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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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くしゃみ

一年ぶりに横浜行って、帰って来ました。
寒かったけど雨じゃなくてよかった。濡れたら困るもんね!!
11時ちょい過ぎくらいに現地着いたんですが、入ってすぐ妹が発した言葉。


「ベアトリーチェ何人いんの?」


たくさんいました。びっくりしました。
イケメンウィルとか見れて満足です。ほしいもの取りあえず買って、エクセルシオールでお茶して、みなとみらいの109を眺めて帰りました。
新聞博物館とかまた行きたいなあ。時間かけてじっくり見たい。



ウィルリオが思った通り大人気でにやにやしました。ウィルがどんな立ち位置でも私はおいしくいただける。
でもやっぱり理御→ウィルが一番しっくりくるなあ。あの二人がいい恋人同士でもおいしいけど、にやにやするけど、ウィルに恋愛感情が似合わない。なんかそういう俗物的なっていうか、ウィルはそういうんじゃないんだ……! と思うのはやっぱり皆さん同じなんですね安心しました。
だから逆に、そこに説得力を持たせることができたらこれ以上萌えるものはないだろうなあとも思う。ウィルってメタ世界のキャラだからさ、盤上のキャラと恋愛関係で対等にさせるにはバトベアレベルのそれなりの理由がなきゃいけないと思うんだ。
腕がなくなっても理御を守るっていうのもそりゃあオイシイが、仕事の延長感もするわけで。理御の弱いところ強いところ可愛げのあるところ面倒な運命背負ってるところ全部見て、EP7のラストがああなんだから、誰か二次創作でもっともらしい理由つけてくれないかなとか!
うみねこの二次創作っていろいろ考えなきゃだし難しそうです。BASARAほどではないかもしれないけど。
この前咎狗でちらっと書いてた頃のメモを見つけて悶絶しました。あれが私の理想だが、まあ、しかし技術的に無理があった。


ウィルを見るとタっくんが書きたくなるんだよね。マジでウィルの声中井和哉になんないかなあ。したらもう本当にニヤニヤがとまらない。


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2010.10.31(Sun) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

ネタだけ
お久しぶりです。


全然店にいる気がしない毎日でした。
何で3回も千葉まで行かなきゃいかんのか……。しかも成田空港方面て……。日暮里でイライラしながら特急待ちしてました、いつも。
風邪引いて声酷いけど明日も仕事。火曜はインシテミル見るんだ!!


ネタだけ。
ハチさんの「WORLD'S END UMBRELLA」を聞いて、これのオマージュっていうかリスペクトみたいのを書きたいなあとか思いました。戦争がテーマだとか環境汚染がテーマだとかいう意見もたくさんありますが、私は聞いたままの世界観を頭の中で作ってます。
この曲聴いてたらどうしても琴也と織夏で書きたいなと思っちゃったんだ。今いろいろ細かい設定つめてるところです。書けるかどうかは微妙だけど、雰囲気がすごい好き。



ついったにもつぶやいたんですが、何故か31日休みもらえまして。30日は7時まで錦糸町近くに出かけるんですよね。土曜夜暇な人いたら食事でもしますか、という提案をしてみます。
いや日曜でもいいんだけど、うみねこオンリー行きたくて、ついでに横浜観光したくて……。
一緒に横浜行きたい人いたら行きますか?(何)
EP6までの内容だったら行かないけどさ、今回7が出たからさ、ウィルリオ乱発してんじゃないかなとか、さ、リオンの性別わかんないのに神々はどう妄想で切り抜けてんのかな、とかさ、気になるし。
土日喋りたいよー、って人いたら連絡ください。


さて、そろそろ寝ることにします。荒川見れたし、満足だ。


2010.10.25(Mon) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

風邪っぽい

風邪引いたっぽいです。頭痛い……。


さて、私のgigabeatが先日ついに壊れまして、いろいろ悩んだ末にその日のうちにソニーのウォークマン買って来ました。11月13日に最新の機種が発売みたいだったんだけど、それまで待てないし。第一動画見たりしないからいいや、と思ってSシリーズの32GB。16GBだと心もとないし、64GBだと大きすぎるんで、32くらいがちょうどいいです。追加してもなかなかいっぱいにはならないしね。
で、前のウォークマンから新しいのに入れ替えて、やっと使えるようになりました。でもACアダプタ別売なんですね……。毎回PC充電とか面倒だからアダプタ買わないと。
ライトピンクにしようと思ったんですが、ウォークマンもi podに劣らずアクセサリが豊富なので、いろいろ考えてホワイトが一番使い勝手がいいかなという結論になりました。今はハードジャケットつけてます。
もうすぐグラロデの新曲も出るしね。ウォークマンは万全にしておかねば。
ノイズキャンセリング機能すごいです。本当に周りの音聞こえない! 今度から作業する時はウォークマンにするわ……。


今期はアニメよりドラマ見てます。
医龍と、菅野美穂のやつと、ドリトルと、黄金の豚? 秘密と伊藤淳史のはうっかり見忘れました。
黄金の豚割と好きです、大泉が。おかんに言ったら笑われました。いや、でも角松よくないか。


最近みんな動きがないんで私もネタ切れ気味です。オリジとかほぼ妄想だしな。
ふと真紘の話とか書きたくなったりはするんだけどな。そういえばタっくんと紗央の話書きたいなあと思ってすっかり忘れてた。
火曜には同期と遊びに行く予定。11月になったら上野の博物館に行く! 芸術の秋ですよね。楽しみだ。
庭園美術館の香水瓶の展覧会も良さそう。結局行けない気がひしひしとしてますが気にしない。上野だけは行くぞ! 前売り買っちゃったし!

2010.10.21(Thu) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

プロフェッショナル

もう寝なきゃいけないのに、NHKでプロフェッショナルの再放送やっててつい見てしまう。
井上だもんな……。見ちゃうよな……。
ストーリー展開にはあんまり興味なくて、キャラクターのすることに必然性があって、それがドラマになるってすごいカッコイイなと思いました。
その気持ちはちょっとわかる。しかしそんな私はifストーリー好きです。


かなり途中で止まってるオリジナルを完結させたくて、毎日いろいろ考えてます。
当初の予定ではばしっと絶望的に終わるはずだったんだけど、考えてるとどうしてもそれがかわいそうになってきて、なんとか仲間とか作ってあげられないかなあとか考えてたら楽しくなってきた。
あの二人、もうちょっと頑張れないかな。もうちょっと先まで進めないかな。
絶望的なのもいいんだけど。気に入ってるんだけど。でもいろいろあってもやっぱりあの子は絶望する子じゃないような気がするんだ。
新キャラを考えたら、もう早いとこ絡ませたくて仕方ない。年下にべたべたされてすっごい迷惑してるアルとか見たい。年下と張り合ってるカメリアとか見たい。
男の新キャラはシーマスさん系にするかアニキ系にするかで悩んでるけど神父だか牧師なんだよね! どうしよう! 宗派すら決めてない! ふんわり!



結局貴志の新作を上下両方買いました。
貴志の話好きなんだ。硝子のハンマー買って読んでないけどね! ずいぶん前の文庫を何冊か読んだだけなんだけど、高校モノと聞いて黙ってられる私じゃない。
妹に薄桜鬼の黎明録買うことになったんで、そのときにルリボシカミキリの本買おうかな。エッセイなんですが、立ち読みした感じだとすごく読みやすくて面白かったんで。密林でも高評価だった。


あー、だめだ。さすがにもう寝よう。
咎狗はケイスケが追っかけてくるところだったんでにやにやしました。クソアニメと分かっていてもにやにやしました。
まったく動きがないのは序盤だから仕方ないんだよね! ケイスケがライン使ったらもうちょっと面白くなるよね!

2010.10.16(Sat) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

白昼を拡げていくように



「それで? どちらへご案内致しましょう、マドモアゼル?」
「そうね、まずはホームを知りたいから、軍本部から案内してもらおうかなあ。自分の執務室も知らない上官なんて嫌でしょう?」
「それならそれで毎回ご案内差し上げますよ」

 頼もしいのね、と褒めると彼は「いえいえ」と謙遜して見せた。プライベートではきっともっと紳士的な人なんだろう。優しい笑顔がとても板についている。
 彼の隣を歩いて、まずは王城を後にする。ついさっきまで私と彼は王城にいて、簡単な任命式を終えた。他の国から来た私はこの土地には不慣れだ。不慣れな私がいきなり少佐の地位に就いては業務に支障があろうということで、王城付きの仕官たちが補佐官を用意してくれたのだ。それが隣を歩く彼、シーマス君。優しそうだし賢そうだし、いざという時はやってくれそうな雰囲気を感じる。少数精鋭というだけあって、ローテブルクはなかなかいい軍人を揃えているように思う。
 ヴァルトハイムから来たということはあまり公にするべきでないという考えから、とりあえずのところ私はシュヴァルツシルトからの出向という形をとることになった。まあ、元々ヴァルトハイムを出てここまで来た経路も、シュヴァルツシルト側の土地と鉄道を使ったのだからそこまで不審ではないかと思う。これがバレることがあるとすればシュヴァルツシルトと戦闘になる時だろう。ローテブルクとシュヴァルツシルトは同盟関係だし、その心配はあまりしなくていいかな。だから、私の出身を知っているのは王族付き仕官の三人組と、私が従軍することを容認してくださった王族の方々くらいなもので、勿論シーマス君も知らないことだ。
 王城から軍本部の建物までは少し距離があるらしい。それでもヴァルトハイムの立地と比べれば隣接していると言っていい距離だ。ローテブルクの軍は王城に従属している。文字通りの国軍で、給料も国から支払われる。有事の際に王族をすぐに守護できるようになっているのだろう。

「歩けない距離じゃないですけど、車呼びましょうか?」
「いいよそれくらい。お姫様じゃないんだし、歩く歩く」

 城は町よりほんの少し高い場所に作られている。町が一望できる、というほどではないけれど、十分町の様子は窺える。
 工場だらけのヴァルトハイムとはまるで違う町。白い壁に色とりどりの屋根。童話に出てくるような可愛らしい町並み。誰かが弾いているんだろうバイオリンの音色が時折耳に届いて、町からはおいしそうな匂いも漂ってくる。

「すごいねえ、お城まで食べ物の匂いがする」
「ここの城下を侮っちゃいけないんですよ。パスタにパン、野菜も肉も魚もデザートも大抵美味い」
「へえ。けど軍にいたらなかなか町で食事なんかしてられないんじゃない?」

 ヴァルトハイムじゃ大抵軍人は軍の食堂で食事取って、休みの日って言ってもどこか遠出する人なんかほとんどいなかった。実家出て軍にいる人が多かったから、似たもの同士集まって宿舎で喋ったりすることはあったけど、遊びに行くって言っても夜一緒に飲みに行く程度だったし。その他は自主練してたり、図書館にいたり。そういう意味ではあの国、勤勉ではあったのかもしれない。
 私の言葉に、シーマス君は笑って首を横に振った。

「そんなことないですよ。昼から午後まで空きが長いこととかたまにあるんで、そういう時は皆大体城下まで来ますし、俺なんかは休みの日に軍になんかいませんしねぇ」
「ははあ、女の子と遊ぶんだ?」
「遊びなんて失礼な。俺は女性に対してはいつも真剣なんです」

 って言ってるけど、どうなんだろうなあ?
 その辺はこれから要チェックってやつなんだろうか。隊員の好みのタイプだとか交友関係とかさして興味はないけど、上官としてはチェックしておくべき項目だろう、……たぶん。シーマス君イケメンだから、どういう女の子と付き合ってるのかなっていうのはちょっとだけ見てみたい気もするけどね。それはそれはハードルが高そうな予感がしますが。
 
「軍を見たら城下も回りますよね。俺の行き着けにもご案内しますよ」
「え、シーマス君の奢り? わあ、嬉しい! 持つべきものは気の利く部下よねー」
「うわあ、ヨーコ少佐がそんなに強引な人だったとは思いませんでした」
「強引なおねーさんは嫌い?」
「まさか」

 今や国王陛下となった人と同格、っていうか上司部下の関係してた私を甘く見ちゃいけないってことです。態度はでかくてナンボって感じでしょ?
 にっこり満面の笑みを見せると、シーマス君も極上のスマイルを返してくれた。





「こちらが少佐の執務室です。小隊長以上になると本部に部屋を与えられます」
「結構広いね。見晴らしもいいし」

 執務室として与えられた部屋は思っていたよりもずっと広かった。
 ヴァルトハイムの軍の何か暗い空気とは比べ物にならないくらい明るいし、大きな窓からは訓練場が一望できる。軍の人数は多くないのに訓練場がすごく広いのもいいところだと思う。窓を開け放つと、強い風と一緒に訓練場から練習中の銃声も聞こえてくる。

「訓練場しか見えませんけど、お気に召したのなら幸いです」
「うん、自主練してる子とかいたらすぐ駆けつけてあげられるでしょ?」
「中隊長のお仕事とは思えないですけど?」
「お仕事だよ」

 確か私と二つくらいしか変わらないと思うけど、それでも彼の経歴を知らないからなんともいえない。
 ただ、やっぱり上に立つ者としては下をしっかり見なきゃいけないってことで、そういうのも大事だと思う。いや私ヴァルトハイムにいたときも小隊しか任されたことないからわかんないけどね。

「違いますよ、少佐」
「うん?」

 シーマス君は部屋の壁に寄りかかって腕組みをしている。綺麗な茶色い髪がさらさらと鳴るように揺れる。

「中隊の人間覚えるなんてできるわけないじゃないですか。中隊長の仕事はいくつもの小隊をまとめあげることで、小隊のことは小隊長に任せるのが筋です。貴女が小隊にまで関与することは、小隊長への侮辱に他ならない」
「う、……」

 仰るとおり、です……。
 私の詰まった表情はシーマス君にバレバレで、いやはやなんとも、面目ない。

「中隊を持つのは初めて、って感じですか?」
「勉強だけはしてきたんだけどねー。実際に持つとなると勝手が違うじゃない? なぁんか初日から不安になっちゃった」

 まだ何もない部屋を見渡して、シーマス君の正面の壁に私も背を預ける。
 任命初日から補佐官に叱られてしまうようでは本当に後先不安だ。不安すぎる。
 
「そういう上官のために補佐官がいるのでご安心を。不安な時は手取り足取りお手伝い致しますよ」
「シーマス君みたいな爽やか青年が言うと、ハマりすぎてて逆にやらしい……」
「輪をかけて失礼ですね、ヨーコ少佐」
「いやいや、素直な感想よ」
「それが失礼なんですよ」

 シーマス君的には上司に恵まれなかったのかもしれないけど、私は大変部下に恵まれたみたいだ。国境を二つも越えてきた割に、待遇がよくて私も驚いているところです、まったく。
 ――ただ、大変申し訳ないのは、私がここにいるのがこの国のためでないことだ。私はヴァルトハイムをこれ以上大きくさせないために、あの人を止めるためにここにいる。この国に命をかけているわけじゃない。でもそれは絶対に気取られてはいけない。それが知れたら私はスパイと何ら変わらない存在になってしまう。本当に人のいい国だから、壊させたくないという気持ちだってある。シーマス君もいい部下だし、うまくやっていきたいと思う。

「……うん、これからよろしくねシーマス君。手取り足取り手伝ってもらっちゃうんだからね」
「それはもう、喜んで」
「さしあたっては、おいしいランチといろいろ小物が必要なんだけど。案内お願いできる?」
「勿論です」

 すっからかんの本棚。広いだけで何も乗ってないデスク。
 白いカーテンだけが存在感を放ってぱたぱたと揺れる中、シーマス君に続いて部屋を後にした。
 


2010.10.13(Wed) | 近代戦パロ | cm(0) | tb(0) |

ホワイトメイズ 5


 報せを受けてからというもの、彼の表情は死んでいた。そりゃあそうだ、親友と同僚と教え子を一気に亡くしたのだから気持ちが死んでない方がおかしい。……本当に優しい人だから、自分がその場にいなかったことを心の底から悔いているに違いない。
 でも、私は思ってしまう。
 死んだのがあの人たちでよかった。
 そりゃあ私だって悲しくないわけじゃないけど、私は私の一番大事な家族を失わずに済んだ。
 だから彼にはもっと堂々としていてほしい。
 それがどれだけ彼にとって、そして世間一般的な意味で酷なことなのかも、重々承知している。彼の心がそこまで丈夫にできていないことも、わかっている。
 それでも私は思う。
 あの白い箱に入っているのが理央くんでなくてよかった。琴也でなくて本当によかった、と。 




 思った通り紗央ちんは壊れてしまって、息子のヒロ君はそのフォローに回っている。ヒロ君って見た目はおにーさん似だけど中身は結構紗央ちんに似てるところあるから、あの二人が暗い気持ちのまま家にこもってるとか、かなり危ないような気がしないでもない。みのりちゃんが別の場所にいるのは正解だ。奈央ちんはよくあの状況で頭が回ったなと感心してしまう。旦那と息子と二人を亡くしたのに、他人の子供を気遣う余裕があるなんてすごいじゃない? なんて他人事のように思う。いやまあ、実際他人事なんですけどね。

「……真紘、まだヤバいんかな」

 夕食の席、普段忙しくてあまり食事は一緒に取らない琴也が今日は珍しく同席してそう呟いた。
 なんだかんだで幼なじみだ。姿を見かけなければ不安になるのは当然。

「大丈夫よ、ヒロ君しっかりしてるもの」
「あいつ頭固いからさ。息抜きとか全然できてねぇ気がする」

 私もそうだと思う。
 壊れて沈んでいる紗央ちんを目の前にして、いっぱいいっぱいになって、すごく苦しいだろうと思う。
 でもそれはヒロ君の問題で、ヒロ君が自分で自分の性格を作り上げた結果で、琴也や私が心配するべき事柄ではない。父親が死んで気楽に考えろとは言わないけれど、もう少し周りを見てみたらいい。悲しいのは紗央ちんだけじゃないことがわかるだろうに。

「紗央おばさんも、まだ?」
「みたいね」
「……だよなあ。織夏だってきっと、俺が急に死んだらそうなる」

 琴也が、まっすぐな目をしてそう言う。
 誰に似たんだろう、その目は私とも理央くんとも違うもののような気がする。

「おじさんとおばさん、大恋愛だったって」
「あららー? 私とお父さんだってすっごい大恋愛だったけどー?」
「でもさ、七年越しだろ? その間一度も会わなかったんだろ? おばさんよりおじさんの方がさ、本当に気持ちでかかったんだろうなって思う。だからおじさんが一番悔しいだろうな、とか、思うよ。あの人本当にさ、家族いれば何にも要らねぇってオーラ出てたし」

 そうね、そうだと思う。 
 拓海さんは誰よりも紗央ちんが大事で、ヒロ君が大事で、みのりちゃんが大事な人だ。今の家族が、拓海さんのすべてだった。悔しかったのかもしれないけど、満足もしていたと思う。
 拓海さんは、悪役めいているくせに芯だけはヒーローってな感じの、実に面倒な人だから。そんな面倒な人だからこそ、面倒な紗央ちんにはよく似合った。どれだけ年が離れていても、すごくお似合いの二人だった。羨ましいくらいにいつまでもあの二人は恋人同士のまま。

「……それなのにおばさんがそこまで酷いことになって、真紘がそんなに追いつめられてるってのはさ、俺は何か、釈然としないっつーか、俺も何か手伝いたいっていうか」

 もちろん、私と理央くんだってお似合いな二人。
 そんな私たちから生まれた琴也は気遣いもできて人一倍優しい子だ。琴也がこうやって育ってくれて、私はすごく嬉しい。

「琴也」

 そう、だからこそ、

「この件に首突っ込むのはやめなさい」

 大事だからこそ、琴也がこの暗闇に巻き込まれるのを許すわけにはいかないの。
 目を見開いた琴也は、ほんの少し口を開いて、多分「なんでだよ」と言おうとしたのだろうと思う。私はそれすらも許さなかった。

「貴方は今織夏ちゃんを一番大事に考えてあげなさい。いくら親戚だろうと順序を間違えちゃいけないの。……琴也は賢いから、私の言うことわかるよね」

 ほんの少しの沈黙の後、琴也は震えた声で「ああ」と頷いた。





「……大変そうだね、ヒロ君」
「まあ、……仕方ないことなんですけど」
「紗央ちんは?」
「部屋に篭もってます」

 次の日、事件があってから初めて桜井家を訪れた。
 家の中は薄暗く、どこか湿った感じもして、以前とは比べものにならない惨状だった。リビングも廊下もいろんなものが散乱していて、それはきっと紗央ちんが半狂乱になった結果なんだろうと想像はついた。泣いて、喚いて、いろんなものを壊して、ばらまいて、ヒロ君は追いかけるだけで何もできなかったに違いない。片づけをしようにも、そういうところは拓海さんに似ている彼だから、本当にどうしようもなくて、誰の手も借りることができないままこの暗い家で何日も過ごしたのだろう。
 ヒロ君の目の下の隈は誰が見ても酷いもので、頬も痩けてしまっている。余程の疲労が窺えた。

「……毎日、どんな感じ?」
「酷かったのは本当に最初だけで、最近は生きてるのか死んでるのかも分かんないくらい、静かです。たまに騒ぎだすと、きっと父さんの夢見たんだろうな、って」

 言葉にしてしまえばあっさりとしたものだが、ヒロ君にはきっと、毎日が地獄だ。
 長い沈黙の後、俺は平気です、と全くそうは見えない顔で、笑いながらヒロ君は言った。

「……母さんが、言うんです」
「……なんて?」
 
 ぎゅっと固く手を組んで、唇を噛みしめてから、ヒロ君はゆっくりゆっくり言葉を吐き出す。

「子供が欲しいなんて言ったからこうなったんだ、って。父さんがいればそれでよかったのに、俺を欲しがったせいだって。見た目が父さんにそっくりで、なのに目が青いなんて都合がよすぎるから」

 ……ああ、もう。
 どんなに強い人間でも、こんな言葉に耐えられるわけがない。どんなに出来がよくても、心がある人間が耐えられる言葉じゃない。
 ひとりだけで抱えていられる苦しみじゃない。

「俺なんか消えればいいって」

 母からの否定の言葉。
 いくら動揺しているとはいえ、錯乱しているとはいえ、それ以上に酷な言葉なんてない。
 なのにヒロ君はそれで平気だという。

「……全然平気じゃなさそうだけど?」
「……いえ、平気です」

 何度も夜を重ねて、彼はその結論に至ったのだろう。
 馬鹿だと思う。これだけのことを言われて投げ出さないのを、私は馬鹿だと思ってしまう。でもそれは他人だから。彼らの苦しみを本当に理解することなんて私にも誰にもできないことだ。

「……母さんは、みのりを要らないとは言わなかったから」

「だから俺は、」

「自分が死んでるもんだと思うことにして、少し楽になったんです」

「俺がいたって母さんに何もしてやれないし、母さんにとって要らない存在なら死んでた方がまだ母さんを苦しめないで済む」

「けど母さんが俺を呪うことで少しでも楽になるなら、死んでる俺でもここにいた方がいい」

「ここにみのりを帰したら、母さんはきっとみのりも殺してしまう」

 誰にも理解できないから、だから私は彼のこの悲壮な決意を馬鹿だと笑うことにしようと思う。
 ……ううん、違う。彼にこの決意をさせた母親を、心底馬鹿な奴だと嘲笑うことにする。
 私は知っている。多分奈央ちんも知っている。紗央ちんはみのりちゃんよりもヒロ君をこそ誰よりも欲しがっていた。どうして欲しがったのか、きっと紗央ちんは忘れているんだ。

「ヒロ君のお母さんは本当にどうしようもない馬鹿だね。もう若くないんだからさ、いい加減その性格どうにかした方がいいよって伝えておいて。私、紗央ちんのそういう性格大嫌いなの。ヒロ君の決意も結構だけど、ご苦労様って感じ。母親が悪いとそういう方向にしか考えが向かないのかな? うちの琴也のが余程聡明だわ」

 ヒロ君の顔に微かに怒りが見える。
 その方がいい。生きてるって感じがする。死んでると思うことにしたって言うけど、ヒロ君は心も体もまだまだ死んじゃいない。死んでるより生きてる方がいいに決まってるよ。

「ねえヒロ君、いいこと教えてあげるよ」

 こんな時に怒らせるようなこと言う私はすごく悪い人なのかもしれないね。でもそういうの気にしないの。だって所詮は他人だから。紗央ちんが悲しくても、私は笑って時間を過ごせる自信があるよ。

「子供が欲しい、ヒロ君を産みたいって言ったのは紗央ちんだよ」
「……知ってます、耳が痛くなるほど聞いた」

 そしてもう聞きたくない言葉。けどその裏にこそ本当に知っていなきゃいけない事実がある。

「紗央ちんが子供欲しいって言ったの、拓海さんと結婚できて幸せだからそろそろ家族増やしたいよね、って軽い気持ちじゃないんだよ。紗央ちんはね、本当に馬鹿だから」

 そう、本当に馬鹿だ。
 紗央ちんにとっての子供は、ただの子供じゃない。

「一度拓海さんと離れて寂しい思いをしたからね、寂しくないように子供が欲しいって思ったの。何かあって離れた時に寂しくないようにって」

 自分のことばっかり考えてるんだ。自分が悲しくないように、自分が寂しくないように。桜井紗央にとっての子供は、桜井拓海を共有するためのもの。

「だからね、拓海さんに似てるヒロ君はこれ以上なく紗央ちんが望んだもののはずなんだよ」

 拓海さん自身は、子供なんて要らないと未だに言っていた人だ。それはヒロ君も知っているだろう。拓海さんが望んだのは、紗央ちんが欲しいもの。紗央ちんが必要とするものは拓海さんにとっても必要なものだったから。
 それでも、その拓海さんが家族第一主義みたいになったのは、生まれたのがヒロ君とみのりちゃんだったからだろう。二人とも、どこからどう見ても自分と紗央ちんの子供。家族を本当に愛していた拓海さんだからこそ、今の紗央ちんを見たらきっと、馬鹿だなと愛しく思うのと同時に怒ってもくれるだろう。

「……だから、ヒロ君の仕事は死んで存在を消すことじゃないよ。もっと紗央ちんに思い出させないと。俺がここにいるよ、って言ってあげないと。馬鹿は死んだって直らないんだから、せめてまともな馬鹿でいさせてあげて」

 呆気にとられたような表情をしていたヒロ君は、しばらくするとやっと頬を緩めてくれた。

「瑶子おばさんって、本当は母さんのことすげえ好きだろ」
「まさか。私、昔から馬鹿とは相容れないの。賢いからね」
「母さんも、いやに頭良い奴は嫌いだってよく言ってた」
「でしょう? 犬猿の仲なのよ」

 日が傾いてきて本格的に暗くなってきた部屋。
 ヒロ君が自分からリビングの明かりを点ける。それで私はほんの少しだけ安心できた。





2010.10.01(Fri) | ホワイトメイズ | cm(0) | tb(0) |

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