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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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だああああああああ


確か今日は樹理の誕生日!!!
ごめん、何か書こうと思ってたんだけど、さすがにルカ樹理は微妙だろ、ってことで樹理がまだ1歳とかの頃の話書いてたんだけど終わらなかった。
しかしあの流風さんが渡米してまだまだガキの女に手出すとは思わなんだ。
ここまでくるともうあれですね、自分のキャラと言えど知り合いくらいな気分ですね。えええ、子供いんの!? マジで!? みたいな。


年内に大和とルミの話完結させたかったけど無理っぽい。
勉強しろよ私。(笑)
明日どうしようかなあ。時間空いたらつまんないなー。
病院行ったのにまだ首痛いし……。痛み止めとか効いてないって絶対。(笑)


太平洋戦争のドラマは大変興味深かったです。2年前必死でレポート書いてたのを思い出しました。
しかしまあ、私は東條みたいな人がすごく好きです。天皇大好きっていうんじゃなくて、自分にできることをしっかり全うしようとする人、努力できる人、それでいて愚直なまでに真っ直ぐな人。
ラストらへんの阿部寛との掛け合いがすごく好きです。
確かに総辞職したら12月初頭の開戦はなかっただろうけど、天皇は他の誰でもなく自分に軍を統制しろと命じたのだから、その自分が軍を統一できずに内閣を投げ出すことはできないっていう、どこかで現状が正しくないことを知っていながら、それでも自分が自分のできる範囲で責務を果たそうとする姿勢ですか。大好きです。
あそこで東條が総辞職してたらどうなったのかな。開戦反対派の人が首相になったとしても軍を押さえるのは多分無理だったろうし、そういう人は首相になりたがらない気がする。
そもそも近衛が総辞職した時点で、首相なんてのを引き受ける大物は東條くらいなものだったんじゃなかろうか。天皇にすごい忠誠誓ってるし。
ハルノート研究したときに、対米交渉とハルノートによる直接の開戦原因ってよくわかんなかったんだけど、大きな枠で見るとどうなのかな。何かの本か何かで、それを言い出すとペリー来航まで遡ることになるって言ってた気がする。
しかし間違ってはいないと思う。ヨーロッパ政治史とか日本政治外交史とかの講義受けると、正しくなってわかっていつつも起こるべくして起こった戦争なのかな、とか思えてしまいます。
軍とか政治家はもちろん、国民にもかなり非はあると思ってます。あれこそ大衆。アホすぎる。けど、だからって一般民衆のせいかと言えばそうでもない。間違ってるって気付いてた国民だっていることだし。そういう人の意見を尊重してあげられるだけのシステムが整ってない時代だったんだろうなと思う。それは時代上仕方ないことなんだろうとも思う。
でもって、そういう意見を保護できるような、民主的な制度が徹底されていくのは皮肉にも戦後、っていう悪循環。大きなきっかけがなければ変われないのなら2度の大戦は回避不能だったと言っちゃえるのかもしれない。


もう眠いです、寝ます!!

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2008.12.25(Thu) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

君と生きる世界の香り 2



 俺が払う、と言ったら葉山はそれを猛然と拒否した。
 こういうのは自分で全部やらなきゃダメ、らしい。って言っても、数ある毛糸の中から俺のサイズのものを編むとなれば安い買い物ではないだろう。一般の手芸店でなくわざわざ百貨店の中に入っているような手芸店に来ているからモノも割高だろうし。飲み物の一本や二本なら俺も甘えるところだが、こういうところは素直に金持ちに甘えてくれる方が楽なのだが。
 店員にアドバイスを受けながら慎重に毛糸を選び、かなりの数を買って袋に詰めてもらっていた。……まあ、葉山がそれでいいならいいんだけど。俺が深く口出ししては悪い気がする。

「ちゃんと冬までに編むわよ、部屋着くらいにはなるように」
「もう冬入りかけですけど?」
「うるさいっ、……あんたの誕生日くらいには間に合わせるから」

 買い込んだ毛糸が詰まった紙袋は俺が持って、百貨店から駅までの道を歩く。
 サイズはさっき店員にアドバイスを貰うついでに店で測ってもらったから、この意気だと今日からでも編み始めるのだろうか。糸とか針とか大嫌いな俺から言わせれば物好きを超えて気違いなんだけどな、編み物やるなんて。
 ……ん?
 引っかかる。

「お前、俺の誕生日知ってたんだ?」
「何よ、知ってちゃ悪いですか」
「……いや」

 教えた覚えはないから勝手に調べたのか。流風あたりは知ってた気がするからやっぱり流風経由、か。
 
「けど、だからってこんな馬鹿高いの買わなくたっていいだろ。俺が払ったのに」
「何それ、あんた自分の誕生日プレゼント自分で買う?」
「別に、ご褒美だ何だって解釈はいくらでもあるだろ。お前が編んでくれるならその分余計に金払ってもいいくらいだ」
「……馬鹿じゃないの?」
「馬鹿で結構」

 そう言ってやると、葉山は照れたのかばしんと俺の背中を叩く。このやり取りにもいい加減慣れたということなのだろう。
 関係に名前がつくと、態度はやっぱり変わるものだ。自分はそうならないだろうと思っていたのに、“聞かれないから言わなかった”自分は一体どこに行ったのか。

「悪い、今日送れない」
「だから送ってくれなくていいって言ってるでしょ? 出かけるの?」

 改札が近づいて、紙袋を葉山に渡す。
 普段時間がある時は大体最寄の駅まで送ったりするのだが、今日は例の約束があるから時間的に無理だ。
 ちょっとな、と答えると、葉山はすまなそうに笑った。

「忙しいのにごめん、付き合わせて」
「お前の約束の方が先だったから、構わない」
「ほんと、馬鹿みたいに真面目よねー。都合あるなら断ってくれてよかったのに。いつでもよかったんだし」
「俺の誕生日に間に合わせるってんなら、いつでもいいわけじゃないだろ」

 今日に限らず、いつでもいいというわけではないのだ。
 約束は果たされるためにある。相手を大事に思うなら尚更だ。果たされるまで相手を拘束するもの、それが約束だ。だから俺はいつでもこいつとの約束は第一だし、破る気は毛頭ない。

「ぜったい間に合わせるから」
「期待してますよ」
「何その気の無い返事っ」

 今度は嬉しそうに顔を綻ばせた葉山は、俺に手を振って駅の人ごみに消えていく。
 その後姿を最後まで見送ってから、ポケットに手を突っ込んで携帯を取り出す。思ったより遅くなったかもしれない。まあ、後から入った用事にこちらが都合を合わせるのだ、これくらいでも平気だろう。

「俺だ、今駅の前にいる」

 自分自身と、家の構成員としての生活を行き来する。
 その橋渡しをするリムジンは、電話をしてものの数分で俺を拾った。





 芹沢家は今のところ、姉様が継ぐということで一応の合意を得ている。
 父様はもう老体で体を壊すこともしばしばある。本気で跡継ぎを考えなければならない頃にきているといえる。
 本来なら長男が継ぐべきこの家、かつての長男は今芹沢に籍を置いていない。このごたごたと、当主になれば制限ばかりで面白くないからと出て行ったようだった。だから今の芹沢家の長男は俺ということになる。が、俺はまだ高校も出ていない未成年で、若すぎるからと姉様が父様に対して強く出て首を縦に振らせたのだ。他にもいろんな理由が姉様を決意させたのだろうが、俺の存在は一際大きく影響していただろうと思う。

「食事の席に遅れまして申し訳ございません」

 制服姿のまま、襖を開けて正座で挨拶をすると、既に膳の前には藤色の着物姿の姉様と、何人か知った顔があった。もう何年もこうして姉様の補佐をしていろいろな人と食事をする機会を持っていると、初対面というのは最近は少なくなってきた。
 固くならないで席につきなさい大和君、と声をかけられ、一度頭を下げてから、姉様の隣の膳の前の腰を落ち着ける。

「随分貫禄も出るようになったじゃないか、大和君」
「お陰さまで」
「幾つになるんだ?」
「今年で十八です」
「ならもう十分大人だなあ」

 酒を豪快に呷りながら、うちに花を提供している店のオヤジが笑う。
 ああそうだ、十八は十分に大人だ。

「大学には行かないで家に入るんだろう?」
「大和にはちゃんと大学に進学してもらう予定ですわ。家のことで苦労してほしくないですもの」
「……姉もこう言ってくれているので、甘えて進学しようかと思ってます」

 こう言うと、反応は大体二手に分かれる。
 なんて弟思いの姉、姉思いの弟だろう。という意見と、女が家を継ぐのかという意見。
 どちらも正当だろう。特に後者は、うちみたいな旧家ではよりもっともらしく聞こえる。
 このオヤジは、やはり長いことうちと付き合いがあるからか、後者だった。付き合いが長いからこそ、この事実は随分前から知っているはずなのだが、それでもやはり腑に落ちないらしい。
 やっぱり夕霧さんみたいな美人はいい人にお嫁に貰われるのが幸せだろう、とよく言われる。それは暗に、旧家が女を当主にするなんて、という意味が込められている。ごもっとも。しかし、それをもろともせず毅然と立ち向かう姉様は、いつ見ても美しいと思う。
 十も離れたたった一人の姉。両親なんていないも同然だった俺にとって、ただ一人の肉親。この人を苦しめることも悲しませることも、俺はしたくない。




「ごめんなさいね、出かけていたんでしょう?」

 帰りのリムジンで、姉様はやっぱりすまなそうに言う。

「気にしないでください」
「お付き合いしているんでしょう? 今度私にも会わせて頂戴ね」
「祈山さんのお嬢さんになら」

 その名前を出すと、姉様は肩を落とした。
 目を伏せて、ぽつりぽつりと言葉を落としていく。

「大和、あなたはそんなこと、」
「家を継ぐ重責を姉様ひとりに押し付けているんです、僕だってそれくらいしますよ。小夜子さんは気丈な方ですし、気さくな方でもありますから僕としても一緒にいて飽きません」
「だって、今日会っていたのは違う子なんでしょう? ダメよそういう、……可哀想なことは」

 何も知らない子供ではいられないのだ。いくら姉様が身を挺して俺を守ってくれているとしても、結局俺は芹沢の一員で、その血が流れていて、すべて自由になる気がしているだけで本当は縛られてばかりの人生を送るのだ。
 幸せは無限だろう。苦しさが少しでも和らぐのなら、それは幸せと呼んでいいと俺は思う。

「姉様、僕も小夜子さんも子供ではありません。自分がどんな家に生まれたのか、どう振舞っていくべきなのかちゃんと理解しています。小夜子さんにはちゃんと心を寄せる人がいるのを知ってますから、お互い様なんですよ」

 好きで、好きで、どれだけ伝えようとも結末が見えているから、それを最初から知っているから、せめて記憶に留めてもらいたいと思う。
 俺も、“彼女”もそうなのだ。
 一番簡単な言葉で。一番早く伝わるように。何度でも。

「そういう生き方しか許されてないんです、僕たちは」

 姉様が口を噤む。
 俺も“彼女”も、本当に好きな相手と離れるのは当然だと思っている。その考えに間違いはないとも、思っている。
 姉様だけが違う。姉様はこれでいてなかなか強かだ。芹沢という家の中で、姉様だけが、一番欲しいものを側に置こうとしている。俺にはきっと、そんな生き方もできないのだろう。俺が末っ子だから。一番下だから。
 それ以上姉様と会話をすることはなかった。朝から学校だったからかそれなりに疲れている。俯いて目を閉じると、簡単に意識を手放すことができた。



 屋敷に着いたのは、日付の変わる少し前だった。
 母屋に戻る姉様に挨拶をして、俺はひとり離れに戻る。
 居間に鞄を放り投げ、グレーのソファーに寝転んで、ポケットの中の携帯を開く。
 着信とメールが一件ずつ入っている。着信は葉山からで、留守電はない。メールの方も確認してみると、それも葉山からで、開いてみると写真が添付されていた。
 編み棒に絡まる黒い毛糸。ほんの少しだけ編み始めているらしい写真だった。本文は、『どーだ!!』と自慢げな一言のみ。ガキかよ、と思いつつ、電話をかけ直すことにした。
 五回ほどのコール音の後、はいっ、と耳慣れた声がする。

「悪い、寝てたか?」
『いやいや、起きてるよまだこんな時間なんだし。続き編んでたから取るの遅れただけ』
「やりすぎないで寝ろよ」
『下手に心配されると気色悪いからやめてくれるー?』

 耳元から聞こえるくすくす笑う声。
 起き上がって背もたれに思いっきり寄りかかってその声を聞く。

『用事終わったんだ?』
「まあな」
『お姉さんが家継ぐのにあんたも忙しいんだ』

 ――それは。

「……男の俺が全部おねいちゃんに任せて傍観ってわけにいかないだろ」

 時計の針が見えるようだ。
 終わりが、見える。

『あんたが継いでも上手く行きそうだと思うんだけど。性格に爆弾抱えてるけどさ』
「余計なお世話だってーの」

 毛糸を何玉編みこんでいこうとも、終わりがくる。

「遅い時間に電話して悪かったな。早く寝ろよ」
『うん、わざわざありがとね。……おやすみ』
「おやすみ」

 携帯を閉じると、再び体を倒した。脱力感に襲われる。
 風呂に入って早く寝なければ。


 ――男の俺が全部おねいちゃんに任せて傍観ってわけにいかないだろ。


 その通りだ。
 だから俺は。




____________________________________

追記はいろいろ愚痴ってるので見ないことをオススメします。

____________________________________


大和さんはどんだけ彼女好きなんだ、っていう。
芹沢さんちに関してはルミがすっごく強いから、そういう点は野島さんちと違うかも。
野島さんちは何だかんだで慎吾がぐいぐい引っ張っていく感じだし。
芹沢さんちは大和主導と見せかけて、かなり大和自身臆病な部分があるからそこを補って余りあるくらいなのがルミ。
いつになるかわからんけどファーストキス云々もプロポーズも全部ルミからだったりする。
あれ? いつから大和ってヘタレになったんだろう!(爽)

2008.12.12(Fri) | 大和中心 | cm(0) | tb(0) |

酷すぎるIFネタ。



 転校生が来るという。
 文化祭を週末に控えた九月の半ば。ものすごく不自然な時期だ、とは思っていたのだが、自分とあまり関係のある事柄だとは思えず、窓際の席に当然のように降り注ぐ陽射しを浴びて湧き上がる睡眠欲に抗わずうとうとしていると、朝のHRも例の転校生の自己紹介が始まっていた。
 机に突っ伏していた俺は、薄く目を開けてその対象を視界に入れる。――女子だ。

「……かよ、です。かよ、って呼んでください」

 こげ茶色の髪は緩く波打って、おそらくそれなりの長さがあるのだろう。頭の高いところで深紅のリボンを使って二つに結い上げている。瞳の大きな子だ。それに、背は結構低い。贔屓目に見ても見なくても、可愛いという評価を誰もがするだろうと思った。
 苗字を聞き取れなかったので黒板を見たが、名前は大きく横書きになっていて、苗字の真ん前には担任が立っていたために分からずじまい。その代わりに見えたのは、おそらく名前なのだろう『華世』の文字。

(……だから“かよ”か)

 苗字も名前も、俺は直接呼ぶことなどまずないだろうし、知らなくても支障は無いだろう。このクラスの担任は生徒を皆下の名前で呼ぶことだし、俺が女子に話しかけることなどそう多くない。

「じゃあ華世、お前の席、あの一番後ろの席な。窓際の一番後ろに眠そうにしてる奴いんだろ? その隣」

 華世が指定されたのは、俺の右隣の席。昨日まではなかったのに、席が増えていると思ったらやはりここか、と思った。

「あ、」

 すんなり返事をするかと思ったら、華世は黒板の前に立ったまま俺を凝視して動かない。
 そこまで怖い顔をしているとは自分でも思ったことはなかったのだが。嫌なら誰かと席を交換すれば済む話だろうと思って俺からは何も言わなかった。
 どうした? と担任に促され、ようやく彼女は返事をして、こちらに歩いてくる。彼女が歩くのと同じスピードで、クラス中の視線もゆっくり動くのが気色悪くて仕方なかった。

「葵! ちゃんと世話してやんだぞ、わかったなー?」

 担任が偉そうにそう指示する。
 そんなこと言われても、俺が世話しなくたってこの子相手なら世話したい男子はたくさんいるだろう。席が隣なだけで世話するとかされるとか、何年前の感性だ、って感じだ。

「えと、……あおい、っていうの? 名前」
「そうだけど」
「葵の紋の葵?」
「そう」

 隣の席に腰を落ち着けた彼女は、そっか、と答えた。
 さすがに再び突っ伏す気にはならなくて華世を見ると、

(………?)

 どこかで見たことのあるような錯覚に襲われる。古いアルバムの中で見たことのあるような気がするのだ。会ったことなどないと言い切れるのだが、妙な既視感。

「葵くん、って呼んでもいい?」
「どうぞ」
「わたしのことは華世って呼んでくださいっ」
「うん」

 拒否する理由もないので頷くと、彼女は表情を綻ばせた。
 嬉しそうな顔。どっかで見たことがあるような気がする。
 会ったことある? なんてあるわけないから聞けるわけがなくて、余計に変な気分になる。
 会ったことなんてあるわけがない。彼女は、生まれてから今までずっとアメリカにいたのだから。





 昼休みは、大抵一人で体育館の裏にいる。昼食をそこで取って、そのまま昼寝をするのが一連の流れだ。そのまま五限六限をサボってしまって担任に怒られるということもまあ、たまにある。
 母の手作りの弁当を食べながら、陽だまりに足を伸ばす。
 次の授業は生物、現代文。サボっても問題ないだろう。

「葵くん見つけたっ」

 急に陽だまりに影ができて、ゆっくりとそちらに視線を向けると、そこには転校生がいた。走ってきたのか肩で息をしている。

「お弁当、ひとりで食べてるの?」
「そうだよ」
「いつも?」
「大体は」
「そうなんだ」

 華世は「教室で一緒に食べよう!」などと強制するようなタイプではないようで、ひとりも気楽でいいよねっ、と笑いながら俺の隣に腰を下ろす。制服汚れるのとか女子は気にするんじゃないかと思っていたけど、華世はそういうタイプでもないらしい。

「お前は、昼、食べたの?」
「ん? えっとね、葵くん見つけて一緒に食べよう! と思って教室出てきたんだけど、意気込みすぎて忘れてきちゃって」
「周りの奴うるさかっただろ、一緒に食べようって」
「職員室に呼ばれてるんだぁ、って言ったら、そっかー、ってわかってくれたよ」
「……じゃあまだ食べてないのか」
 
 ……ていうか少しこの子は抜けている気がする。気がするっていうか、抜けてる。
 まだ手をつけていなかったおにぎりを一つ華世に手渡してやると、大きな瞳がうろたえるようにきょろきょろした。

「食べないと次の授業持たないだろ。それ、うちの母さん特製の炊き込みご飯。ひとつ食べたら?」
「いいの? 葵くんのお弁当」
「食べたら昼寝するから平気」
「あ、じゃあサボっちゃうんだ? パパもね、高校生の頃はよくやってたって」

 俺が弁当を片付け始めると、華世は小さくいただきます、と俺に告げて、ラップを外しておにぎりを一口齧った。
 うちの母親は料理が上手い。お嬢様だったはずなのにあれだけ家庭的なら合格だろう。お嬢様だったから、ということかもしれないが。そこが男女の教育のされ方の違いということかもしれない。華世も、おいしい、と声を上げてくれたので、あとで報告してやろうと思う。

「……そういえば、ずっとアメリカにいたのに普通に日本語なんだな」

 昨日の帰りのHRで転校生の話を聞いて、その時、生まれてからずっとアメリカにいたと聞いていたので、日本語なんか全然ダメなんじゃないかと思っていたのだが、見当違いだったようだ。華世は普通に日本語を喋るし、つい英語が出てしまった、ということもない。

「うん。ハーフじゃないし、家でも普通に日本語。日本人学校行ってたし、会話は英語でも大丈夫だけど日本の授業みたいな英語は寧ろ苦手かも」
「へえ」

 ハーフじゃなければ家でも英語を話す必要はないということか。
 国外に行ったことのない俺は想像しにくいけれど、外国にずっといても日本語はここまで流暢に話せるものらしい。

「生まれてからずっとアメリカにいたって言ってもね、生まれたのは日本なんだよ。日本の方が、えっと、ホケン制度とか、しっかりしてるからって。けどそれからすぐ向こうに行ったから、あんまり変わらないかな」

 そんなに大きくないおにぎりを小さな口で齧りながら、華世は生い立ちを教えてくれた。 確かに、医療費だとか保険の制度や何やらは日本の方が進んでいると聞いたことがある。向こうは保険が利かないから出産費用が全部自腹になってしまうとか何とか。詳しくはよくわからない。
 ……でも、両親ともそんな長い間向こうにいるって、何の仕事なんだか。

「……何の仕事してるんだ? お父さん」

 最後の一口を口に放り込んで、しばらく咀嚼してから飲み込むと、まず華世はごちそうさま、と俺に挨拶してから口を開く。 

「パパはね、学者さんなの。パパとママは同い年なんだけど、わたしが生まれた時パパはまだ学生さんで、それから頑張って、向こうの学生さんに勉強教えたりして、今までずうっと大学にいたの」
「それで何でまた帰国したんだ?」
「日本の大学でね、パパの専門分野の教授さん?が亡くなっちゃったとかで、頼まれたみたい。パパは賢いのに変に謙虚だから、まだ研究者の身なのでって辞退しようとして。けどわたしは日本に行ってみたかったから、パパならちゃんとママとわたしに贅沢させてよね! って言っちゃった。パパ基本的にわたしには甘いから」

 そりゃあ苦学生の頃にできた子供なら、成功した今可愛くないわけがないだろうと思う。実際見た目は可愛いわけだし。
 体育館の外壁に凭れかかって話を聞く。本当に両親が好きなんだろうな、と思う。パパはすごいけどママは普通なの、と紹介してくれる華世の表情は生き生きしていて、両親に可愛がられて育ってきたんだろうことがすぐに見て取れるのだ。

「それでね、えっとね、葵くんにお話があって、一緒にお昼しようと思ってたんだけど」
「ああ」

 そういえばそうだった。
 転校生が、ただ隣の席だったからといって男子にわざわざ寄ってくることなどないだろう。何か用事があるはずだ。
 凭れかかった姿勢のまま、何? と目で問いかけると、華世はしばらく頭のリボンを揺らしながらきょろきょろと周りを見回してから、

「わたし、変なの」

 と呟いた。
 突拍子が無さ過ぎる。
 そりゃあ変なのは何となくわかるけれど、それを突然告白されてもどうしろと。
 どう対応すべきかわからずに俺がひとつ深呼吸をすると、それをどう捉えたのかあたふたとしている。多少呆れたが拒絶しようとかそんなつもりはない。

「あ、え、えっとね、わたし初めて日本に来たのに、その、」

 これは弁解らしい。付け加えとも言うのだろうか。

「――葵くんのこと、知ってる気がして」
「!」

 ……俺も同じだ。
 と、即座に返すことはできなかった。
 俺は驚いたまま華世を見つめ、華世は不思議そうに俺の目を見る。
 奇妙な時間が、流れた。



2008.12.06(Sat) | 未分類 | cm(0) | tb(0) |

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