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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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ハロウィンなので



 目を覚ますと、ぼくはまだ電車の中だった。トンネルの中を走っているのか、外は真っ暗。
 この長い座席にはぼくしかいなくて、この車両にはまだ何人かの人が乗っている。みんな眠ってるけど。
 何よりもおかしいのは、一緒にいたはずのおじさんがどこにもいないことだ。買い物に行くからって一緒に電車に乗った。ぼくの服とかをいろいろ買って、帰り道だった。同じようにまた電車に乗って、空いてたから隣に座った。だからおじさんがいないのは、おかしい。
 そのまま何分か経った。まだ電車は駅に着かない。よく乗る電車だからわかる。こんなに長い時間駅に着かないなんておかしいって。
 ぼくは席を立って一番前の車両まで歩いた。運転士さん、車掌さんがいれば少しは安心できるかもしれないと思ったから。そう、少しだけ、怖かった。もしかしたら、おじさんに置いて行かれたのかもしれないから。ぼくが気づかない間におじさんはどこかの駅で降りてしまっていて、ぼくだけが電車に残されたのかもしれない。そして、全然知らないところまで、電車で来てしまったのかもしれない。また置いて行かれたのかも。そう思うのに、『また』という言葉を考えると頭がずきずきした。
 ぼくはよく道に迷う。決まった道でもよく迷う。だからおじさんは、知らない道は通るな、といつも言っていた。一緒にいる時は手を引いてくれていたから、迷う事なんてなかった。いつも持っている携帯電話や小銭入れは、今日はおじさんと一緒だから大丈夫と持ってきていない。
 一番前の車両には、すぐについた。人は誰もいない。運転士さんがいそうな一番先頭の部屋は真っ暗で、中が見えない。もしかして、誰もいない?

「す、すみません」

 ノックしてみる。誰も応えない。
 相変わらず電車はトンネルの中を走る。どこまで行ったら止まってくれるんだろう。
 今何時なんだろう。ここはどこなんだろう。帰れるのかな。おじさんはどうしていなくなっちゃったんだろう。
 深く考えると泣いてしまいそうで、でも泣いたらだめだから、ぐっと唇を噛んでこらえた。
 しばらく走ると、トンネルを抜け、電車が少し遅くなった。もしかしたら、駅に着くのかもしれない。やがてもっと減速して、電車は完全に止まった。
 ドアが開く。電車の中から外をのぞき見ると、今にも切れそうな電球の光る電灯が何本か立っていて、あたりは真っ暗だった。もう夜遅くになってしまったんだ。
 降りようか、どうしようか。本当はすぐ降りるつもりだったのに、人の気配が全然ないのと暗いのとで迷ってしまった。電話しようにも、電話も持ってきていない。あ、でも、おまわりさんに助けてもらえばいいのかもしれない。それなら、駅から出ないと。切符もおじさんが持っていたから、このまま出たらどろぼうになっちゃうけど、後でちゃんと説明しよう。
 ぼくが一歩ホームに降り立つと、電車のドアはすぐに閉まって発車してしまった。電車が行ってしまうと、線路の右も左もただ真っ暗だった。
 駅員さんがいればいい。そうしたら、ちゃんと説明して、電話を貸してもらおう。そう思ってホームを探す。どれだけ探しても、人はいなかった。無人の駅みたいだ。改札は機械なのにどこも光ってない。閉まってないから簡単に外に出れてしまう。ごめんなさい、と思いながら駅の外に出ると、真っ暗なばかりで交番も何もわからない。ただぼんやりと灯りがついているだけ。ここがどこなのかも、今何時なのかもまるでわからない。怖くてどうしたらいいかわからないのに、それでも動かないとどうにもならないから、取りあえず駅に戻る。

「……そっか、線路をもどればいいんだ」

 ホームに立って、そう考える。途中で乗り換えたはずはないから、線路をずっと歩いて戻れば知っている駅に辿りつくはずだ。知っている駅までいかなくても、隣の駅は人がいるかもしれない。長い距離になるかもしれないし、あの長いトンネルもある。怖いけど、それしかない。
 ホームから、線路に降りる。意外と高さがあって、暗い中だと怖い。怖いけど、ひとりでいるのは慣れてる。きっと大丈夫。
 線路を歩きはじめると、どこからともなく音が聞こえてきた。すごく遠くからだけど、鈴が鳴るような、お祭りみたいな音。外の遠くの方には人がいるのかもしれない。音は少しずつ大きくなって、近づいてくるみたいだった。
 トンネルに向かって歩いている途中、後ろから「おーい」と声をかけられて振り向くと、遠くに片足のない人が見えた。その後すぐ煙みたいに消えてしまったから、怖い気持ちが一気に大きくなって、今度は走り出した。トンネルの中で疲れて歩けなくなったら、なんて考えなかった。一生懸命走って、走って、トンネルに入る。中は何も見えないくらい真っ暗だったけど、すごーく遠くに光が見えて、あそこまで行けば大丈夫だ、と思えた。真っ暗だけど、段差はないはずだし、真っ直ぐ歩けば大丈夫。大丈夫。絶対大丈夫。
 できるだけ早足で砂利を踏みながら進む。電車にいた時長い時間トンネルを走っていたから、歩けばすごく長くなってしまうことは分かってる。でもぼくにはこうするしかなかった。振り向くのも怖い。横を見るのも、上を見るのも怖い。ただ前を見なきゃ。前だけ見なきゃ。真っ暗な中前だけ見てたけど、たまに怖くなったら目を瞑りながら歩いた。それを何度も何度も繰り返して、少しずつ光が大きく見え始めた時。

「樹理!!!」

 突然後ろから大きな声で名前を呼ばれて、心臓が止まるかと思った。怖いのに声は出なくて、ぼくはぎゅっと目を瞑ったまま動けなくなってしまった。目を開いたら、きっとさっきよりもっとずっと怖いおばけがいるに違いない。目を開けたらきっと連れて行かれてしまう。戻れなくなってしまう。そう思ったら、目を瞑る以外にできることは何もなかった。

「あ、……ごめんな、驚いたよな」

 目をつむったまま動かないぼくに、誰かは優しくそう言った。

「怖くないから、目開けてごらん」

 誰かがぼくの手を握った。その手はすごく冷たかったけど、でも、不思議と怖くはなかった。
 ゆっくり目を開く。そこには、どこかで見た顔のお兄さんがいた。黒い髪、黒いコートのお兄さん。ぼくに視線を合わせて、優しく笑ってくれる。

「あっち先回りされてるからな。向こう出ちゃったら戻れなくなる。一緒においで」
「じゃあどこいくの?」
「駅に戻る」
「でも、駅にはなんにもなかったよ。真っ暗だし」
「大丈夫」

 お兄さんはぼくの手を少し強く握って、また笑った。真っ暗だけど、わかった。

「お前に手出しなんかさせないから」

 お兄さんに手を引かれて、ぼくはまた駅へ向かって歩き出した。
 今度は全然怖くなかった。たまにお兄さんの顔を見上げると、お兄さんは気づいて笑ってくれた。それで僕はすごく安心した。

「どうしてここ来ちゃったんだ?」

 お兄さんがぼくに尋ねる。

「おじさんと、買い物に行って、帰りの電車に乗って、となりに座って、気が付いたらぼくだけここにいた」
「おじさん?」

 うん、とぼくは答える。

「ぼくと一緒に住んでる、おじさん」
「おじさんと一緒に住んでるのか? ……お父さんと、お母さんは?」

 お父さんとお母さんのことを聞くお兄さんの声は、少し悲しそうだった。

「お母さんは、ぼくがすごく小さい頃に、死んじゃったんだって。病気で。お父さんは、よくわかんない」

 そうか、とお兄さんは言う。手を少し強く握られた。

「おじさんって言うのはどんな人?」
「ん、と、あんまり優しくない。仕事いつもいそがしいし。でもぼくとずっと一緒にいる人。なのにお父さんじゃないんだって。お父さんって呼んじゃいけないんだって。変だよね」
「……そのおじさんはお前の父さんじゃないんだろ? なら呼ぶ方が変だ」
「うーん、そうなんだけど、そうじゃない」

 ぼくが言うと、お兄さんは「どういうこと?」と聞き返してきた。
 それはぼくだってずっと思ってきたことだ。

「だって、おじさんはぼくとおんなじ髪の色なんだ」

 お兄さんは、そこで一度立ち止まった。
 すごく驚いた顔をしていた。なんで、って呟いているのも見えた。
 ぼくはもっと聞いてほしくて、しゃべる。

「それで、ぼくが小さい頃から一緒にいて、保育園の送り迎えもしてくれる。それでもぼくのお父さんじゃないんだって。保育園の先生も小学校の先生もおじさんのこと、ぼくのお父さんって呼ぶし、おじさんも違うって言わないのに、ぼくが呼ぶのはダメなんだって」

 ぼくにはわからない。
 先生たちはみんな、おじさんのことを『樹理くんのお父さん』と呼ぶ。おじさんも違うとは言わない。なのに、ぼくには違うと言う。
 なにがほんとうなのか、ぼくにはわからない。
 いなくなっちゃったお父さんより、一緒にいてくれるお父さんが、ほしいのに。

「………お前は、父さんと母さんに会いたい?」
「んー、……会いたいかは、わかんない。でも、ほしい。だから、おじさんがお父さんならいいのにって、ずっと思ってる。どっちもいないなんて嫌だよ、ぼく」

 ぼくが言うと、お兄さんは黙ってしまった。
 何か悪いことを言ってしまったかと、少し不安になる。それでもお兄さんはぼくの手を離したりはしなかった。

「おじさんって、金色の髪で、少し怖い顔した人?」
「そう。にんそーがわるい、って言うんだって。あきひとくんとひさやくんのお父さんが言ってた」
「あきひととひさや? 苗字は?」
「せんや! おっきい家で、おじさんが仕事で旅行に行くときとか、泊まらせてもらう」
「扇谷か、……そっか、世話んなってんなあ」

 お兄さんが苦笑する。困ったみたいに笑ってた。この前国語の教科書で出てきた。辞書も引いた。
 だんだん元来た入口が近づいてきていた。今にも消えそうな電灯のあかりが見える。
 お兄さんはしばらく、何もしゃべらなかった。それは寂しかったけど、何を話しかけたらいいかもわからなくて、ただ手を引かれながらトンネルを歩いた。
 トンネルの入り口が目の前に来たとき、お兄さんはぼくに言った。

「本当の父さんのこと、嫌いか?」

 そんなの、わからない。もうほとんど覚えてない人のことを、嫌いだとか好きだとか、そんなの、わからない。

「……わかんないけど、……嫌いとは違う」

 なんとなく、そう思うだけ。嫌いとは違う。

「全然、覚えてないけど、ずっと手繋いでくれたのは覚えてる。ぼくのこと、大事にしてくれた人だっていうのは、わかるから」

 いなくなっちゃったけど、覚えてないけど、ぼくをずっと大事にしてくれてたっていうのは、わかる。
 やっと駅に着いて、トンネルを抜ける。
 トンネルの後だから、か細い灯りでもすごく明るく感じる。お兄さんはぼくをホームに上げると、痛いくらいぼくを抱きしめて、なかなか離してくれない。

「ごめんな、ごめんな、こんなことしかしてやれなくて、本当にごめんな……!」
「お兄さんは悪いことしてないよ。一緒にいてくれてありがとう。お兄さんがいたから、怖くなかったよ」
「……そう言ってくれると嬉しいよ。俺も、お前を一目見れて満足だ」

 お兄さんは泣いているみたいだった。何が悲しいんだろう。わからないからなんだかぼくも悲しくなってくる。
 トンネルの向こうから電車の音が聞こえる。最初に聞こえたお祭りの音はいつの間にか遠ざかっていた。

「……戻ったら、おじさんによろしく伝えてくれ」
「お兄さん、おじさんのこと知ってるの?」
「知ってるかも。でも、お前の話聞くと別人かもな」
「そうなんだ。言ってみる」

 やがてトンネルから電車が顔を出した。減速して、このホームに停まる。
 電車の中はここよりもっと明るい。げんじつかん、がある。
 ぼくが電車に乗ろうとする。お兄さんはついてこないみたいで、ぼくは振り返った。

「お兄さんは? 乗らないの? そこ、誰もいないんだよ。真っ暗だし」
「うん、分かってんだけどさ。俺明るいとこ苦手なんだ。だからお前ひとりで行きな。電車が出たら、席に座って、目を瞑ってみっつ数えろ。そしたらおじさんのところに帰れるから。大丈夫だよ」

 お兄さんは笑った。お兄さんが笑うと安心する。
 電車の扉が閉まる瞬間、「樹理」と名前を呼ばれる。呼ばれたところでドアが閉まってしまって、その後お兄さんが何と言ったのかは分からない。
 誰もいない車両。お兄さんに言われた通り、席に座って目を瞑る。

 いち。

 に。

 (なんでお兄さんはぼくの名前知ってたんだろう)

 さん。



 軽く体を揺すぶられて、目を開けた。
 そこはいつもの電車の中で、ぼくは頭をおじさんの腕に寄りかからせて寝ていたらしい。

「もう着くから起きろ」

 隣におじさんがいる。お客さんもいっぱいいる。戻ってきたんだ。いつもの電車の中だ。
 じゃああれは夢だったのかな。そう思っておじさんに話しかけようとすると、

「それと、いい加減手ぇ離せ」

 おじさんの手が白くなるくらいぎゅっとぼくが握っていた。慌てて手を離すと、血が通いだしてだんだん赤くなっていくのが見えた。おじさんは手首を回して溜息をついた。

「……お兄さんが、」
「あ?」

 黒いコートのお兄さん。見たことのあるお兄さん。
 僕を抱きしめて泣いたお兄さん。ぼくと一緒にいてくれたお兄さん。

「おじさんに、よろしくって」

 言いながら、ドアが閉まった瞬間を思い出す。名前を呼ばれたあの瞬間。お兄さん、なんて言ってたんだろう。
 おじさんは「はあ?」と首を傾げる。
 気が付くとぼくの目から涙が流れていて、誰よりも自分でびっくりした。


 あいしてる、って聞こえた気がしたから。




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2012.10.30(Tue) | 擬似親子 | cm(0) | tb(0) |

かんがえてる

反転空は名前ひらがな。呼ぶときの相手もみんなひらがな。
「りお」「なお」「さお」「けれす」「しーます」「よーじ」などなど。
ちみっちゃい女の子だけど世界中一人旅する。日本にいる時はいろいろバイト掛け持ち。旅費稼ぎ。
いかに金を使わず旅するかを考えるので、いろいろ切り詰めまくって帰国の時はいつもぼろぼろ。
紗央は大概帰国直後のそらから連絡もらって空港まで回収しにいく。そいで餌付けしてる。
自分が食べる分はジャンクフードとかサプリメントでも気にしないけど、人には美味いものをふるまいたいし、自分以外の人は美味い飯を食えばいいと思ってるし栄養ちゃんと考えろよとか思ってる。意味わからん。
そらは旅しつついろいろ切り詰めるけど、おいしいものはちゃんと食べてるといい。それを紗央に聞かせてる。
「ケバブたべたー!」とか「スコーンおいしかったー!」とか。その度何か腹立ってうまいもん作って食わせるんだと思う。中学生か。
でもこの紗央も昔いじめられてたのを助けて介抱してくれた警官を探してます。タっくんですがあんまり考えたくはない。



普通の世界で奈央とくっつかない空の話を書きたいなあと思いつつ。
ダークヒーローだけど、悪役だけど、ある意味自己中だけど、でも誰よりも理央と奈央が幸せになることを願ってる人。自分もその輪に入りたいけど、それがダメならせめて双子だけでも、っていつも思ってる人。
絶対年下と付き合った方がいいよなあ、空は。
大学時代奈央とは遠距離だったから、きっとゼミとかで後輩に言い寄られたりしてると思う。奈央と別れてから、貯金使って一人旅しようと思い立って、その前に大学に立ち寄ったりして、したら当時言い寄ってきてた後輩が教授の助手で大学に残ってたりして。
彼女と別れたって言ったらまた言い寄られるんだけど、空そういうのは頭固いから断り続けるし、奈央ディスるようなこと言おうもんならキレるよな。頭固いけど失恋直後だし弱いとは思うんだが。
旅先からその子に写メ送ってやるとか。後輩ちゃんも悪い子じゃないとかな。
「わたしの方が絶対瀬川先輩のこと好きです!! 何番目でもいいからわたしのことも見てください!!」くらい勢いのある子の方が、きっと空は楽しいと思う。
というのを考えたら、やっぱり空と奈央は家族だな、と変に納得した。



新しい手帳がほんとに可愛い。なんだこれ……。

2012.10.16(Tue) | 設定 | cm(0) | tb(0) |

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