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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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もう少し

もう12月になる、ってことで、ご近所の紗央の年末とか(アメリカ旅行フラグ(笑))、いろいろ書きたいものはあるんだけどどれを優先的に書こうか考える。
いやもちろん誰かが書いたらそれに触発される可能性は大いにあるんだけど、取りあえず自分としては理央のを終わらせようかな、と思ってます。
今は秋のあたりの話を書いてるので、これが終わったらしょうもないクライマックスということで。
瑶子さんは書きやすいんです。そろそろ紗央の書き方を忘れそうな気がします。
理央は無意識で瑶子さんを喜ばせるようなことも傷つけることもできる男。素晴らしい最低男だね! そんな男はもうびっくりするくらいハマってしまえばいいと思うんだ。


手が荒れてきました。ハンドクリームとか買わないとなあ……。
12月22日にうみねこのジョージのキャラソンがDAMで配信始まるんで超楽しみです。
あのCD、メインはベアトの「チェイン」のはずなのにそっち配信しないでこんな電波ソングからってどういうことwwww
ミラ☆トレのスクリーンセーバーをダウンロードするために公式行ったらとくがわが擬人化されてて吹いた。何のための犬キャラwwwwwww
今日のシャッフルネタは面白かったです。都庁と新宿が! 私思った以上に自分が新宿好きということがわかった。置鮎の声が。
森田の汐留声もよかったよ! 全然合ってない感じが!
桜庭さんは保村さんだったんですね。梶さんと共演してるの見るのOver Drive以来かも?
取りあえず桜庭さんはオトメンというよりもただの変態にしか見えませんでした!(爽)


オカルティクスの魔女をウォークマンに入れて、寝ます。
ゼミの用意一切してないや……。まあいいか。もうちょっと調べないと中間報告もできん。

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2009.11.30(Mon) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

間に合ったー


「ケーキ、食べたい?」
「……お前な、年考えろよ」

 大和は縁側でぼーっと呆けながら、開花にはまだ早い椿の木を眺めている。昔からこうするのが好きだった。今でも時間のある時は大体大和はここで椿を眺めている。花が咲く前も、咲いている時も、散ってからも、時間があれば眺める。最初は何がいいんだかさっぱり分からなかったあたしも、ずっと一緒にいるようになってからはなんとなく良さが分かってきた気がする。

「椿に帰ってきて欲しいんだ? 今日くらい」
「誰がだよ」
「大和が」
「椿元気かなー、って顔に書いてあるもん」
「元気じゃなきゃ炎而ぶん殴るだけだろ」
「うわあ、パパの嫉妬全開」
「そうじゃねぇっつの」

 一人娘をもう嫁に出した気分。正確には実家を出る許可を与えただけだ。それでも大和はいつも心配で仕方ないだろう。家を出たい、ひとりで暮らしてみたいと言われた直後の大和の顔、その言葉に続けて「炎而様がルームシェアを提案してくださって」との椿の言葉を聞いた瞬間更にショックを受けた大和の顔、今でも思い出すと笑えるなんてレベルじゃない。
 大和は父親としてよりも家元として椿に接することが多かった。それは仕方ないと思うし、椿もある程度は理解してくれていると思う。何百年と続く伝統を背負っているのだから、親子愛よりも優先するべきものも少なからず存在する。でも、何だかんだでやっぱり大和は父親なのだ。気にしない振りをしていたって、素っ気無い振りをしていたって、椿のことは可愛いし心配なんだと思う。口に出したことは一度もないけれど、顔に背中にそう書いてあるもの。あたしの目だと読めちゃうのよね、素直すぎる大和の言葉。自由にさせてあげたいけどそうもいかない、じれったい気持ちもよくわかる。

「……今日くらい帰ってきてもいいのにね」
「うるせぇよ、何回言うんだ」
「本当は家に居てほしかったんだけどなあ、あたし」

 家から出してあげたのが、大和の精一杯の優しさで愛情で、顔を出せなんて一度も連絡してないのも大和の気持ちだって、椿は気づいてくれるだろうか。それでいい、帰ってこなくたっていい。椿が自発的に言い出すことを無理矢理押し込めたりはしないって決めてるから、家を出て暮らしたいというならそうすればいい。もっとやりたいことがあるのならやればいい。そうして生きればいい。ただ、ちゃんと大和やあたしの目を見て、どうしたいのかどう生きたいのか教えてほしい。ちゃんと真っ直ぐ目を見て話すことができるのなら、あたしたちは文句つけたりしないんだから。
 帰ってこなくていい。でも帰ってきて欲しい。我が侭かなあ。あたしだって大和に負けず劣らず椿のことは可愛いと思ってるんだもの、仕方ないじゃない?

「ま、水城もおんなじように寂しい思いしてるんだから侘しさ分かち合ったらいいじゃない。連絡してみれば?」
「るせぇよ、樹理と椿じゃ全然違うだろ」
「寂しいの否定しないんだ?」
「それは違うって最初から言ってんだろうが」
「うーん、大和が寂しくないっていうなら、水城は家にひとりだろうしあたしが遊びに行こうかなあ」
「何でそうなる!」

 大和が目に見えてイライラしている。からかわれるの好きじゃないもんね、昔から。普段水城のことからかってばっかりだから、てっきりそういう人なのかと思ってたら、寧ろ逆だった。真っ直ぐな分、隙が多いのよね。水城は賢いからそういうのすぐわかるみたいで、水城が帰国してからはすっかり立場逆転、って感じ?
 一度あたしの方をじろりと睨んだ大和はため息をつくとまた視線を椿の木へ向けた。あたしも同じように、変わらず青い椿の葉を眺める。
 そうして二人で呆けること十数分。

「父様、母様」

 砂利を踏む音にあたしと大和が顔を上げれば、そこには久しぶりに戻ってきた椿の顔があった。あたしにも連絡寄越さないなんて、サプライズのつもり?
 椿の後ろには樹理くんと、仕事帰りなのだろうスーツ姿の水城もいる。誘い合わせて来てくださったわけね、ありがたいわ。

「お久し振りです。連絡もせずにすみませんでした」
「元気ならいいのよ。ねえ大和」

 声をかけても返事をしない大和を見て水城が笑う。

「椿が帰ってこないもんで拗ねてたけど結局来てくれたから嬉しくて言葉も無い?」
「うるせぇよ流風!!」
「おー怖い。わざわざ来てやった親友に言うねえ」
「お前だってどうせ樹理が来なきゃ忘れてたんだろうが」
「俺お前の誕生日覚えてられるほど脳に空きスペースないんで」
「あーあーさいですか」

 そんな態度じゃ拗ねてるし照れてるってバレバレなのに。子供みたいなところは何年経ってもぜーんぜん変わらない。そんなだから水城に下克上許しちゃうのよ。 
 笑う水城と不機嫌極まりない大和を見て、椿も樹理くんも苦笑している。娘にまで笑われて大和も立場ないわね。

「父様、お誕生日おめでとうございます」

 大和の目の前に立った椿は、そう言って軽く頭を下げた。
 
「……来るなら来るで連絡くらい入れろ」
「色々考えていたら遅くなってしまって……。ご迷惑でしたか?」

 そういう台詞を平気で切り捨てられるほど大和は非情じゃない。けど、そんなわけない、と即答できるほど素直でもないので、自然と返答は「別に」というものになる。椿が三歳くらいなら素直に嬉しいというのだろうけれど、そんな年でもないし。
 当然水城から野次が飛ぶ。飛び交う罵声。高校時代みたいに馬鹿馬鹿しい。

「椿、考えてたって何を?」

 仕方ないのであたしが話を振ると、椿は困った顔をして笑う。

「お誕生日の贈り物を。家ではいつもお花を活けていましたけれど、今年はそうもいかないですし、かといって父様に似合うものもなかなか思いつかなかったもので」
「それで、結局どうしたの?」
「ええ、それで少し樹理さんにお手伝いしていただきました」

 そこで樹理くんの名前が出る。視線を移すと、樹理くんが持ち上げた手にはスーパーの袋が。何か買い物をしてきたらしい。

「せっかくですから、私の手料理を味見していただきたいと思った次第ですわ」
「「「え?」」」

 あたしと大和、水城の声も重なる。
 あたしや大和はもちろんだけど、芹沢家の長女ってことで水城にも椿の料理の腕前は大体察しがつくんだろう。冷や汗が浮かんでいるのがわかる。樹理くんは割と平然としてるように見えるんだけど……。

「つ、椿? 無理しなくていいのよ、そんなに気を遣わなくても」
「いいえ、私も自立した生活が送れているということを知っていただきたいです」
「りょ、料理なら母さんが作るから、お前は久々に戻ってきたんだしゆっくりしてればいい」
「そんな。父様のお誕生日に手ぶらで来てしまったんです、私にはこれくらいしかできることがありません。させてください」

 ……椿が自分から言い出したことはさせてあげなきゃ。うん、そうなのよね。これ殺し文句よね。
 流石の大和も、させてください、と言われては無理に反対することができない。

「……じゃあ、楽しみにしてる」

 縁側に座っていた大和は立ち上がると、椿にそう告げてから水城を捕獲しにかかった。逃走防止だろう。
 椿は「お任せください」と、いつになく張り切っている。それがあたしには怖くて仕方ないんだけど。
 大和と水城が揃って母屋に向かう。椿もぱたぱたとその後を追う。あたしも続くために立ち上がると、残された樹理くんが近づいてきた。

「椿、結構料理上達してるんですよ。ちゃんと食べられるくらいには」
「嘘っ」
「僕も真紘さんも最初は餌食になったんですけどね、最近はまあ、それなりに。だって料理は都筑くんじゃなくて椿がやってるんですよ、確か」
「……椿が、ねえ……」

 台所に立つと、何か前衛芸術的なものを作り出すあの子が、それなりの料理をするなんて。しばらく離れていたとは言え、意外というか想像がつかないというか。

「都筑くんが死んだって話も聞かないですし、僕も真紘さんも生きてるし、多分大丈夫ですよ」

 あたしや大和には教えてくれないで、樹理くんや真紘くんは知ってるんだなあと思うと複雑だけど。これもサプライズプレゼントってやつかもしれない。何より、そういう椿の成長は大和も嬉しいだろうと思う。

「樹理くんがそう言うならきっと平気ね。バレンタインでも犠牲になってたし」
「大丈夫だって分かってなきゃ買い物に付き合ったりしません」
「そうよねー。うん、いいプレゼントかもね、大和には」
「そうなると思います」

 受け取るのは大和だし、万が一何か黒い物体が出てきてもそれはそれで嬉しいんじゃないだろうか。と思うとやけに納得してしまう。椿もあたしたちの目の届かないところでちゃんと成長してるんだなあ、なんて、手を放してから随分経つのに今更感慨深くなってみる。
 なかなか着いてこないあたしたちを不思議に思ったのか、椿からお呼びの声がかかる。

「よし、じゃあ椿の手料理ご馳走にならなきゃ」
「一応胃薬用意しといた方がいいかもしれませんよ」

 冗談めかして笑いながら、樹理くんが重そうなビニール袋を揺らした。


2009.11.28(Sat) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

けいおん!

全部見た。
妹可愛すぎだろ妹wwww


うみねこのガァプが甲斐田ゆきさんな件www エロいお姉さんですねわかります。ありがとうございました。来週は花血ですかね、すげえ楽しみwwww
このキャストの力の入れようはさ、散もやってくれるよな……? じゃなきゃ夏妃さんが可哀想で可哀想で……! あれで退場なんて寂しすぎる。
EP6のジャケットと肖像画とスクショも見ました。
やべえだろバトラ!!! さすが次のゲームマスター。イケメンすぎる……!!
私もう推理とかどうでもいいんで、取りあえず楽しめればそれでいい。


椿視点を書かなきゃならないんだけど、その前に大和の誕生日話でも。
せっかくだしね! 書かなきゃね!!

2009.11.27(Fri) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

どうしたもんか
予約金払いに行くついでにマジアカを1時間半ほどやって、そのついでにレッグウォーマー買って、更についでにパルコに寄ってみたら、欲しいなあと思ってたけどいつの間にか消えてたネックレスがまた売ってた。なんか10%引きだったので、これはきっと買えってお告げなんだと思って買ってきた。
安くないんだけど、KAZAのアクセサリーはどれ見ても可愛いと思うんだ……!!
懐中時計とか本気でほしい。
飲み会はまあまあ楽しかったですが、新宿が無理。私は池袋が限界。駅に着いて早々、「新宿に東口は存在しません」と自分の中で結論づけました、もとい、迷いました。
合流できたからいいんだけどね……。結構メアドも交換できたし、ビンゴでマックカード貰ったし(土曜の昼食と消える予定)、NHKひとりでガン見してたけどな。
KAZAのネックレス買えたのが一番の収穫。



じゃあ簡単にノーマルエンドに到達するとどうなるか考えてみる。
あの世界のタっくんと紗央は絶対に相思相愛にはならないこと前提なので、つまりタっくんによる紗央独占状態開始。どうなるのか知らないけど、取りあえず新條まゆがびっくりする展開になりそうです。
寧ろ即正妻にして、俺の子供産めとか本気で言うよねこの人。
ついでに言うとこのエンドに到達すると、椿が殺そうとしたところでタっくん死なないと思うんだ。返り討ちだよね!
で、ぎゃあぎゃあ騒がれると面倒だからローテブルク攻略にかかるよね。
残存兵とかもう関係ないよ! 取りあえずもうアンドゥーと奈央あたり殺しとくか☆みたいな感じだよ、全然幸せじゃないよ!
アンドゥーとか奈央を紗央の目の前で殺してやるんだぁ☆って思ってます。それで泣き喚く紗央が見たいんです、普段偉そうにしてるクソガキだからね。
だって撤退条件で来たお姫様を即地下牢に繋いでおく男なんて真剣に好かれるわけないじゃない……。紗央だってそりゃあもう寂しくて仕方ないだろうから、ちょっと優しい一面とか見たら印象少しは変わるかもしれないけど、もう無理ですよ、だってタっくんだもん。
この世界のタっくんと紗央は、城下観光デートでだけ幸せそうだといい。


空奈央だけちょっと書きたいんだよなあ。近代戦パロ。
あとはクラナドのアフターストーリーのパロで空奈央。あの、赤ちゃんが欲しい云々ってところ、そのままやらせたい。声は春原だけどな空……!! 
いつか書こう。ゼミのレジュメをどうするか、がまず問題だ……。
長崎通詞の知識欲パねぇwww
地味にやります。


その前に大和の誕生日……!!! 毎日うっかり忘れるわ……!
明日バイト中考えよう。周年祭だから面倒そうだけど!!

2009.11.27(Fri) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

妄想するだけ

タっくん、大和、与一郎君、紗央、そこに琴也を足すと本気でストッパー無しのバカ王国になります。
しかしこれだとちょっとくらいこっちもほのぼのするかもしれない。
紗央が繋がれてる地下はかなり広いけど、王族の用がないような部屋だから、台所設備みたいのがあるといい。で、世間話係(笑)の与一郎君とは料理の話とかいろいろしてて、実際振舞ったりしてればいい。食材調達してもらって。
そいである日与一郎君と、たまたま様子を見に来た大和と琴也と、珍しく足を運んだタっくんが揃ったので料理を振舞ってみる。そいで、食べさせる前に紗央なら言う。

「この際だからはっきり言わせてもらうけどね、あんたら王族も食べてるらしいこの城の食事、うちの国じゃ豚のエサレベルよ!!」

ってな。与一郎君は頷きながら黙々と食ってりゃいい。誰も食べ始めてないのに(笑)
大和あたりは狼狽して、「ちょ、お前、それはうちの料理人に失礼だろ……!」とか言う。

「失礼じゃないわよ、職人を育てるのが金持ちの仕事なの! あんたら王族が料理できないんだかなんだか知らないけど、そうやって怠惰だから料理人の腕を殺すのよ!」

とか言ってショック受けさせればいい。琴也は個人的にローテブルク出身でいいかなと思ってるので、「あー、確かにあっちのメシは美味いもんなー」とか言えばいい。
でもって兄弟も食べてみて衝撃を受ければいい。特に大和は城から出ないので、城の食事が一番いいと思ってる可哀想な子。

「うわ、今俺初めて戦争してよかったと思ってる……。城のメシより美味いもんがあるとは……」

とか言い出したら、与一郎君と琴也とタっくんに揃って

「「「えっ、なにそれこわい」」」

とか言われればいい。
芹沢家のみなさんは自分が料理できないもんだから、できる人=すごい=すごい人が作るご飯はおいしい、という腐った方程式をお持ちです。なので不味くても文句言わないんです。
紗央に言わせりゃブタのエサ。この格差どうにかしないとwww
そのうち紗央が結構料理作って一部の人に振舞うようになったら、

「どうしようこの戦争絶対勝たないと……」
「俺たちの食事的な意味で大変なことになる……」

というしょうもない会話がされそうです。




そいで、まあ美味いモン作るなあ、と思ってるタっくんですが、「んなボコボコに言われちゃ敵わねェな」っつって、城下案内とかに連れてく。不味いのは城のメシだけで城下はそれなりに美味いモンがある! っていう。城出て働いてたからわかるんです。大和とは違うんです。
ヴァルトハイムは工場が多いはずなので、職人さんがたくさんいるんだろう。となると片手で簡単に食べられるものってことで、バーガー系が進化してそうなイメージ。ローテブルクはプレートで食べる優雅なランチって感じがします。
タっくん軍服着て、紗央には町の娘みたいな服着せて城下観光。バーガー系とかさ、ケレスさん絶対似合うじゃないかアメリカ人設定だから。そしたらまた、似合うだろうなあ、って思って後々鬱になる。
城下観光したらそのついでに風哉くんに会いに行けばいいんだ。
そいで、「え、……なんかすごい似てる顔が城にいた気がするんだけど」っていう王道な流れ。


食事シーンから観光までのところを考えたら、もうどうしたってタっくんは紗央手放したりしないだろ、と思えてきた。紗央は帰りたいよ絶対。ケレスさんと奈央が結婚とか、話聞いた時点で絶対奈央のこと憎く思っただろうし、ヴァルトハイムに来てからものっそいいろんなこと後悔してる。一番驚いたのは奈央のはずなのに酷いことしちゃったなあ、とか思ってるし、ケレスさん以上に好きだと思う人なんかできないよなこの紗央は。
何をするにしてもいちいち思い出して夜になると泣いてる。ルミは紗央の世話もしててそれ知ってるといいなあ。大和とかが「最近いいんじゃね? ノーマルエンドフラグじゃね?」とか言ってる時に、「いや、ないない」って思ってくれてるといい。
そのうちタっくんが手枷足枷外してくれて、地下から出してくれる。で、俺の部屋にいろ、って言う。
「枷外していいの? 逃げるかもよ?」って紗央は言うけど、紗央に行くところなんてどこにもないはずなので、「逃げたら俺が殺してやるよ」って言うんだ。
紗央が奪い返されたらタっくんはシュヴァルツシルトとドンパチやり始めるかもね!


紗央を取り返す作戦中に空が奈央を連れ出すといい。ケレスさんはアンドゥーから待機命令が下されるんだけど、空が「一番信用できる整備の奴出したから、俺が代わる! 行ってこい!!」って言う。
奈央はきっと随分前から空を物陰から見てただろうなあと思うので、空が話しかけてくれたら嬉しいんじゃないだろうか。空は奈央の気持ちはわかんないけど、自分の気持ちはわかるし、「逃げちゃおうか?」って言う空はなんかちょっと見たい、ボイス付きで。
で、書き置き残してお姫様連れて亡命。真面目にメカニックしかやってないから金は貯めてると思うんだよね!
しかしこれ全部終わった後ケレスさんどうなるんだと真面目に疑問に思う。どっか行くなら今度こそ紗央は絶対ついていくよ! 来るなって言われてもウザいって言われても絶対退かないよ! 大和に説教しといて、一番何も言えなかったのは紗央だからもう絶対退かないと思う。
この紗央はある程度精神的に鍛えられてるからそこまでウザい感じはしないな。本筋・ご近所よりマシかもしれない。抜けてて面倒な部分はしこたまあるが。
国は基本的にアンドゥーが継げばいいのであまり心配していない。
設定詰めて環境考えるのも好きなんだけど、人物の心情を考えるのが一番楽しいので恋愛関係は考えがいがある。空と紗央はどう動かそうかわくわくします。


そろそろ大和の誕生日話でも考えなきゃなんないんだけど、どの時期にしようかな。
ご近所でもいいけど本筋でもいいし。久々に本筋未来話とかな。
せっかく炎而くんと椿のあたり再開させたんだから(笑)、椿が炎而くんとルームシェアしてる時期でもいいかもしれない。
……問題はその大和を私が書けるのかという話だ。ご近所とかの影響強すぎて無理なんじゃね?(笑)

2009.11.26(Thu) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

カイジ待ち

「君に届け」は悪くないんだけどね、キラキラしすぎてて、見てるとイラァアアアアアアッとするので見てません。キラキラしすぎなんじゃうがぁああああああ、ってなります。
今日ちょっと「けいおん!」のアニメ見てましたが、あのしょうもない感じはうちの部と通ずるものがある気がしました。
だからさ、ひと月の半分って15日なんだからさ、15日のうち10日もバイトってなんなの私。入れるって言ったけど入れてくれとは言ってないよ、新人とか入れなきゃダメじゃね?


近代戦パロの一番素敵な終わり方について考察。
やはりシュヴァルツシルト、ヴァルトハイムのどっちかが勝つというのは王道かつ当然すぎて面白くない。ということで何が幸せなのか考えてみる。

①夢オチ
しかし本筋未来話とご近所設定が入り乱れているので真紘あたり存在が怪しくなってくる(笑)
流風より樹理のが年上とかいうパラドックスもどうしたらいいのかわからない。
誰の夢にするかも問題ですが、そういう時のためのカルロスではなかったか。

②アンドゥーの一人勝ち
なんか一番平和的に見えて納得のいかないエンディング。
しょうもない感満載でお送りします。

清浦が突然国を興してすべて平定する
これ私イチオシです。
な ぜ そ こ で 清 浦 … … wwwwww
ってなるのがいいんじゃないか。清浦がみんな捕虜にしちゃえばいいよ! 
そいでその後、清浦の支配に耐えられなくなって、これまで戦いあった敵同士が手を組んで蜂起、平和国家設立、と。やべえ超ハッピーエンド。
清浦の支配というのは具体的には、地下に核シェルターを作るために延々土を掘らせたりするんです。地下には独自の秩序があって以下略。


リアルに考えるとやっぱりタっくんが椿にやられるのが一番かなと思ってる。
そのまま戦争終わらせたいけど、劣勢の状態で和平申し入れは敗北と一緒だし、負けたいわけじゃないのでどうしても自国優勢で終わらせる必要がある。だから大和もそこまでは頑張ると思います。
大和がある程度納得して仕事をすることに椿は納得がいかないといい。どんな理由があったとしても、両親を殺したタっくんを許すことなんてできない。
タっくんにとっては瑶子さんがある程度腹割って話せる相手だったりしたらいいな。豹変したところ見せるとかじゃなく、軍事国家の士官学校にいるんだから国に忠誠を誓うつもりなんだろうなとタっくんは思ってる。だから瑶子さんは国についてきてくれると思ってる。でも作戦が終わったら国を出ちゃうので、余計孤立するんだろうな。寂しいとかはないけどな。なんで? とは思ってそう。
紗央は地下に繋がれたら、「ちょっとそのちまいの貸しなさいよ」って与一郎君と延々駄弁ってそうです。地下は手枷足枷があるのにやたらと生活臭がする部屋だといい。五年の間に何人も来た正室候補の方が生活した場所。
タっくんと紗央はどういう会話すんのかなー。紗央は捨て身で来てるから遠慮とかないだろうな。「あたしのだけならいいんだけど、あんたらもあんなまっずいご飯食べてるの? そんなだから性格悪い上に友達もいないのよ!」とか言ってればいい。紗央が作った方がうまいよきっと。
なんか今ディズニーの「美女と野獣」思い出したよ。野獣はベルを家に帰してくれるけどタっくん帰さないよ。悪い野獣だ!
あんまり交流するとタっくんのことなので独占しようとするに決まってる。しょうもない口論しまくってる二人を見て大和とその部下たちが「あれ、ちょっとノーマルエンドのフラグくらい立ってんじゃね?」とかほんのり思い始めればいい。でも紗央は夜一人で泣くよな、それが期待を裏切らないってことだよな!!(意味が分かりません)


タっくんと大和の双竜フラグはちょっといいなと思ってる(笑)
その二人に軍のトップで冬二くん入れたら個人的にはすごい好きだ、声的に。軍服ときめくんで冬二くんものっそいカッコイイだろうな!!
ミラ☆トレのOP、置鮎の声がすごい目立ってるんですが嫌いじゃないです。
とりあえず5人のだいすけによるCDとやらはジェネオンのご乱心ですよね。タイトル「DAISUKE」って、お前……。阪口大助聞きたいじゃないか……。


本筋で瑶子さんが留学するって時に理央がプレゼントでカラオケで録音したCDとかあげたら私それすっごい吹く。とこの前思ったんですがそれは私のご乱心です。
でも瑶子さんは本気で欲しがりそうだ。今カラオケで自分のCD焼けるもんなあ。
3曲だったか5曲だったか。瑶子さんはそういうの本気で自慢する人だと思う。
あ、3曲ですか。ありがとうございます。(調べた)
死ぬほど恥ずかしいから自分では聞かずに歌うだけ歌います。瑶子さんはいたく感動して、メールとか手紙で第二弾、第三弾と要求すると思います。
女性アーティスト特集とか、奈央とデュエット特集とか。理央はカラオケ行くたび録音させられるのか……。帰国したら紗央に自慢する。でCD再生されて理央が恥で死にそうになる。
自慢ついででケレスさんに会った時とかにもウォークマンに入れてる奴聞かせそうです。これはひどいいじめwwwwww そんなことされたら理央もう出勤しなくなるわwwwww
瑶子さん悪気ないから理央も強く言えない。

「あの、褒めてくれる気持ちはありがたいんですけど、他の人に聞かせるのはちょっと」
「え、だって本当に上手なんだよ!? 留学中もね、理央くんの歌う洋楽友達に聞かせたら絶賛してたもん!」
「向こうでもそんなことやってたんですか!?」
「だぁって私ひとりで楽しむなんて勿体ないもん、こんな素敵な歌声リピートしてたら私の耳が溶けちゃうよ!!」
「恥ずかしい台詞大声で言わないでください!」

ってな。黙らせるにはあれですよね、「瑶子さんに聞いてもらうために作ったんだから、他人に聞かれるのは心外です!」くらい言わなきゃダメだ。って瑶子さんは待ってると思うんだけど、理央のことだからそこまでは言えないっていう。
瑶子さんはそんなもやもやを紗央に全部ぶつけて、「ねー、どう思うー?」「好きにすれば?」って会話をしてほしい。紗央からすれば、ちょっと黙ってろよこのバカップル、って感じ。しかし紗央さんよ、お前が言うのか……。紗央の音痴加減はそろそろ想像するのが怖くなってきました。
タっくんすら一瞬引くレベルだといい。
「……いや、音痴差し引いてもお前よりいい女は俺の世界にはいない!」って言ってくれるって信じてるよ、だって馬鹿だもんね!(爽)
タっくんもあんまり歌うまくないよね、うん、イメージボイス的な意味で……。



馬鹿な子ほど可愛いんです。それはそうなんだけど、やっぱり馬鹿は馬鹿なんです。
私の作るキャラなんだから賢くはならないはずなんだけど、輪をかけて馬鹿が多い。
馬鹿だから戦争パロしてるときくらいまともになってくれ、芹沢さんちのご兄弟。
本筋では桜井夫婦が芹沢邸の一部を倉庫代わりに使ってるのがガチだと思います。
絶対やってます。大和もルミもね、タっくんと紗央のタッグには言い返せないと思うんだ。

「いいじゃねぇか別に、なぁ紗央」
「そーよ、無駄に広いんだし」
「しかもお前らに搬入頼んでねぇだろ、俺がこうして直々に足を運んでるしな」
「何言ってんだ当然だろ!! ああもう何でお前ら再会しやがった!!」
「うわひでぇ言いようだぜ、聞いたか紗央今の」
「ルミに喝入れてもらわなきゃ結婚の決断もできなかったヘタレのくせに」
「だよなぁ」
「うるせぇよあんたみたいな重度のメンヘル女にだきゃあ言われたくないね!!」
「あァ? 大和てめェ俺に喧嘩売ってんのか? 紗央はそこがいいんだろうが!!」
「うがあああああ、いいよわかったよ倉庫代わりにでも何でも使えよだから取りあえず帰れ!!」

しょうもねぇ夫婦だwww 大和すげえ可哀想。タっくんしょうもねぇな。病むほど俺のこと好きな紗央って可愛くね? ってスタンス、もうバルスればいいのにwww
人間的にはご近所のが余程まともだな紗央。それは当然旦那のランクが比べ物にならないからです……! なんていうか、人として。DQ5みたいな楽しさがふつふつと湧いてきました。


さて、秋臼さんにIDとかパス教えようと思ってたんだけどどうするかな。
メール打つのめんどくs(ry


2009.11.25(Wed) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

マジで眠い


今更ながら発表のテーマを殉死とかにして特攻とか調べた方が自分のためになったような気がします。アホなことしたわ。
気分転換にテンプレート変えてみた。超シンプル!


近代戦パロの炎而君と真紘と樹理はすごく仲が良さそうです。
真紘と樹理は元々幼馴染とかな。
紗央あたりに、「真紘って片方だけ目の色あたしと同じねー、珍しい」とか言われて、真紘が返事する前に樹理が「ああはい、なんていうか彼は変なんです」って言えばいい。で、キレたらいい。「やだなあ混血とかいろいろ理由があるからって意味で言ったんですよ他意はないです」「お前は他意でできてるだろうがぁああ!!」とかな。この二人が言い合いする時に間に入るのが炎而くんということで。
アンドゥーのとこも軽く何か書かないとなあと思っている次第。紗央と奈央に料理教えてるのがシーマスさんとかでもアリかなと風呂で思った。元々は王城仕えのおじいちゃんシェフに教わってたんだけど年だからって引退しちゃってしょんぼりしてたりして。で、苦労人トリオの誰かがぽろっと軍に上手い奴がいるらしいとか喋っちゃえばいいと思う。紗央なら乗り込むよ。奈央はずっと紗央の後ろにいるよ。
かなり出来る方だろうから、新しいレシピとか一緒に考えたらいい。料理できるお姫様なんて私はあまりお目にかからないので楽しい。


その紗央がタっくんのとこに行った後とかも考える。あのしょうもないエンディングにするつもりはないけど、ある程度大和を説得できて、第三者だからこそタっくんに一定の理解を示せる人は必要だと思う。じゃないと本当にただ負けるだけになるからな。点呼どんのところがいくら黒幕集団だからって(笑)、ただ負けるだけなのは真性の馬鹿になってしまう。
兵器があって、従軍してる人間がたくさんいて、それなりの教育水準で、普通にやったら勝てないはずないと思うよ。射程距離の長い大砲とかそういうの搭載した戦車とか開発したら侵略し放題だと思うんだ。ただトップがメンテ好きだし中身に難がありすぎるからそう上手くいかないだけで。
どうせ戦争の道具に使われてるんだから、自分の存在が無駄になるのは紗央は絶対嫌だと思う。泣いて暮らしたりはしてない。
だから、「あんた忙しいとかなんとかぼやいてるけど、味方してくれる部下がいるじゃない。あいつに味方っていないの?」って聞いてあげればいい。タっくんは孤独だからどうのとか少しも思っちゃいないけど、紗央からしたらそう見える。
妾の子供で、出しゃばったりできなくて、いつも隅で機械いじってる。理央と仲良くなれそうだな、何か。今までの自分の立場をわかっているからこそ、簡単に暴力でねじ伏せて顎で使えるのは半分血の繋がった弟しかいない。逆に、弟の能力をある程度買っているからこそ押し付けることもできる。タっくんはできないことはしないよ。できないことは大和に全部押し付けてる。大和はタっくんのできないことできるからな。
弟と思われてなくても、ただの部下だと思われてるだけでも、大和は一応王子だから行動の理由を聞く権利があるだろうし、王族である以上理解しておく義務もある。理解できないならストップをかける権利もあると思うし、そうする義務もあると思う。それをタっくんがどう思うかは別にしても、そういうのは他の兵士とかには絶対できないことだから、大和がすべきなのはタっくんの意図を理解することだ。私なら無理です。
「わからないと思ったら聞かなきゃダメなのよ、わかんないことわかろうと思ってるだけじゃどうにもならないんだから」とか言って、その辺で紗央もいろんなこと思い出して泣けばいい。ケレスさんのことばっかり思い出して泣いたらいい。
こんなイベントがあれば、ある程度タっくんの国はまとまるのかなと思います。大和が唯々諾々と従うだけじゃなくて、事実関係の調査をちゃんとして、無謀だけど軽く筋は通ってることをわかってくれれば、ただ虐げられてるって感覚は減ってくるんじゃないかな。大和だって国を滅ぼしたいわけではないわけだし。
タっくんにいちいち「うるせェんだよガキは黙ってろ!!」とか言われても退かないといい。「国民感情を蔑ろになさるつもりですか!? 国民は最大の資本です! ……俺だって負け戦がしたいわけじゃない、ここまでやったらあとは勝つしかないでしょう」って、タっくんがやらない国民への説明とかを果たすのが大和ならいい。大和が政治面を取り仕切ればタっくんは軍事に専念できるわけで、双竜フラグを立てておく。
ラストまできっといかないだろうけど、まあ考えられるのは結局負けるか、タっくんが椿に刺し殺されて大和が繰り上がって継ぐか、ってところだろう。結局負けるとすると王家断絶もいいよね! タっくんが志半ばで死んだらどうするかな。降伏も何か可哀想だし。
タっくんと大和の共闘って考えるだけで私すごく滾るんだ。声的な意味で。


タっくんが紗央に惚れたらもっと頑張るだろうけど、それをやると負けた時絶対この男心中するので。
本筋でも絶対そうだ。大和もそうする。このパロのタっくんは片想いだろうと道連れにすると思います。
芹沢さんちダメだなあ、もう。本当に危機になったら紗央殺して自分も死ぬよタっくんは。ルミ殺して自分も死ぬよ大和は。子供は取りあえずいいんだ、嫁にだけは手出しさせない男。
「「はぁ? だって俺死んだらコイツ生きてけねぇもん」」
って声揃えそうです、馬鹿兄弟!
ダメな男ばっかりだけど、椿もそういう考え方しそうだなとちょっと思ってる。本筋な。ご近所は違うけど、本筋だったらそういう考え方してそう。炎而くんはそういう思考しなさそうです。
瑶子さんは間違いなく「理央くんは私が守るから、どーんと任せちゃいなさいっ」とか言うと思います。
紗央は心中の誘いには泣いて喜びそうです、ドMだから。でも自分から持ちかけることはないです、相手の分まで自分を痛めつける方を選びます、ドMだから。大事なことなので(ry
そういやタっくんは桜井家潰されてもどうでもいいですが、嫁と子供に手ぇ出されるってなったら「OK、じゃあ戦争だ」ってなる。この人こんなにしょうもなくていいの!? 一応うちのレギュラーぽいキャラでは最年長なんだが!(流風のパパはレギュラーってほどじゃない気がしてる)


秋臼さんと喋ったことの延長ですが、本筋の椿って高校在学中と卒業後じゃ明らかに違うよな。
やっぱり甘えがあって、変な安心感があって、なんだかんだで椿の中で炎而くんってナイトっぽい扱いになってるんじゃないだろうか。ある程度相手のことを理解してるっていう自負もあることだし。
炎而くんが人間だとか男だとかそういう前に、椿の中で炎而くんって炎而くんなんだ、多分。
そう思ってるから、一般論をかざしてもどうってことないだろう、って根拠の無い自信がある。
って感じかなあと思ったりもするし、炎而くんの学生生活を垣間見て、女の子と喋ってるところとか目撃して、彼も人間なんだ男なんだ、って心の奥底でほんの少しだけ思ったとかな。その感情がいずれ嫉妬に直結するようなもんでもいいかなと思う。
本筋椿はご近所ほど抜けてないけど、抜けてないくせになんだお前、と思うことも多々。


昨日の帰り道、「紗央は銀魂のさっちゃんばりのドMなんじゃないかなあ」と真面目に考えました。多分間違ってないと思います。精神的に病みやすく、肉体的な痛みも嫌いじゃありませんあの子。
磁石13書いてる時ピークでそう思ってた。空と紗央の素が凝縮されてたから書いてて本気で楽しかったんだ。深夜テンションも手伝ってくれたし!
いやあうちのキャラって私とかけ離れた変態が多くて困りますね! 全員根暗なところしか似てないよ私とは!!
タっくんとケレスさんじゃ同じ言葉遊びでも対応が全然違いそうで楽しいです。紗央の反応はどっちも同じような感じだろうと思うのに。でもケレスさんの方が絶対実のある楽しみ方をすると思います。芹沢さんちって、基本的に惚れた女には盲目だからさ……。大和はルミ相手だしある程度自重するけど、タっくん余裕で「はぁ!? 俺の嫁が世界一美人に決まってんだろ常識だから辞書に追記しとけ!!」って日曜の竹下通りで素面で大声で言えます多分。もう逮捕されろよお前……。


流石に眠いので寝ます。明日も朝からバイト!!
設定書くと満足するよな……。

2009.11.24(Tue) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

気が置けない




 作戦会議は連日深夜まで続く。小隊長レベルが召集される会議など作戦直前であることが多く、中隊長に呼び出されて初めて作戦が伝達される。その中隊長は大隊長に招集される、大隊長は一番上の会議に出席する、という連鎖がある。しかし今回の作戦は瑶子たち小隊長と中隊長が一緒になって大隊長に指示を受けるのだ。時間がなくて細々と会議の時間を取ることができないのだろう。そのくせ総力戦だから伝えるべき内容・考えるべき内容は多い。夕飯時から始まった会議は日付が変わるまで続くのだ。今日もその例に漏れない。
 長時間に及ぶ会議を終えて、欠伸を噛み殺しながら瑶子は司令部を出た。瑶子の住まいは士官学校の寮である。他にも士官学校から召集されている仲間はいるけれど、瑶子は女性のために寮の方角が男性とは少し違う。加えて同じ寮に住む女性は大半が士官学校に併設されている看護士養成学校の生徒であるため、作戦会議に出席することがなく、自然と帰りは一人になってしまうのだ。
 ブーツで地面を踏みしめながら歩く。司令部から寮までは疲れた状態で歩いて十分程度。学校の敷地の端にあるので学校の門についてからがやけに遠く感じるのがネックだった。大量の書類の入ったファイルを腕に抱え歩くことしばらく。どうも後ろから足音がつけてきているような気がして振り返る。軍人になるのだからこれしきのことで恐怖を抱いているわけにはいかない、とは前々から思っていたため、襲われるかもしれない、という普通女の子なら考えそうなところは一切考えない。

「……あ? 瑶子か」
「その声は拓海く、違う違う、陛下ですか」

 外灯の明かりにその身を投じたのは、紛れも無くこの国を統べる王――拓海だった。瑶子が従軍していた時以来なので、三年近く会っていないことになる。
 国王になったというのにその身に纏っているのは、おそらくオイルの匂いのする軍服だ。王族なら、もとい国王ならもう少しまともな服装をするべきだと瑶子は思う。というか、こんな時間に出歩くべきでないと思う。

「暗殺されますよ?」
「こんな服着てんのが国王なんて誰が思うんだ? 俺は思わないね」
「そりゃそうですよ、普通国王陛下は護衛ナシで深夜に外うろつかないです」
「じゃあお前がやりゃいいだろ、護衛」
「はぁ!? なんで私が!」
「士官学校のエリート、中尉クラスで陛下の護衛なんざ普通鼻水垂らして喜ぶモンだろ。出世の足がかりになるかもしれねェぞ」
「それはそれはありがたいですねえ」

 そんなことするつもりもないくせに。出世に興味が無いから長いこと車庫の隅で戦車をいじっていたのではなかったのか。
 国王陛下にゴマをすりたい人間ならそうするかもしれないが、中尉クラスで陛下の護衛につくことなどまず無い。有り得ないので鼻水を垂らす想像すらできない。
 しかしここは着いていかなければならない空気だ。別れた後万が一のことがあっては収拾がつかなくなる。

「……それで、陛下はどちらへ?」
「工場。今は二十四時間体制なんだとよ」
「軍需産業潰す気ですか? 死にますよ作業員」
「死なねぇよ、とんでもねぇ額の援助金つけたからな」
「それは陛下の発案で?」
「もちろん」
「ああ、……そーですか」

 言いたいことはしこたまあったがあえて言わないでおく。過労死の噂が囁かれている王子様もこれが相手では大変だ。
 勉強不足だから兄が緊急で継いだのだとご本人からの弁明はあったが、大和王子の方が余程賢いだろう。勉強不足は経験で補えそうなものだ。
 国王に必要なのは座学ではないだろう。もちろんそういった部分も人として必要な場面は出てくるかもしれないが、机に向かって勉強すればどうにかなるものは後からでも補える。実践部分はどうしたって実際に動いて見なければわからないだろう。その点において、拓海は大和と同じくらい経験に乏しいはずだ。指揮していたといってもせいぜい数十人の小隊程度。国を動かせるほどの力量があるとは思えない。
 ……だが、総力戦に向けて軍が機能しているのも事実だ。こんな無謀な作戦、普通は頓挫する。まだ若い王子が奔走しているという話も聞くけれど、それにしたって普通は止めるはず。これまで王になるための教育を受けていた大和がこの無謀さがわからないわけはない。ということは、どうしても成さねばならない事情があるということだ。
 ――何がある? 何があればこんな無謀な作戦を国ぐるみで行うことになる?
 まずおかしいのは国王の代替わりだ。前国王の死については病気というだけで国葬もなく、細かな説明すらされなかった。そこがまず、おかしい。そして新国王は即位式すらせず、国民の前には姿を現さない。そのくせこうしてひとりで深夜に出歩く。

「……私の隊に新しく入ってきた子で陛下に憧れてる奴がいますよ」
「そいつは将来有望だな」
「銃の調子が悪いからって銃口覗き込む馬鹿ですけどね」
「それで軍人になろうってのか? 上官の顔が見たいねぇ」
「ああそういう言い方します? なら陛下の黒歴史とか黒歴史とか黒歴史話しちゃいますよ」
「お前全然陛下とか思ってねぇだろ!! 自重しやがれ!!」
「だって陛下は私の元部下ですよ? しかも直属ですぐ下の。いきなり国王陛下ですって言われて納得できるかってんですよ、丁寧語が精一杯なんですー!」

 瑶子が軍曹だった頃の伍長が拓海だ。いくつか作戦も共にこなしたし、訓練などでもそれなりの期間行動を共にした。将来は指揮官を目指すつもりではいるものの、歩兵としては拓海と同じく後方からの戦車整備や援護を主に行なっていた瑶子だからこそ、拓海の人となりもある程度は理解しているつもりなのだ。政治家に向いているタイプではない。根っからの技術者だ。そう思っている。
 だからこそ総力戦などという馬鹿げたことをするなんてまだ瑶子には信じられない。何者かの入れ知恵があるのかもしれない。国王がGOサインを出さなければこんな作戦が実行されるはずがない。傀儡となっている? この人が? だからこそ深夜にこうして出歩けるのだろうか?

「………ここまででいい、もう帰れ」

 学校のすぐ近くに建っている工場が見えてくると、拓海は立ち止まってそう言った。ここから寮はそう遠くない。

「ご一緒しなくて平気ですか」
「平気じゃねぇと思うなら着いてくりゃいいだろうが」
「なら帰らせていただきます。メカオタクにはついていけませんので」
「あーそうかよ、早く帰って寝やがれ。雑魚兵どもは明日も早くから訓練だろうからな、国王陛下の慈悲深さに感謝しろ」
「残念でした、うちの隊、明日の朝訓練は中止なんです。連日早朝から深夜までなんて、当日まで身が持ちませんからね。誰かさんの無謀な作戦のおかげで」
「ふん」

 ……これで何か吐き出すだろうか。
 そんな思惑もある。かつての同僚に遠まわしに嫌味を言われて、本当に傀儡なのだとしたら愚痴のひとつ零してもいいはずだ。
 じっと次の言葉を待つ。


「殊勝な心がけだ。お前は上官向きだよ」


 ――え。
 拓海の声に心がざわつく。
 わかっている声だ、何をやろうとしているのか、理解している声。
 命令は、おそらく本当に、“国王陛下”から発されているものだ。国王陛下から。すべてを知り、力を握る国王陛下から。

「じゃあな、おやすみ」
「お、……おやすみなさい」

 ひらひらと手を振る拓海の背が小さくなって工場の中へ消えていくまで瑶子はその場に立ち尽くして見送った。



2009.11.23(Mon) | 近代戦パロ | cm(0) | tb(0) |

いい話


青い文学の「こころ」の後編だけ見れた。
あの番組どの曜日の何時にやってるのかわかってなくて見れてなかったんですが、土曜なんですね。覚えておこう。
あの番組は独自解釈入れてるってんでいいんだよね? そうだよね?
最初は「あー懐かしい、うん、あったあった、うんうん」と思ってたのに、「え、お嬢さ、え、あの、K? え、ちょ、ま、K!?」と思ったのは私だけではあるまい。
ていうか先生かっこよすぎないか。あの淡々とした語り口といいイケメン具合といい、堺雅人は叡一くんでいいよね! ガチだよね!
Kを見てたら切なくなりました。あれは見やすい解釈だよ。途中明らかに妄想入ってたけどな。
先生に「精神的に向上心のないやつは、ばかだ」って言われてから、Kが「そうだ、俺はばかだ」って言うところは個人的にもっといろいろ凝縮されたものがあったと思ってたんですが、ああいう解釈ならまああれでいいかなって感じ。いやもう、湯たんぽ見つけてから自殺までの流れ美しい。
Kがお嬢さんにフォーリンラブしていく過程が実に面白かったです。
人間失格観に行きたい!! 実写映画にもなるみたいだけど、堺雅人の観に行きたい!!
水曜とかバイトなかったら観に行こう……。鬱になろう。


「こころ」のパロも憧れるな。もちろん過去編一択で!!!
けど先生ぽいキャラがうちにはいない。空・アンドゥー・奈央じゃギャグにしかならん。
まず自殺してくれそうな男キャラを探さなきゃいけないんだけど、そうするともう大和かタっくんかですよね。タっくん・アンドゥー・紗央ならパロいけそうな気がする。
Kがタっくんで。アンドゥーが先生だったら、確信的とかじゃなく素で人を殺しそうな気がします。素直さって人を殺すよね!
……いやあ、でも、精神的に弱っていくタっくんとかキモいだけだな、多分。
その前にアンドゥーとタっくんが同窓ってところが有り得ん!!!!!(笑)


琴也の声は森久保あたりかな、とアドベントチルドレン見てて思った。
ああいう感じかなあ、と思う。
アラジン最終章の三木眞一郎がナチュラルすぎる……! 違和感ゼロだよあの人……!
そう思うとすごくリトルマーメイドがみたくなります。井上エリックwwww
この前赤毛のアン見てたら井上和彦いて吹いた。ギルバートwwww
琴也と炎而くんが絡む話とかも書いてみたいかも。「えー、俺背高くて優しそうなイケメンって好きくなーい」とか言い出すんだ。「だって俺より目立つもん!!!」っていう。
なら生徒会とかやればいいのに、話がきても断ってると思う。部活の方が好きだしー、って感じで。
貴久先生のとこの双子とも年同じはずだから絡みがあってもいいのかなと思うけど、まずこういうタイプは相手にされないと見た。
あとは文系だけど先生生徒として流風と仲が良いといいな。
クリスマスは真紘を市中引き回しの刑(違)にします。ボーリングしてカラオケして遊び倒します。
最初は同じ学年の女子とか誘ってみんなでカラオケ行ってー、ボーリング行ってー、ゲーセン行ってー、って感じで。解散したらファミレスとかマックとかで真紘が延々愚痴を聞かされる。

「なんで俺クリスマスにお前といるわけー?」
「いや俺が聞きてえよ」
「じゃあ何で俺先週別れたの!? クリスマス前に!!」
「しかもお前が振ったんだから話になんねぇよな」
「だって浮気されてたんだぞ!? 黙ってちゃダメだろ男として!!」

真紘としては「ああはいはい」って感じの話をずーっとしてそう。
琴也は酒には強いけど雰囲気に弱い。なので盛り上がると水でも酔える人だと思う。うわあ手に負えねえ!! だから付き合いで飲むことがあったら結構いけそうな気がする。まあ琴也みたいのが付き合いで飲むとかまずないと思うんだが。



理央と付き合って3ヶ月くらいの瑶子さんが紗央にヘルプ求めるような話が書きたい。
そこばっか書きたいww ご近所だと紗央はただのアホの子なので面白くないが本筋だとそれなりに威張ってる。
頑張ろう……。
うみねこ、ガァプの声まだかなー。きんぞー☆の予告にむっちゃ吹いた。


2009.11.22(Sun) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

もどかしい距離


 その日、実家の兄貴から電話があった。


「ちぃ兄から電話してくるなんてめっずらしー! どったの?」

 ちょうどお風呂上りだった私は首にかけたタオルで髪の先を拭きながらカーペットの上に腰を下ろす。
 ちぃ兄から電話してくるなんて本当に珍しい。いつも電話してくるのは心配性のお母さんとか、お母さんに似て心配性のカズ兄かどっちかなのに。

『おふくろがたまには電話してやれってうるせえんだよ』
「へー、うるさいって言ってるくせに結局折れちゃったわけ。ちぃ兄もしかして私の声聞きたかったんじゃないのぉ?」
『あぁ? 寝言は寝て言えよ、ばぁか』
「馬鹿はそっちでしょー!! 学も無いくせにえっらそうに!!」

 両親は優しいけど、私の兄貴たちは基本的に意地の悪い馬鹿ばっかりだ。大学まで進んだのも私だけ。一番上のダイ兄は家継いで農家やってるし、二番目のカズ兄は地元の郵便局で働いてる。そして電話の相手、ちぃ兄は大工さん。社会人の先輩ではあるけど、私の学力に敵う人はいない。兄貴たちに勉強教わったことなんて一度もないもんね。

「ダイ兄とカズ兄、元気?」
『あー、元気だろ、多分。もう寝ちまったけど』

 その言葉に時計を見ると、もう日付が変わる頃。ダイ兄もカズ兄も朝が早い仕事だから、寝るのも早い。まだ私が実家から大学に通っていた頃も寝るの早かったからなあ。ちぃ兄はそんなことなかったけど。多分ちぃ兄は明日がお休みなんだろう。そうじゃなかったら電話なんかかけてこない。しかもこんな時間に。

「お父さんとお母さんは?」
『この前親父が腰痛めたって騒いでたけど、もう治ったみてえだ』
「お父さんそんなに頑張らなくてもいいのにねー。ダイ兄がいるんだからもうちょっと気抜いたっていいのに」
『ってカズ兄がダイ兄に言ったらしいんだけどよ、親父が手ぇ抜いたら俺の仕事が増えんだろ!! ってキレられたって』
「わーサイテー」

 情景が目に浮かぶ。ほんとーにサイテーだなあ、ダイ兄。カズ兄が可哀想。そんなこと言うなら家継いだりしなきゃよかったのに。カズ兄がやる気だったのに、変に長男ぶって、変なの。まあ、見た目的には農作業が一番似合うのはダイ兄だと思う。見た目からのチョイスは間違ってない。

『ああ、瑶子』
「なに?」

 携帯電話の向こうから聞こえる声に聞き返せば、くすくすと笑い声が聞こえた。堪えようとしてるけど無理、みたいな感じに聞こえる。

『おふくろが、そろそろ結婚考えて男見つけろってさ。今カンペが出た』
「カンペ!? 別にいーじゃん私なんて、ほっといてよ」
『そっち行ってから男いねぇのか』
「お勉強が忙しくてそんな暇ないんです! それに私は吟味する派なの。とっかえひっかえしてる誰かさんと一緒にしないでくださーい」
『おまッ、俺のこと言ってんのか!?』
「さーて誰でしょうねー」

 二つ年上のちぃ兄は今がまさに遊びたい盛り。結婚もまだ全然考えてないみたいだし、それ以前に、私が実家にいる頃から何人彼女を連れてきたことか。浮気性ではないと自分では言っていたけど、実際どうなもんなのやら。私はそういう男には引っかからないのでよくわからない。
 しかし結婚、ねえ。結婚が女の幸せと呼ばれる時代はとうに過ぎたはずだ。研究の道に身を置く私は人よりも数倍出会いが少ないだろうから、お母さんが憂えてくれるのはありがたいんだけど。やりたくてやってることだし、研究が好きなことも受け入れてくれる人じゃないと。そうなると、研究者の結婚相手は研究者と大体一般論と実態も合致してくるわけだ。けど、研究者と結婚したら毎日そんな話題ばっかりになるのかな。それは面白く無さそう。そんなことなら一生フリーで遊んでた方が気が楽かもしれない。
 ……無論、今好きな人もいるけれど、どうも脈がない気がする。あれは天然なんじゃないだろうか。

「ねえちぃ兄? せっかくだから相談に乗らせてあげてもいいよ」
『あ? なんだよ』
「今ちょっとだけ狙ってる人がいるんだけどね、その人と飲みに行ったの」
『お前と飲むとかそいつもツイてねぇなぁ』
「うるさいっ」

 自分がお酒に強いことも分かってたし、理央ちゃんと飲むのなんて初めてだし一応気になる相手なわけだしセーブしようと思ってたのについいつもの調子で飲んだら潰しちゃったの。私もちょっとは舞い上がってたってことよ、だってダメもとで誘ったら平気な顔で「いいですよ」なんて言うんだもん、理央ちゃんのばかっ、鈍感、イケメン!!

「それでね、まあちょっとその彼が酔っちゃって、介抱ついでに公園で酔い覚まししてたんだけど」
『襲われたと』
「人の話を最後まで聞かないからちぃ兄は生涯私に馬鹿って呼ばれるんだよ」

 受話器の向こうで怒り狂う声が聞こえたけど、それは無視。当然だ。

「私みたいなタイプは苦手、って言われたの。でも私は嫌いじゃないんだって。男としてこれってどゆこと?」
『普通脈アリって解釈すんだろ』
「だよねー、でも違う気がしてさあ」
『どうせいつもと同じで年上なんだろ、さっさと告って取りあえず付き合ってみりゃいいじゃねぇか』
「違うのー! 今回は年下なの! しかも超鈍感でねっ、妹といとこの女の子すっごい大事にしててね、そのくせ賢くてイケメンなの!!」
『なんでまた、わざわざそんな面倒な男を』
「それがね、顔とか雰囲気がむちゃくちゃ好みなの……」
『単純』
「うるさいよ、自分だって面食いで振られてるくせに!」
『るせェよクソガキ!!』

 そうです、理央ちゃんは年上でこそないものの、なんていうか、雰囲気が年上っぽいっていうか、あの感じがとにかく好みなのだ。
 だからと言って最初図書館に財布を忘れたのまで計算というわけではない。あれは運命なの。あれは偶然の賜物なんだから!
 実際理央ちゃんはあんまり年下っぽくない。奈央ちんや紗央ちんがいるからだと思うけど、お兄さんすることに慣れすぎてるんだろうなあ。年下としか付き合ったことないって言ってたけど、年下からのお願いを断れないだけだったりして。そんな中で、私はどう思われてるんだろう。妹、だとは思ってないと思うんだけど、お姉さんだと思われてるかって言われるとそれも微妙。妹でもお姉さんでもなく、私みたいなタイプは苦手と明言しているにも関わらず、理央ちゃんはほんとに優しい。選択の余地をあげてるのに、最後まで私につきあってくれる。素晴らしいジェントルマンだ。でも、理央ちゃんは多分、その優しさが人を傷つけることもあるってわかってないんだろう。私はきっと、彼の優しさに近々傷つくことになるんだろうなあ。

「私も一応頑張ってるんだけどさー、どうも超絶鈍感みたいで。これからどうしてくれよう、みたいな」

 はあ、と聞こえるように大げさにため息をつくと、ちょっと待てよ、と声。
 何を待てっての? 一応黙って待っててあげると、

『カンペが出た。お前の選ぶ男は見た目は確かだから頑張れってさ』
「何それ見た目第一なワケ!? 言っとくけどね、その人はかなり常識人よ!」
『シスコンでいとこまで構ってる男を常識に当てはめるのはいかがかと思うぞ?』
「う、……で、でもね、重い荷物とか持ってくれるし、呼んだらすぐ来てくれるしね、すごく律儀だったりね、とにかく素敵なんだからっ」
『だぁから、それなら告ってみりゃいいだけだろ。当たって砕けんのはお前得意だろ』
「それはちぃ兄でしょ!! 私砕けたのなんてそんなにないもん!!」
『うるせぇな俺だってそんなに砕けてねぇよ!!』

 そんなくだらない会話をまだ数分ぐだぐだと。
 そのうち兄貴が「眠くなった」と告げて、その夜はお開きになった。今度実家に帰ったらシメてやる、ちぃ兄め。
 携帯の通話を切って、充電器に繋げる。白い携帯がぽわりと赤く光った。

「……そんなこと言ったってなあ……」

 思い立ったら即告白、と行動していた時期もあった。私はそういうタイプの人間だった。でも、相手は選ばないと。理央ちゃんは絶対そういうタイプじゃない。理央ちゃんと本当に恋愛したいと思うなら、本当に本当に距離を詰めないと受け入れてくれない気がするの。今まで年下としか付き合ってこなかった理央ちゃんは、これまでの彼女なんて妹程度にしか思えてないんだろうと思う。私は妹にも姉にもどのカテゴリにも属しそうに無い。なら、慎重にならざるを得ない。それに、恋愛感情差し引いたって理央ちゃんっていい人だもの、一緒にいて居心地がいい。だからこの生温い関係でもいいんじゃないかな、なんて思えてしまう。そんなの一番嫌だって思うタイプだったのになあ、変なの。
 
「……あーもう、やめやめっ」

 夜にひとりでこういうことを考えると泥沼にはまるんだ。明日の授業に差し支えないように、髪乾かして早く寝ようっと。
 そう思い立った私は、ドライヤーをかけるために洗面所へ向かった。


2009.11.21(Sat) | Always I Need | cm(0) | tb(0) |

試しに



「隊長」

 突然の国王の代替わりから数日。北方への総力戦を二日後に控えた日のことだった。
 自らが隊長を務める小隊の訓練中、背中から掛けられた声に瑶子が振り返ると、そこには先週入隊したばかりの少年が突撃銃を手に困った顔をして立っていた。

「どうしたの?」
「なんかコイツの具合が悪いみたいっス」

 そう言って少年が思いっきり銃口を覗き込もうとするので、瑶子は慌ててそれを制した。突然銃弾が飛び出してきたらどうするつもりなのか。
 
「じゃあ整備に回して、代わりの銃をもらってきなさい。うちの整備士は七番隊出身でしょ、腕がいいから直るものならすぐ直るわ」

 この国の軍隊は通年で募集をかけている。この少年――慎吾はたまたま志願して入隊した時期に総力戦が重なっただけだ。まだ銃の扱いも不慣れな状態で戦場に向かわなければならないことに、瑶子は隊長職として大きな不安を覚える。第一、あの小さな地域に総力戦をかけることが間違っているのだ。戦争など、無ければ無いで構わないものなのに。何か事情があるから踏み切るのだろうとは思うが、そんな上層部や裏の思惑など瑶子にはわからない。ただ使役される立場としては疑念が消えることはない。
 いずれにしても入隊したのなら銃の訓練はいずれしなければならない。二日後の戦闘では余程のことでもなければ実際に撃つことはないだろう。何せ、総力戦だ。どの隊が先陣を切るのかは隊長の質で決まってくる。普通はずっと従軍している人間が隊長職についている部隊が先頭だろう。瑶子は士官学校から緊急招集された臨時の隊長職にすぎない。学校のカリキュラムの関係で入学してすぐの一年は従軍していたが、軍での経験が足りているとも思えない。訓練しておくに超したことはないが、万が一のための保険程度になるだろう。

「七番隊ってそんなに技術すごかったんスか?」
「国王陛下が隊長をしていらした隊よ」
「陛下が!?」

 第一中隊所属七番隊。七番隊自体は今でも存続しているが、国王となる前に拓海が率いた七番隊は解散して別の小隊に散っていった。八番隊、九番隊はそれぞれ数が繰り上がる。
 確かに七番隊の兵士たちはどの兵科であっても整備技術に長けている。整備に対する意識も高い。ヴァルトハイムは兵器製造にかけては強い国だから、少しの故障ですぐに新品と換えてしまうような人間も少なくないのだが、その中で七番隊は隊長自ら整備をひとりひとりに教え込んだというのだから、その点に関してのみ賛辞を呈さねばならないだろう。しかし、
 ――ずっと隊長してりゃよかったのに。
 瑶子はそう思うのだった。士官学校に入学した直後、一年の従軍期間で配属された隊で、瑶子は例の国王陛下と生活を共にしていた。王子であることは知っていたが、正妻の子供でなく継承順位が低いこともあって、王族であることを鼻に掛けたりもしていなかった。その辺の成金の方が余程王族らしい性格をしているかもしれない。もっと上の階級なのかと思えば伍長だと言うし、軍曹からのスタートだった瑶子としては最初は戸惑いを隠せなかったものだ。やたらと撃ったり操縦するよりも、戦車や武器のメンテナンスの方が好きらしく、いつも隅で銃をいじっていたり戦車の近くで整備をしていた。そのままでいれば、整備士としてはかなりの腕だし、好きなことを続けられる方が彼の人生のためになったような気がする。つまり、政治的な職務、国王にはまったく向かない人間だろうと思っていたのだ。

「へええ、陛下って隊率いてたんスかー! すげえなあ!」
「そう思うなら君も頑張りなさい。ま、小隊長が目標じゃ困っちゃうんだけどね」
「でもまずは身近な目標っスよ! 小隊長だって今の俺には遠いっスから!」

 そりゃあそうだ、入隊して数日の少年が小隊長職に近いポジションにいたら瑶子の立場がない。何年も士官学校でエリートとしての教育を受けてきたのだ。
 とにかく、そう長くない訓練の時間をこんな無駄話に使われては困る。どうせ後方支援だったとしても、戦場に出るのは事実なのだから。

「じゃ、未来の隊長さん? しっかり訓練するためにまず整備班に行ってらっしゃい」
「うッす! 行ってきまーす!」

 ぶんぶん銃を振り回して挨拶をすると走って整備班へと向かう少年の背を見送る。
 あんなに真っ直ぐな子、軍に入れてて大丈夫かなあ?
 そんな心配がちらりと脳裏を掠めた。総力戦などという常軌を逸した作戦、その奇抜さに呑まれなければいいのだが。
 複雑な性格であるより分かりやすい方が上官としては助かるという側面ももちろんあるけれど、単純さ故にこのやり方に心酔でもされたら困りものだ。
 手持ちの書類に今しがた会話した二等兵の特徴を書き加えておくと、瑶子は再び隊の監督任務に戻ったのだった。


2009.11.20(Fri) | 近代戦パロ | cm(0) | tb(0) |

あまりにも

寒いのでついに湯たんぽを出した。3月くらいまでは使ってた気がするから、かなり久々です。
靴下にゃんこのぬいぐるみカバーで可愛いんです……!! 高かったけど後悔はしていない。
買った翌日に割引で売られてるのを目撃したけど後悔してない。
靴下にゃんこはたれぱんだ以来のヒットです。靴下部分が見えないと何も意味ないのに、可愛い。
コインケースも最近発掘したし、がま口も買ったし。本当はペンケースとか無駄にぬいぐるみ的なものも欲しいんだけど、年齢的にも部屋のスペース的にも無理(笑)


久々に真紘を書いたので、桜井さんち妄想するのが楽しいです。
みのりが生まれるまでは3人で出かけたりしてたんだろうなあと思うと余計テンションが上がります。
紗央がお弁当作って、絶対電車でな……! タっくんに車のイメージがない。おぼっちゃんだからか。いや、トラックとか似合いそうなんだけど、紗央といると思うと自転車か電車って感じがする。
アスレチックとか海とか山とか行くんだ。川遊びしたりするんだ。
タっくんは水切りが上手そうです。2歳とか3歳の子供ど一緒に水切りやるパパいいじゃない……!
帰りは疲れて寝てる真紘を背負って帰るんです。背景は夕焼けです。芹沢さんちの長男らしく、子供いないところでは余裕でキザい台詞吐いて嫁口説いてればいいと思う。
みのりなんて真紘よりアクティブだから山とか川とか海とかはしゃぎすぎると思うんだ。困った(笑)
両親があんまり妹に構うもんで真紘もちょっといじけてみたりな。5歳6歳ならおぶってもらわないで、お母ちゃんとお父ちゃんの間に入って手繋いで歩いたりするんだ。
そういう、自分が全く体験してこなかったことがタっくんは楽しくて仕方ないといいなと思う。紗央はタっくんよりは構われてそうだけど、それでも慣れてはいないだろうなあ。そんな手探り感がいい。
賢くはないが一途でそれなりに綺麗で料理の上手い嫁と、馬鹿だけど可愛い子供ふたりとか字面だけならいい家庭だよねタっくん。縛られるのが嫌で逃げ出したこともあるけど、嫁と子供になら縛られてもいいかなと思ってる。丸くなったなあ。と突き詰めて考えたら、バトロワ設定の時のタっくんは本当にただのお父さんだったんだなと思う。ビビってるのは大和だけで、タっくんは芹沢なんかクソくらえと思ってる。でも大和が目に見えてビビってるから、からかってやりたくなってしまう。そりゃ仕方ない。
空奈央のとことか、理央と瑶子さんのところは子供が小さい頃からバンバン旅行行ってそうだなと思ってます。空とかあれだよね、もうキャンピングカーとか買いそうだもんね。キャンプ好きそうだもんね!!


本筋もたまに妄想すると楽しいんだよなあ……! 未来話の流風は割と好きなので考えがいもある。タっくんは他とのギャップが酷いからもっと面白い。空やなんかはあんまり変わらないから面白くないんだろうな。大和もそんな感じ。流風とタっくんの楽しさはもうほんと半端ない。未来話でこいつら絡ませるのはかなり楽しい。
本当の本筋で、突き放すみたいに椿を育ててる大和を見て、そうするしかないよなぁと理解はしつつもやっぱり馬鹿だなあいつ、と思ってるといい。二人ともな。寧ろ流風の方が思ってるのかも。椿には生きてる両親がいる、しかもすごく仲が良い、ならちゃんと親子しなきゃダメだろ、と思ってる。


さて、いい加減眠くなってきたから寝ようかな。

2009.11.19(Thu) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

自重できなかった


「よっす真紘、おはー」
「あ? お前にしちゃ早ぇな」
「ブ・カ・ツ。朝練!」
「へえ、めずらしー」

 始業三十分前。いつもは遅刻ギリギリで、廊下を担任と競争しながら登校するくせに、今日は一般的な時間に教室にやってきた。
 ああ眠い眠い、と隠すことなく大口開けて欠伸しながら、奴は俺の後ろの席に座る。声をかけてくるクラスメイトにも挨拶。見た目も中身もある程度チャラいのだが、授業の用意はちゃんとしているらしく鞄の中から教科書を出すと机に仕舞い始めた。
 こいつは鈴城 琴也。一応俺のはとこにあたる。俺の母さんと琴の父さんがいとこ同士で、その上両親同士がいやに仲が良いので長いこと家族ぐるみの付き合いがある。血縁的には琴よりも近いはずの椿の家――芹沢家の方が疎遠かもしれない。まあ、それは父さんの色んな事情で仕方ないのだろうが。家族でもないのに休日会ったりするのに、何で高校三年間クラスが一緒なんだと学校側に訴えたい気分だ。俺の苗字が桜井、琴の苗字が鈴城で、一年の時と今年は連番になった。去年だけ間に「し」で始まる奴が入ったことがあるが、まあ大抵そいつの机を琴が占拠していたので、そいつとしては肩身の狭いことこの上なかっただろう。
 三年に上がってまだ間もない。二年までは文系理系関係なくシャッフルされていたクラスが、この学校では三年になってようやく分かれる。まだまだ仲良くなるには時間がかかりそうな空気だ。

「あ、そうそう真紘ー」

 声を掛けられて振り向けば、琴がブレザーの内ポケットから何かを取り出した。……紙切れ、か?
 どうせゴミでも押し付けんだろうな、と思って手を出さないでいると無理矢理押し付けられる。なんだよ、と声に出して言いながら、渡されたものをよく見れば、それは。

「あ? さよならライブ?」
「そう。大盛況間違いナシだからチケット渡しとくわ。聞きたいだろ俺の魂込めたメッセージソング」
「お前らカバーしてるだけじゃねぇか」
「俺が歌うと新しく魂が宿るんだな、これが!」
「恥ずかしいから外で言うなよ」

 父親譲りの真っ黒な髪をカッコつけてかき上げながら琴はそう言う。歌がすげえ上手いのは認めるが、性格がこれじゃあ歌が可哀想だと思うのは俺だけか。俺くらい思ってやらなきゃ校内を始め騙されてる奴らが全員可哀想だ。
 握らされた紙はルーズリーフの切れ端で、男のきったねぇ字で『4月19日 ボールド さよならライブ!!』と油性マジックで書いてある。筆圧高い上に油性マジック使ってるおかげで裏面からも読めてしまうという有難い代物だ。端に小さく『NOT FOR SALE』とも書いてある。そりゃそうだ、校内のライブで金なんて取ったら空先生飛んでくるぞ、もれなく。19日というと今週の土曜だ。多分、新歓の一環としてやるものなんだろう。

「つかお前ら解散すんの?」
「しねぇよ。けど引退すんの」
「引退? 早いだろ、まだ」
「今年さ、黎と櫂が入ってきただろ? あいつらツインボーカルやったらそっちのが面白ぇだろうなって。ほら俺がいると話題掻っ攫っちまうし」
「そいつはともかくとして、ライブハウスとかでもやってなかったっけか。あっちも?」
「校内で始めたんだから、校内で引退するなら外も休業すべきだろ。みんな付属に上がるつもりなんだしさ、大学入ったらまたやろうぜ、って話になって」
「ふーん」

 たまにはまともな考え方もできるらしい。
 琴は歌は上手いが楽器はやったことがない。部活入る気ないけど歌は好きだし、と飛び込んだ軽音楽部で同学年の面子と組んだバンドが、ボールドだ。何でもカタカナにすりゃいいってもんじゃない。俺の記憶が正しければ、なかなかバンド名が決まらずにメンバーと口論になって、悪口の言い合いをしている間に決まったらしい。類音はあるが、勇気がある方の意味ではなく、「ハゲ」という意味の方を採用したらしい。決まった後で似た音の単語があることに気づき、含みを持たせるために英語表記は避けてカタカナ表記にしているのだそうだ。メンバーは琴と同レベルの馬鹿が揃っているので、類音の単語を見つけたときのテンションは半端なものではなかった。琴の父親の理央おじさんは、思いっきし肩を落としていた。そりゃそうだ、ご愁傷様。
 仕方が無いのでもらったチケット(まず間違いなく無価値だが)を生徒手帳に挟んで、ブレザーのポケットに仕舞った。
  
「お、来てくれんの?」
「検討しとく」
「またまたぁ、好きなくせにぃ」
「何がだ!!」

 ……ライブ中とライブ直後のこいつの人気は絶大すぎてウザいものがあるからな。行かないのも手かもしれない。
 教室正面に掛けられた時計を見れば、まだ朝のホームルームまでしばし時間があって、こいつのテンションに付き合わなければならないのかと思うとため息が出た。





「うしっ、じゃあどっか寄って帰ろーぜ」
「お前部活は? 練習しねえの?」
「朝したもん」
「んな簡単でいいのかよ……」

 帰りのホームルームを終えると、背中から琴が声を掛けてきた。どうやらそんな適当な理由で放課後の部活はないらしい。俺は入学した頃から部活には入っていない。叔父さんがバレー部でコーチしてるからそこに駆り出されることが多いけど、話が来ればバレー部にも野球部にも顔を出したりする。背の高い奴はどの部でも重宝するってこった。
 教科書だのノートだのを全部詰め終えた鞄を肩に掛け、琴と連れ立って教室を出る。

「どっか寄るってどこだよ」
「あそこの喫茶店でいいじゃん」
「あぁ? 嫌だよ、今日ババアいるし」
「お前ね、紗央おばさんがババアなら、ババアって言葉は世界でも有数の美しい単語になるんだぞ?」

 あそこの喫茶店――琴がそう言うのはババア、もというちの母さんがパティシエ、……女はパティシエールっていうのか、それをやってる喫茶店だ。料理くらいしかとりえが無いから、結婚して退職してからは料理人の真似事ばっかりしてやがる。家にいないでくれるのはありがたいが、琴はよくあの喫茶店に行きたがるのだ。ババアに懐いてるっつーか、なんつーか。若い頃は美人だったんだろうが、今でもそれを保っているとは思わないし。

「俺おばさんの焼くパイ好きだしさー、行こうぜ」
「物好きめ」
「うっせ! うちの母さんあんな凝ったモン作れねぇぞ! お前もっと自分がどれくらい恵まれてるのか考え直せ!!」
「家でまで凝ってるとうぜぇんだぞ、マジで」

 ぎゃあぎゃあと騒がしく俺の隣を歩く琴は、騒ぎながらも廊下で他の連中に声を掛けられると律儀に反応している。
 バンドが次のライブで一旦休止となることを知っているのだろう。ライブ頑張れよー、観に行くぞー、との声が多い。良くも悪くも人気者であることには違いない。
 階段を降り、昇降口で靴を履き、門に向かって歩く。まだ四月の半ばだが、桜の花は大体散ってしまっている。散った花びらが足元で茶色くなっていた。校門が目の前に差し掛かると、少し離れたところを歩く、見覚えのある金髪が通り過ぎた。

「おい、樹理」

 立ち止まって声を掛けると、後ろを歩いていた琴は前方不注意で(常にどこにも注意は向いていない気がするが)俺の背中に激突した。何やらまた騒いでいるが放っておく。

「真紘さん」

 やたらとくるくると毛先の巻いている金髪の新入生。背丈は琴と変わらないくらいで、肌の色は当然だが日本人にしちゃ白い。両の瞳は若草色。ま、どっからどう見たって人目を引く容姿をしているわけだ。この高校の制服は真っ黒だから、余計に金髪は目立つ。

「今帰りか?」
「これから大和さんのところにでも行こうかと思って」
「へえ、暇だなお前も」
「暇なのは大和さんだけですよ」
「まあそうかもな」

 水城樹理。女みたいな名前をしたこいつは、この学校の教師の中でもトップを争う顔のいい男、水城流風先生の息子さんだ。その事実を知ってる人は俺を含め本当にごくわずかで、一応隠しているらしい。生まれが生まれだからあんまり大っぴらにしたくないのかもしれないが、それなら同じ学校にいるってどうなんだ、と思ったりもする。しかもこいつ、流風先生のクラスなんだよな、確か。
 俺と樹理が話していると、琴がひょっこり脇から顔を出した。

「何真紘、このちっこいの知り合い?」
「お前とそう背丈変わんねぇと思うぞ」
「人としての器が俺の方がでかい」
「そりゃ二年分くらいはでかくなきゃ困るだろ」
「いや、二億光年くらい!!」
「おーい、光年は距離ですよー?」

 高三にもなって光年を時間だと思っているのはどうなんだ、常識人として。理央おじさんに報告してやりたい気分だ。
 本来なら穴を掘って隠れてもいいくらいの恥ずかしい発言だったはずだが、琴はそんなことはお構いなしで目の前の樹理の品定めをし、三十秒ほど全身を眺めてから、「気に入らね」と吐き捨てた。

「俺さあ、ハーフ設定ってダメなんだわ、だってぜってー俺より目立つもん」

 腕を組んでそうしみじみ言う。樹理は思いっきり「この人僕と絶対合いません」オーラを出している。こいつら、共に自重しないよな……。思ったことが言葉に表情にモロに出てしまう、社会不適合者まっしぐらな性格をしている。

「……僕、もう失礼します。また今度」
「おー、引き止めて悪かったな」
「ええ、本当に悪いです」

 ……あのクソガキ、口の利き方を今度教育してやる……!
 すたすたと校門を潜り、他の生徒がみんなして向かう坂の下とは反対方向に向かう樹理の背を見送る。叔父さんの屋敷は坂とは反対の方向にあるからな。

「でー? あのガキ誰なわけ?」

 俺たちは坂の下に向かうので、他の生徒に紛れて坂を下る。
 誰、と聞かれても。流風先生の息子、といえば話は早いが、当人らが隠しているようだしあまり触れない方がいいんだろう。

「父さんと母さんの知り合いの子供。主に母さんかな」
「へー、紗央おばさん外人と知り合いだったりすんだな」

 琴は勝手に母親の方と知り合いだと勘違いしている。その方が後々面倒がなさそうだから訂正するのはやめておいた。

「そいで? お前の叔父さんとも知り合いなわけ?」
「叔父さんの親友の子供だからな」
「へええええ、あの叔父さん外人の女と親友だったわけだ!? へー、そんじゃ今の奥さんは体を使って篭絡した、と」
「……お前ってほんと頭めでたいよな」
「あ? よく言われる」

 それで済ませていいのか。褒められているとでも思っているのだろうか、まさか。
 叔父さんにこの話をしたら殺されるだろうな、こいつ。それもそれで面白そうだが。

「あ!! あのガキまさか椿ちゃんの彼氏じゃないでしょうね!!」
「なんだよその口調……。知らねえよ」
「そこは否定してよお兄ちゃん!!」
「誰がお兄ちゃんだ」

 樹理が椿と? まず有り得ないだろう。
 幼馴染だし、椿といる時間は俺よりも長いだろうから嫌なところも知ってるだろうし、妹みたいな感じなんじゃないだろうか。
 それを伝えると、琴は不快感を露にする。

「幼馴染って信用なんねぇよなー。どこぞのたっちゃんもどこぞのみなみちゃんを世界一愛すると誓ったわけだし」
「事例に二次元を持ち出すのはどうかと思うけどな」
「大体さあ、幼馴染って言ってるくせに馴染みきってねぇからそれ以上の関係に発展するわけで、いでっ」

 発言の途中で琴の後頭部をグーで殴ってやる。こいつ、口縫いとめた方がいいんじゃねぇのか。琴の辞書に自重の二文字は存在しない。わかってたけれど、ガキはお前だ、って感じだ。

「殴ったね……? 親父にも」
「ああ待て、その台詞は二回目に殴られなきゃ言っちゃいけない決まりがあるんだ」

 例の名台詞を吐こうとする琴の頭をもう一度殴ると、今度こそ正しい台詞が飛び出した。

「二度もぶった! 親父にもぶt」
「あーはいはい、ぶちましたよ。お前のギャグに付き合ってらんねぇから行くならとっとと行くぞー」
「は!? 何だよそれ、二回目じゃなきゃ言っちゃいけないっつったのお前だろ!! 俺の我慢を返せ!!」

 俺が先に坂を下ると、後ろから蹴りを食らったのでお返しに足払いをしてやると見事に琴はずっこけてみせた。同じように坂を下る下級生の視線が刺さる。

「あ、土曜にライブやるんでみんな聞きにこいよー!!」

 倒れた琴をちらちら見ながら通り過ぎる女子生徒に、琴は自重することなく声を掛けていた。ゴキブリ並みの図太さだ。

「……お前さあ、総理とか言ってないで芸人目指せば? 歌上手い芸人って増えてるだろ」
「芸人から政治家に転向? 知事レベルならともかく、総理になったら諸外国に笑われると思うけどなあ」
「芸人経験してなくてもお前みたいのが国背負ってたらアメリカ中抱腹絶倒だろうよ」
「あまりに若いから?」
「そのポジティブさは芸人の素質のひとつだと思う」
「ああ、政治家もパフォーマーだもんな、そういった意味で?」

 単に前向きというには前向きという言葉に申し訳ないほどのポジティブシンキングで、俺は次に返すべき言葉をなくした。もう何も言うまい。
 こいつの前向きさはどう考えてもおばさんの血だよな……。
 理央おじさんの肩を落とす姿が見えた気がした。


2009.11.18(Wed) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

彼のポジション


暇なので、噂の近代戦パロに慎吾も出してみる。
そしたら設定つめるのが楽しくて仕方なくなった。


慎吾は冬二くんの故郷に総力戦かけるって時に入ってきた志願兵で、16歳、と。
もともと突撃兵だろうなあ。
愛国心の強いナショナリスト(くどい)で、入った直後はまだガキだったからわかってなかったけど、現在ではタっくんのやり方にかなり理解を置いてるというか、心酔レベルでもいいかなと思う。
で、士官学校から召集された瑶子さんにお世話になるんだけど、その戦いが終わって領土を併合しちゃったら瑶子さんが国を去ってしまうので、その意味がまるでわけがわからない、と。
戦争ってそういうもんでしょ? どこに怒るポイントがあるの? っていう感じの子。
でもって、突撃兵だった慎吾に、「ガサツっぽく見えても結構射撃上手いから狙撃手のが向いてるかもよ」って瑶子さんが昔アドバイスあげてたりして、そこから狙撃兵に転向。
ローテブルクを攻撃する時、理央の暗殺するのが慎吾だったらいい。狙撃手は弾丸の重さで相性とかあるだろうし、弾薬が個人支給で、薬莢に個人の識別番号が刻印されてる。慎吾は後輩だったし印象も強い子だったから瑶子さんもたまたま番号覚えてて、貫通した弾を見て以下略みたいな。
慎吾に狙撃手を勧めたのは瑶子さんだったわけで、後悔だの罪悪感もひとしおだろうと。
その辺楽しそうです。シーマスさんの下で働く瑶子さんを見たい。
しかしこの慎吾、どう考えてもシン・アスカフラグがばっしばしに立っている。


格付けは楽しくなったので未来話でも考えてみようと、樹理・ルカ・真紘・櫂と琴也のうちのキャラと、渚くんと炎而くんと久弥くんと菊仁くんって男キャラかき集めたけど一人足りない。
あれか、むっちゃんのとこのを入れればいいのか。
うちのキャラばっかりうるさくてしょうもなさそうだ。特に櫂と琴也はさすが従兄弟と言わざるを得ない。
琴也は椿とは縁薄そうだ。見る度に「椿ちゃん可愛いなー、いいなー清楚なお嬢様ー、大和撫子ー」と騒いで真紘に頭を叩かれればいい。騙されるな!!と。
格付けなんかしたら始まる前に、「はいはいはいはい!! ハーフとかクォーターとかクォーターの半分とか病弱スキルとか背の高い奴は卑怯だと思います!! 3割増で見えるから!!」と司会に抗議しそうな気がします。櫂は絶対同調します。
でも顔でルカに勝てる気はしないだろうな。(笑) 私は多分ルカより琴也のが好みですが。
ああ、馬鹿だなあこの子。さすが瑶子さんの血を継いでるだけある。
空がたまにしみじみ言えばいいんだ、「琴ってさー、理央の血入ってないだろ」って。
櫂と黎より2つも年上とか、明らかに琴也が生まれたから空奈央も本格的に子供考え始めたとしか思えん。
歌は上手いから理央の子だよ。歌は上手いんだよ。黎櫂が入学してすぐバトンタッチして、引退ライブすりゃいいと思う。文化祭では黎櫂のライブに乱入して、3送会で一日限定復活ライブして盛り上がりそう。歌ってるときだけはカッコイイ。スポーツはできないわけじゃないけど真紘のが背が高いからバレーとかバスケとか勝ち目が無い。英語の成績だけ真紘よりいいとかな。
いきいきしてそうなので書きがいはありそう。高校卒業した後の大学生活でもいいかもなあ。真紘と学部一緒。瑶子さんと一緒で政治学科にしてくれないかな。真紘は法律で。

「だって俺、法律の専門家になる気ねぇもん」
「お前総理大臣になるとか言ってなかったか」
「総理大臣は行政の長ですから! 法律作んのは国会議員に任せりゃいいの」
「その国会議員にならなきゃ総理大臣にはなれないような気がすんのは俺だけかー?」
「平気平気、俺議員の期間より総理やる期間の方が長い予定だから」
「おー、そりゃ出世が早い。政治家としては短命に終わりそうだな、よっ一発芸人!」
「はぁ!? んだとコラ説明しろ!!」

真紘のがちょっと賢い。
総理大臣の任期の上限はなくても、党のトップでいる期間の上限はあるわけで。
まあそれ聞いても「ああ大丈夫、俺が規則改訂する。じっちゃんの名にかけて」とか言い出すと思います。寧ろ新党立ち上げそうな勢いだよこの子。(笑)


馬鹿な子ほど可愛いんです。ええ、そうなんです。馬鹿な子は可愛いんです。

2009.11.17(Tue) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

謎の11人目

格付けネタは絶対盛り上がる。
ちなみに淳役は険魔くん、亮さん役はむっちゃん。
下段は教師5人:ケレス先生・貴久先生・空・アンドゥー・清浦
上段は生徒5人:流風・慎吾・風哉くん・壱郎くん・創兵くん
お題は『付き合ってみたい男』で、回答者はツキ高女子生徒、と。
で、最初に清浦の予想順位発表。

<清浦的予想順位>
①自分 (もちろんです)
②風哉くん (やんごとない家の生まれだから)
③貴久先生 (性格は気に入らないけどやんごt(ry
④壱郎くん (敬語がちゃんとできるから)
⑤創兵くん (言葉遣いが丁寧だから)
⑥流風 (チャラい感じがするけど成績がいいので微妙な順位)
⑦ケレス先生 (とても口が悪いので)
⑧空
⑨慎吾 (空と慎吾は合わせてとても粗野な感じがするので)
⑩アンドゥー (どうやら自宅で『もやし』という植物を栽培し、食しているようなので


清浦の基準なんてそんなもんだよね。
で、実際のランクは文芸部協議の結果、こうなる。


<そしてその実態>
①空
②流風
③アンドゥー
④風哉くん
⑤創兵くん
⑥ケレス先生
⑦慎吾
⑧清浦
⑨貴久先生
⑩壱郎くん


でFA。9位10位は点呼どんたっての希望wwww
絶対空が最初に呼ばれた時点で生徒+アンドゥーが蜂起する。「異議あり!! 異議あり!!」ってな。そして空の勝者の笑み。
空の推薦コメントとか、『露出の高い服を着ていると、ダメだろ!! と怒ってくれそう』とかありそうです。それ言われたら、「ええ、やります」と答えると思います。実際やると思います。奈央は露出高い服着ないけどね。ミニスカートも空は不可だろうな。あれは紗央が専門家なの、とか言い出しそうです。
でもって蜂起してても2位で自分の名前来たら流風は普通に喜ぶと思う。慎吾が「流風先輩が実質1位ってことですよね!!」と騒ぐ。まあ知名度はあるだろうなあ。女の子ともライトな感じで話せると思う。自分を敬遠しそうな大人しい子こそ好きなタイプなので、そういう子への接し方も結構いろいろ考えてたりして、と今思った。
そして大プッシュのアンドゥーは、3位なのにネガティブな理由ばっかり並んでへこむっていう。
『空先生はものっすごく優しそう。流風君は可愛くてカッコイイ。ケレス先生はちょっと怖いけど憧れる。……どの人も私には分不相応なので』とかいうコメントがありそうです。空とか大爆笑だよね! むっちゃんが「ちょ、ちょっと空君笑いすぎじゃない……?」と思わず心配してしまうくらいには笑うと思います。
でもって風哉くんは生徒としては絡みやすいから人気あるんじゃないかな、と推測。慎吾は流風への態度が気持ち悪いので。風哉くん呼ばれたらまた慎吾は怒ると思います。有り得ねぇって!! 俺生徒会長なんだけど! みたいな、ね。
創兵くんとケレス先生は好き嫌いが本当に分かれそうなのでこんな順位。創兵くんは一部のV系ファンに人気があります。ケレス先生は罵倒されたい一部の女子生徒に人気があります(部長談)。
そしてまあ清浦と慎吾を比べたら慎吾のが上かな、って感じで決まったランク。最下位の壱郎くんの反応がマジでパねぇ。ロンハー的には面白くない最下位www



ちょっと瑶子さんの家族構成とか考えてたよ。
4人きょうだいの末っ子なんです、瑶子さん。お姉さんになるのに憧れてるんです。
上に3人お兄ちゃんがいる。
瑶子さんは今のところ一番可愛いキャラではある。ルミとはちょっとベクトルが違う。
点呼どんが、もう理央は瑶子さんにハマってる、と言うので、それ本人に言ったらどういう反応するのか考えてみた。
「は? なんですかそれ、俺そんな軽くないし惚れっぽくも無いし、人を見る目はあると思ってますけど」
とか言い出しそうである。
いろいろ妄想を派生させて、コスプレ云々というのは理央はどうなのかというと、瑶子さんはノリノリだけど、
「いえ、俺本当にそういうの興味ないんですすいません」
って言う。そりゃあ身近に女性警察官とナースがいて職場には制服着た女子高生がうようよいれば、そりゃあ興味もなくなるわ、と思う。瑶子さんはつまんなそうだなあ。
告白シーンよりも後なんて、理央は本当にハマっちゃってどうしようもなくなってるといい。広瀬香美の歌じゃないが、一日中見張りたいって言わないけど思うくらいはしそう。
この二人の子供はやっぱりちょっと書いておきたいな。世界のアホ代表!
格付けやったら自分は上位だと信じて疑わない。馬鹿だけど歌はうまい。軽音で一番人気のボーカル務めてたとかな。シャウト系。


点呼どんに話した逆ナン話は私がちょっと見たい。書いて!!!


2009.11.16(Mon) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

melting point  3



「ふえええ、理央ちゃん年下としか付き合ったことないの? 意っ外!」
「と言っても告白されて付き合ってただけなんですけど」
「年下人気ありそうだもんねぇ、理央ちゃんって。年下って言ってもどういう子に好かれるの?」
「は? あー、えー、なんか、大人しそうな」
「奈央ちんタイプだ!」

 やっぱりそうかあ、と瑶子さんは上機嫌で笑う。俺もつられて笑ったが、そこで思った。

(いや、何をべらべら喋ってるんだ俺は……!!)

 酒か、酒のせいなのか。瑶子さんのペースに合わせて飲んでるからつられてるのか、どうなんだ俺。確かに瑶子さんは聞き出すとは言ったけど、喋るつもりなんてひとかけらもなかったはずだ。何でこの会話の流れになったのかわからない。頭が痛いのは酒のせいかそうじゃないのかも定かでない。――まさか酔わされているのではあるまいな。飲みかけのジョッキを手に俺が悶々と考えている間にも瑶子さんはちゃくちゃくと自分のジョッキを空にして、また新しく生ビールを注文している。
 瑶子さんが連れてきたのは賑やかな駅前だった。時間が時間だから、そろそろ居酒屋の呼び込みも増えてくるだろうという頃。どこにしようか、と思案している時にいち早く声を掛けてきたのがここの居酒屋で、カップル限定の飲み放題メニューがあると聞くと瑶子さんは嬉々として俺の腕を引っ張った。「あやかってしまえ!!」という言葉と表情には気迫を感じたほどだ。カップルでないにしても、男女でいるだけで安くあがるならそれは喜んでもいいことなのだろう。瑶子さんの言葉に俺も同意して従ったのだが、――どうやらそれが間違いだったらしい。

「うん、でもわかるなあ。理央ちゃんって独占したくなるオーラ出てるよ」

 瑶子さんはうんうんと頷きながら目の前の枝豆を摘んで、しみじみそう話し出す。
 今度はペースに乗せられないようにしよう、と覚悟を決めた。

「こう、なんていうの? 見た目クールっぽいのに妙に優しかったりするし」
「僕はそう言ってもらえるほど優しくないですし、それが独占したくなるオーラの源なら世の男は大抵女性に独占されてますよ」

 瑶子さんが褒めてくれているらしい言葉を、否定するのにそろそろ慣れてきた。ちょうどそこに瑶子さんのビールのジョッキが届いて、店員が空になったジョッキを下げて持っていく。
 店員の背が完全に見えなくなってから、瑶子さんはテーブルを叩いた。

「理央ちゃんの馬鹿! 鈍感! イケメン!!」
「瑶子さんのその口癖を聞く限り、昔馬鹿で鈍感なイケメンに振り回されてたとしか思えないんですけど、どうなんですか」

 もはやこのテンプレートについては突っ込みを入れるのも面倒なので、ええい聞いてしまえ、ということで瑶子さん自身に突っ込みを入れてみる。俺ばかりが暴露させられている感じなのもちょっと不愉快だ。
 
「え、聞きたいの? 私の昔話とかっ」
「別に、振ってみただけなんで嫌なら全然構わないんですけど」
「えええっ、せっかく理央ちゃんが私とちゃんとお話する気になったのかと思ったのに!」
「そう思うなら喋ったらいいじゃないですか。聞きたくないわけじゃないですよ」

 ……最後の一言は余計だったか、などと考えていると、瑶子さんはそりゃあもういつものように嬉しそうに笑みを浮かべると、じゃあお話してあげよう! とやたらと上目線で言ってくださった。ご高説いただけるとは恐縮だ。

「けど私だってそんな大層な経験してないけどねー。まあでもパターンが決まっててね?」
「パターン?」

 鸚鵡返しで聞き返せば、うん、と瑶子さんは頷いて、ジョッキの中身を半分ほど飲む。小柄なのにジョッキ片手が何でこんなに似合うんだろうか、この人は。その姿を見て俺も残ったビールを喉に流し込んだ。

「私が好きになる人には絶対好かれないの! これもうパターンなの!」
「はあ、それは残念ですね」
「でしょー? 私だって悪いんだとは思うんだけどね。でも好きなタイプって変わらないじゃない、仕方ないじゃん?」
「……ちなみに、タイプっていうのは?」

 単なる興味本位だった。瑶子さんは俺の言葉に一度目を丸くして、それから眉を下げて笑う。

「いつまでも自分が恋愛の主体になろうとしない人。どれだけアプローチ受けて付き合うことになっても、流されてるだけで気持ちが無いの。ちょっと気取ってるのね。そういう感じの男ばっかり! そういう人って、女から別れを切り出されても痛くないし苦しくないみたいでね、それが余計悔しいの。こっちは本気なのに、肩書きだけあって総スルーだったってことだもんね。嫌になっちゃう」

 ――その台詞を、俺の目を見て言うから、なんだか居たたまれなくなった。
 返す言葉も思いつかないでいると、店員が俺のジョッキを下げる。その店員に瑶子さんがまた二杯新しくビールを注文する。ひとりで一度に二杯飲むわけない……と思うから、一杯は俺の分なんだろう。多分。
 なんともいえない複雑な気分になる。瑶子さんにまだじっと見られている気がして仕方ない。被害妄想もいいところだ。

「けどね」

 しかし瑶子さんはそう切り出す。けどね、と。

「もう嫌になったから、今度は同じ失敗しないぞって決めたの」
「他のタイプに目を向けてみるってことですか」
「ううん。自分はなかなか変えられないもの。だけど、そういう男を変えてやるのもちょっと面白いのかなって。そういう男こそ、恋愛でぐちゃぐちゃになっちゃえばいいの! 今度そういうタイプの男を好きになったら、絶対泥沼に引っ張り込んでやるんだから、って思ってる」

 瑶子さんはそう言うけれど、こういう直球勝負の女性と体当たりで付き合って、飲み込まれない男なんているんだろうか。けれど彼女自身がそう言うのだから、彼女の主観としては大抵の男がそうだったということなんだろう。付き合っていても好かれていない、と彼女のような女性が悔しがるような男。相当の大物なんじゃないか、そいつ。

「ね、面白くないでしょう?」
「俺よりは面白いですよ、少なくとも」
「あ、今俺って言ったね。何か一枚剥がしてやった、って気分! みっしょん・こんぷりーと!」
「……いいじゃないですか別に、それくらい。喜ぶとこじゃないですよ」

 普段一人称が俺だからちょっと気が抜けただけだ。それでも瑶子さんは上機嫌で、……まあいいや、と思ってしまう。
 ちょうど良く新しいビールが届いたので、じゃあ仕切り直しー! とジョッキを合わせる。ガチャンとガラスにしちゃごつい音が響いた。



 俺なら、どうだろう。いつものあの人みたいに真っ直ぐぶつかってこられたら、それでもいつも通りいられるのだろうか。
 ……いや、その前に俺ああいうタイプ苦手だしな。



 頭がずきずき痛む。ゆっくり目を開けると、一番最初に見えたのは長い睫毛。
 ――なんだ、瑶子さん睫毛長いんだな……。
 ぼんやりそんなことを思う。状況が把握できたのはそれから二拍ほど置いてからだった。
 唇が触れてしまいそうなほど近くに、瑶子さんの顔がある。俺の目が開いたことに気づいてすぐに慌てた表情になって、大げさなくらいのリアクションで飛び退いた。……忙しい人だな、本当に。

「あ、あのね、えっと、ゴミがついてたので!!」
「はあ、……ありがとうございます」

 今度はしっかり目を開けて、周りを確認する。公園のようだった。隅にあるベンチに座っている。瑶子さんは俺の隣だ。
 ……あの時瑶子さんとジョッキ合わせてからの記憶がほとんどない。
 
「ごめんねっ、調子に乗って飲ませすぎたみたいで!」
「いえ、それは平気、ですけど……。瑶子さんは平気なんですか?」
「うん、申し訳ない」

 何杯飲んでそんなにけろっとしてるんだ……。俺よりだいぶ多く飲んでた気がするのは気のせいなのか……。この人アルコールを水のように飲むからこっちもペースがわからなくなるんだ。
 酒の強い女と付き合うのは遠慮した方がいいだろうと脳が警鐘を鳴らした。
 ……一応俺も男だったはずなのだが、ここにいるということは店からここまでは瑶子さんに連れてこられたということなのか。恥ずかしい云々というよりも申し訳なさが先に立つ。情けないにも限度があるだろ、俺。
 時計を見るとまだ九時頃だった。店に入ったのが早かったから、この時間も十分妥当だろう。

「……ごめんね、気分悪いよね」
「もうちょっと休めば平気だと思うんで、……そんなに心配されると調子狂います」

 瑶子さんの大きな瞳が不安そうに揺れる。滅多に見れないものだから、珍しいなあと思う部分も多少はあるけれど、似合わないなとも思う。そっちの割合の方が大きいかもしれない。 
 記憶がぷつりと切れるまで飲むようなことは今まで無かったのにどうした。周りのペースに呑まれることもこれまではまずなかったのに。意外と瑶子さんの話を根に持っているのかもしれないな、と思った。瑶子さんの言うどうしようもない男のタイプに、自分も含まれているのではないかと。
 ベンチに座ったまま、ぼんやり夜の空を眺める。大きな三角形が頭上高くに見えた。

「理央ちゃんがたくさん話聞いてくれたから、なんか楽しくなっちゃったみたい。本当にごめんね」
「そんな謝らなくていいですって」
「……じゃあ酔った理央ちゃん見れて役得だった、って言っていい?」

 ……その台詞は想定してなかった。がっくり肩が落ちる。

「……すいませんでした心配してください」

 観念してそう答えると、そうでしょ? と謝罪の言葉とは裏腹に罪悪感の欠片もない返事があった。
 こういう人だっていうのは慣れてきたつもりだったのだが、これに慣れてしまったら負けだろう。負けてやるつもりは無い。
 瑶子さんはそれから、膝枕してあげようかー、だの、辛いならおねーさんにすぐ言ってくれていいんだからねっ、などと騒いでいたけれど、必要ないですの一点張りで通すと、しばらくしてやっと静かになった。
 ……静かになったらなったで、……この静寂はいつもと空気が違ってやりづらい、かもしれない。
 まだ痛む頭を夜空を見上げて、一息ついてから、隣に座る瑶子さんをちらりと盗み見る。
 
(――まあ、年相応に見えなくも、ない)

 ベンチに座って足はぶらぶらさせているけれど、その横顔は万年春ですと言わんばかりの普段とは違って、……何て言えばいいんだろう。落ち着きがあって凛としている。
 今日は、何を見ても新鮮だ。いつもと違う赤いカチューシャが夜の色に紛れて深みを帯びる。

「そうだ」

 はたとまた何か思いついたように、瑶子さんが俺を見る。にこりと浮かべた笑みは、瑶子さんらしい、と俺が勝手に思ってしまうものだ。
 
「私の好きなタイプ聞き出したんだから、理央ちゃんの好きなタイプ教えてよ。これじゃ不公平だもん」
「聞いてどうするんですか、そんなの……」
「ん? 今後の参考にするんだよ、もちろん」

 頭上の三角を見上げながら考える。
 好きなタイプと言われても、正直、答えられない。いつも俺は受身だったし、見た目も中身も特にこだわりがあったわけではなかった。だから純粋に「こういう女性が好みです」と言える友人を羨ましいと思うし、すごいと思う。同じタイプしか好きになれないと言う瑶子さんもすごいと思う。相手を自分の中でタイプごとに仕分けするというのが、そもそも俺は苦手らしい。

「好きなタイプって、特にないんですよ」

 他に言いようがないので、思ったことを正直に告げる。
 瑶子さんは「やっぱりだ」とある程度見越していたようだった。

「強いて言えば、瑶子さんみたいなタイプが多少苦手かもしれないです」
「う、それわざわざ言わなくていいのに」
「公平になるようにしてるのに特にないんじゃ悪いな、と思いまして」
「情報のチョイス間違ってるよう!」

 さっきまで大人しい表情がサマになっていたというのに、ばたばたと子供のように腕を振って抗議される。そんなこと言われても、なあ。

「……でも、瑶子さんは嫌いじゃないですよ、俺」

 一応そう付け足しておくと、瑶子さんは子供のようにばたつかせていた腕を止めた。付け足さない方がよかっただろうか、もしかして。
 一瞬沈黙が訪れたので、何を言われるのか待ってみれば、瑶子さんの口から出たのは、
 
「……また俺って言ったぁ」

 そんな言葉だった。俯き加減だったがじろりとこちらを見ている。最初は睨むような目つきだったが、すぐに花が咲いた。それでほっとする。

「………いいじゃないですか別に、酔ってるんですよ」

 その反応がまさか照れ隠しなら、それもまた新鮮なんだろうな。
 夜空を仰げば大きな北十字がいっそう輝いて見えた。


2009.11.15(Sun) | Always I Need | cm(0) | tb(0) |

melting point  2



 五時になる十分前には店を出て、外で携帯をいじりながら瑶子さんが出てくるのを待つ。
 今日は奈央は夜勤だったと思うから、遅くなっても特別連絡は要らないだろう。夕飯どうするかな、とぼんやり考えながら、店の外壁に寄りかかる。コーヒーを数杯飲んだだけだったが、取りあえず例のつまらない本は読み終えることができたので一応それが収穫ということになる。あとは普段見れない、知り合いの仕事姿を見られたことだし。
 携帯で天気予報とニュースを見終えるとポケットにしまう。腕時計を確認すると、ちょうど五時。五時に上がるなら五時ちょうどに出てくることはないだろうから、もうしばらくだろうか。

 ・
 ・
 ・

 五時になってから三十分が経過。
 ……誰だよ黙って帰るなって言った奴。忘れてんじゃないだろうな……。
 携帯に電話してみようかと思って、やめる。別にそこまで強制力のある約束でもなかっただろうし、こっちに連絡入れる暇なんてないくらいのトラブルがあったのかもしれないし。忘れて勝手に裏口から帰ってしまったとしても、俺は元々こうして約束することなんて想定してなかったんだからこっちだって帰ってしまえばそれでチャラだ。連絡なしに三十分は長いだろ、いくらなんでも。
 そう思って店から離れようと一歩二歩歩き出すと、ばたばたと騒がしい音が背後から近づいてきた。

「黙って帰っちゃダメだよって言ったじゃんっ」
「待ってて、って言っといて連絡なしに三十分放置は普通しませんよ」
「だ、だって……」

 最初は頬を膨らませて俺の隣まで小走りで来た瑶子さんは、俺の台詞にしゅんとうなだれてみせた。それから、俺の目の前に回って、腕を広げてみせる。

「……ど、どうかな、と思って」
「まさか服装の確認に三十分かけたわけじゃないですよね……?」
「い、いいじゃん念入りに確認したって! だって理央ちゃんからもらったワンピースだよ!? 似合ってなかったら恥ずかしいしっ」
「……ああ、それ引き取ってもらった奴ですか」
「遅い!」

 初めてしっかり全身を見ると、それは確かに奈央の誕生日プレゼントとして俺が用意して、ドタバタの末に瑶子さんに引き取ってもらったものだった。服なんて安直なものよりも瑶子さんが選んでくれたランプの方が俺もよかったと思うし、実際奈央もあれを愛用しているからそれでいい。
 薄いベージュのボレロと、胸元に大きなリボンのある赤いチェックのワンピース。似合うと思ってなかったら渡してない。サイズも奈央とそう大きくは違わないだろうと思ったから渡したのだ。
 ワンピースに合わせるように、いつも見かける紺色のカチューシャは今日は赤い。なんか今日はいつにも増して新鮮だな。

「似合うと思わなかったら渡したりしませんよ。無駄になるじゃないですか」
「う、……理央ちゃんって、どんな女にもそういう台詞吐くわけ……?」
「は? 女性には事実言っちゃいけない決まりでもあるんですか、政治学の世界には」

 言えば瑶子さんは「そうじゃないの!!」とまた膨れて怒り出す。怒ったりしゅんとしたり、忙しい人だな、まったく。
 前方から自転車が来たので店の駐車場スペースに入ると、どうしようか、と瑶子さんが切り出した。

「瑶子さんが誘ってきたんで、何か用事でもあるのかと思ったんですけど、違うんですか?」
「ううん、別にないよー。でもせっかく理央ちゃん来てくれたのにバイト中じゃ全然おしゃべりできないじゃない? 勿体無いもん」
「バイト中にしてはかなり喋ってた方だと思いますけど」
「あんなの接客の一環でしょー?」

 あれが本当に接客の一環なら怒られることもないと思うのだが、どうなんだろうか。その辺彼女は気にするようにできていないらしい。
 うーん、と彼女は腕を組んで唸ると、ああ! と顔を輝かせた。

「この前理央ちゃんのおうち見せてもらったから、今度は私の部屋!」

 ……いつか言い出すだろうとは思ったけど、予想より早かったな、言い出すの。
 俺はゆっくり首を横に振る。

「それは遠慮します」
「え、なんで!? 本棚とか机は汚いんだけど部屋とかキッチンは綺麗にしてるつもりだよ?」
「綺麗か汚いかの問題じゃなくて」

 ――一応もう少し気にした方がいいんじゃないだろうか、この人は。
 あまりにも天真爛漫すぎて心配だ。賢いくせにそこまで頭が回らないのか。

「僕も一応男なんで、一人暮らしの女性の部屋には行けません。瑶子さんこそ、他の男にもこうやって誘いかけてるならもうちょっと考えた方がいいですよ」
「そ、そんなことしてないもん! 理央ちゃんだから言ってるの!」

 ああなるほど。今流行の『草食男子』認定をされている、と。もとい、体のいい年下のお友達というわけか。
 まあ、間違っても自分が俗に言う肉食系だとは思わない。人を見る目は正しいのだろうが、ここはそういう問題ではないだろう。
 唸りながら俺を上目遣いに睨みつける瑶子さんにため息を漏らす。

「僕だから万が一も無いだろうと思っていただけるのは構いませんけど」
「へ!? そんなこと言ってないじゃんっ」
「わざわざ取り繕わなくていいですよ」

 別にショックだったわけでもなんでもない、気軽に誘える年下の男だというならそれもそれでいいと思う。俺は主に巻き込まれる側だから余計に関係ない。
 
「……理央ちゃんの馬鹿! 鈍感! イケメン!!」
「意味分かんないですし、恥ずかしい単語を大声で言わないでください」
「そうやって幾多の女を泣かせてきたんでしょ!!」
「だから意味分かんないですって」
「よし、じゃあ今日はそんな理央ちゃんの外道っぷりを全部聞き出すため、飲みに行きましょう!!」

 突然予想していなかった台詞が聞こえたが、……まあ、夕飯を一緒に食べるという意味でなら構わない。奈央もいないしどうしようか考えていたところでもある。外道じゃないし人に聞かせて面白い話なんてできない、という前提はあるけれども。
 瑶子さんは提案してから、どう? と俺の顔色を窺う。断る理由はないので、別にいいですけど、と返した。

「奈央ちんは? 大丈夫?」
「今日あいつ夜勤なんで、夕飯どうしようか考えてたところです」
「そうなんだ! じゃあ心置きなく飲み倒せると!」
「僕そんなに飲みませんよ」
「またまたあ、健康な男子大学生が飲まないなんてそんなの都市伝説くらい信用ならないよ?」
「都市伝説って……。ていうかどんだけ飲むつもりなんですか……」
「私だってそんなに飲まないよ? ほらほら、ちょっと時間早いけどお腹空いたし、行こ?」

 そう言って瑶子さんが笑って軽く首を傾げる。赤いカチューシャが目に留まった。……紺じゃないのが気になって、ちらちらと頭の奥に信号が送られる。だからって、どうというわけではない。だから気にすることではない。この近辺の地理に疎い俺は黙って瑶子さんの後に着いて歩いた。
 

2009.11.14(Sat) | Always I Need | cm(0) | tb(0) |

melting point



「いらっしゃいま、」

 店に一歩足を踏み入れた次の瞬間、ウェイトレスの声は続かなかった。ミルクティー色の長い髪を頭の下の方でふたつに結って、意外と制服姿がサマになっているその人はもちろん、瑶子さん。
 丸いトレーを腕に抱えたまま、ぱくぱくと口を動かしている。何なんだその反応、と思いながら俺はポケットからハンカチを取り出して額の汗を拭いた。

「り、りりっ、り、理央ちゃんっ」
「はあ、……どうも、こんにちは」
「なっ、なんで!? どうして!? え!? わかんないっ」

 ――自分が招待したくせに。
 ジーンズの後ろポケットに入れていた財布から、二週間ほど前に瑶子さんにもらった券を取り出して、見せる。
 それは俺が本を運ぶのを手伝った時に、お礼だと言って押し付けてきたものだ。暇だったから来てみたけれど、この時間にご本人がいるとは思っていなかった。
 券を見せてすぐ、彼女も気がついたらしく「あ」と声をあげる。

「使わなきゃ悪いじゃないですか」
「わ、っ、悪くない、悪くないよ全然っ! 私が押し付けたんだし!」
「けど瑶子さん一人暮らしですし、食事一回分パアにするなんて申し訳ないんで」

 そう、瑶子さんは一人暮らしなのだ。これが研究室の友人から貰ったものなら特に考えもせず足を運ぶこともなかったかもしれない。けれど一人暮らしの身に食事一回分というのはかなり価値あるもののような気がする。経験がないのでなんとも言えないが、瑶子さんが使えばそれなりの価値になるものを、俺の独断でただの紙切れにするのは躊躇われた。瑶子さんはやっと落ち着いた様子で、「理央ちゃんって律儀だねえ……」と感心したように言う。ほっとけ。

「じゃあ、お席に案内しますので! 着いてきてくださいっ」

 少しだけ上機嫌でそう言う彼女の背を追った。
 ……知り合いに制服姿とか見られても全然平気なんだな、この人。




 とは言うものの、昼食と夕食のちょうど間の時間に来てしまったこともあって、空腹とはとても言えない。一食頼むのも無駄になってしまう気がして、結局ホットコーヒーだけを頼んだ。考えが浅すぎたな、と軽く後悔もあるが、来ただけ自分は偉いだろうと言い聞かせる。案の定瑶子さんには「それだけでいいの?」と聞かれてしまったが、本を読んで暇を潰すにはそれくらいで十分だろうと思う。瑶子さんが使うのと俺が使うのとじゃかなり価値に落差ができてしまっているとは思うけれど。
 運ばれてきたコーヒーを啜りながら、読みかけの本を読む。夏休みの教職の課題をこなすために読まなければならない児童書をまだ読み終えていないのだ。いや、俺が読むのが遅いとか理解が追いついていないとかではなく、単に面白くないから読む気にならず、放っておいたらこうなった。文庫サイズであるだけありがたいが、正直あくびのとまらない展開ではある。世の子供たちはこんなの読んで楽しんでるのかと思うと首を傾げざるを得ない。もしくは教授の趣味が悪いかどっちかだ。
 まあ、課題の対象となっている三冊のうち、他の二冊についてはもう読み終わっているので、どうにかなるだろうとは思う。難しい課題でもないし、レポートをやるだけで試験がなくなるのだから安いものだ。しかし、それにしても面白くない。天才的に面白くない。欠伸を噛み殺して、一度本を閉じる。コーヒーを一口飲んで、店内に視線を向ければ、瑶子さんがぱたぱたとオーダーを取るために走り回っているのが見えた。……走っていいのか、従業員。怒られてないんだからいいんだろう、と思っていたら、オーダーを取って戻る途中、社員らしき人に「走るな」と指導を受けているようだった。……なんだかなあ。瑶子さんらしいけど。
 このファミレスは学校から近いわけでもなく、俺の家から近いわけでもない。隣の市にある店舗だ。券の裏側に書いてある店名をわざわざインターネットで検索までした。前に図書館で会って、うちに襲撃した時に確か隣の市に住んでるって言ってたから、自宅最寄りの店舗ということなんだろう。そう思えば、よくここまで来る気になったものだと改めて感心してしまう。もちろん、自分自身にだ。わざわざ来なくたってよかったはずだけれど、瑶子さんなら後期の授業が始まってから「なんで来てくれなかったのー!?」と騒ぎそうな気がした。あの人、そういうところ細かくチェックしてそうだし。
 ……いや、別に後期もそうやって会う機会があるのかはわからないけど。後期にもなればいい加減瑶子さんにも友達なり彼氏なりできるだろうし。ふたつ年下の、学部も全然違う男なんて覚えているのは携帯のメモリーだけになるかもしれない。それならわざわざ来てやることもなかったんじゃないか。……いやいや、何でそうなる。そういうことじゃないだろ、俺。俺がそうした方がいいと思ったから来てる。無視しておくのは人としてどうかと思ったからだ。
 わけのわからなくなった思考を振り払うように本をまた開く。けれど展開のつまらなさは相変わらずで、眉間に皺が寄ってしまう。

「そんなに難しい本読んでるの?」
「うわ」

 本に熱中していたわけではないが、周りに意識を向けていなかったのも事実で、突然かけられた声に驚く。まだウェイトレス姿のままの瑶子さんが俺の顔をじっと覗き込む。それから、「うわ、って酷いなあ」と笑う。
 また本を閉じてよく見れば、彼女の手にはコーヒーのポットが握られていた。

「コーヒーのおかわりはいかがですか?」
「あー、……じゃあ、お願いします」

 カップの中に二口分ほど残っていたコーヒーを飲み干してからカップを差し出すと、失礼します、と新しくコーヒーが注がれる。
 ……バイト中だからだろうけど、カチューシャをしてないのは新鮮だな。
 いつもしているからトレードマークのように思っていたそれが、今は見えなかった。まあ、だからどうするってわけでもないけれど。

「何の本?」
「この前借りた児童書です」
「え、まだ読み終わってなかったの? よっぽどつまんないんだねー」
「えーっと、まあ、はい」

 それは図星だ。図星だが、つまらないという理由まで当てられるとは思っていなかった。論文なんかを読み慣れている瑶子さんだから、読むの遅いんだー、と笑われるかと思っていたのに。
 ……という疑問までお見通しだったのか、瑶子さんは俺の顔を見てにこりと笑った。

「だって理央ちゃんって律儀にこつこつやるタイプだもん。その理央ちゃんがまだ読めてないんだから、作家が悪い! ね?」

 彼女はびしっと指をさして言い切ってみせる。……まあ、間違ってはいない、けれども。

「……そこまで言いませんよ」
「え!? じゃあ教授の趣味が悪い!」
「それはちょっと思いました」
「やった、当てたっ」

 小さくガッツポーズをする瑶子さんに苦笑を漏らすと、奥から声がかかって瑶子さんはどうやら呼ばれているらしかった。もしかすると、客の俺と話しこんでいるからお叱りなのかもしれない。
 あちゃー、と瑶子さんが言っているところを見ると、後者の可能性が高そうだ。

「僕に構ってないで仕事してくださいよ。邪魔でしょうし、これ飲んだら帰りますんで」

 知り合いがいるとやはり気を遣ってしまうのかもしれない。特に俺なんかはそこまで仲がいいわけでもないから、放っておくのも忍びないと思わせてしまったのだろう。それで仕事に影響が出るなら俺はとっとと退散するべきだということになる。元々、ここに来ただけで目的は達成されたようなものだし、迷惑になる前に帰るべきだろう。
 すると瑶子さんは途端に困った表情になった。

「や、理央ちゃん、全然迷惑とかじゃなくてね?」
「その台詞迷惑な人に言うテンプレートじゃないですか」
「そんなことないの! ……私、五時で上がりなんだ。時間あったら待っててもらえないかなあ」
「……は?」

 耳元で言われた言葉に短すぎる疑問文を返せば、忙しかったら全然構わないから、との返答。
 別に忙しいわけでも急いでいるわけでもない。時計を見れば四時二十分頃なので、あと三十分四十分くらい待つのは難しいことでもなんでもない。そうしろというならこのまま待っていることもできる。

「……僕はいいですけど」
「ほ、ほんとっ?」
「けど、わざわざ僕なんか待たせてないでさっさと帰った方がいいんじゃないですか? 仕事終わりでお疲れでしょうし」
「ううん、理央ちゃんがわざわざ来てくれたからそういうのぜーんぶ吹っ飛んじゃったの!」

 元々バイト好きだしね、と言う瑶子さんを呼ぶ声が再び聞こえた。今度こそ瑶子さんは俺のいるテーブルを離れて奥へ向かう。

「ちゃんと待っててね! 黙って帰ったらおしおきだぞー!」

 ……俺はどこのガキだよ。
 その“お姉さん振り”に苦笑しながら俺はまたカップに口をつけた。




2009.11.13(Fri) | Always I Need | cm(0) | tb(0) |

うるわしきひと  3



 夏です、夏なんです、別荘です白い浜辺です、そして海です!
 ええ、瀬川家は水を見ると飛び込みたくなる習性を持っているもので、海なんて大きな水たまり(しかも波付き)はいてもたってもいられないわけで!
 ビーチに着いてすぐみんなでひと泳ぎしてから、ビーチバレーをした。あたしと冬二が組んで、相手は大和さんとルミさん。スポーツにかけては負けられないのでかなり頑張ってしまった。とはいえ、ほとんどは背が高くて手足が長い冬二のおかげで勝てたようなものだけど。ビーチバレーが終わってすぐは、椿のちょっとした事件で騒然とした感じはあったけど、シーマスさんがイケメンっぷりを発揮して何事もなかったので一安心。
 今はそんなドタバタも一段落して、あたしはもう一回遠泳に出ようかと思っているところだった。さっきも行った場所だけど、沖の方に小島があって、そこまで行って戻ってくるだけ。こう言ってはなんだけど、あたしは一応スポーツに関してはある程度自信もあるし、準備運動だってきっちりしてる。体もそこまで疲れてない。うん、平気そう。みんなはパラソルの下に集合してトーク中だ。うーん、何も言わないで出て行くのは何かあった時困るし、一応椿に「泳いでくるから」と声をかけると、わかりました、と返された。報告は以上、ということで、ゴーグルをすると夏の海にあたしは再び飛び込んだのだった。


 カモシカのような足、という言葉をご存知か。あたしはよくそれを褒め言葉として言われるのだけれども、……いや、まあ世間一般には褒め言葉なんだろうけど、ある日あたしはカモシカの写真を見てしまったのだ。そしてもちろんこう思った。「これが褒め言葉ってどういう神経しとるんじゃい」と。
 なのであの女性陣の中にいるとあたしはどうしてもいたたまれなくなってしまう。それは足の問題だけじゃないんだけどね、スタイルとかいろいろね。年齢の違いがあるのはもちろんだけど、紗央さんなんか年はひとつしか違わないのになあ。あたしはスポーツしてることもあって、そこまで自分が女らしい体型をしているとは思わないけど、目の肥えた男性陣からすればおそらく頭に「ド」のつくほど幼児体型だと思われてるんだろうなあ、と思うとこれまた悲しくなるわけで。
 あたしの思考も問題だけどね。ビキニだとかワンピースタイプだとか、そんな見られるの重視の水着で泳げるかい、と思ってしまう。ああダメだ、女子大生はそんなんじゃダメなのよね、と気づいたのがルミさんの水着姿を見た後だったのだ。時既に遅しとはこのことだったのか。あたしにとって海ってのは遊ぶところじゃなくて泳ぐところなのよ。プールもそうなの。ばしゃばしゃ水遊びとか「え、それの何が楽しいの? 泳がないの?」って思っちゃう。世の女子大生は水の掛け合いで十分面白がれるのね、いい勉強になった。
 泳ぎ始めて二十分ほど。ようやく目的の小島にたどり着いて、その岸で一休みする。向こうの浜辺には小さくパラソルが見える。波打ち際にも何人かいるみたいで、きっと水遊びとやらをしているんだろうと思う。競泳用の水着のまま、軽く体をほぐしておいて、もうちょっと休んだら戻ろう、と思ったところで、波の中から近づく影に気がついた。サメか、サメなんですか、生でサメ見るの初めてなんだけど!! とちょっとだけハリウッド映画の展開を期待してしまっていたけど、実際水の中から顔を出したのは、冬二だった。ほっとしたのが一割、ちょっと残念なのが九割。なんて、冗談です。

「冬二も泳ぎ足りなかったの?」
「一人じゃ危ねぇだろ。なんかあったらどーすんだよ」
「あたしこれでも泳ぎには自信あってですね」
「それは知ってる。けど、みのりの水着って葉山とかのと違って目立ちにくいし、こんな遠くちゃ向こうから見てても気づけねぇよ」

 群青色の競泳水着を着ているあたしに、冬二はそう言った。
 地味、じゃなくて、目立ちにくいって言葉をあたしはすごく好ましく思う。
 あたしの隣に腰を下ろしてふかぁく息をつく冬二をじいっと見る。あたしの水着を『目立ちにくい』と言った冬二も、着いてすぐはルネさんの水着姿にびっくりしていた。まあ、あんなの同じ女だって驚いちゃうけど。あれは女に対する視覚的暴力だとルミさんと肩を組んで相談したんだから。要するに、大和さんだって冬二だってあのスタイルの良さには弱いと。あれ見て平気だった紗央さんと椿が逆にすごいと思う。椿はともかく、紗央さんは「あたしだって脱いだらすごいんだから!」という意思表示なのかもしれないけど。
 無言のあたしを不思議に思ったのか、どうした? と冬二が声をかけてくる。あたしが何考えてるか、教えたら冬二は笑うんだろうか。……笑うでしょ普通。あたしなら笑う。絶対笑う。

「冬二は彼女と海に来たら、あんな感じ?」

 そう言って浜辺を指差す。波打ち際で遊んでいるのはルミさんと、ずっとパラソルの下にいた紗央さん、かな。
 冬二は少し困ったような顔であたしが指差す方向を見て、うーん、と唸った。

「少なくとも遠泳はしねぇなあ」
「そりゃそうでしょうよ……」

 デートで海に来て遠泳してるカップルなんて見かけたら引くわよあたし。
 つまり普通の女子大生っていうかこの年頃の女の子は、泳ぐためでなく見せるための水着を着て、波打ち際できゃあきゃあ水を掛け合って遊ぶのが当然なのだ。あたしは少女漫画に夢見ていながら、王道とは全く逆を行っているらしい。

「けどあたしがあんな水着着たら水着が可哀想で」
「は? なんで」
「それはカモシカさんに聞いてあげて……。あたしは競泳用の水着が一番似合うんだって、楽だし」
「カモシカ?」

 ああ、と冬二は何かに気づいたように声を上げると、それから笑い出した。ぎょっとしてあたしがその表情を見れば、冬二は姿勢を正して、いいか? と諭すように言う。

「あの言葉は本来カモシカのことを言ったもんじゃないんだ」
「え、そうなの?」
「まあ確かに俊足の比喩なら間違ってないのかもしれないけど」

 自分が振った話だし、不愉快な話題のはずだけど新事実に「へええええ」と声を漏らさざるを得ない。

「本来あれはレイヨウって動物のことで、カモシカと同じ漢字でさ。日本にはレイヨウがいないもんだから、同じ漢字あててるカモシカって読み替えたんだな。誤読だ、誤読」
「レイヨウって言われても全然ピンと来ないんだけど、カモシカとは全然違うの?」
「動物番組でよく出てくんだろ、サバンナ特集とかでさ。インパラとかガゼルとか、あんなん」
「ああ、それなら分かる!」

 確かにそれなら足も細いことになるし速いイメージもあるけど、……動物特集って言われると食べられてるイメージがなくもない。でもこれを言うと雰囲気がぶち壊しになるから言わないでおく。話の中心は、カモシカのような足が太いのかそうでないのかというところにあったわけで。

「まあ、みのりはそういう水着の方がいいのかもな。すぐ海飛び込めるし」
「ちょっと、そこは“ああいう可愛いのも似合うんじゃないか”とか肯定的な発言しとくとこだと思うっ」
「だって言ったって着る気ないだろ?」
「そうかもしれないけど言われたいもんなのよ女の子なんだから!」
「女の子だけど、みのりだろ」
「う、……そ、そうだけど」
「ならいいじゃねぇか。その水着だってみのりなら俺はすぐ見つけられるし」

 軽く足を伸ばしてから、冬二が海に飛び込む。そろそろ戻るということなんだろう。
 続いてあたしも飛び込もうと立ち上がってから、浜辺から見るよりもずっと海の色が深いことに今更気づいた。
 ――みのりなら俺はすぐ見つけられるし。
 そう言った。冬二はそう言った。今頃あたしはその言葉のあまりの恥ずかしさに気がついて、復路は冬二のずうっと後ろを泳いで帰ったのだった。


2009.11.12(Thu) | ご近所物語 | cm(0) | tb(0) |

明日は晴れ


江戸博とかが明日から15日まで無料開放だというので行ってこようかなあ、とも思うし、でも混んでるよなあ絶対、とも思う。どうしようかなあ。行きそうにないな、私。
点呼どんの書いたジンさんとアンドゥーを見て、いいじゃん鈍感男といい経験してないお姉さん!! と思ったけど誰がアンドゥーを動かすのか。やはり部長に押し付けるしかないのか。


一日中雨でどこにも出かける気がしなくて暇だったので、ぼんやり理央と瑶子さんの子供設定でも考えてみる。無理があってもやっぱり真紘と同い年が面白いな。
理央と瑶子さんって二人とも名前に王へんが入ってるので、揃えて「琴也」かな。
「玲」で「れい」だと黎とかぶるし、理央の子供なら「あきら」って感じじゃないなー、とか、「環」だとホスト部ぽいなー、とか、いろいろ考えて「琴」の字。二文字目は也だけじゃなくて哉とか矢とか夜とかいろいろ考えたけど、理央、瑶子、って二文字目はシンプルだから一番シンプルな字にしておいた。哉だと風哉くんとかぶるしね。
黎と櫂のいとこか。真紘とはどうだ、はとこか? 成績は真紘のがちょっと上。将来の夢は総理大臣。
黎と櫂の兄貴分で、「アホのことやんだ!」「バカのことやんだ!!」と散々言われていればいい。
ちょっと本気で勉強すると軽くトップ取れちゃうような子だと思います、血筋的に。
「なあ真紘、敬意を込めて“眠れる獅子”と呼んでくれていいぞ」とか言い出しそうです。
一人称は俺かなー、と思ってたけど、僕でもいいなー、と唐突に思った。
まあ、書く機会ないっていうか、まず私は瑶子さんの告白シーンを書きたい。
意外と数がたまったので、理央と瑶子さんの話もカテゴリつくりました。広瀬香美の曲のタイトルから。


点呼どんが女キャラのイメージ書いてたんで、私もイメージを上げておく。
紗央:中二病(ただしケレスさんが絡むと評価がものすごく上がります)
ルミ:スイーツ(笑)(ルミが男前というよりは大和がヘタレすぎるのではないかと思います)
みのり:少女漫画思考(みのりが一番まともなんじゃないかなと思っている私)
奈央:ただのヤンデレです本当にありがとうございました
椿:螺子も足りないが歯車も足りない気がする
瑶子さん:とりあえずやかましい

紗央が中二病はガチだと思うんだ。でもいいんだ、私中二設定好きだから。
みのりが一番まともな子だよなあ。タっくん書いててバトロワが懐かしくなったので傷口を抉られながらも見返してみたら、うちのキャラの中じゃタっくんが一番いい死に方したんじゃないかなとか、みのりが一番普通にいい子だなとか思うわけです。
でもまともだから影が薄いんだよね! そろそろ続き書くかなみのりの!!
ご近所でも一番まともに可愛いのがみのりだと思ってる。でもまともだからあんまり浮き沈みが激しくなさそうだなということで書く機会がないんだよね。紗央くらい馬鹿で病気でどうしようもない方が構ってあげなきゃいけない気がする。
なんかご近所も詰めると面白いよなあ。


さて、どうでしょう始まるまでなんかやるか!!
先週はみんなにメール打っててすっかり見るの忘れてたんだぜ……。

2009.11.11(Wed) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

ご近所のお友達



「あ、経済学科なんだー」
「え? あ、はい」

 十月の半ば、教職の時間だった。この時間は中学の社会科の教員を養成するための授業で、他の時間では一緒になることもあるケレスや院生の貴久さんはもちろん履修していない。今回たまたま小テストを隣の席の人と交換して採点し合う時間があって、あたしがシートを渡した相手が、そう話しかけてきたのだった。教職取ってる人って気さくに話しかけてくれる人が多くて居心地はいいんだけど、こう考えるとケレスとか貴久さんっ手大丈夫なのかと思ってしまうこともたまに。まあ、全然喋らないわけでもないしこれまで続いてるんだから平気ってことなんだろう。
 話しかけてくれた隣の人の記名欄を見れば、二年生で政治学科。法学部なんだ。サークルに法学部の友達はいるけど法律学科が多くて政治学科の子ってあんまり見かけないかも。ちょっと新鮮だ。

(……あれ、……なんでこの人、)

 一問も空欄がないんだろう。
 このテスト、世界地図の白地図を渡されて、別紙に書いてある1~30までの国名を番号で白地図の中に記入、その別紙には国名の隣に首都を書き入れなきゃならないっていうもの。地図上の位置と首都とが両方合ってて初めて一問正解、合格は20問以上。これから毎週やるみたいだけど、このテストに一度でも合格しないとこの授業の単位取得の権利がもらえない。なのに毎回問題が変わるっていうんだから対策って言ったら地図を丸暗記するしかないわけなんだけど。あたしなんか国の位置もあやふやだし、首都なんてもってのほか、って感じだ。ゆえに、あたしの渡した地図が世界に実在したらとんでもないことになってそう。これでも一応先週から地図帳は眺めてたんだけどなあ。
 解答の印刷されたプリントを片手に隣の彼女の採点を進める。――この問題で一問も間違わないなんて、ちょっと頭おかしいんじゃないだろうか。
 採点結果に戦慄しながら相手にプリントを返せば、やった、と小さくガッツポーズをする様子が見えた。

「はいっ、ルミちんはもうちょっとだね。あ、私二年なんだけど年は一緒だからタメ口でもいいかな。ていうか現役だよね、同い年だよねっ」
「あ、い、一応現役、なので大丈夫です」
「ありがとうっ! 私政治学科の照井瑶子です!」

 と、自己紹介をしながら、ええっと、――瑶子さんはあたしにテストの用紙を返してくれる。
 結果は、……10点。まあ妥当、妥当よね……。メジャーどころしかわかんなかったんだから三分の一取れただけでもすごいのよね……。
 瑶子さんはあたしよりずっと明るい茶髪。ミルクティーカラー、かな。かなり明るい。けど長さはあたしと同じくらいかもうちょっと長いかも、ってくらい。思えば紗央さんといい椿ちゃんといい、あたしの周りはロングヘアが多い気がしてきた。明るい茶髪に、アクセントみたいに太い紺色のカチューシャをしている。うん、なんかボーダーマリンとか似合いそう。ちょっと時期はずれだけど。

「すごいですね、一問も間違わないなんて」
「ん? うーん、最初のテストだから先生も甘めに作ってるのかなって。結構メジャーどころが多かったし」
「ええっ、メジャーどころなんて思わなかったけどなあ……」

 聞いたことはあるけど位置なんか知らない!! 首都って何それ? って感じの国名ばっかり並んでて困ったもんだけど、瑶子さんに言わせれば違うらしい。

「なんてったって世界には200近い国があるんだから、一問もかぶらせないで作っても一回が30問だから、六回分とちょっとのテストができちゃうわけでしょ? なら、聞いたことある30カ国くらいは把握しとけよー、ってことなんだよ。先生だって国連が承認してるかも怪しいような国は出さないはずだし。合格が遅れると、先生もあんまり問題をかぶせるわけにいかないから自然と難易度上がっちゃうだろうし、早めに終わらせとかないと、と思って、昨日ちょっと地図帳と格闘したんだあ」

 えへへへー、と照れくさそうに瑶子さんが言うと、先生から用紙を回収するように言われて後ろの席から回収された紙が回ってくる。
 自分の悲惨なテストを乗せて前の席に回してから、ふと気づく。

(……あたし先週から地図帳と格闘してこの結果だったんですけど)

 隣に座る瑶子さんは満点を取って実にご機嫌だ。
 ――ちなみに、今回の試験での合格者は彼女を入れて八人。満点は彼女ただ一人だった。



 授業が終わると瑶子さんにお茶に誘われた。外に出るのも何だから、カフェテリアで済ませようか、と言う瑶子さんを、あたしはいつもの席に案内する。一番静かで落ち着けるスペースだろう。
 あたしはカフェモカを、瑶子さんはロイヤルミルクティーを注文してカップ片手に席に着くと、へぇええええ、と瑶子さんが声を上げた。

「このスペースって使っちゃいけないもんなんだと思ってたよ。空いてても誰も使ってないし。ルミちん度胸あるぅ!」
「使っていいんですよ。学生のスペースなんだし」
「そうだとは思うんだけどねー。久々にこっちの学校来たら何か学校を占拠する勢いのイケメン衆がいるっていうし、なんだかなあって感じで」

 ……それはまさか、っていうかきっとほぼ確実に、毎度この席を占拠している例の男共のことだろうか。
 なんだか口に出すのは憚られたので、カップに一度口をつけてから、瑶子さんの発言に質問をする。

「久々に、ってどういうことですか?」
「ん? 私二年の夏から今年の夏までちょっと留学しててね。一年の時と二年の前期にかなり詰め込んで単位取ったつもりだったんだけど、必修がちょっと足りなくて留年。だからルミちんとは同い年なんだよ」
「留学!?」

 単位取れなくて留年じゃないんだ、そうよね、あのテスト満点取れるんだから馬鹿ではないわよね……。
 でも、留学かあ……。二年で留年なんてあたしには考えられなかったなあ。

「ちょっとイギリスにね。勉強でドイツとかスペインとかも行ったりしたけど、旅行みたいなもんだったなあ」
「知り合いにアメリカ人とドイツ人いるんで会話してあげてくださいよ……、日本語封じてくれる方があたし嬉しいんで」
「ほんと? すごいねルミちん、大学で外国の人とお友達なんて! グローバルだ!」
「そんなんじゃないですよ、ただの不可抗力です」
「お友達にならざるを得ないって、不可抗力の方がすごいと思うんだけどなあ」

 いや、確かに言われてみれば不可抗力の方がすごい気もするけど、あたしの場合は本当にただの不可抗力なわけで。 
 そもそも友達なのかあたしとあいつらは、という根本的な疑問も浮かんでくる。友達っていうか、単にいびられてるだけのような気がしないでもない。

「けど留学前は単位取るのでいっぱいいっぱいで遊べなかったから、今はサークル入ったりバイトしたり、学生生活謳歌中!」
「どこのサークルなんですか?」
「え? んーとね、ミス研っていうの? こっち戻ってきて最初の一般教養の授業で隣の席だった男の子に話しかけたらミス研で部長してるっていうから、これも何かの縁だー! と思って着いてっちゃった」
「ミス研かー、あんまりあたしとは接点ないかなあ」
「ルミちんは? いかにも女子大生です! って感じに見えるんだけど、やっぱり入ってるよねサークル」
「あたしは合唱のサークルなんです。文化系なんだけど意外と体力勝負で」
「あー、合唱ってそうだよねー。腹筋とか使いそう」

 あれ、そういえばミス研の部長ってどっかで聞いたことある気がするんだけど気のせいだったかな。
 ……ていうか、そんな簡単に決められるのってすごいなあと思う。決断力が半端じゃないんだなあ。じゃなきゃ大学二年で一年間留学なんて考えられないし。単位取るので忙しかったってことはバイトもしてなかったってこと、だよね。それで留学ってことは家族の全面バックアップがあったってことで、ものすごーく賢くなきゃ一年間分学費と生活費と諸々払えないよなあ、なんて現実的に考えてみる。さっきのテストの結果も納得かもしれない。多分、前日に勉強なんてしなくても今日くらいのレベルのテストなら合格点は軽かったんだろう。う、羨ましい、もとい、見習わなければ。

「でもミス研ってことは小説とか興味あったり?」
「それがねー」

 その話題を振ると、瑶子さんはカップ片手に大きくため息をついた。

「私そういう娯楽に興味なくってねー、研究書とか論文とか、軽くても新書とか? お堅い本ばっかり読んでたからいまいちエンターテイメント性のあるものに溶け込めなくて。ベストセラーとかミリオンセラーの小説が映画になっても、ストーリーよりも興行収入の方が気になったりして」
「根っからの学者肌なんですね……」

 あたしならストーリーに入っちゃうけどなあ。パンフレット買ったりして売り上げに貢献したりする。瑶子さんの楽しみ方は斜に構えているというよりも、全く別の観点からの楽しみ方だと思う。学者とか専門家の感性なんだろうな。

「読まざるを得ない環境に置かれれば多少は気合い入れて読むようになるかな、と思ってたら、ミス研って名ばかりでただ集まっていろーんな話をしたりするゆるーいサークルだったわけよ。部長くんの人柄がそのまま表れた感じ」
「あ、でもそういう感じなら気軽に話せるし、瑶子さん可愛いし賢いからすぐ男子が寄ってくるんじゃないですか?」
「またまたあ、それ言ったら私みたいなのよりも、ルミちんみたいにすらっと背高い方がイマドキの男は好みでしょ」
「いやあ、あたしはヒールでごまかしてたりするし」
「そんなこと言ったらヒールでもごまかしきれない私はどうすれば……!!」

 確かに瑶子さんは小柄だけど、でもそんなに小さく見えないのは全身から滲み出る賢いオーラのせいだろうか。イマドキの男、と瑶子さんは言うけど、一応あたしの彼氏である男は身長180オーバーの巨人だし、その友人であらせられるF5メンバーの皆さんも揃って180オーバーの身長をお持ちで、あたしの背が標準より高かろうと低かろうとチビにしか見えないんだろうと思う。
 瑶子さんは賢い男の隣を歩くのが似合いそうだ。上野の博物館とか美術館をインテリカップルで回るなんて素敵じゃない。正直、あたしはそんなことしたらまず確実に眠くなると宣言できます。

「で、物は相談なんだけどね、ルミちん」
「はい、なんですか?」

 いい加減冷め始めたカフェモカを一口飲んで、瑶子さんの目を見る。やたらと真剣そうだ。

「私こっちに戻ってきたばっかりで、前の友達とも疎遠になっちゃってね。ここはリスタート切るべきかと思うんだけど、同い年だしルミちん可愛いしっ、是非片想いの相談に乗っていただきたく!」

 手を合わせてあたしを拝むように頭を下げる瑶子さんの言葉に、あたしは久々に心が浮き立つのを感じた。女はそういう話題に弱いんです。楽しいんです、恋愛相談。大和が聞いたらきっと、んな面倒なモンに首突っ込むな、ってしかめっ面で言うんだろうけど、あんたの方が数百倍面倒臭いわよ、ってのが持論なわけで。だって頑張る女の子は可愛いじゃない、いつの時代も!! いや今の時代以外知らないけどねあたしは。もちろんですとも、と返事をすれば瑶子さんの表情もキラキラと輝いた。

「え、相手は?」
「言ってもわかんないよー、相談に乗ってくれればいいって」
「えー? まさかそのミス研の部長さんでは」
「それはないない」

 あたしの予想は見事に冷静かつ鋭い突っ込みで返された。こ、この反応は、本当に眼中にないんだろうなあ……。その人がちょっと可哀想かも、なんて。

「まあでもちょっと近くてね。ミス研の部長くんが見せてくれた家族写真に写ってた、部長くんの弟さんなんだけど――」
「あー? ミス研の部長の弟って、紗央の弟だろ」

 不意に後ろから掛かった声に、びくりと肩を震わせると瑶子さんが振り向く。あたしは数秒前から気づいてましたけど。その人物はもちろん大和さんであって、この時間にここにいるってことは多分授業途中で投げ出して出てきたんだろう。瑶子さんの首が、古いロボットのようにぎぎぎ、と動く。

「……まさか彼はこの大学を牛耳ろうとしている例の男衆のうちのひとりでは」
「……ええ、まあ」
「……ルミちんとのご関係は」
「い、一応、彼氏、かな」

 テーブルを大きな音を立てて叩くと、瑶子さんが立ち上がった。あたしの隣に腰掛けた大和も、その音には驚いた様子。もちろんあたしも驚いた。

「しかも部長くんの弟君のこと知ってるとか、神か君たちは!!!」
「そんなに崇められると照れる。なあ?」
「あたしに振らないでもらえる……?」

 キラキラ輝く瑶子さんの表情と、本当に何故かわからないけど勝ち誇った表情の大和から、思わずあたしは顔を逸らしたのだった。



2009.11.11(Wed) | ご近所物語 | cm(0) | tb(0) |

子煩悩

みのりの家族を、本筋では父親のはずのタっくんが滅ぼすっていうパラドックスを考えてたら、これご近所ベースじゃなくて本筋キャラの芝居だったらそれもそれで楽しいな、っていう。
「暴君ってお父さんのキャラっぽくなくて新鮮!!」とか言ってそうだよみのり。
ワンシーン終わるごとに「おつかれー!」ってタっくんとハイタッチしてたらいい。
冬二くんはお父様前にして緊張すればいいと思ってる。
アンドゥーのとこは全然変わらなさそうです。それもそれでいい。
しょうもない妄想なのでやめときます。


タっくんはやっぱすごい子煩悩だと思う。本筋以外じゃどこまで行っても自分中心のしょうもない男だけど、本筋は、紗央と子供のために体張れるお父さん。バトロワでも死んだしな。あれ他の世界だったらみのりも殺して大和も殺して椿も殺してるよねタっくんなら。
真紘が生まれたとき柄にもなくすごい感動してぽろっと泣いてたりしたらそりゃあもう萌えるよ、紗央が。(笑) そういうギャップに紗央はとことん弱いだろうなあ。きゅうううんとしてしまうに違いない。
紗央と再会して、一緒になるって決めたところでリスタート切るつもりだったけど、真紘が生まれてもう一回これまでを考え直したらいい。芹沢に挨拶行くとかでもいいよなと思う。
真紘もみのりもどっちも大事。紗央はもっと大事。
みのりとは父子デートするといいと思ってるよ!!


あーもうダメだ、眠い。
明日臨時でバイト。もう眠い、寝る!
明日あたりから瑶子さん書くぞー! ご近所で書くぞー!!

2009.11.10(Tue) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

迷わず焦がして



「……椿は、どうしてる……」
「泣き疲れて眠ったみたい。……十歳の子には辛すぎるから、仕方ないと思う」
「……悪いな、お前まで巻き込んで」
「ううん、あたしは姫様のお世話をしただけ。それが仕事だもの」

 一仕事終えた大和は部屋の寝台に腰を下ろした。既に日付を跨いで数時間が経っている。
 兄の謀反、……方向性は間違っていても、そうしたい気持ちがわからないではない、と大和は考えている。座学ばかりで現実を知らない自分はもちろん、知っていて交易を続けていた父など、叩き斬りたくなるのも道理であろう。ただ、それにしても刺激が強すぎた。兄は最初からそういう人間だったのだとまざまざと見せ付けられた気分になる。
 寝台からはかなり距離のある、部屋の扉の前に立って大和に声を掛けているのは、椿付きの侍女であるルミだ。死体を始末しろと言いつけられたはいいものの、ひとりではすべてを片付けられる気はしなかった。やれるだけのことをやるにしても椿を使うわけにはいかない。苦肉の策として大和は、侍女であり、恋人でもあるルミに事の顛末をすべて話し、椿を頼んだのだった。
 両親の亡骸は今は部屋に運んである。後は日が昇った後早急に棺の手配をさせる。国葬などするつもりもないだろうが、本来継承順位が一番下だった拓海が実際に国王となるにはそれ相応の理由が必要になるし、謀反であることを知られては反発も受けかねない。そのあたりは明日改めて詰めるつもりなのだろう。ああ、あの死体から腐臭がする前にすべてを片付けて水に流してしまいたい。

「……結局、これからどうなるの?」
「わからない。明日何よりも先に軍会議を行うらしい。話はその後だ」
「姫様は」
「しばらく部屋から出さない方がいいだろう。お前が見てやってくれ」
「わかった」
「……それと、」

 言葉に続けて、ルミ、と名前を呼べば、足音を立てずに彼女が近づいてくる。そう長い距離でなかったとはいえ、二人分の人間の遺体を運んだ体は疲労を訴えて、早く寝かせろと騒いできかない。
 目の前にやってきたルミに、大和は手の内のものを差し出した。

「……母上のティアラだ。椿に渡してやってくれ」

 椿はまだ十歳だ。自分とは十も年が離れているが、それでも実の妹。物分かりのいい、大人しい娘だとは思うが、まだまだ母親に甘えたい年頃のはずだ。父親も母親も、目の前で無残に殺された。それは大和とて同じだけれども、ショックは椿の方がずっと大きいに違いなかった。きっと父や母の持ち物は兄によってすべて処分されてしまうのだろう。ならば、せめて今のうちにひとつくらい何か残してやっても良いのではないかと考えたのだ。
 電気もつけず、真っ暗な部屋の中。ティアラの小さな宝石が窓から差し込む月明かりを反射する。ルミはそれをしっかりと受け取った。

「大和ももう寝て。あなたが一番疲れてる」

 跪いてブーツを脱がすルミの頭に手を置いて軽く撫でると、なあに、と優しく宥めるような声でルミが顔を上げる。

「……あの人と半分でも同じ血が流れているのかと思うと、……自分が怖い」
「……大和は大和でしょ? 拓海様とは違う」

 ブーツを脱がされると、そのまま寝台に横になった。ルミはそれを確認すると扉へと向かって行く。勤務時間外に呼び出したのだ、これから部屋に戻るのだろう。

「明日の朝、起こしにくるから。……少しでも体を休めて」

 ゆっくりと閉まる扉を目を細めて見つめる。
 廊下から射す光が少しずつ細くなって、――目を閉じればそこは赤の世界だった。





「シュヴァルツシルトとの国交は止めだ、止め。どんだけ手の内読まれてるか分かりゃしねぇ」
「そんな! あちらから入ってくる薬品のお陰でヴァルトハイムの医療がどれだけ進歩したか分からないわけではないでしょう! それに物資の輸送は軍のライフワークと言っていい!」
「おいおい、てめェらいつから運び屋になったんだ? 第一その薬作るための薬草はこっちが提供してる、……十分国内でやってけるってことじゃねぇか」

 なかなか寝付けずに、朝になってルミに起こされてもまだどこか鈍い頭のまま軍本部の会議室に顔を出せば、既に拓海は将軍職の者と言い合いを始めていた。
 事情を知る大和が遅れたことで軍としても混乱を隠せないのだろう。拓海が事情の説明を理論的に行ったとは考えにくい。地図を広げた長テーブル、言い合いをしている二人からは少し離れた場所に腰掛けた大和に、なあ、と拓海が声をかける。

「原材料をこっちが持っているなら、ここでも薬品の製造は可能だ。違うか」

 これまでの経緯はだいぶ省かれていたが論旨が読める質問だったので答えることにする。

「可能です。事実、我が国でも少量ずつではありますが製造を行っています。ただこちらの国はどちらかといえば鉄資源の発掘などに人員を割いているため、専門的に薬品を製造する技術者の数が足りません。よってこれまでも輸入に頼らざるを得ない状況でした」
「鉄の発掘ねぇ……。あー、ファルーナの奥の鉱山か」
「近場ではそこが最大の発掘量です」

 ふうん、と広げた地図を眺める兄を、将軍は不安そうな目で見ると、すぐに大和に視線を移した。事情を説明しろということなのだろう。だがこのタイミングでそんなことを行っている暇は無い。軽い会釈をしておいたが、通じただろうか。
 ヴァルトハイムは植物の栽培ももちろん大規模に行っているが、国内の産業を支えるのは鉄資源の加工。つまりは兵器の製造だ。兵器の製造を得意としているのだから、小国のひとつやふたつは軽く吹き飛ばすくらいの力は持っている。それを行使させないために周りの国はさまざまな手段を用いて抑止を試みているのだ。件のシュヴァルツシルトの場合なら、技術的に進歩の遅い医療関係、主に薬品の輸出をちらつかせて抑止力としていた。
 しかしヴァルトハイムで行うのはほとんどが鉄の加工であって発掘ではない。発掘は隣国の協力を得て“させてもらっている”のだ。会話に上るファルーナというのはヴァルトハイムのすぐ北に位置する小さな独立国で、領土の多くを山が占めている。資源の発掘に際しては、年単位で鉱山の権利を買い取っている状態。輸入という手段を採ると規制がかけられた場合に不利になるという考え方だったようだ。

「ふん、それで毎年値上げ食らってりゃ世話ねぇよ。……値上げされてジジイは何つってた」

 それはおそらく大和の、そして拓海の父である先代のことであろう。一拍置いてから大和は再び口を開く。

「……この程度なら痒くもない、と」
「なるほどな、だからこんな小せえ国にも俺にも舐められんだ」

 指先で地図の上の独立国を叩くと拓海は一度鼻で笑い、自国のエリアに置いてある戦車の駒を摘み上げ、小さな独立国に叩きつけた。

「来週月曜、ファルーナに総攻撃を仕掛ける。軍は総動員、士官学校の人間まで招集しろ」
「ば、馬鹿な!! 理由が無い! 国民の理解は得られませんぞ!!」
「動機なんざ適当に作りゃいいだろうが別に」
「非人道的だと詰られることになる! 非難を受けるのは我々国防軍だ!」
「どんな理由であれ戦争をするのに正当なモンなんてない。同じく、人道的な戦争も存在しない。戦争はすべて理不尽な暴力と究極のエゴのぶつかり合いだ」

 台詞だけ聞いていればそれはすべて正しい言葉に聞こえる。ただ、それを発する人間が狂気に顔を歪めていなければの話だ。恐ろしく筋の通った台詞を、恐ろしく凶悪な表情で兄は言う。その狂気に将軍も圧されたらしい。それ以上の反論をすることはなかった。

「……何、安心しろよ、どう考えたって勝ち戦だ。勝利の美酒に人間は弱ぇんだぜェ? 何しろ総動員だ、目標は三時間以内の制圧。あそこも首長が国回してたな、……仕方ねぇ、そこは戦争らしく根絶やしにするか」
「兄上、……いえ、陛下、目的が鉱山の占拠であるなら犠牲は最小限にすべきかと」

 兄上、と間違って呼んだ瞬間の拓海の目の冷たさは背筋に電流が走り抜けそうなほどだった。兄は、自分を弟などとは思っていないのだ。
 大和の進言に将軍も何度も首を縦に振って同意する。しかし拓海は数度首を横に振ると、椅子の背もたれに体重をかけ、足を組みなおした。

「目的は鉱山じゃねぇよ、領地及び領民。新しいリーダーの前に古いリーダーは要らねぇだろ、ついでに言や、恐怖は最大の抑止力だと思わねぇか? うちは兵器製造にかけては一番の技術がある。歯向かえばどうなるかは勝手に想像してくれるだろうよ。制圧後は現地民を資源の発掘に当たらせる、ヴァルトハイムの人間は国に戻らせて、こっからは国内で薬品の製造に当たらせろ。話は以上だ、詳しい予定は明日以降詰める」

 言い終えて満足したように立ち上がる拓海の後を追って大和も慌てて立ち上がる。将軍がこちらに声を掛けてきたがそんな暇はなさそうだった。――来週に軍を総動員して戦争を仕掛けるというのに、「話は以上だ」はないだろう。
 後ほどご挨拶に伺います、と言い残し、会議室を出る拓海の背を追った。




「陛下、来週というのは急すぎます、用意できるものも用意できない、そもそも、……代替わりを即位式で知らせないことには大義名分を作ることも難しい」
「んな面倒なモンやらねぇよ、その代わりだと思えば安いモンだろうが」
「即位式をやらない!? なら、なら父上の死をどう片付けるつもりですか!?」
「病気っつっとけば大抵納得する。国王の健康状態を国民が把握しているわけがない」

 軍本部を出て、城へ戻る車の中、暢気にそう言ってのける兄に大和は驚きを隠せなかった。考え無しにも程がある!

「ですが、……その、元々の継承順位についての説明は」
「お前の勉強不足、でいくらでも補える。指導者は現場の経験が必要だ、とな。お前自身の弁明でどうにでもなるだろう。あとは俺が前線に出れば完璧だろ、演出としては」
「前線に!? そんな、いくらなんでもそれは!」
「そうだな、さっきあいつも言ってた動機付けだが、緊急性を帯びていれば問題ないな。俺の即位も緊急時ってことで対応可能、お前が適当にでっち上げろ」

 その仕事を月曜までに、いや、月曜に開戦なら月曜に終わったのでは間に合わない。今日が火曜、遅くとも金曜あたりには終えなければならない。そんな補佐官のような仕事が、これまで王子として過ごしてきた自分にできるとでも思っているのだろうか。しかしながら拓海がそこまで考えているはずはないし、やれるかどうかではなくやらなければならない。無事に遂行しなければ椿やルミ、そしてこの国がどうなるかわかったものではない。兄を止められなかった責任の一端は担っているはずだ、ならば出来る限りのことをやらなければ。
 まずは手配した棺に両親を入れて、埋葬の準備からだが――今日からしばらく徹夜になりそうだった。
 はあ、と息をつけば、ああ、と拓海が思い出したように声を上げ、次いで大和の名を呼んだ。

「空いてる時間にシュヴァルツシルトへ行って来い。即位式やらねぇ代わりに丁寧なお手紙でも差し上げて、国交は断絶ですよって伝えてやれ」

 ――寿命を全うできる気がしない。
 あまりの仕事の多さに指折り数える気にもならなくなった大和は、はい、と大人しく返事をした後大きく肩を落としたのだった。



2009.11.09(Mon) | 近代戦パロ | cm(0) | tb(0) |

うまくいかない


せっかくなので秋臼さんが書いた奴の後日談的なものをルミ視点で書こうと思ったんだけどうまくいかないのでやめた。ルミにとって嫉妬されることとかって侮辱に近いんだろうなと思う。誰に対しての嫉妬だろうと、それって「モーションかけられたらそっちに靡くかも」って思われてるってことだろう、多分。「自分のいないところで二人で会ってるなんて」っていう気持ちも、そこで何らかの行動を起こされるのが怖いから生まれるわけで。面倒だな。ルミが欲しいのはそんなんじゃないんだ! そんなだからプロポーズ受けてもらえないんだよ大和!!
ルミはシーマスさんとか冬二くんとか、男の前では最大限大和を立ててあげてると思う。文句とかは男性には言わない気がするよ。普段けちょんけちょんにやられてるから、大和はいい男なのよ!ってルミだけでも言ってあげなきゃしょうがない。結婚する前からもう素晴らしい奥さんぶりを発揮しているはず。でも女の集まりになったら怖いです。ものっそいマシンガントークしそう。一番話し相手になれそうなのはみのりだよなあ、やっぱり。そういうのみのりは乗ってくれそう。
紗央は最初同調して喋って後で何故か自分で訂正する子だと思う。椿はそれ聞いて、「へえー」ってなってればいい。
瑶子さん入ったら導火線に火が点いたようにダイナマイトトークなんじゃないだろうか。紗央が若干引くくらい。
「大和から俺様取ったらヘタレしか残んないんだからそこくらい固持しとけって感じなんです!!」
「わかる!! そういう顔してるよね大和くん!!」
「そう! そういう顔してるんです!! ほんっとどうしようもない顔なんです!!」
みのりもついていけないくらい。
紗央とみのりと椿で、(なんで顔トーク?)ってなればいい。
まあまず有り得ないがラブシャッフルするなら誰がいい、とかな。みのりあたりが「ルミさんは絶対シーマスさんですよね!」って振って、「ないないないないない」と冷静否定。「えー、でもあたしシーマスさんいいと思うけどなー」ってみのりなら言うと思うんだ、ミーハーだから。
どうでもいいが花より男子とかラブシャッフルとか、あの枠のドラマってルミすごい好きそう。みのりは月9って感じ。ラブシャッフルは設定的に紗央が衝撃を受けると思う。「それっていいの? あの、……法律的に」とか言って、「あー、紗央ちんは可愛いという言葉では語弊を生じるくらい純粋なんだね」って言われたらいい。


恋人ごっこはノリがいいだろうからかなりハマってるといいな。シーマスさんが珍しくルミを呼び捨てにしたりしたら大和的にはそりゃあもう、ざわ…ざわ…って感じで想像するのは楽しい。
ここで怒ったら負け怒ったら負け、って思ってるくせに結局我慢できずにキレて一人で帰宅しそうだこいつww みのりあたりが恋人ごっこしてる二人の写メ撮って紗央に送って、勤務中の紗央が本気でびっくりする。仕事終わったら飛んで帰るよ!!
大和も別れた云々って振られたときに「ああ、でも俺諦め悪ぃからより戻すつもりでさ」とか言えばいいものを、流されるから……!! こういう時この子をとても可哀想に思います。
本筋の未来話でも流風とやってそう。樹理と椿も巻き込んだ壮大なエイプリルフール。大和涙目wwww
紗央は絶対大和の味方だ。性質の悪い冗談は許せない子。椿は冗談の質を見抜けない子。ルミとみのりのノリの良さはどっから来たんだろう! 血繋がってないはずなのに!
そこだけノリがサークルとかww 


シーマスさんが一番背が高いんですね。なるほど。
謎が解けて満足した。
ちなみにうちの女性陣は、
紗央=ルミ>椿>瑶子>みのり>奈央
って感じかな。ハイヒール履くから普段は紗央が一番背高い。9cmのピンヒールとか履きそうだもんな、紗央。瑶子さんは背の低さを態度のでかさでカバー。ぺたんこよりもヒールの靴履いてそうだなあ。空と奈央は身長としてはかなり釣り合いの取れたカップル、という。
みのりは背伸びするとか見上げるとか毎回大変そうだなあ。「頭切ってきて!!」って本気で言いそう。
みのりと空が小さくて、慎吾だけでかかったら、「お前絶対うちの子じゃねぇよ! 貰われてきたんだ!」と空が騒いでいるに違いない。
ていうか背伸びとか単語だけで滾りますよね私だけですか。ヒール履いて170ちょいくらいになってもまだ10cmも差があるとかwwwww
今日のプリキュアが面白すぎたんだが。少女漫画的な意味で!! 大輔ちょうカッコイイじゃないか!! ウエスターさんも大好きだ。ご近所の大和はウエスターさん的なヘタレだと私の好感度が上がる!!
理央は部屋の中にいる時とかたまーに、(あ、小さい)って瑶子さんを見て思ったらいいなあと思ってる。本筋の理央がそれ思ったらテンションが上がる。瑶子さんは、「もうちょっとで160行くのにー!!!」ってくらいがいいと思うんだ。


いろんなものを同時進行してると頭が痛くなりそうです。(笑)
瑶子さんとかルミはどこ行っても同じだけど、紗央と大和とかは世界が違うと性格違うので面倒。
今日はミラ☆トレだよ見るぞー!!!!
眠い! 昼寝する!!

2009.11.08(Sun) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

あなたの好きな色


「さて理央くん、ドライブデートだね?」
「毎日遊んで回ってよくそんな元気ですね」
「もちろん。だって理央くんと毎日一緒なんだよー? フル充電で元気なのはあったりまえでしょ?」

 助手席に乗り込んでにっこり満面の笑顔を見せる彼女には何年経っても敵いそうにない。
 一時帰国中の彼女はまず最初に紗央の部屋に一泊し、それから三日ほど俺の部屋に居座った。瑶子さんが来たので奈央は気を利かせたのか紗央の部屋へ行くと言い、軽く荷物をまとめて出て行ってしまった。俺としては変に気を使われる方が恥ずかしいのだが、瑶子さんはそんなことお構いなしで「これで心おきなくいちゃいちゃできますねえ」と、奈央が出て行った直後閉まったドアに向かって呟いたのだ。
 手紙やメールのやりとりはしていたとは言え、会えば話すことも山のようにあるし、彼女は久々の母国で、今俺が住んでいるところだからいろいろ見たい場所もあるんだー、と毎日毎日精力的に動き回っていた。そんな彼女に付き合うのもまた一苦労で、仕事の合間を縫っていろんな場所に瑶子さんを案内した。
 そりゃあ疲れはするけれど、……まあ、嫌だと言うのは嘘になるだろう。年に一度、会うかどうか分からない相手だ。会えばど直球で気持ちをぶつけてくる人だけど、会わないでいればそれは若干恋しくなるわけで。……女々しいのかもしれないけど、毎日一緒にいて楽しいってことは、俺もそれだけ会いたかったってことだ。瑶子さんはそんなこと言わなくても察しているみたいだから口が裂けても言いませんが。言ったら負けな気がする。

「でももーっとべたべたいちゃいちゃするつもりだったのになあ」
「あれだけ四六時中一緒にいてまだ足りないんですか……」
「次いつ会えるかわかんないんだよ!? 一週間ずうっと手繋いでても足りないくらいだって!! ……それとも、三日四日一緒にいたらもう飽きちゃった?」

 エンジンをかけてギアをドライブに入れる。横目で瑶子さんを見れば、しゅんとした口調とは裏腹の笑顔。
 この台詞を真面目に言うような人じゃないことはわかってる。確信犯だ。飽きちゃったんでしょ、と泣きつくような女は俺の好みじゃないし、……そもそも、飽きないし。彼女は彼女で俺を信頼しているというより、俺の人となりを理解しているからこの台詞が出てくるのだろう。ちょっとした遊び心だ。

「今度来るときには紗央ちんが一段落してるといいな。でもってきっと素敵な彼氏紹介してくれると思うの」
「紗央が? 何でまたいきなり。振られたっつってたのに」
「理央くんはなぁんにもわかってないんだ、本当に鈍いねー。そんなだからおねーさんみたいのに引っかかっちゃうんだよ?」
「それとこれとは別でしょう」

 瑶子さんへの実家へ向かって走り出す車。「“引っかかった”ってとこ否定してほしかったなあ」と瑶子さんはぶつぶつ呟いている。
 それから、理央くん、と俺の名前を呼ぶ。

「紗央ちんがね、きっと理央くんのこと頼ってくると思うんだよ。紗央ちんにはもう理央くんしかいないもん。でもね理央くん、紗央ちんがどんなに泣いてても、苦しそうでも、助けないであげてね。それじゃあ紗央ちんは多分一生そうやって理央くんに縋ってでしか生きられなくなっちゃう。それは私にとって大変ゆゆしき事態ですので」
「……はあ」
「理央くんはすごーく優しいから、紗央ちんのことに首突っ込むとずるずるずうっと付き合ってあげちゃうと思うんだ。なんてったっていとコンだもんね」

 糸こんにゃくみたいなそのネーミングは付き合う前から散々聞かされてきた造語だ。なんでも、いとこコンプレックス、の略称だそうで、「そうかあ、理央くんはシスコンといとコンを併発してるんだね」と納得されたことがある。奈央に対しても紗央に対してもそこまでのコンプレックスのようなものはないと思っているのに、回りからするとそうでもないらしい。
 一時期は本気で「理央くんいとこ同士って結婚できるって知ってる!?」と怒られたこともあったが、そんな心配は杞憂にも程がある。今では一応それを理解してくれているのか、それ以上の言葉は瑶子さんは言わなかった。
 わかりました、と返事をすれば、よろしい、との言葉。俺には想像がつかないけれど、瑶子さんは紗央と会話を重ねていろいろ思うところがあるのだろう。その山を乗り越えれば、紗央も一段落するということなのだろうか。

「しかし紗央ちんは物持ちがいいね。子供の頃のおもちゃの指輪なんてどうやったらずっと持ってられるんだろう。思い出の品だとやっぱり気持ちの入り方が違うのかな」

 紗央が随分前からおもちゃの指輪をチェーンに通して首にかけているのは知っていた。そうじゃなくても紗央は物持ちがいい。衝動買いをすることもあるけれど、大抵のものは壊れるまで使う。奈央もそうだ。たまにこれは物持ちがいいんじゃなくて貧乏性なんじゃないかと思ったりするくらいだ。
 
「瑶子さんだって」

 その話題から俺が瑶子さんに話を振ると、少なからず驚いたようだった。「私?」とまるで思い当たる節がないらしい。

「そのカチューシャ、ずっとしてるじゃないですか。思い出の品ですか」

 出会った頃から彼女のスタイルは変わらない。染めたミルクティーカラーのストレートヘア、そこに紺色の太いカチューシャをいつもしている。たまに色が変わることもあったが、それでも深緑とか暗い色。普段は紺色がダントツで多かった。今もそうだし、いつもしているから、それはきっと何か思い入れがあるのだろうと思っていたところだ。まあ一応、……男からの貰い物だったりしてな、という想像もしている。というか、八割方その線で合ってるんじゃないかとも思っている。
 しかし瑶子さんは、はぁああああ、と呆れたような馬鹿にしたようなため息をついた後で、「理央くんね、」と諭すように言う。

「みんながみんな思い出の品を身に付けてると思ったら大間違いなんだよ。私のこれは、自分でしたくてしてるの。だから色変えることだってあるでしょ? 可愛いデザインあったらすぐ買っちゃうし」
「そうなんですか?」
「そうだよー。太めのが好きだからかさばるし旅行にはひとつしか持って行かないけどね。結構コレクターだと思うんだな、自分でも」
「けど、いつも紺色ですよね。たまに色変えてたりはしてましたけど」
「あー、ちょっとは成長したみたいだけど、やっぱり鈍いねえ理央くん」
「……今の話と鈍いの鋭いのって何の関係があるんですか」

 そう事あるごとに鈍い鈍いと言われるのは言われ慣れていても面白くない。この人のことだからそれなりに理由があるのだとしてもだ。一応この人のことに関しては鋭いつもりでいるのに。

「それはね、理央くんは落ち着いた色がきっと好きだろうなあ、って思ったからだよ」

 フロントガラスの向こうに続く道路を眺めながら、瑶子さんは優しくそう呟いた。
 赤信号が見えてブレーキを踏む足に思わずいつもより力が入る。
 
「そりゃあ赤もピンクもオレンジも持ってたよ。服に合わせて明るいのだってしてたけどね、理央くんはピンクって感じじゃないなって思ってたから。理央くんといる時に紺が多いのは、初めて会った時にしてたからかな。あ、そういう観点からなら思い出の品っていうのも強ち間違ってないのかも」
「別に、……俺はそういうの気にしてませんでしたよ」
「だから、紺ばっかりしてるって気づいてたところはちょっとだけ成長したなって思ったの。でもやっぱりまだまだだねっ」

 まあ、そこまで察してる理央くんはらしくないと思うけどね。と何気に失礼な台詞を上機嫌で言ってくれる。 
 ……確かに、そんな小物にまで気を使っていたとは、あんまり考えてなかった。……つーか俺何考えてこの話題振った、バレたらからかわれるどころの話じゃ――

「そんなわけで、きっと理央くんが考えてくれてたみたいな、前の彼氏からの贈り物とかではないので!」
「う、」

 とか思ってるところにもれなく先手を打たれた。
 ね? と嬉しそうに笑顔を作られては太刀打ちできない。

「……わかりにくいんですよ、瑶子さんは」
「理央くんが分かりやすすぎるんだよ」
「俺は別にっ」
「あ、ほら信号変わったよ」

 睨むように瑶子さんを見たけれど、彼女は「早くしないと後ろに迷惑かかるよー」と俺の視線を軽くかわしてしまう。
 これでこれからこの人の実家に向かうのだから気が重い。どんなに気合いをいれて彼女と一緒に歩く覚悟を決めたって、俺は何年かかってもこの人の真っ直ぐさには、きっと一生敵わないのだ。


2009.11.08(Sun) | 未分類 | cm(0) | tb(0) |

風味絶佳


文庫で買ってたのに全然読んでないことを思い出して読み始める。
やっぱりこの人の書く青春小説が好きだなあ。


いろんなものの続きを書いてて、タっくんが紗央引き連れて芹沢に戻ってきて家を継ぐっていう、なんという大団円、なエンドもその昔考えていたのを思い出しました。メリットデメリットは全く考えず、ただ同居させたいっていうだけ。大和がしょっちゅう「義姉さーん」ってちょっかいかけにきて、「しつこいのよ大和!!」って言われて、「大和“さん”だろ、なってねぇなぁ義姉さんは」って言われる、そういう姉弟な感じがいいな! と思ってた。まあ家に戻るなんて面倒なこと絶対しないよなタっくんは。

書いててタっくんから紗央への気持ちってどんなんなんだろうなあと考える。タっくんが面食いだってことはわかった。よくわかったよ私。
まあ紗央みたいな見た目のメンヘル女なんかそう簡単に忘れないだろうなあ……。
こいつら頭おかしいなあと思うのは、タっくんは他人から見た紗央の欠点こそ好きで、紗央からしてもタっくんのダメでどうしようもないところが好きっていう。空が吐き捨てたような、うざったくて重いから
好き、みたいな、ね。俺のことが好きだからうざったくなるし重くなるんだぞ上等じゃねぇか、っていうスタンス。それでいて見た目が紗央だからより好きっていう。なんだ、要は顔か。
ただこの33歳だか34歳、ディズニーランドもノリノリで行きそうである。そこは大和と似てんだなこの男。寧ろ紗央よりも楽しみそうで怖い。鈴城さんちはそういうアゲアゲなテンションに弱い。タっくんと紗央と理央と瑶子さんだったら、明らかにタっくんと瑶子さんが引っ張り役で騒ぐだろ。ていうか絶対こいつら観覧車とか乗ったら揺らす。大和も引きそうな勢い。

取りあえず近代戦パロの続きで紗央がタっくんのところに行ったら、世界設定上外道極まりない拓海さんは今にも噛み切りそうな勢いで紗央の首筋に噛み付いて血が滲むくらい痕つけるんだと思います。少コミのヒーローでいそうですよね、こういう男。だからイメージCVが中井和哉なんだな!(関係ない)
あと冬二くんのところをどうにかしたいんだが地名が決まってないので点呼どんに丸投げするとして、ウィキペディアと仲良くなってきます。
「人体実験する国が自衛とかwww」ってタっくんは思ってるに違いない。
なんかもうシュヴァルツシルトはさ、その日にやることをサイコロとかで決めてそうだなと思い始めてきました。1が出たら今日休み、2が出たら近いとこ侵略、みたいな。末恐ろしい。もはやごきげんよう。「くらしばっかり見つめるんじゃないわよ!!」という突っ込みは酷すぎると思いました。


つまり瑶子さんを出すと点呼どんが馬車馬のように書きまくるということなんですね、わかります。じゃあ慎吾とかも仕方ないから書き始めるかな。
タっくんと紗央書いてたらあまりのバカップル加減に少々食傷気味なんだ。
そして今マクロスFの再放送見て、「シェリルだろ!! メロメロだろ!!」と画面に向かって叫んだのは私です。
アンドゥーとジンさんに本気でフラグが立ったらきっと紗央はそれなりにそわそわすると思うんだ。なんてったって恋愛仮免(名言)だものアンドゥー。
「だって圭一って経験値少なすぎだし鈍感だし……」ってぼやく紗央に、お前が言うのかとケレスさんが心の中でツッコミを入れたらいいと思ってる。


さて、お風呂入ろうかなー。そしてノンストップくしゃみ。

2009.11.07(Sat) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

美しく燃える森



 ――時刻は午後九時、森では梟が鳴き始めている。
 ヴァルトハイムへと帰ってすぐに拓海は隊に今日の任務の終了を告げると解散させ、自らは城へと戻った。部屋に戻って王族の正装を纏い、玉座へと赴く。
 拓海が国王に直々に話を持ちかけることは珍しい。王族であることを辞退するかのような生活をしているからだろう。拓海の顔を見ることも少ないからか、腹違いの弟、しかし王位継承順位は一位の大和と、その妹で二位の椿も玉座の間へとやってきていた。国王の側室だった拓海の実母は既に死去しているため、この面子に囲まれると普段は肩身の狭い思いをしていたのだが、今日ばかりはそんな戯言を言っている場合ではない。重要な話があるから、と番をしている兵士たちも一時的にこの部屋から遠ざけておいた。外交問題だ。

「久しいな、拓海よ」
「――お久しぶりです、父上」
「もう遅い、手短に話せ」

 玉座の前に跪き、はい、とひとつ頷いてから、言葉を選んで話し始める。
 今日の任務、現地で見たもの。それは見てはいけなかったものだ。

「……一人の尉官の進言としてお聞きください」

 狂っていた。
 狂った人間同士が銃や刀を手に殺し合う。撃たれても、斬りかかられても、痛みを行動力へ変換しているかのように殺し合うことをやめない。
 それを観察する、殺し合う人間以上に非情な人間たち。
 あの国が医療大国と呼ばれる所以も、自分たちの隊が任務として運んだあの植物も何にこれから使われるのかも、大方察することができた。
 生きた人間を使った臨床実験。動物ではなく、実際に人間を使うのだからそこから取れるデータは非常に価値のあるものだろう。戦争に身を置く国ならばどこだって欲しい情報だ。しかし普通は手に入れることも、実験することも有り得ない。普通なら倫理が働くのだ。そんな実験は非人道的だとどこかが訴える。それを、あの国は、国ぐるみで当然のように行っているのだ。――属国となってしまったあの国も、どのような経緯を経て属国となったのかは想像に難くない。
 自分が見てきたことを、拓海は簡潔に父である国王に伝え、そしてこう締めくくる。

「シュヴァルツシルトへの物資供給は今すぐに打ち切るべきかと思います。今は良い顔をしていても、いずれ牙を剥いてこちらに襲い掛かりましょう。加えて、王城と国防軍の間の命令系統は複雑で有事の際に迅速に対処できるかどうかは疑わしい。……父上、あのような腐りきった国に我が国が侵されるなど私には耐えられません。どうかご決断を」

 跪き、言葉のほとんどは床に落ちたが、それでも国王には届いただろう。
 後ろでは弟と妹が静かに見守っている。話を聞いただけでは何のことかわからないかもしれない。
 どくどくと心臓が脈打っているのがわかる。どうも、柄にも無く緊張しているらしい。あんな光景を見た後だ、誰だって真に冷静でいられるはずなどない。
 国王は王妃と顔を見合わせ、しばらくしてから口を開いた。

「――何を今更」

 は? という声は拓海の声帯からではなく、後ろに控えていた大和から聞こえた。同意だ。理解できるはずがない。

「あれだけの薬草の輸送をしておいて少しも察するところがなかったと? それにだ拓海、お前は我が国がシュヴァルツシルトから医療面でどれだけの恩恵を受けているか分かっていないのか? なら書庫で統計でも見てみるんだな」
「………ほう、父上は既にあちらの属国となる覚悟を固めた、いや、もう実質そうだと仰るんですね」
「お前は少し口の利き方を学んだ方が良いな、それでは王位を継承させるわけにはいかん」
「ああ、てめェみてぇな腑抜けたジジイから貰う王位なんざ御免だ。あー足が痛ぇ」

 ――これ以上話しても無駄だ。
 この国王は、あの国が何をやっているかを知っていて供給させていたのだ。代わりに輸入される薬がその代価、いや、薬はそれ以上のものと認識しているからこそ『恩恵』という言葉を使った。根が腐っている。話にならない。
 拓海は立ち上がると首を回す。ごきごきと軽く音を鳴らすと、それから腰の剣に手をかけた。

「――ならば父上、お覚悟を」

 剣など取り合えず腰に提げているだけの飾りでしかない。が、全く使えないというわけでもない。
 鈍く光る刀身を振り上げて、その場から玉座へと駆ける。王は瞬時に今何をされるところなのか理解したようだが、声も出ないらしい。人払いはしてあるのだ、もう遅い。
 切れ味の悪い剣で力任せに王の喉を右側を叩きつけるように斬る。切れ味が悪くともそれだけ力を込めれば肉は裂け、傷口から夥しい量の血液が噴き出す。王妃は口をぱくぱくさせて物を言わない。どこかから小さく悲鳴が聞こえた気がして振り向けば、真っ青になっている椿の口を大和が必死で押さえつけていた。血に濡れた剣を喉から離し、最後にとどめとばかりに王の胸、その中央に剣を突き刺し、ゆっくりと引き抜く。椅子に座っていたはずの国王は前に倒れてぴくりとも動かなかった。血液だけが生き物のように流れ出している。倒れた拍子に床に転がった王冠を手に取り自らの頭に乗せてから、拓海は国王の血液をもろに浴びて、恐怖から椅子から動けないでいる王妃の胸にも赤い剣を突き刺した。

「……あの腐った国とは戦争するから面白ぇんだろうが、あァ?」

 事切れた国王の頭をブーツで踏みつけ、拓海はそう言い放つ。
 そうだ、この世の地獄だ。狂った者同士を戦わせ、死ぬまで、死んでも、殺し合わせる。なんて愉快な発想だろうか。この立場でなければ危うくあちらに傾倒しているかもしれない。しかし、発想は愉快だがデータを取ることに意味があるとは思わない。殺し合う暇があるのなら戦って死ね、と思う。データなど取ったところで人間の活動をすべて把握できるはずもない。それが例え薬を投与した人間であったとしても、だ。銃や戦車でさえメンテナンスをしていても攻撃を外すことがある。それなら狂った人間などなおさらデータ通りには動かない。
 とは思うが、着眼点は恐ろしく自分と似ているな、と拓海は思ったのだ。

「銃だ戦車だのメンテナンスを俺が本気で楽しんでるとでも思ったか? あぁ大和、どうだ?」

 遠くで椿を押さえつつこちらを凝視している大和に声を掛ければ、大和は一瞬ぎくりとした様子でぽつりぽつりと呟き始めた。

「っ、……俺は、そう、聞かされてました」
「っは、馬ッ鹿じゃねェのかこの国は! やっぱりトップは血から腑抜けてやがる! 銃だ戦車だ、確かに面白ェよ、……凶悪な兵器の前にはどんな人間も無力だからだ。金持ちだろうが貧乏だろうが、直系だろうがそうじゃなかろうが、……国王だろうが何だろうが、な。ガキん時からドライバー片手に俺が何思ってたか教えてやろうか大和、あああのうざってェ親父と香水臭ぇババアをいつかブチ殺して俺が王になってやるって殊勝にも思ってたんだなァこの俺は」

 人を傷つけてこその武器だ。メンテナンスを欠かせば自分が傷つくかもしれない。本末転倒だ。
 そういった面から武器兵器の類が好みだったのは認めても、断じて細かい作業をしたかったわけではない。
 元々赤い絨毯が血の色で更に深みを増す。拓海の服も、二人分の返り血で真っ赤に染まっていた。

「……今何が起きたのか、帝王学叩き込まれて国を継ぐ気満々だったお前なら分かるな、大和」
「…………はい、……陛、下」
「よし。明日朝イチで軍のトップと会議をする。お前も来い。シュヴァルツシルトへの補給ラインは本日を以って遮断する」
「……わかりました」

 赤く濡れた剣を手にしたままつかつかと大和に近づくと、大和の腕の中の椿がぶるぶると震えているのがわかった。腹違いの妹など、何歳かも拓海には関係のない話。どれだけ震えていようと、可哀想だとは思わない。

「大和、あのゴミはお前が片付けておけ。大事な両親だろ」
「………はい」

 弟の従順な返事に満足して頷くと、拓海は玉座の間を後にした。
 剣を鞘に収めるのはしっかりこの汚い血を洗い流してからだ。ぽつぽつと剣から垂れる赤い雫が絨毯をぽつぽつと等間隔で深く染めた。




2009.11.06(Fri) | 近代戦パロ | cm(0) | tb(0) |

な、なんという天草……!

あの天草に釣られてしまったお姉さまが何人いるんだろう……!!
悪人面! なのに優しめの声!! 作画が神がかってる上にあの声はなんていうか一言で言ってとてつもなく色気がある。なんだあいつ。なんだあの腐女子ホイホイなキャラは……!!
どうせ尺が短いので大して喋らないだろうってことでもういいよ遊佐でも、遊佐の天草はなんか、別次元に昇華されてるもののような気がする。とんでもねぇ色気出しやがった天草!! あの声あのキャラデザで軍隊いたとかヤバいだろ……。あのミラーに映った流し目が悪い人の目だったよ、絶対因縁あるよなんだよ早く本編で天草出してくれ頼む。
ということで、今回は本当に作画が神だった。ヤバい綺麗。全部綺麗。でもって演出の勝利。脚本違う人かと思ったらそうでもなく、演出が上手いんだなと思いました。
小此木さんどうせなら成田剣使えばよかったのに!!! いやいいけどね、うん、どう聞いてもクラウス、いいけどね。
エンジェ可愛いよエンジェ……。声がすごいはまってますよね。さくたろの声はまさにあんな感じイメージだったのでいい仕事するなあと思いました。ろざさまの声も優しくて小清水GJ。
EP4面白いよ……。EP4だけDVD買いたいな……。
青字も出てきたし、天草出てきたし! 来週からきんぞー☆オンステージだし! ガァプ出ないのかなあ、もうちょっとしたら発表されそうなもんだけど。「ただしイケメンに限る!!」


テンション上がってきたので何かしたいと思います。

2009.11.06(Fri) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

しょうもないなあ


点呼どんのところが大人の女ならこっちはスイーツ(笑)ですね!!


やはり次は千咲さんと瑶子さんの姉妹を書くかな。いや、タっくんは書かなきゃいかんだろ……!
しかしご近所に瑶子さん出して、ご近所紗央と酒盛りさせて紗央を潰したい。
ご近所だと瑶子さんがルミより年下になるんだが、まあいいや。瑶子さんと紗央とルミとで居酒屋行って間違いなく紗央が潰れる。瑶子さんと紗央同い年のはずなのに! でもってルミと恋愛トークしてりゃいいと思う。もう瑶子さん去年留学しててルミと同い年とかでもいいや。あ、そっちのがいいな、なんとなく。
理央に接近すべく紗央とかケレスさんと仲良くなるといいよ。紗央酒ダメだろうからルミとも仲良くなるといいよ。
「ルミちんの彼氏ってさー、(以下略)」
「そう!! そうなんですよ! ほんっとしょうもないんですよあの男!!」
「うわあ、法学部まで流れてる噂本当なんだー」
って噂の検証したりとか。
ケレスさんには、「もういいじゃん紗央ちんと付き合えてるんだから!! 理央くんの勉強くらい私見れるって!! ここは私に任せてコールドストーンでアイスでも練った方がいいよ!!」と猛烈抗議してたらいい。ケレスさんは紗央と付き合うために家庭教師してたんじゃありません(笑) 瑶子さんは理数系もいける人だと思うんだ、オールラウンダー。
潰れた紗央は家に帰すわけにいかないのでルミと二人でケレスさんの家まで行って放って帰るんだと思います。「あとよろしく!!」っていう。


まあご近所より本筋の独身組のが前置き書かずに済むので楽だろうなってのはある。
取り合えず今日うみねこだ。ヒャッハァ楽しみにしとく。

2009.11.06(Fri) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

ストロベリーアイスの溶ける午後
 図書館から自宅までは歩いて十五分程度。自転車を使えば十分かからない距離だから、近いといっていいと思う。道も変に細かったりはしないし、覚えやすいだろう。……いや、どうせ後で俺が送ることになるから覚えてもらわなくて結構なんだが。
 試験の出来だとか授業の話など、他愛も無い会話をしながら十五分の道程を行く。
 自宅の門が見えてきてほっと一息つくと、「りぃおぉおおおおお」と俺の名前だろう言葉を叫びながら、門の前からこちらへ猛ダッシュする影が見えた。このクソ暑いのに全力疾走なんてご苦労なことだ。

「暑いじゃないの! いつまで待たせるつもりだったのよあんた!!」

 その影は俺の目の前で止まる、ということなく俺に直撃するとアスファルトに押し倒して肩で息をしながら捲し立てた。背中が熱い。視界の向こうに見える瑶子さんはこれ以上なく驚いた顔をしている。

「……何でお前がいるんだ、紗央」
「夏休みなの! 奈央に会うためだけにはるばるやって来たの! それを何? どーゆー仕打ち?」
「知るかよ。聞いてないし」
「奈央にはついさっき連絡入れたわよ! ふんッ、そんなだから理央って呼ばれんのよあんたは!」

 名前にケチつけるなら両親にしてほしいもんだ。それと、さっき連絡を入れたのは奈央だけか。それなら俺がお前の来訪を知るわけがない。
 走ったからだろう、紗央の前髪の先から汗が一滴落ちる。それを合図にしたのかどうかはわからないが、ともかくそのタイミングで紗央は俺の上から体を退けると、下ろしたままの長い黒髪をばさりと靡かせた。暑いなら結ってくるなりなんなりすればいいのに、あれはあれで何かポリシーでもあるのだろう。
 俺が起き上がっている途中、ようやく紗央は俺に連れがいることを認識したらしい。視界に瑶子さんを入れると、お得意の睨みを効かせて、あんたは? と完璧見下し口調をお見舞いした。

「あ、わかった! どうせ理央の女でしょ! あたしの可愛い奈央が汗水たらして働いてる間に、誰もいないからって家に女連れ込もうだなんて……! 不潔よ、不潔!!」

 自分より二つも年上の人相手に、……いや紗央はそういうのを気にする人間じゃないが、よくあれだけ横柄な口が利けるものだ。とんでもない日に連れてきてしまったな、と迷惑被っているのは全般的に俺のはずなのだが、一応瑶子さんに申し訳なく思う。それはスルーしていいですから、と瑶子さんに伝えようとした時、

「変な言い方しないでよ、私が理央ちゃんに連れ込んで欲しいって言ったの!!」

 ――ああ、頭痛くなってきた。
 どうしてあれの売り言葉にそういう買い言葉が出てくるのか。発言はまあ強ち間違っていないが、その言い方では誰もが誤解する。連れ込んでるんじゃない、連れて来ただけだ。この数文字の違いが他人にどう響くかなんて考えただけで恐ろしい。
 紗央の方も、瑶子さんはぱっと見大人しそうな人に見えていたのか、この返答は予想外のものだったようで、一瞬呆気に取られていたがやがて再び睨みを効かせ始めた。

「理央ちゃん? 理央なんて理央で十分なのよ、わざわざちゃん付けなんて気色悪い!」
「貴女がいくつなのか知らないけど、理央ちゃんは私の二つ年下なの。可愛い年下の男の子なんてちゃん付けで十分!」
「な、っ、理央!! あんた年増に手玉に取られてるの!? 情けないわよ!!」

 陽炎が見えそうなほどクソ暑いってのに路上で何を騒いでいるんだこの人たちは。紗央の言う事は元々無茶苦茶だが、瑶子さんも瑶子さんで今日は一段とブッ飛んでいる。……すげえ関わりたくない。
 俺は二人の横を通り過ぎ、玄関の鍵を開け、再び二人の元へ戻ってきた。

「何か冷たいものでも買ってくるんで、騒ぐなら中でやってください。人いないからって見てるだけで暑苦しい」
「あたしハーゲンダッツ」
「私スーパーカップ!」

 順応の早い方々ですねえ、まったく。
 フレーバーは、と一応聞いてみると、「「ストロベリー!!」」とちょっと怒ったような声で叫ばれた。お前らの好みなんざ知るかってんだ。



 ただいま、とリビングに足を踏み入れると、紗央と瑶子さんは瞬時に顔をこちらへ向けた。……怖い、怖すぎる。

「おかえり理央ちゃん!! 聞いてよ紗央ちん酷いんだよ、私のこと貧乏の年増女っていじめるの!!」
「理央あんたなんでこんな女と付き合ってるの!? 信じられない! この女なんて言ったと思う? あたしのこと顔だけ美人性格破綻のクソガキって言ったんだから!」
「本当のことでしょ!! 性格破綻してないいい子は初対面の年下にそんな口利かないの!」
「あんたが貧乏の年増女オーラびしびし放ってるからあたしもそれ相応の対応をしてるのよ!」
「きぃいいい、理央ちゃん何とか言ってよう!!」
「理央っ、そんな女とっとと追い出しちゃいなさいよ! 貧乏と年増がうつる!!」

 両の耳からそんな愚痴を一度に聞かされて俺の耳は処理が追いつかない。ええと、どちらを先に片付けるべきか。いやまあ、取り合えず。

「……仲良いですね」

 と正直に感想を述べれば、返答はもちろんテンプレートで、「「よくないっ!!」」というもの。
 初対面でそこまで言い合えりゃ十分仲良いだろうと思うのは間違ってるのか。
 最早相手をするのも面倒なので、アイス買ってきたから、とテーブルに袋を置けば紗央も瑶子さんも大人しくこちらへ来た。単純だ。
 ということで静かに昼下がりが過ぎていく。紗央はハーゲンダッツ、瑶子さんはスーパーカップを黙々と食べている。その様子を横目に俺はソファーで買ってきた炭酸飲料のペットボトルに口をつけて借りてきた本を眺めていた。あれだけぎゃあぎゃあ騒いでたくせに、一口交換とかやっている。まったく女ってのは本当にわけがわからない。

「理央、あたしどこの部屋使えばいーい?」
「客間全部空いてるから、俺の部屋から一番遠いとこ使え」
「意味わかんない、理央の部屋から遠いってことは奈央の部屋からも一番遠いじゃない」
「だから言ってんだろ」

 紗央が泊まると毎日奈央の部屋でやかましいったら無いのだ。くだらない話を繰り返した挙句俺の部屋に襲撃をかけてきたりする。勉強中だろうと就寝中だろうとお構いなしだ。アホかと。
 その話を聞いて瑶子さんが目を輝かせながらこちらを向いた。

「理央ちゃんのお部屋み」
「却下します」
「まだ何も言ってないのに……」
「見て面白いもんなんて何もないですから」
「そういう問題じゃないの! 理央ちゃんというイケメンがどういう部屋で暮らしてるのか眺めて、へーほーふーん、と納得するのが目的なのです」
「俺イケメンとやらとは縁が無いんでどっか別の場所でやってもらえますか」
「そうよ瑶子、理央がイケメンだったらこの世界のイケメンは全員死滅してるわ」
「ああもう本当にわかってないねえこのセレブリティ達は!!」

 俺も紗央も瑶子さんの主張がいまいち飲み込めずに顔を見合わせた。そりゃあ、瑶子さんの主張は毎度ぶっ飛んでて要旨を掴むのがやたら難しかったり、ストレートすぎて裏を疑ってしまうこともある。こんな感じで論文の評価とか平気なんだろうかと年下の俺が心配してしまうほどに。

「理央の部屋なんかより奈央の部屋の方が可愛いし綺麗だし素敵だし見て卒倒すること間違いなしよ」
「部屋見て卒倒するって、あいつ毒蜘蛛毒蛇でも飼ってんのか」
「はぁ? 何言ってんの、あんた大学行ってるくせにどこまで馬鹿なわけ? 比喩表現よ!」
「何を比喩してそうなったんだか」
「紗央ちんはいっそ爽やかなくらい頭が弱いんだねえ」
「うるさいわね、人間は学力じゃないのよ、人生経験! あんたらは社会人のあたしを敬って然るべきだわ!」

 スプーンをびしっと俺に突きつけて紗央は言ったが、……どうも敬える社会人である気がしない。社会人のカテゴリに属する人をすべて敬えというのなら紗央も含まれるから仕方ないのかもしれないが、それ以外の理由で紗央を敬えというのは少し無理がある。人間は学力で判断されるものではないが、それは最低限の常識を身につけた人の言うことだ。ということで、奈央も同じラインにいると思われる。

「よくわかんないけど、まあいいや。今度来る時には奈央ちんのお部屋覗かせてもらいたいなー。可愛い奈央ちんを生で見たいことだし」
「今度に回さないで待ってたらいいじゃない。どうせ他に来客なんてないんだから泊まってけば?」

 紗央が、ねえ理央、と俺を見る。……家に泊めるような間柄ではないのだが、紗央とこれだけ気が合うのだから寧ろ紗央の友人として招くなら俺は別に問題ない。女が増えると肩身が狭いのを覗いては。
 好きにしていいですよ、と言うと瑶子さんの瞳が一瞬輝く、が、その光もすぐ消えた。

「残念。今日は帰って論文仕上げないと。今日やらなきゃいけないことは今日やらないと気が済まなくて。ていうか理央ちゃんにバス停まで送ってもらうというイベントを消化したいわけで」

 まさかそっちが本音ではあるまいな……。
 瑶子さんの言葉に目に見えて紗央は意気消沈しているようだった。年の差があるとはいえ、これだけ言い合える同性の人間に会うなんて珍しいからだろう。子供の頃散々容姿のせいでいじめられた紗央は、あまり積極的に友人を作ろうとはしないし、口調もいやに攻撃的になってしまっている。数日うちに滞在すればまた勤務地に戻らなければならないから、こうして瑶子さんと会う機会ももしかしたらないかもしれない。まあ、それは当人同士がアドレスを交換するなり番号を交換するなりして交流を深めればいいだけのことで、俺が深く関与するようなことではない、と思う。瑶子さんが帰って論文を書くというならそれを邪魔するわけにはいかないのだ。半分ほど読んだ本を脇に置いて立ち上がる。

「帰るならお望み通り送りますよ、仕方ないので」
「いやいや理央ちゃん、早まったらいかんよ。まず、理央ちゃんの部屋を見学してからです」
「………ああ、もう、好きにしてください……」

 まったくしょうもない人だ。
 アイスを食べ終えた二人はばたばたと騒がしく二階へ上がっていく。……頼むから模様替えばりに荒らすのだけはやめて欲しい。
 着いていく気にはならず、再びソファーに腰掛けて読みかけの本を手に取れば、ちょうど主人公の少年が覚えたての魔法の力加減を誤って本棚の本をすべて床にぶち撒くシーン。
 ……寒気を覚えたが、俺は彼女たちの中の常識のレベルに期待する以外のことはできそうになかった。


2009.11.05(Thu) | Always I Need | cm(0) | tb(0) |

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