。さっき説明してあげたから。それと、次それで呼んだらお姉さんが食べちゃうから覚悟しておきなさい?」
「いつ聞いても怖いねぇ、喰われたら骨しか残んねぇな」
「そーよ、精力から魂からぜぇんぶ吸い取っちゃうんだからv」

 重松 玲子。この高校の英語教師。誠司はいつも「おシゲ」と呼んでいるが、当然彼女はいつも怒る。
 今ここには不在の煌一などは「シゲさん」と呼ぶから余計起こる。
 しかし彼女の怒り方と言うのは、「お姉さんが食べちゃうからv」にいつも留まる。怒りの度合いはその発言の後の行動で一発なのだが、誠司が聞くところによれば煌一は本気で喰われる寸前までいったらしいとのことだ。

「先生、話続けてください。僕も誠司もできれば早く帰りたいので」
「そーそー。ちったぁ考えてくれよ、生徒のことも」
「考えてあげたいのは山々なんだけどぉ、しばらく早めの帰宅は無理そうよ。生徒会役員諸君」

 誠司と侑太郎が隣り合って座り、偉そうに――教師なのだから実際偉いのだが、玲子が二人の目の前に腰掛けた。そして持参したプリントを1枚ずつ二人の目の前に置く。

「……学園合併による新生徒会編成……?」
「3ヵ月間の公示期間を経て、その後……?」
「そ、生徒会選挙よv」

 玲子はばっちり美しいウインクを極めたが、その瞬間に誠司の空気がぴしりと固まった。 

「合併って何だよ合併って!!! まっさか隣の花鳥とじゃねぇだろうな!?」
「そこ以外にどこと合併するのよ、誠司クン?」
「ふざけんな!! そんなの聞いてねぇぞ!」
「だってアタシも理事長から今さっき聞かされたんだし! 聞いてないどころの話じゃないのよー?」

 誠司は立ち上がって玲子に向かって大声を出したが、自分だって遺憾だとばかりに玲子はひらりと交わしていく。熱くなる誠司の傍らで、侑太郎だけが冷静だった。

「花鳥の女共と隣の敷地ってだけでもう吐き気すんのに、合併なんて最悪だ……!! 殺す気か!!」
「アタシだって悲しいわよぉ! 折角“風月の美人女教師!”で通ってたのに女子高生が雪崩れ込んでくるんでしょー? 負けない自信はあるけどこれまでより霞んじゃうわよねぇ」
「ババァのことなんてどーだっていいんだよ! どう足掻いても若さには勝てねぇっつーの、この年増!!」
「はぁい、誠司クーン? 今言っちゃいけない言葉いくつも使ったわよねぇ? 覚悟があるなら今すぐ服脱いじゃいなさぁい?」
「誰が脱ぐかざけんな!!」

 二人が口論を繰り広げていると、バンっ、と大きな音が響いた。
 当然誠司と玲子の動きが止まる。侑太郎が英語の問題集を机に叩き付けた音だった。

「話を続けてもらえますか、玲子先生……?」

 頑固だから、馬鹿みたいに真面目だから。侑太郎は怒るとすごく怖いのだ。
 ――この場合、侑太郎じゃなくても怒るかもしれない。
 と少しだけ誠司が思ったのは秘密である。




2008.07.17(Thu) | 絶対終わらない学園ネタ | cm(0) | tb(0) |

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