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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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紅蓮の弓矢MVの惨劇
サンホラわかる人には実に通常運行なんだけどね。
2番からかなり曲調変わるけどかっこいいと思うなあ。またサビに入るところとかすごく好きなんだけど。


ついにオフィシャルガイドブックが届いた。
壁井ユカコってすげえ聞いたことある誰だっけ誰だっけと思ってたら鳥籠荘の原作の人か! なるほどな!!
脚本家のみなさんによる解説、すごくよかったです。脚本家が言うことって公式だもんな。
で、改めてオープニングとか見ると、ああこれ飛行船から落ちるところだったのね、とかいろいろ腑に落ちる。主題歌の「KINGS」も、angelaのインタビュー記事見てから聞くと、本当にこの作品のために作った曲なんだなあというのがわかる。大変おいしかったです。
草薙さんのキャラクター紹介のページが印象的でした。
周防との関係が対等な友人同士でもあり、王と臣下の関係であり、最後の周防の行動は王としては正しくなかったかもしれないけど、友人として「お前は最高の王だ」って肯定してやれるただひとりの人。なんかもうこのコメントだけでほむら株が一気に上昇しました。ウワアアアアア、って感じでした。
で、かっとなって6話見直す。


「赤の王」の力に食われそうな周防が十束と出会って、仲間が増えていって、くだらない毎日の中で守りたいものができていって、「何で王なんかになっちまったんだろうな」とか言ってたくせに最後は王の力によって死ぬっていうか、その運命を受け入れるというのはもう、ね! 最後はそうやって死ぬことに納得して宗像に殺されたっていうのが、ね!
だから言ったじゃない私弱みができた一匹狼大好きだって!
ガイドブックについてる小話もたいへんおいしいです。尊とさるひこってあんまりないから新鮮。あとは赤の王国づくり。十束の重要性を噛みしめる6話。エンディングで楽しそうなメンバーの写真とか! もう!


したらここは草薙さんやっぱりシーマスさんのがしっくりこないか? と思う。
ついでに十束が叡一くんのがよくね? とか。ケレスさんをキング呼びして懐く叡一くんもいいじゃないか。トムヤムクン作ればいいじゃないか。トムヤムクン知らないキングいいじゃないか!!
そしたらアンナを紗央にして、世理はルミにしようかなとか。ならさるひこは大和の方がいいかなあと思ったけど、ヤンデレキチガイはやっぱり慎吾だろうなと思って却下。


赤の面子だけちょっとだけ書いてみたいような気もする。
どう書いたらいいかわからんけど。



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2013.06.29(Sat) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

MOR読んだ。


前日譚のくせにくっそ面白くてびっくりした。何あれ……。みことさんめっちゃカッコいい……。DKのみことさんバカス……。とりあえずみことさんがいちいちかっこよくてドキドキしました。八田ちゃんも可愛いな。
草薙さんと世理ちゃんすごく好きなんですけどあの距離感絶妙ですね。淡島副長ありがとうございますエロいです。
寝ぼけてるくせに殺気察知して相手怯ますみことさんマジみことさん……。
うおおおおこれケレスさんだったらガチでかっこいい……!
したらエリックは樹理で。もう、樹理で!!! お前じゃ無理だけど頑張れ。ちょう頑張れ!
ほむらに入るテストはきっと本当はもっとカッコいいことやりたいんだろうけど(八田ちゃんとか)、キングがめんどいから握手だけになったんじゃないんですか。
白あん煮込み豆腐……。これが伝説の……。
アニメだけだと、絆絆言ってるけど実際そうでもないじゃん、と思いがちなのですが、これはコミックで補完しないとダメな作品ですね。どんだけ十束がほむらの中心にいたのかわかるし、それがわからないと本編でどうしてあんなに強硬策に出てるのかもわからない。チームメンバーだけじゃなくて、普段あんまり動かなそうなキングまでが、ダモクレスの剣出てくるレベルで力発揮するのかとか、あんだけチームの真ん中にいた人が殺されれば、そりゃああのチームなら血眼になって報復しようとするわけですよ。
瑶司さんじゃもったいない……! あの人人望なさそうだもん……!
うわあああくっそ、もう、エリック加入のところ、もう、ケレスさんはよ赤の王になれ。
草薙さんがシーマスさんで十束が叡一くんというのもアリだな。けどやっぱり叡一くんのがおかんポジションというのは似合うと思う。シーマスさんは十束みたいな最弱じゃないから十束ポジションにはできない……!


妹には冷たい目で「今さらKとか……」と言われております。
うん、別に、いいじゃん……。
K面白いよ……。設定すごく厨二で楽しいよ……。
主に私はパロやるのが楽しいので。千歳のしょうもない男具合が実に穂積なんですが。
指きりマリアさん超美人。


青サイドも何かしらで前日譚やってほしいな。伏見別にそこまで好きじゃないけど、伏見がセプター4入るあたりの話とかはもっと掘り下げてやっていいと思う。2期とか劇場版でやんのかもしれないけど。

2013.06.28(Fri) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

草薙さんがかっこよくて吹いた
Kの1話2話をちゃんと見てなくて見直したら、草薙さんがえらいかっこよかったので吹き出しました。安定のおかん。
尊礼がメジャーじゃないのが意外……。尊さん細いからどっちがどっちとかは割とどうでもいいんだけど、こいつら王道だと思ってたのに……。


タっくんと叡一くんの兄弟いいと思うよ。叡一くん安定のおかん。趣味は全然合わなくて喧嘩ばっかりしてて、タっくんはすぐ手が出るけど叡一くんは正論で斬っていくタイプで大概タっくんが負ける。けどまあくだらない口論な気がする。夕飯は肉がいいとか魚がいいとか。炎而くんとか理央とか、結構おとなしい中立の子が末っ子にいてもいい。どっちに肩入れすることもなくて、「どっちでもええやん……」みたいに思ってる。
両親いない、タっくんは社会人で稼ぎ頭。高卒で警官だと寮入ってるだろうから面白くないし、そしたら疑似親子ルートみたいに警備員とか、若いしガテン系の仕事しててもいい。叡一くん学生で。叡一くんと末っ子の学費を頑張って稼いでる。すげえ珍しく弟を可愛がるタっくんだといい。言わないし表情にも出さないけど。叡一くんが賢いのはわかってるから、親がいないとか金がないってことで潰すのはいけないことだと思ってる。


冬さんと紗央のメンヘラ姉妹もいいが、瑶子さんと冬さんっていうお互い全く理解し合えません姉妹というのも実に面白い。
瑶子さんは平気で冬さんを合コンとかに誘いやがると思うんだ。寧ろその無理やり連れていかれた合コンで冬さんとふーみんが出会ってたらおいしい。ふーみんと穂積の双子は、お互いの女の趣味ここぞとばかりに罵倒し合うけど、だからこそ相談できる相手も片割れしかいないとかだったら俺得。まあほっちゃんはふーみんに冬さんのこと相談されたら即pgrして「メンヘラwwww マジでいるんだそんなのwww そんなのに引っかかる男もいるんだwwww」とか言い出すと思われます。
なんかちょっと楽しくなってきたwww


きょうだいの組み合わせと思うとあんまり浮かばないなあ。
あとはまあ要くんと奈央とかな。傍からみててすげえ癒しオーラ出てそう。要くん医学部学生、奈央は高校生、奈央のブラコンスキルは健在、相手が奈央だったら要くんもシスコンぽい。
これはほんとに第二のご近所世界フラグwwww


よしもう寝よう。ポワゾンKISSよかったです!

2013.06.27(Thu) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

兄弟パロについても本気出して考えてみた

Kパロはなんだかんだおいしいので引き続き妄想しています。
キングは割とほむらの中では苦労人というか振り回されポジションにあると思ってるので楽しい。
反転流風は子犬みたいな子だといい。ケレスさんを見る目がいつもきらきらしてる。
「ケレスさん今日もめちゃめちゃカッコいいなあ構ってほしいなあいやでも恐れ多いや見てるだけでいいっ」という眼差しなので若干毎日ウザいと思われてるといい。
私は知っての通り名前厨なので、名前呼ばれると嬉しい流風は健在。ケレスさんも通常運行だから必要なとき以外は呼ばなそう。
ケレスさんに名前呼ばれると毎回真っ赤になる流風が「ケレスさんに名前呼ばれると耳が孕む」とか言い出して、全力で乗っかる瑶司さんが「ええっ、ダメじゃんキングちゃんと避妊しなきゃ!」とか言い、なんか叡一くんもそういうの乗ってくれそうなので、「あー、こうなったら責任とんなきゃねケレス」となり、最終的にしょうもない流れに持って行った瑶司さんがキングの制裁を受けるといい。
しかし多々良の力っておいしいよな。仲間の力に限りなく同調できるから、仲間の力じゃ傷つかないとか。
大和は流風のお目付け役っていうかなんていうか。
クランに入る時のテストとかもおいしいな。小説読んでないからわかんないけど、赤はキングの手を握るとかなんだっけ?



ケレス・貴久・流風・壱郎4兄弟ネタを蒸し返していたところ、点呼どんが茜・治文・穂積・尊の4兄弟で対抗するとか言うからもう。
兄弟ご近所世界もおいしいですね。ケレス・貴久組と治文・穂積組が同級生で、茜さんはちょっと上で、ケレスさんも結構怒鳴られたりしてればいいと思う。成人してからは酒盛りで穂積が弱者。
私はシーマス・ルミの兄妹が見たいので秋臼さんぜひ。ぜ  ひ  。
シーマスさんがケレスさんたちと同い年、ルミは流風たちと同い年。血は繋がってなくてもいい。連れ子同士の再婚とかで。ルミが結構小さい時の再婚だったから、特に確執もなくそれなりの仲の良さ。
シーマスさんは通常運行でルミを普通普通呼ばわりするけど本当は結構気にかけてる。
ルミは思春期真っ只中でそんな兄貴をウザいと思いつつカッコいいことは認めてるので「この兄貴また今日もキラキラしやがって!」とか思ってる。当人同士は(ていうかルミは)自分たちは仲悪いし喧嘩ばっかしてるって思ってるけど、傍から見るとかなりベタベタしてたらいい。ぱっと見兄妹には見えないから、恋人同士に見えるとかな。
シーマスさんとケレスさんたちは大学で知りあってもいいし、高校でもいい。ルミの存在がバレるのは大学入ってからとかがいいかな。学校の近くで一緒に買い物とか行ってたところを目撃されて、騒がれる。
「あれ中学の制服じゃんwww 犯罪ww 犯罪っしょww」←間違いなく穂積
シーマスさんが兄貴だったらルミと付き合える男ってそういなさそうww お眼鏡に適う奴そうそういないだろww
大和、残念だ。つよく生きろ。
ルミは流風のところの兄弟がちょっとうらやましいといい。全然似てないけどみんな血が繋がってて実の兄弟で、きらきらして見える。あたし兄貴と血繋がってないもんなー、そりゃ普通だよなー、とか思ってる。兄貴呼びだったらかわいい。
冬さんと紗央のメンヘラ姉妹とか考えたけど収拾がつかない。
いっそこういうところでタっくんと叡一くんを兄弟にしてしまって強引に仲良くしてしまうとか考えたけど収拾がつかない。
冬二くんと瑶子さん、と思ったけど完全に冬二くんがパシリになる。


相変わらず兄弟設定はおいしいです。

2013.06.25(Tue) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

Kパロキャスティングについて本気出して考えてみた。

宗像に貴久さんを据えようとしたら見事に公式(=点呼どん)にぶった斬られたので軌道修正するwwwwww
そしてオフィシャルガイドブック通販しました設定厨ですすいません。
最初は赤の王と青の王をタっくんと大和で固めようと思ってたのですが、なんか、ちょっと、うーん、みたいな感じになったので考え直す。大和・ルミ・風哉くんのセプター4もかなりアリだとは思うんだけどなwww
紙でひとりツイッターして軌道修正したものがこちら。


<赤のクラン>
・尊→ケレス
・出雲→叡一
・多々良→瑶司
・美咲→流風(反転)
・アンナ→みのり
・鎌本→大和


<青のクラン>
・礼司→アンドゥー
・世理→紗央
・猿比古→慎吾


あとはまあ適当に!
出雲はシーマスさんでももちろんいいんだけど、声的な意味と世理が紗央だったらと思ったら叡一くんのがいいかなと思う。安定のおかん。
この面子でほむら家族やってくれたらすごくおいしいです。
肝心の主役クラン3人組ですが、猿とカラスで都筑のお二人を使わないなら、

・シロ→炎而
・クロ→冬二
・ネコ→椿

とかいいんじゃないかな。シロ→琴也、クロ→真紘、ネコ→織夏でもいいけど、シロを炎而くんにして、無色の王を風哉くんにしたいという飽くなき野望が。いや、無色の王実体ないわただの悪役だわで大変だけど、ぜひ瑶司さんを銃殺していただきたい。
クロが冬二くんだったらもうめっちゃ強いヤバい。料理裁縫完璧な上に強い……。日本刀ヤバい……。
炎而くんのクランズマン冬二くんとか見た目的にもヤバい……。
したら菊理ちゃんは織夏で、菊理ちゃんのこと好きなあの男子は琴也で決まりだな。


慎吾は反転流風に執着しまくりのガチヤンデレ。普段テンション低めだけど、流風を前にするとキチガイ。
K本編は美咲は男の子だけど、なんか面白くないので反転する。男ばっかでむさいというのもある。
反転流風はケレスさんに憧れてクランズマンになる。純粋に憧れだとおいしい。うわああかっこいい、みたいな。
アンナが紗央ならもっとほむら家族可愛いけどな。あー、叡一くんいるしみのりでもいいかなあ。叡一くんとみのりは通常運行で可愛いけど、ケレスさんについてまわるみのりって新しすぎる。みのりにするか。


アンドゥーならケレスさんと友達になれて、かつ助けたいとか言ってくれそうという妄想。ていうか声的にも杉田だし。宗像って公私混同しすぎだよな……。どんだけ周防助けたいの。
最終的に助けられなくて、災害防ぐためにダモクレスダウンする前にケレスさん殺すアンドゥーとかどれだけおいしいの。13話やってほしい。
そもそも力が不安定で制御が難しい王様ってのも、よくもそんな厨設定考えてくれたなと腹立たしくけしからん思いです。


ケレスさんのこと呼び捨てにする叡一くんとみのりおいしいです。ケレスさんをキングって呼ぶ多趣味で最弱の瑶司さんおいしいです。
炎而くんがヴァイスマンなら、クローディアをお姉さんじゃなくて妹にして水希ちゃんで、中尉を真紘にしようか。95歳だけどwwwwwwww みのりが幼女なのにwwwwww
くっそこのパロキャスティング俺得すぎる……!!
アンドゥーの右腕紗央もおいしい。NO.3が慎吾ってのは違和感あるけど、まあいい。


ちょっと書いてみたいかもなあ。早いところ小説とコミック揃えるか。

2013.06.25(Tue) | 未分類 | cm(0) | tb(0) |

資料集ほしい病
Kの設定資料集めっちゃほしい。
本当は尊さんをケレスさんにしたいんだが、そうすると上手く多々良のキャラが埋まらん。ていうか、ケレスさんはどんなに繋がりの深い仲間同士でも、報復みたいなことするような人だとは思えないんだよなあ。公式がOK出せばひっくり返るけど!(笑)
タっくんは割と大事なものが傷つけられるの我慢ならないし、自分が負った分だけ相手にも返してやる、ってガチで思う人なので思考は割と尊さん寄りかなと思う。
風哉くん絶対猿比古!! けど尊さんがタっくんなら炎而くんにぜひ多々良ポジションでいてほしい。炎而くんの対タっくん汎用性が高すぎて吹く。
尊がタっくんなら、宗像は大和。兄弟設定でもいいと思う。まああんまり大和は秩序って感じじゃないが。
淡島さんがルミ。ルミ使うなら草薙さんはやっぱりシーマスさんかなあ。けど紗央いるし声的にも叡一くんでもいいよね。ただどっちも関西弁じゃないけど。
大和、ルミ、風哉くんの三人がトップとかおいしい。抜刀して欲しい!
やっぱり炎而くんは美咲のがいいかなあ。二人とも揃って最初はタっくんに拾われて、風哉くんだけ裏切って青に入るっていう、炎而くんへの執着半端ないっていう。
したらもうおいしすぎるポジションのはずの多々良はモブでもいいよ! いや、まあ、いいけどね、穂積でも。



紗央を受け入れてしまった空挺都市のタっくんは、そしたらもう紗央を守ることに全力を尽くすと思うんだ。
古本屋叡一くんと紗央は、紗央が料理屋で働き始めてすぐ知り合う。出前みたいのやってるお店でもいいし、単に紗央が路地裏迷い込んで見つけたお店でもいい。
刑務所の囚人に本あげるとか聞いて、うわそいつ何だよ何しでかしたんだよ、とか思ってるといい。そんなろくでなしに情けかけるんじゃありません、くらい思っててもいい。近所のおばちゃんくらいな目で見てくれてたらおいしい! そのうち事情も知るだろうけど。
しばらくしたらタっくんと紗央が一緒にお店見に来て、紗央に紹介されて挨拶するんだけど、タっくん的には(何だこの優男、どんな関係だ、あァ?)っていうのが顔に全部出ていそうです。叡一くんはそれを読み取って、うわあ面白い人だなあ、くらいに思ってたらいい。
こういう世界観なら仲良くなれそうですね、タっくんと叡一くん。
みのりが生まれたらのろけ話延々聞かせそう。立っただのしゃべっただの歩いただの、いちいち報告に来そう。
この世界のタっくんすごく幸せそうでちょっといらっとする。


特にこれといった根拠はないんですけど、先日GRANRODEOの「偏愛の輪舞曲」聞いて、「あ、これシーマスさんだ!」と思いました。何となくです。特に根拠はないです。
天野月子の「聲」歌うと、紗央を忘れてくタっくん書きたくなります。


点呼どんが動き始めた! wktkして待ってる!
白タクさんもね、仕事に正義感はないんだけどね、なんか真っ直ぐなんですよね。
どの世界でも面食いなんですよね。叡一くんのところにいるみのりは賢くて可愛く育ちそうなので、安心して任せられますね!


HEAVENSの曲が予想外によくてドキドキしています。絶対これDVD特典だろ……。買うわ……。
ルミはなんとなく藤の花のイメージが。ちょうど5月だし。

2013.06.23(Sun) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

過去編③




「出所までもう少しっスね、桜井サン」
「お前も懲りねェな、目ぇつけられるから来なくていいって何度言ったらわかる」
「俺が来たくて来てるんですから、目ぇつけられたって構やしませんよ。第一、俺三男坊なんで。こんくらいのことじゃ目くじら立てられないです」

 面会室の厚いアクリル板を挟んだ向こうで、穂積はそう笑った。このやり取りも、もう二十回以上になる。拓海が刑務所に収容されてからというもの、穂積は月に一度は必ず面会に訪れていた。普段は几帳面さなど感じられないのに、それはもう義務のように、毎月きっちりやってくる。拓海とて穂積を邪険に思っているわけではない。話し相手に満足しているわけではないし、そもそもここではほとんど喋らない。月に一度でも顔の知れた人間と話せることで、気が楽になるのも事実だった。
 穂積が毎月やってくるのは、近況を報告するためだ。それは警邏の中のこともだし、拓海が気にかけているであろう、北エリアで助けた少女のその後のこともだった。

「連日あの子目当ての客で盛況ですよ。交際の申し込みも絶えないとかで」
「そいつは結構なこって」
「ぜーんぶばっさり断ってるみたいですけどね。美人は手厳しい」

 拓海がここに来て、もうすぐ二年だ。拓海の予想通り、普通ならかなり緩い判断を下されるであろう事案で、異例の裁判無し。刑期二年が即日言い渡された。刑務所の中では、空挺都市を維持する浮力を得るための燃料の発掘をさせられる。毎日毎日休みなく、朝から晩までずっとだ。元々体力には自信があった方だったし、警邏の仕事も肉体労働だ。しかし現場での仕事は疲れ方が違う。幸いまだ若いといわれる年齢なので、ひと月も経つとそのサイクルには慣れた。
 拓海が助けた少女――紗央は、あの後ちゃんと穂積が職の斡旋をしてやったらしい。知り合いが西エリアの貴族街で料理店をしていて、東エリアの平民街にもひとつ店を作りたいと言っていたところだったようだ。人手が欲しいという話に穂積が食いつき、紗央は住み込みで働くこととなった。西洋の料理も、東洋の料理も扱う本格的な店だ。身なりを整え、看板娘として働く少女は、見違えるように美しくなったと聞く。
 平和で暮らしているならそれでいい。それで十分だ。拓海はそう思う。そうして、金持ちで性格のいい男に貰われて、貧民出身でも幸せな家庭を築けばいい。料理も上達したと聞くし、きっといい母親になる。

「あ、そだそだ、今月はですねえ、ひざ掛けも入れときましたから」
「ひざ掛け?」

 ここに来ると穂積は必ず差し入れを置いて帰る。毎月、古い装丁の本が十冊ほど入っており、最初は嫌々受け取ったのだが、消灯時間までの暇つぶしに開いているうちに、すっかり周囲からひそひそと読書家呼ばわりされるようになってしまった。これまでは読書なんてできるだけ避けてきた道だというのに、暇というのは恐ろしいものだ。
 これまで読み終わった本はしまう場所もないので、すべて看守に預けてある。出所したら処分を決めようと考えていた。

「冷えるんじゃないかなあと思いまして」
「去年はセーター入れてたじゃねえか。温度管理なってないわけじゃねえし、あんま気ぃ使うな」
「らしくないっスよ、もらえるもんはもらったらいーじゃないスか」
「つーか気色悪ぃんだよ」
「うわ、こんなに桜井サンのこと思いやって差し入れしてる後輩に酷すぎる」
「だぁから、頼んでねェって」

 差し入れされる本はジャンルが偏っておらず、だから飽きることがなかった。装丁の古さを見ると、古本屋かどこかで手に入れたのかもしれない。
 軽口を叩きながらもありがたく受け取っておくことにする。このアクリル越しのやり取りも、あと数回だ。

「桜井サン、出所した後行く場所決まってんですか?」
「あ? 前科者なんざ燃焼工場で十分だろ。部屋もあるみたいだし、そこしか考えてねえよ」
「いいんですか、あんなところで。何なら花屋とかで働きません? 資格フルに生かせるし!」
「資格なんて生優しいモンじゃねえだろ。花はやりたい奴が好きに触ってりゃいい」
「……怒んないで聞いてほしいんですけど」
「なんだ」 

 不思議なものでも見るかのように、穂積は少し目を丸くして、俺に問いかける。

「桜井サンって、ゴーマンだし性格もよくないのにすげえ無欲ですよね」

 喧嘩売ってんなコイツ、と思いながらため息をつく。

「うまく言えないんスけど、大事なモン落としてるような感じがするんですよね。たまに、桜井サンはそうやって生きて早死にすんじゃねえかなとか」
「……後輩からのありがたい忠告としていただいておく」
「ま、そんくらいでいいですけどね。聞いといてくれれば」

 穂積がいつもの締まりのない顔でへらりと笑うと、その日のやり取りはそれで終わりだった。







 それから何度か穂積との面会があって、とうとう出所の日が来た。元々荷物などそう多くはない。何回にもわたって穂積が差し入れしてくれたものが荷物として増えただけだ。今持ってきているのは冬の間に貰ったセーターとひざ掛けだけで、残りの本は分けて取りに行くとまだ預かってもらってある。そのまま置いていくこともできたし、処分を頼むこともできたが、何となくそうすることは気が引けた。それなりに気に入ったものもある。これから住む予定の部屋はそう広くないから結局あとで自分で処分することになるのだろうが、その選定をゆっくり自分ですることは悪くないはずだ。
 貰ったセーターは今身に着けている。わずかな荷物を詰め込んだ鞄を手に、刑務所の門に背を向ける。思ったよりは早く過ぎた二年間だった。別に刑務所を宿舎か何かだと思っていたわけではない。その証拠に、毎日毎日夢見は最悪だった。眠れていないわけではなかったが、どうにも朝気分は優れなかった。男の腕を落とした時の感触。歯が折れて飛ぶほど殴った時の手の痛みも、何度も夢に見た。およそ自分には縁がないだろうと思っていた罪悪感に苛まれることも、ないわけではなかった。しかしその罪悪感を引きずることは、自分の罪をあの少女に押し付けることに他ならない。それだけは避けなければならない。そんなことは絶対にしてはならないのだ。
 工場のある地区へはここからしばらく歩かなければならない。エリアのことは熟知しているつもりだ。外に出るのは二年ぶりだが、北エリアに限ってはそう変化があるとは思えない。靴底が砂を踏む感触。

「――ま、……待って……!!」

 歩き出した拓海の背に、女の声がかかる。待って、と言われて思わず足を止める。この辺には今自分しかいない。刑務所の周りは閑散としていて他の建物などない。面会で訪れる人間でなければ建物自体に用事ということもない。ここで働いている人間は裏口から出入りしているのだから。
 ゆっくり振り向くと、そこには重そうに袋を持った少女がいた。まだ躊躇っているかのように、その瞳は少し、揺れているように見える。澄んだ青色の瞳だ。
 風が吹けば髪が靡く。黒い髪は濡れたように艶やかで、金持ちの家の人形のように、毛先まで綺麗に纏まっている。すらりと伸びる、白くて長く、細い手足。その身に纏った、裾に控えめな刺繍のある茶色のワンピースは、少女の美しさをより際立たせる。
 紛れもなく、あの時の少女の成長した姿だった。あの汚い世界で十分美しかった彼女が、真っ当に成長して、本当に、穂積が言っていた通り見違えるように美しくなった。
 思わず息を呑む。数歩離れたこの距離でも、その成長はよく伝わった。あの頃、この少女を天使だ女神だと呼んでいた警邏の隊員がいたが、この姿を見ては拓海もその言葉を否定することはできない。
 少女が意を決したようにこちらに歩み寄る。拓海の目の前で止まった彼女が口を開く前に、拓海は息を吸った。そして、彼女の出鼻を挫くことにする。

「どういうつもりか知らねェが、ここには来んなっつっただろうが! てめェのその耳は飾りか? あァ?」

 怒鳴り声に、少女の細い肩がびくりと震える。
 北エリアには来るなと言った。拓海はもう二度言っているし、彼女を保護した穂積も同じ忠告をしたはずだ。わかると思ったから言っているのに、わかってもらえないとなれば後は勝手にしろとしか言いようがない。このエリアで起こりうることは彼女も想像がついているはずだ。

「こ、ここまでは、初めて来ました。危ないからって穂積さんが、ついさっきまで一緒にいてくれました」

 軽く俯きながら彼女は言葉を落とす。小さい声だったが、聞き取れない距離ではなかった。
 馴染みの名前が出てきたことにも、その名前に敬称がついていることにも、驚いた。昔は使わなかった丁寧語を使っていることにも。

「……じゃあなんで今あいつはいない」
「あなたが、出てくるのが、見えたから、もういいだろうって」
「あいつ自分の仕事わかってんのか、くそッ」

 お前は警邏の人間だろうが。それに何だ穂積さんって。
 そういえば穂積は毎回この少女のことを報告していた。この子も穂積のことは信頼しているようだし、恩人として親しくなったのだろうか。
 嫉妬と十分呼べる感情がふつふつと湧くのがわかって、拓海は舌打ちをした。出所して早々どうしてまた自分の浅ましさに気づかなければならないのか。
 少女が拓海の全身をじっと見て、何か気付いたかのように「あ」と声を上げた。

「あたしのセーター、着てくれてるんですね」
「は? お前の?」
「え、毎月本を選んで、冬にセーターとひざ掛けを編みました。……穂積さん、伝えてくれてなかったんですか?」
「あの野郎……!」

 後輩の機転の利かせように腹が立った。
 あの気色悪い差し入れは全部、あの男が選んだものではなかったのだ。この少女からの預かりものを持ってきただけだ。そりゃあそうだ、この少女がひとりでここに来るには危険すぎる。次何かあっても、誰が助けてやれるかわかったものではない。それに、万一ひとりで来られたとしても、拓海は面会などしなかっただろう。そんなことは穂積でもわかっていたのだ。来るなと言っていたのだから、来たらいけない。かといって、この少女からの贈り物を拓海は素直には受け取らないだろう。それも見越した上で、自分からの差し入れという体をとった。腹が立つ。それならばと受け取った自分の考えの浅さにも腹が立つ。

「……あの本、お前が選んだのか。穂積か?」
「あたし、字はろくに読めないし書けないんです。計算も苦手で。穂積さんも、あんまり本は読まないみたいで。でも、東エリアの平民街のすごく奥まったところに古本屋さんがあって、そこの店主さんが、事情を説明したら面白いのをいろいろ選んでくれました」
「……これは」

 本の事情はわかった。次にセーターを軽く引っ張ってみせると、彼女は表情を綻ばせた。

「今働いてるお店のおかみさんが手芸のすごく得意な方で、お裁縫たくさん教えてもらったんです。編み物、手際がいいって褒められたんですよ。初めて編んだからちゃんとできてるか心配で……。でもちゃんと着られてるみたいで、よかったあ」

 本当なら、ここでこのセーターを脱いで、ひざ掛けも突っ返すなりなんなりするべきなのだろう。自分はもうこの子に関わるべきではないし、この子も拓海のような男と関わっているべきではないのだ。今幸せな暮らしができているのなら、それを少しでも長く保つよう頑張らなければならない。その一方で、そこまで非情になりきることはできない自分のこともまた、拓海はわかっていた。自分にできることは、今日で別れるということだけだ。この娘の厚意は、ここでは素直に受け取っておくべきだ。

「駅まで送る。ついてこい」

 ここから工場街へ向かう道と、駅への道は真逆だ。このエリアは全体的に安全とは言いにくいのだから、誰かがついてやらなければまた何か起きるかもしれない。少女の方向へ向かい歩き出し、その隣を素通りして駅への道を辿り始めるが、少女は小走りで着いてきて、待って、とまた声をかけた。しかし拓海には聞き入れるつもりはない。

「少しでいいから、話、聞いてほしいんですっ」
「聞かん。とっとと帰れ」
「お願いです、聞いてくれなきゃ帰れません、お願いします、拓海さまっ」

 唐突に自分の名を呼ばれ、しかしそこに気色悪い敬称がついていて、拓海の眉間には皺が寄った。この子が自分の名前を知っていたことは特に驚かない。ここまでくるとすべての情報源は分かっているからだ。足を止めてしまった自分のことは、心底愚かしいと思う。チャンスとばかりに少女は拓海の目の前に回り込んで、深く深く頭を下げた。

「あの、……えっと、」

 黒い髪を揺らして顔を上げ、その青い瞳はきょろきょろと落ち着かない。立ち止まってやったのに、話を聞いてほしいという本人が話し始めない。拓海は気が長い方ではない。苛立ちを覚えればすぐに歩き出すつもりだった。
 数秒沈黙してから、少女の瞳は申し訳なさそうに拓海を見つめる。

「何を、言ったらいいか、わかんないんです」
「なら何も話すことはねえってことだろうが、行くぞ」
「違うんです! ……ありがとうも、ごめんなさいも、違う気がして、言えないんです。あたしが言いたいのは、そんなことじゃなくて、」
「気持ちだけありがたくもらっておく」
「そうじゃなくて!」

 少女が借りをつくったと感じているのならそんなのは勘違いだ。あれは、拓海が自分がやりたくてやったことだ。自分のやったことに責任をもつ。だからこうして二年間刑務所に入った。これからも日の当たるところで暮らせるとは思っていない。それくらいでいい。本能のままに生きたツケだ。これはこれで、拓海自身は受け入れている。

「……もらった分、返したくて。あたし、あなたに貰ってばっかりだから、少しでも、返したくて」
「っは、今や稼ぎ頭らしいからな。その同情もついでだから貰ってやる」
「同情なんかじゃないです、……あの、……あたし、夕ご飯、作らせてください。毎日、通いますから。だから、」
「馬鹿もいい加減にしろ」
「馬鹿かもしれないけど本気です!! 聞いてくれなきゃ帰らないってあたし言いました!」
「なら勝手にしろ。人形にでもダルマにでもなったらいい」

 決心して受け入れた二年間だった。責任も感じた。罪悪感も確かにあった。それをすべて受け入れた、受け入れるための期間だった。
 この子のことを考えていいのは二年間限りだ。二年経ったら、あとは自分のやった事実だけを背負って生きていく。そこに彼女がいていいはずはないし、彼女にしても拓海のことを考えていていいわけはない。ここで終わりだ。最後に成長した姿を見られただけ、それだけでも幸せだと思う。これ以上この子が食い下がるなら、拓海は突き放すことしかできない。
 言うべきことは言った。帰らないなら好きにすればいい。ここはまだ刑務所の目の前だから、いざとなれば助けを呼ぶこともできるだろう。再び踵を返し、駅とは逆方向の工場街に向けて歩き出した。なるべく早く歩く。工場街に近づくと大規模な機械音が聞こえてくる。見かける人間は作業着姿の男ばかりで、みんなこの工場の従事者であろうことが伺える。
 拓海の新しい住まいは工場街の端にある。警邏として勤務していた頃の記憶を手繰り寄せながら、細い路地を進む。この辺が汚いのは昔からだ。このエリアは何も変わっていない。
 工場の従事者の居住エリアに差し掛かる。前科者の男どもしか暮らしていないエリアは見るからにどんよりしていて、活気がない。小さなアパートが敷地内にいくつも建てられている。拓海の部屋はそのうちのひとつ、二階にある。
 建物を見つけ、近づくと背後でがさがさ物音が聞こえ、振り向けば「ひゃっ」と小さく悲鳴が上がる。視界の端で猫が走り去っていくのが見えた。

「……お前、いつまで着いてくるつもりだ」
「ごはん、食べてくれるまで」
「俺はもうお前と関わらない」
「あたしの気がすみません」
「お前の気なんか知るか」
「ならあたしもあなたの事情なんか知りません」
「いい加減にしろよ、……本当に知らねェからな」
「あたし毎日来ますから。夕方、お店の仕事終わったら、絶対毎日来ます。あなたが会ってくれなくても、あたしと関わろうとしてくれなくても、それでも、毎日来ますから」

 少女が袋を抱え直す。
 きっとその袋の中には食材が入っているのだろう。東エリアで買ったのなら、いい加減腕も疲れているはずだ。
 それでもその瞳は真っ直ぐで、絶対に退こうとしない。これを振り切ることは簡単だ。彼女もそれでいいと言っている。もしそれで、次に何かあったとき本当に自分は無関心でいられるだろうか。ここで受け入れることは間違いだとわかっているのに、まるで逃げ道を探しているかのような感覚になる。

「俺は、お前に感謝して欲しいとも謝罪して欲しいとも思ってねえ。そうされることをしたとも思ってねえ。俺はお前と違う、人殺しだ。……頼むから帰ってくれ」
「あたしは感謝も謝罪もしません。ただ、これまでもらったものを返したいだけです。……いつも、見かけたら声をかけてくれて、あたしに仕事をさせてくれて、大切なこといっぱい教えてくれて、本当なら、少しずつ返していかなきゃいけなかったものです。二年間お会いできなかったから、だから、これから返していきたいんです。何か間違っているでしょうか!」

 お前に会うと自分が惨めになるなんて、どうして言えるだろう。
 毎日来たって会わなければいいのはわかっている。無視すればいいだけの話だ。それができるなら、最初からこんなに悩んだりしない。どちらにしても、拓海に残された返答の余地はひとつだけなのだ。

「………もういい、分かった、気のすむようにしろ」

 拓海のその一言で、少女の表情がぱあっと輝く。心底うれしそうにその青い瞳を細めて笑う。そうだ、自分はこの子にこの顔をしていてほしかったのだ、と今更ながら実感する。

「あたし、頑張りますね、拓海さまっ」
「来るときは駅から動くんじゃねェぞ、帰りも送る。あとその様付けと敬語やめろ気色悪い」
「えっと、……拓海、さん?」
「だからやめろっつってんだろ。前みたいに話してくれればいい、名前は呼び捨てで構わん」

 ぶっきらぼうに言いながら少女の腕から紙袋を奪って抱えると、アパートへ向かい歩き出す。その後ろをとてとてと小さな足音が着いてくる。
 二人分の足音が階段を上る。あまり新しくないこの建物は、いつ壊れるかわからない物騒な音を立てて軋む。預かっていた鍵で開錠し、扉を開くと埃の臭いが鼻をついた。

「まず掃除からみたいね、タク」

 呼び捨てでいいと言ったのに、ひとつ上を行く呼び名に思わず眉を顰めるが、彼女があまりにも眩しくにこにことしているので、つい反論の機会を逃してしまった。

「俺は掃除は嫌いだ。お前に任せる」
「まっかせて! 掃除は元から好きだったんだから!」

 張りきった顔で腕まくりをする少女を頼もしいと思いつつも、ちくりと胸を刺す罪悪感が消えない。拓海は一度ゆっくり目を閉じる。それから、玄関の扉が閉まる音と一緒に目を開く。この罪悪感は、今は無視しておくことにした。



2013.06.22(Sat) | 空挺懐古都市パロ | cm(0) | tb(0) |

ついに冷房がデビュー

あまりにも熱がこもるので冷房が稼働し始めました。
イタチと犬に辛い季節がやってまいります。


反転瑶子さん、もとい瑶司さんが真っ黒なのは仕方のないことのような気がします。
反転紗央は反転前と性格はほぼ変わりません。余計なことでがみがみうっさいのは健在。
奈央は反転するとヤンデレ僕キャラになるので黒いっちゃ黒いけど黒いというより怖いが正しい。
今ちょっと反転ルミ考えてるんだけど、すげえ普通の子で考えがいがない。でも大和なんかよりよほど男前なんだろうなと思う。ルミ反転なら、大和は反転しててもしてなくてもおいしいと思う。男同士だったらこいつらすごくいい友達になれると思う。家のこととか気にしないでどんどん仲良くなっちゃうタイプだよなルミは。コミュ力高いと思う。
反転大和はひらがながいいかな。やまと。大人しいよりは高飛車系のが面白いかなと思う。ルミと合わせると思うと。反転ルミをひっぱりまわして遊ぶ的な。ルミはルミで、はいはいお嬢様、ってスタンスだといい。
ご近所だとルミとシーマスさんが割と仲良いので、反転ルミとは仲良くなれるのかちょっと考察したい。男同士だとああいう仲の良さにはならないけど、コミュ力高い同士気は合いそう。しかしシーマスさんと違って顔はフツメンなのでその辺いつも通り揶揄されてればいいと思うんだが。


うちで一番怖い反転カップルは、自分が美しくあるための駒を守るためなら人殺しすら厭わない末期ガチヤンデレの千鶴さんと、わたしのためにあんなに必死になってあの人本当に可愛い、とかくすくす笑いながら言ってそうな陸さんだと思う。
反転するとストッパーなくなる分ほんと恐ろしいと思う。


何回見ても11話トキヤがほんとに彼氏すぎて……。


空挺懐古都市の1巻が見当たらなくてわけわかんなくなってる。買うか。
オリジナル設定詰め過ぎてそこもわけわからん。
椿は高等部の子だけど優秀で、医学部の研究生やってるといい。専門は薬学。芹沢だし。
分家の子だけど、すごく優秀だから芹沢に養子に入ってるとか。大和とはきょうだいとかいうわけではない。
流風は貧民街出身で、でも独学で勉強して、空都のアカデミーの公募試験にトップで合格してきたとか。ケレスさんが教育実習行った時の生徒で、懐かれてしまって助手志望してきたとかだとおいしいです。
流風はともかく、芹沢の優秀なお嬢様を危険なところに置いておけん! でもいい人材はほしい、ということでシーマスさんを比較的安全な海洋調査に回して、椿を助手につける。椿はシーマスさんの助手になりたいから部署はどこだっていい。
毎月月命日には椿の実家でマーガレットをあるだけ買って花束にして墓参りに行くシーマスさん、という設定だけ考えています。事故以来来なくなったから、墓地にも行ってみたけど花もないし、ということで椿は察しがついてる。
へちまさんの中で今期は花束が話題のようです。


よっしゃもう寝ます!

2013.06.19(Wed) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

めもめも


叡一くんが北エリアの入り組んだ路地裏で古書店やってたら楽しい。
タっくんが紗央に読み書きをちゃんと教えるのに簡単な本とか買いに来たらいいなと思ってる。北エリアらしく変な本も多数取り揃えてて、地上に調査に来た貴久さんとかも立ち寄ったりするといいなとか。
そんなだから北エリアじゃなくても別にいいんだけどさ。
ねこのいる古本屋さんいいなあ。ねこが店番してる的な。


空挺懐古都市はSFチックなお話ですが、もういっそ完璧ファンタジーに傾けて、記憶泥棒をしてる奴がいるとかでもいいよなとか思ってる。みんなの大事な記憶を食べて生きてる奴がいるとかな。鉱山の奥に棲んでて、そいつらがアイリーンとかメル君とかの海外の血引いてる組の子供キャラだったら可愛い。
シャルたんとかな。天使がえげつないことしてるわよ、みたいな。


6月30日の日曜はどうにかして休もうかなあと思っていたりします。
28日終日会議だからさ……。

2013.06.09(Sun) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

どうでもいいが

HEAVENSのナギくんかわいすぎだろ……。HEAVENSゲー出ないかな……。
しかし13歳とか犯罪の匂いがする。そんなこと言い出したら藍ちゃん15歳だけど。
グリリバキャラはなんなんですかね、福山雅治を敵視してるんだとしたらとんだお門違いなんですけど、そこはかとなくビタXの翼を彷彿とさせますね。ええ。
これ絶対HEAVENSのCDもDVD特典だろ……。そこだけ買わなきゃじゃん……。
進撃はBD揃える気満々だけど、うたプリは特典によるなあ。綺麗なんだけどね。
来週トキヤ回かと思うと胸熱です。曲もバラードでいいと思う。それでこそトキヤ……。お前ほんとプリンセスって単語好きな……。
トキヤは「七色」と「プリンセス」厨だということが判明しています。
レジェンド鳳、杉田とか、ちょっと……。




紗央の無知度はね、空挺都市=ご近所だと思ってる。服取り替えたら見分けつかないレベルだと思う。
ケレスさんは間違えないけどタっくんは間違えそうだ。紗央には百合の花で作った香油をやってるから百合の香りがするはず(ドヤァ みたいな感じなんだけど、ご近所紗央は紗央でケレスさんから百合の花もらったのが嬉しくて、あれ以来ちょいちょい飾ってたりしてどっちにしろ香りが(ry
他に、間違えるわけねェだろあぁ?って感じなのが本筋タっくんと、IF未来世界で紗央とくっつくアンドゥーだと俺得。
近代戦紗央はまた別ベクトルだと思うんだよお姫様だから。
ちなみに椿は一番強いのがリベリオン、次いで近代戦。ご近所はなんだかんだで無知なりに頑張っていくので、最弱となると本筋な気がする。中身としては多分本筋が一番お姫様してる気が。炎而くんの王子様具合際立ちますね。誰か教習所パロ書いてください。




叡一くんと瑶子さんがハンジポジションで双子の兄妹でもって巨人の生態調べてて、巨人倒すときはいつも二人で一緒に行動しててよく二人してケレス兵長からかって遊んでるというのが現在の私のウォール・マリア内です。
団長ポジションふーみん。5年前は兵士長。
訓練兵団の教官が英彦さん。5年前に調査兵団団長。
ふーみんと対立する憲兵団の師団長ほっちゃん。調査兵団って志願者少ないから、昇進も早そう。人もどんどんいなくなるしな。だから憲兵団の師団長でも十分すごいと思う。
調査兵団の制服絶対似合わないケレスさんが立体機動で空を駆けると思うと大変私の瞳がキラキラしますね。
9話見た後だとそんな感想を抱かずにおれないですよね。



あーもう寝るか。寝よう。
今はなんで椿がシーマスさん好きなのか考えるタイムです。寝っ転がって考えます。

2013.06.08(Sat) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

ヴァルキュリアやりたい

だけどうちのオンボロPS3が読み込まない。もうハード新しくすべきなのか……。
10月にテイルズのシンフォニアがPS3移植で発売と聞いて、そのタイミングまでには買い換えようと思っていたのだが。まあテイルズやるのうちの妹なんだが。
進撃ゲームはいつ出ますか。ていうかPS3ですか。PS3にしてくださいおねがいします。


アニメイトかどっかの通販ページで見かけたクトゥルーグッズで「旧支配者Tシャツ」があって、うおおおおめっちゃほしいいい、と思ったのは秘密です。
うたプリTシャツ予約したからくだらんTシャツはしばらくいらない……。
ちなみにうたプリTシャツはトキヤと那月にしました。トキヤはネタとして買わなきゃなと思ってたのですが、1枚じゃアレなので……。れいちゃんとカミュで悩んでたんですが、サンプル見てたら那月のすげえ可愛いじゃん……と思ってそっちにした。音也も可愛いんだけどね。そんないっぱいTシャツいらないしね。家でしか着ないしね。


空挺都市パロというよりも白タクさんが考えるの楽しくて熱い。
紗央を嫁にもらう前に貧民街のじいさんに会いに行って、「家からももう完全に縁を切られた。財産もムショ入る時に全部没収された。俺には何にもねえてめェら以下の存在だが、どうしても紗央がほしい」って頭下げに行く、紗央のことだとプライドあんまり関係なくなる拓海さんほんと面白いです。普段は割とプライドとか無いとか言ってるけどそんなことないと思うよ、高貴な生まれってこれだから嫌ですね。
じいさんも昔花に携わってた人で、タっくんが生まれる前にユリの花一輪に祈りを込めているといい。
タっくんにはユリの花の加護がある。
芹沢のみなさんはそれぞれの花の徽章をもっているといい。タっくんはユリ、大和は蘭。椿はそのまま椿。ちなみにみのりは桔梗だといいなと思ってる。
タっくんがそれまで発症しなかったのは花の加護のおかげで、紗央もそこまで無事に済んでたのはタっくんの力をちょっと分けてもらってたから。紗央が発症してタっくんを忘れちゃうとタっくんの力も完全じゃなくなって、だんだん忘れていくという厨二な展開お疲れ様です。
紗央には穂積が可愛い白のワンピース用意してくれるよ。タっくんは囚人時代と出所してから稼いだ金で豪華じゃないけど青い石のついた指輪を買って、花屋で自分でブーケを作る。
ユリの花をたくさんとカスミソウ使った白いブーケをライトブルーのリボンでまとめる。今ちょっと花屋やってる芹沢兄弟いいなと思った。


このパロディだとシーマスさんと椿を絡めたくていろいろ考えてるんだけど、椿の片想い一方通行だとおいしいと思う。シーマスさんは実は発症してるんだけど忘れたのが死んだ恋人とかだと激しく燃える。
特に研究してた人とかじゃなくて、地上にいた時の恋人で、結構前に病気とかで死んじゃってるとか。
プロジェクトにいるメンバーは全員知ってることだけど、特に言う必要もないから口にはしない。ケレスさんは相手がどういう人だったか知ってるとおいしいと思う。
これ原作でどういうメカニズムか解説されてないから、新しく大事な人ができたらどうなんのかわかんないんだよな。
けど、椿がいくら好きっつっても、シーマスさんがにこにこしながら「俺も好きだよ」とか言ってくれても一番大事な人はもう忘れてるから椿が一番になることはない的な展開がメシウマだなって思う。
最初はケレスさんとシーマスさんが二人で地質調査やってたんじゃないかな。それで北エリアとか燃焼工場とかに頻繁に出入りしてたとか。もう発症した後じゃ遅いけど、ケレスさんが進言して地質調査から離させたとかだったらうおおおケレスさんイケメン……!ってなる。流風なんかこき使ってやりゃいいと思う。


あとは聖歌隊のルミを陰ながらそっと応援して花を贈る紫のバラの人的な大和が見たいです……。
紗央のこと思い出せなくなって夜ごと呻くタっくんを、壁一枚挟んだ隣で心配してくれる(予定)の都筑さんちの双子が見たいです。
双子がいてくれるから紗央もみのりもいなくてもなんとか生活できてて、けどそのおかげで紗央を忘れてることにも気づけなくなってて、それでも双子を憎むことなんてできないこの世界のタっくんどんだけ白いの。


さっき教習車を見かけて、教習所いいんじゃね? と思ったんですがどうですか。
慎吾運転すげえ下手そう。めちゃめちゃ下手そう。教官ケレスさんでめっちゃブレーキ踏まれて喧嘩してたら楽しいと思う。慎吾とクレメンティナちゃんと瑶子さんが同じ班で教官ケレスさんとか、なんかほんと、事故りそうで楽しいと思うんだけど……。
まあ私合宿しか行ってないからよくわかんないんだけど。
冬二くん教官で生徒みのりもいいなと思ったけど、いっそ逆でもおいしい気がしますよね。
与一郎くんみたいなタイプ教官にいてほしい。炎而くんは絶対教官でいいと思う。風哉くんはどっちでもおいしい。
炎而くんと椿とか鉄板すぎる。お嬢様は黙って後ろ乗ってりゃいいんだよ何で免許取ろうとか思い立った……!!みたいな。今この車と周辺道路の安全は俺のブレーキ操作にかかってる、みたいな感じがとてもいいと思います。なぜか気に入られて毎回椿に指名されるんだけど時間終わると疲れが半端ない炎而くんいいと思います。



空挺懐古都市のポテンシャル半端ねえ……。オリジナル設定詰めまくってるけどベースに萌えがつまりすぎている……! そして本日うたプリ。HEAVENSがグリリバと小野Dと代永ってマジですか。HEAVENSゲーは出るんですか。公式ページでわざわざ立ち絵が出たってことはアニメで終わらす予定じゃないってことですよね、だからこそのこのキャスティングなんですよね……?
あとで進撃パロ設定もちょっと上げようかと思ってる。

2013.06.07(Fri) | しゃべり隊 | cm(0) | tb(0) |

過去編② 涙だけが知る恋




 恙なく異動は完了した。
 北エリアには空都の存続に欠かせない鉱山がある。刑務所に収容された囚人はすべてこの鉱山での発掘作業に充てられる。ここで発掘された燃料を、大工場で燃焼させることで浮力を得るのである。工場の従事者のほとんどは刑務所を出た前科者で、そう高くはない賃金で長く働かされている。浮力を生じさせるメカニズムなどは一般人が知る由もない。そういった専門的なことは空都のアカデミーがすべて担うことだ。
 刑務所はあるものの、北エリア自体がアングラな世界と解釈されているのか、後ろ暗い商売などはほとんどがここで行われているし、普通の繁華街でも他のエリアに比べれば違法性が強い。それもこれも、北エリア限定で黙認されているのだ。この底都は、いずれ海に沈む。それまでの間、他のエリアには影響を出さないようにするのが警邏の役割となっている。他のエリアではもちろん犯罪扱いの薬物の売買も、明確な法はないものの各自の判断に委ねられてしまっているし、売春にしたってどんな年齢であろうと本人の同意があればよいとされている。警邏が実質的に逮捕できるのは傷害や窃盗の場合だけだ。腐っている、と拓海は思う。
 拓海自身はあまり正義感の強い方ではない。北エリアでの勤務だって、そこまで強い憤りを覚えているわけではない。ただ、腐っているとは思う。着任した日に、パトロールを兼ねてエリアを見て回った。繁華街では普通の飲食店に混じって薬物が普通に売買され、薬物漬けの人間が何人も路地裏に転がっている。歓楽街ではみすぼらしい少女が身売りをしている。その眼がまだしっかりしていればいい方で、薬を使われすっかり表情の抜け落ちた子供もよく目にした。女だけではない、見た目がほんの少し中性的な少年も、そこにはいた。
 ここが一番ヤバい、と教えられたのは見世物小屋だ。このエリアの歓楽街には何軒もの見世物小屋があり、どこも人で賑わっているが、他のエリアで見られるような踊りや歌、芸の類はない。もう碌にしゃべることもできない女子供を見世物にして晒し、笑いをとることが目的の小屋だ。一番客の入りが大きい小屋は暗く細い路地にあり、それは酷いもので、散々薬漬けにして正常な判断も何もできない少女の指や腕や脚を客の目の前で切断していた。その絶叫を聞いて笑うことのできる人間を、腐っている、としか表現できない自分は人間としてきっとどこかが欠落している、と拓海は思う。その小屋の裏には、もう見世物としての役目が終わったとばかりに並べられた少女たちがいた。四肢がない、耳がない、目がない。それでもまだ少女たちは生きていた。心臓が動いているばかりに、その状態でもまだ生きていた。
 北エリアには、刑務所という特殊な場所があるため、職員用の宿舎が設置されている。拓海の住まいもそこである。金を出して部屋を借りるより安上がりだし、恨みを買いやすい警邏の隊員が一人暮らししているとなれば要らぬ危険を呼び寄せる可能性もある。刑務所の所員用宿舎はエリア内でも比較的安全な中央駅の傍にあり、交代で警備がついている。これ以上のセキュリティはないといってもいい。毎日の勤務が終わると中央駅の傍で夕飯を買い、宿舎に戻って食べて、寝る。これが東エリアや南エリアなら過ごし方も少しは変わったろうが、何せ常駐の辞令である。休日でも申請を出さなければ別エリアへ行くことは許されない。そこまでして別のエリアに行く理由もないので、休日は自然と宿舎にこもりきりの生活となる。
 汚い部屋で、拓海は思う。芹沢はきっと、この一年でチャラにする気なのだ。それはきっと、次男が優秀に育ったからだろう。次男が使えないのならもっと強制的に戻されるはずだ。だから、有事の保険として拓海を芹沢に戻したいのだろう。しかし自由を楽しむだけ楽しんで、それからぬるま湯の生活に戻すのでは何にもならない。だから一年間の罰を与えた。そんなところだろうか。そんなもの求めちゃいない。このままでいい。ずっとこのままだって問題ない。あんな窮屈な家にいるくらいなら、壊れた人間を相手にしている方が余程ましだ、と。
 けれど、そんな拓海でも、エリアをパトロールしていると毎日思うことがある。
 あの少女。東エリア、警邏隊の屯所の陰にいつもいた、美しい少女。長い黒髪、白磁のような肌、透き通った蒼の瞳はいつも力強く拓海を射抜いた。あの子だけは来てくれるなと。あんな綺麗な娘がこんなところにいたら、この狂った世界に何の文句もないはずの拓海自身もきっと、怒りに我を忘れるに違いない。四肢のない、虚ろな瞳の少女を視界の端に入れながら、そう思う。どうやら自分は自分で理解していたよりもずっと強く、あの少女に惹かれていたようである。





 拓海の着任から四か月ほどが過ぎた。この腐れきったエリアの警邏業務にも慣れ、毎日のルーチンワークをこなす。
 今日はたまたま北エリアでの勤務となっていた穂積がやってきていた。ひと月に一度くらいは北エリアで会う機会があったものの、拓海がエリアから出ることがないため毎回「久しぶり」という挨拶が定着している。

「やー、すっかり悪い顔になりましたねえ桜井サン」
「てめェのだらけっぱなしの顔に比べりゃマシだろ」
「うわひっでえ」

 午前中は屯所で書類仕事を片付け、午後からパトロールに出る。工場の見回り、繁華街から裏の繁華街への見回りだ。ここはいつ来ても腐ってんなあ、などとぼやきながら穂積は拓海の後を歩いてついてきていた。

「なあ桜井サン」
「あ?」
「桜井サンがご贔屓にしてた東エリアの天使いたじゃないスか」
「知らねえな」
「またまたあ、とぼけちゃって!」

 東エリアの天使といえばまず間違いなくあの少女のことである。天使でなければ女神か。心のオアシスと呼んでいた隊員もいた。それだけ、汚い貧民街であの少女という存在は一際白く輝いてみえるようだった。そのことを否定するつもりは拓海にはない。
 贔屓にしていた――というのは、面と向かって後輩に肯定すべきことではないだろう。追及されれば否定はできそうにない。

「で、そいつがどうした」
「俺最近東エリア勤務が続いてたんですけどね、あの子いつも屯所の陰にいたじゃないですか。それがここひと月くらい平民街にいるもんだからおかしいなって」
「は? あいつ屯所の傍から動くなって釘刺されてんだろ」

 確かそのはずだ。大事にしてもらっている貧民街の住人から、平民街に出ては何があるかわからないから、だからあの屯所の傍で、警邏隊の隊員を狙って靴磨きをしていたのではなかったか。
 歓楽街の入口でそんな話を切り出した穂積は、立ち止まる拓海をよそに先を歩き始める。

「俺もそれ知ってたから、こんなとこいたら危ないだろ、って声かけたんスけど。あんたには関係ないでしょ、の一点張りで。どうも金が要るみたいで必死らしい。他の隊員も気持ち多めにやったり、できるだけ気に掛けるようにはしてるみたいですけど、それだって四六時中見てやれるわけじゃないから」

 少女を囲いたいという奴まで出ていたくらいだから、隊員たちも通常よりずっと気を使って見ているだろう。穂積もそれは同じようだ。しかし彼女自身がそこにいることをやめないのであれば、それ以上はどうすることもできない。
 金が要る、というのが怖い。金のためにおかしな輩に絡まれる可能性だってないわけではない。東エリアは北に比べれば平穏だが、北エリアはもはや無法地帯と化している。そんな場所と比べたって何の安心にもならない。となれば残る三つのエリアのうち、一番危ないのは人口が多い東エリアに決まっている。出会う人間すべてが危険だというつもりはないが、金が欲しいという希望に合致した取引を少女に持ち掛けるような奴に、間違いなくろくなやつはいない。

「だから、申請出して今度会ってやってくださいよ。桜井サンが言えば聞くかもしんないじゃないスか」
「はあ? 何で俺が」
「俺を見かけると毎回、あんたあのでっかいのといっつもサボってた奴でしょ? あいつ北エリアで刺されたりしてない? って聞いてくるんで」

 身振り手振りを交えながら少女の声真似をする穂積は、少女のことを思い出したのはぶっと吹き出す。似てねえよ、と後ろから拓海が頭を小突くと、俺渾身の名演技なのに! との弁解がなされた。

「なんか恨まれたりしてるんスか? あの子に」
「なんもしてねェよ」
「なら好かれるようなことは?」
「毎回靴磨かせてやってたが。それだけなら他の隊員だって好かれて然るべきだろ」
「そーっスね。そりゃそうだ」

 元気でやっているのならそれでいい。今度の休みには仕方ないから申請を出して久々に東エリアに行くか、などと考える。
 金が目当てなんてろくなことにならない。下手をする前に釘を刺さなければならないだろう。

「仕方ねえから次の休みには東エリア行ってやる」
「お、マジっスか? なら俺とメシ食いましょうよ、奢ってくれるって約束してたじゃないですか」
「んな約束をした覚えはない」
「うわ、警邏として一番やっちゃいけないことなんですよ、しらばっくれるのは!!」

 抗議の声を上げる穂積と共に、もう歩きなれた歓楽街を歩く。気にかけられていると知っただけでこの気分の上がり様だ。子供じゃあるまいし、と自らを情けなく思いながらもこの気持ちを否定する気はやはり、なかった。
 件の見世物小屋の手足のない少女たちを哀れに思う。彼女たちは一体何を引き換えに、なくしたものを差し出したのだろう。――無知とは、恐ろしいものだ。





 一日の勤務が終わる。言いくるめられて夕飯を奢るハメになり、拓海は穂積と共に繁華街への道を歩いていた。囚人たちの発掘作業はもう終わっている時間だ。工場も今日の稼働を終えている。日も暮れ、これからは繁華街の時間だ。正直このエリアはこれからの時間の方が警邏としては忙しいのだが、今日は日勤でよかったと思う。
 繁華街の色とりどりの明りが、作業を終えた工場の労働者たちを誘い込む。店の前では華やかな衣装に身を包んだ女たちが客引きをしている。これはどこのエリアでも変わらない光景だ。

「北は他に比べると美人が多い気がしますねえ、眼福眼福」
「法外な値段で買う男がいるからだろ。簡単に稼げるなら多少汚くてもこっち来んだろ」
「ほう、桜井サンはこっち来て女買ってないんスか?」
「毎日こんなとこ見てりゃ汚くて金払ってまで抱く気になんてなんねェよ」
「あは、確かに」

 適当な定食屋に場所を決め、穂積が先に暖簾を潜る。拓海もその後に続いたが、繁華街の向こう、歓楽街に向かう路地に、気になる人影が映った。綺麗な黒髪の女、そう高くはない背、そう、おそらくは少女だったように思う。
 どくん、と大きく心臓が鳴る音が自分でもよく聞こえた。ついでに悪い予感もする。まさか、だ。行ってみればいい。気のせいなら戻ればいいだけの話なのだから。

「……おい、穂積。先に食ってろ、すぐ戻る」

 視線は穂積には一切向けず、先程の人影を視界から逃さないよう見つめて、拓海は店を離れた。背中に「何スかいきなり!?」と拓海を呼ぶ声が聞こえたが、気にしている場合ではない。
 まさかの話だ。次の休みには東エリアに出向くのだから。そこで少し会話をして、変な考えがあるなら諌めてやればいい。屯所の人間に言って、もっと気にかけて見てもらえばいい。ああ、貧民街の連中にもまともに監視しとけと言うべきかもしれない。だから早まるな。お前はこんなところにいていい人間じゃないんだから――!!
 どくどくと心臓が早鐘を打つ。早くしなければ。早く追いつかなければ。視界に捉えて離さないその人影は、歓楽街の一際暗い路地に向かっている。わかる。あの路地には、あの見世物小屋がある。見世物が見世物だからか深夜にしか営業しないため、今はまだ人通りはない。全力疾走でその影に追いつくと、少女の手を引く中年の男の肩に手を掛けた。男がゆっくり振り返る。次いで、手を引かれる少女も。少女の瞳は、透き通った蒼色。

「……こんなガキを、どこに連れ込もうとしてる」
「いやだなあお巡りさん。合意ですよお」
「答えろ。叩き斬るぞ」

 人通りはない。多少荒い手を使ったところで誰も拓海を咎めはしないだろう。返答次第では武力は辞さない。
 相手の男の眼は昏く淀んでいた。こいつもキメてやがる、とまともな返答が期待できないことに拓海は唾を吐く。

「お巡りさん、これは合意ですよお? それがここのルールじゃないですかあ」
「うるせえ、御託は聞いてねェ」
「ああ、それともお巡りさんもこの娘気に入ってましたあ?」

 男は少女の手をより強く引き、腕の中に収める。肩に片腕を回し、もう自分のものなのだと言わんばかりの表情だ。
 ぱちん、とどこかでスイッチが入る音がした。
 男はなおも、光を灯さない瞳でくだらない話を続ける。少し怯えた蒼の瞳は、薄く涙を浮かべて拓海を見つめている。視界の端に、この暗闇に唯一光を与える灯篭の火が見える。

「こんな子がうろうろしてたら、そりゃあお巡りさん、目の毒ですよねえ。生唾モンですよねえ」

 男の太い指が、少女の白い肌を滑り、鎖骨を撫でる。そのままいつものボロボロのワンピースの生地の上から体のラインをなぞり、腰に触れ、

「ああ! そうだ、何ならお巡りさん、今晩が終わったら、一番にこの子を買いませんかあ? これだけの上玉ですけどねえ、お安く、」

 その指が生地を潜り、太腿に触れ、少女が小さく悲鳴をあげた時点で、今度は何かが切れた音がした。

 ――限界だ。考えんのもヤメだ。 

 拓海は腕を伸ばして少女の体を強く引き寄せると、そのまま投げ飛ばすように自分から遠ざけた。狼狽える男には慈悲をくれてやるつもりはない。躊躇いなく腰のサーベルを抜き、少女に触れた指を力任せに腕ごと落としてやった。吹き出した血液が拓海の顔面を汚す。ごろりと転がった男の右腕をゴミを扱うかのように蹴飛ばすと、男ににじり寄った。

「どうだ、いつもてめェがやってる腐ったショーを体験する気分は? あ? 気持ちいいか?」

 悲鳴混じりに拓海から逃げようとする男の毛髪を力任せに掴むと、ぶちぶちと何本もの毛が抜ける音と感覚が掌に残った。なるほど確かにこの弱者を追い詰める感覚は悪くない。そんなことを思いながら男の頭を地面に叩きつけた。仰向けに倒れ込んだ男の胸に強く膝から乗りかかり、サーベルを投げ捨てるとその丸い顔を渾身の力で殴りつけた。右の拳で。左の拳で。殴りつけながら、男に話しかけるのはやめない。


「……やめて」

「なあ、オイ、次も腕がいいか? あ? それとも脚か? 好きなとこ言ってみろよ、耳でも目でもどこでも抉ってやる」

「あたしが勝手に着いてきたの!!! っ、いいじゃない、ここに来るだけで、一晩男の人と過ごすだけで、たくさんお金貰えるのよ!? 気に入ってもらえたら空都でだって住めるんだから!!」

「リクエストがねェなら俺が勝手に決めんぞ」


 少女が泣き叫ぶ声が聞こえる。
 拓海は頭の中で、自分の耳を削いだ。少女の言葉をまともに聞いてしまえば、抱きしめたくなる。何をそんな馬鹿なことを、と。金が欲しいならいくらでもくれてやるのに。
 こいつを囲いたいと言っていたくせにそうしなかったあの隊員を恨んだ。そして一番自分を憎く思った。こんな思いをするなら、どれだけの金を積んででもこの少女を自分のものにしておくべきだった。無知とは恐ろしいものなのだ。けれどこの少女にはこんなことは知ってほしくなかった。こんなことで、こんな場所で、少女への劣情を自覚するくらいならいっそ、早いうちに金で買ってしまえばよかったのだ。
 ああでも、もう遅い。もうこの腕を振りぬくことを止めることなどできない。


「そうだな、歯を全部折るなんてのはどうだ? ショボすぎてそんなんじゃイケねえか?」

「あんたなんか国に生かしてもらってるくせに!! あたしの気持ちなんてわかんないくせに!! あたしがどんな気持ちでここにいるのかなんて……!」

 
 削いだはずの耳がまだ、少女の声を捉える。
 お前がどんな気持ちでここにいるのかなんて知るか。お前の気持ちなんて知るか。国に生かしてもらっている俺の気持ちも、お前になんて分かってたまるか。
 この子供に間違いを犯させたのは誰だ。この子を真っ当に守ってやるには、俺は他にどうしたらよかったんだ。
 振りぬいた右の拳が、男の頭に当たる。次の拳は正面から口にぶつけてやった。何本か男の歯が折れ、これまでの殴打でべろんと皮のむけた拓海の拳が唾液と血液で更に汚れる。少女はもう何も言わなかった。目の前で行われる拷問に、すすり泣くことしかできない様子だった。それでいい、幻滅しろ。それで、こんなところには二度と来るな。そう思ってほっとした時に、拓海の体は後ろから拘束された。

「ダメだ桜井サン、それ以上やったら殺しちまう!」
「………心配しなくても、……もう死んでんだろ」

 あれだけ頭を殴れば死ぬだろう。これだけの力で胸を圧迫していれば死ぬだろう。
 拓海の下にいる男は、もう顔など元の状態が判別できないほどに膨れ上がり、ぐちゃぐちゃになっていた。ひでえ、と拓海のすぐそばで、拓海の体を拘束したままの穂積が眉を顰める。
 拳が痛い。削いだ耳が戻ってきたかのように、世界に音が満ちる。通行人がこの惨状を見て悲鳴を上げる。そこに警邏隊の制服姿の男が二人となれば、ざわめきは異様なものとなっていた。
 拓海は自分の制服のベルトに掛かっている手錠を取り出した。片方の輪を自ら右手に掛け、もう片方を穂積に手渡す。

「逮捕しろ穂積、現行犯だ」
「……っ、けど、ここ、北エリアですよ。こいつも相当ヤバい奴ですし、お咎めなんかないんじゃないですか」
「逆だ。……芹沢に殺人者なんてゴミが必要なわけねえだろ。下手すりゃ裁判すらなくブチ込まれる」

 その事情は同じように名家の出身である穂積には痛いほど分かるのか、ぐっと唇を噛みしめる。なんでてめェが悔しそうなんだよ、と拓海の顔は薄く笑いを浮かべていた。

「……俺なんか別にどうだっていい。だが、ひとつだけ頼みがある。どうしても叶えてほしい」
「……何スか」

 空いた手錠の輪を拓海の左手首に掛けると、穂積の眼がしっかりと拓海を見据えた。

「……あのバカを、平民街のどっかでちゃんと働かせてやってくれ。信用のおける、危なくない場所でだ」

 拓海の視界の隅で、少女はまだ泣いている。
 泣かせたくはなかった。あの子は、あの力強い瞳だから輝いているのだ。こんなところで汚されていいものじゃない。
 思えば、最初からそうすればよかったのだ。真っ当な仕事に就かせて、ちゃんと稼がせてやるのが筋だ。それをしなかったのは、少しでも彼女を視界に入れておきたかったからだ。自分の浅ましさにまたひとつ気付いてしまう。

「……そうだな、女なんだから料理なんかいいんじゃねェか? お前の力ならできんだろ、それくらい」
「そりゃ、できますけど……。いいんですか、そんなことで。桜井サンがムショ行きにならないように口添えだっていくらでもできます」
「お前みたいなクズ、家から切り離されたら生きていけねえだろうが。馬鹿か」

 笑ってそう言うと、あんたが言うんスか、とぐっと唇を噛みしめた穂積の眼に涙が光っていた。気色悪ィ、と言ってやれば、心の汗です、などと意味不明の返答。
 通行人が呼んだのか、屯所の人間がわらわらとやってきた。皆一様に手錠をかけられた拓海の姿を見て唖然としている。
 野次馬はどんどん増えて、拓海と死体を取り囲んでいた。

「……あの、……あんた、」

 連行される直前、立ち上がった少女が涙でぐしゃぐしゃの顔で、拓海に駆け寄った。
 ここに来たのは今日が初めてのようだ。人に買われたのもきっと今日が初めてなのだろう。東エリアでもう誰かに買われて味をしめたのかと思ったが、そうではないようだ。
 そのボロボロのワンピース姿が懐かしくて、本当は抱きしめて叱りつけてやりたくて仕方なかった。でももうそうすることは二度と叶わない。この汚れた手でこの美しい少女に触れることは拓海自身が許せないのだ。
 真っ当に生きろ、と。幸せになれ、と。言いたいことはいくらでもあったけれど、どれも一言では表せそうになかった。そんな自分に拓海は苦笑する。
 この少女が好きだ。さっき腕を掴んだ時、細い体がぶるぶる震えていたことを拓海はわかっている。あんなに震えていたくせに一丁前に強がっていて、本当は誰かが守ってやらなきゃいけないのに。こういう形でしか守ってやれなかった自分を不甲斐なく思う。守ったというのもおこがましい。自分は少女の心に傷を刻み付けただけだ。ああ本当に、自分は、この、姿も心も美しい少女に心底惚れている。

「……来んな、っつったろうが、紗央」

 それだけを伝えると、自ら警邏隊に着いて歩き出す。彼女の傍には穂積がいる。穂積はクズだけれど、腐ってはいない。しっかり彼女を送り届けて、真っ当な職を斡旋してくれるはずだ。
 人ごみの中を歩きながら、彼女の名前を何度も小さく呟く。
 そしてようやくひとつの事実を思い出す。
 ――彼女は拓海の名前を知らないのだということ。
 気づいてひとり俯いて笑った。そうか、彼女にとっては、名も知らぬ警邏の男が気色悪い薬漬けの男を殴り殺しただけの記憶になるのか。
 


 はじめて覚えた正義感が、涙に変わるなどとは、考えてもみなかった。


2013.06.04(Tue) | 空挺懐古都市パロ | cm(0) | tb(0) |

空挺都市パロ  過去編1




「桜井サン、空都での勤務決定おめでとーございます! 夕飯おごってください!」
「前後関係が意味不明だな。てめェにメシ奢るような義理はねえよ。つーかお前だって決まってんだろ、空都勤務」
「てへぺろ」
「気色悪ぃからやめろぶん殴るぞ」

 警邏隊本部の出口で待ち構えていた後輩――穂積の頭を軽く小突いて歩き出す。穂積は頭を押さえ、もう殴ってるじゃないスか、と笑った。
 名指しでの召集を受け、勤務前朝一番で本部に出向けば異動辞令が出たとのことで、拓海の制服のズボンのポケットには、もうくしゃくしゃに丸めた辞令の証書が突っ込まれている。普通の隊員なら飛び上がって喜ぶはずの辞令だろうが、拓海はあまり興味がなかった。そもそも、興味がないからこそ一番あの場所に遠いであろう警邏隊に所属することを選んだというのに。家を出て、籍を抜いても、名家の力は侮れないということだろう。

「えー、なんで喜ばないんスか桜井サン。俺なんか三男坊だし? こーやって警邏の仕事で多少緩いことしてても周りは大目に見てくれっし、その上空都行きまでお約束してくださるなんて、もう人生ぬるま湯っスよ。もっと喜んだ方がいいと思いますけどね」
「俺はてめェと違ってもう名家の人間じゃねえんだよ」
「けど直系ですよ。元とはいえ嫡男ですよ? 万が一のために保険かけんのは当たり前でしょ」

 穂積の言うことはもっともだ。三男の穂積でも大切に扱われるのだ。それは保険をかけているということ。家に何かがあった時にすぐ使えるように準備されている駒。こうして家の外の世界で自由な振りができているのも、家の中にいてまとめて何かに巻き込まれては取り返しがつかないからだろう。拓海の隣で大あくびをする穂積は、それをわかっていて自由を謳歌する。
 拓海が実家の芹沢家を飛び出したのは、三年前、22の時だ。芹沢家は、この都市の花すべてを牛耳る名家だ。栽培も、販売も、研究も、花に関わる芸術も、すべて権利を握るのは芹沢家だ。拓海は22年間、当主となるべく育てられた。幼い頃からあらゆる芸術の技能をその身に叩きこまれ、帝王学を刷り込まれ、空都に新設された国立大学に入学した。反吐が出そうなほどどうでもいい生活だったが、大学を卒業してすぐ反旗を翻し、家を飛び出した。拓海が大学を出る少し前に、弟が生まれたのである。どうせ同じ教育を施すのなら、当主になるのは自分でなくとも構わないはずだ。幸い、父はまだ若い。弟が育つまでなら、十分活躍できるはずだ。
 これだけの名家ならば、近いうちに必ず空都に移住することになる。拓海自身はあまり、平和な将来に興味もなければ執着するつもりもなかった。こんな思考を持つ自分があの家に生まれたのがそもそもの間違いだったのだと、そう思う。だから家を出て実家から勘当され、遠い分家筋の桜井家に籍を移してすぐに、空都での勤務はおよそ見込めないだろう警邏隊に入隊した。体格も大きく、体力もある自分にはうってつけの仕事だった。問題なので正義感があまりないことだったが、毎月生きるだけの金をもらえるならばどんな仕事だって構わなかった。それが結局このザマだ、監視が行き届きすぎている。

「まあ、空都行く前に北エリアに異動出たからな。そこで問題でも起こせばおじゃんになるだろ、この話も」
「は!? 北エリア!?」
「一年間北エリア常駐だ。来週からな」
「北って、刑務所あるし前科野郎の工場もあるし、繁華街だってこの世の欲とマニア性をすべて詰め込んだような、忙しいったらありゃしないとこじゃないすか。しかも常駐って、キチクすぎ」

 この底都はだいたい円状に広がっており、四つのエリアに分けられる。
 現在拓海と穂積が勤務するのは、主に東エリアだ。住むのは平民がほとんどで、底都の人口のほとんどはこのエリアに集中している。その上貧民街も郊外にあるため、自然と警邏隊の人数もここに集められているのだ。
 今二人が歩く本部は南エリアにある。研究施設やら都市機能を備える官公庁や本部がこのエリアに置かれ、空都へ向かう飛行船や、個人所有の飛空艇もこの南エリアにある空港からしか飛ぶことができない。
 西エリアには貴族街がある。西エリアの警邏は基本的に人間が決まっている。貴族たちとぐずぐず癒着している年寄の幹部しか、そのエリアにはいない。
 そして北エリア。刑務所が置かれ、囚人たちや前科者たちが従事する工場がある。自然とここにも警邏の人数は厚くなる。
 普段、勤務するエリアは特別決まってはいない。シフトが与えられており、その時々で北へ行ったり南で空港の警備に当たったりもしている。常駐というのはなかなかある辞令ではない。

「あー、でも。北エリアなんて手荒なことやってもそうそう問題にならないっしょ。それこそ、人殺すくらいのことしないと」
「……だよな」

 そもそもエリア住人の半数以上が犯罪に関わった人間だ。ほとんど無法地帯と化しているそこに配備される警邏隊の人間は、そんな無法地帯に秩序をつくることを求められる。ゆえに、他のエリアでは即刻暴力や職権乱用として訴えられそうな行動も、北エリアに限ってはあまり規制が厳しくない。――無論、殺害に至れば追及は免れられないだろうが、それでも他エリアでの処分に比べれば寛容な措置が取られるだろう。そんなことをするつもりなどないけれど、これで自分の空都行きはほぼ確実となってしまいそうだ。穂積は知り合いは多い方がいいとにやにやしているが、拓海からしてみれば割とどうでもいい。

「あ、俺今日夜勤で空港警備なんで! 桜井さんは?」
「これから貧民街のパトロールだ。列車乗る」
「じゃあここで別々っスねー。今度メシ奢ってくださいよ?」
「いつか覚えてたらな」
「俺こういうの忘れないタチなんで。じゃ、お疲れ様っしたー!」

 根っからの後輩気質の穂積は軽くお辞儀をして、空港へ向かう大通りへ走って行った。拓海もまた、軽く手を振ってから、駅へと急ぐ。




 底都はおよそ円状の地形をしている。4つのエリアを結ぶ公的な交通手段は列車だ。環状の線路が数本通っており、時計回りと反時計回りに数分感覚で運行している。拓海は南エリアの駅から反時計回りの列車に乗ると、東エリアへと向かった。平民街の風景は、特別豪奢な建物などもなく平和なものである。見慣れた風景を車窓から眺め、20分ほどの乗車を終えると目的地である、東エリアの中央駅で降りた。
 今日の予定は貧民街のパトロール。貧民街はエリアの中央からはかなり離れているので、本当は五つほど先の駅で降りて屯所に行くのが望ましい。しかし、今日は辞令があったため、東エリアにある支部に顔を出さねばならなかった。その足ですぐに支部に寄ると、直属の上長に辞令の報告を上げると、再び中央駅へ向かい、貧民街にほど近い駅で下車した。
 貧民街はその名の通り、貧しい者たちが多く住むエリアである。一部よからぬ仕事をする貴族や平民がいないわけではないが、衛生的にも秩序的にもあまりよろしくないエリアのため、その数はそう多いものではない。住民たちのほとんどは平民の小間使いなどで日銭を稼いで、物々交換にも近い市場が開いたりしている。平民の市場とは活気が違うが、ここは助け合いのネットワークで成立している。貧民街のパトロールをする警邏隊は、貧民街の入口近くにある屯所に詰めている。勤務につくとまず拓海は、屯所の陰にいつもいる少女に声を掛けた。

「よう、今日も稼いでるか」
「あんたたちみたいなケチくさい警邏相手に稼げるわけないでしょ」
「お前、警邏連中には何故かウケいいけどな」
「嘘ばっかり」

 嘘じゃない。という言葉は、取りあえず飲み込んでおいた。しかし拓海の言葉は真実である。
 みすぼらしい布のワンピースは泥のシミが抜けきっておらず、ところどころほつれも見られる。少女の白い肌も、汚れや傷が目立つ。
 拓海はこの少女を少なからず気に入っていた。性格はこの年齢の少女らしい勝気なものだが、年齢に見合わない、美しい容姿の持ち主だったためだ。長い黒髪はこの環境にいるためか綺麗に保つことはできていないけれど、きっときちんと手入れをすれば見違えるに違いない。透き通る白い肌に、よく映える薄い青の瞳。人形のような美しさを持つその少女は、この劣悪な環境で、毎日靴磨きをしていた。こうして警邏隊の屯所の陰で、隊員の靴を磨いて金をもらうことが目的だ。拓海が警邏隊に所属した頃からここにいるのだから、もう3年以上はここで仕事をしているのだろう。出会ったばかりの頃、少女に「平民街で働かないのか」と聞いたことがあった。すると少女は、あたしもそう思う、と返す。更に聞けば、平民街に行けば金は貰えるかもしれないが、何をされるかわかったものではないから絶対にこの屯所の前を動くな、と近所の人間に釘を刺されたらしい。確かに、この美しさの少女がいれば、しょうもないことを考えるのはきっと平民に限ったことではないだろう。警邏の人間ですら、金を積んで彼女を囲いたいと言う輩が現れているのだから。
 木箱に足を載せると、いつも通り彼女は拓海の革靴を磨く。靴墨でその指が汚れてしまうのを、いつも少し申し訳なく思っている。
 少女の名前は紗央という。拓海より9つ年下で、両親はいないらしい。代わりに貧民街の住民に大層可愛がられているし、本人も周りを肉親と思って付き合っているようだ。この場所は貧民街ではあるが、そこまで悲惨ではない。平民街よりも人情味には富んでいるだろうと拓海は思っていた。

「なあ、紗央」
「何よ」
「来週から俺北エリア常勤になった。もうしばらく来られないからな」
「ふーん。北エリアって、何やらかしたのよあんた」
「さあ、何だろうな」

 特別気にした様子もなく、紗央が靴磨きを終える。初めて会った時は紗央自身も仕事を始めたばかりだったのか、とても金を払えるレベルではなかったけれど、今では随分とこの仕事も板についている。熱をあげている隊員がいるうちに、搾り取れるだけ搾り取ればいいと思う。

「はい、おしまい。文句ある?」
「ない。ほらよ、今日の分」

 ポケットから紙幣を5枚ほど取り出して押し付けると、紗央がその青い瞳を見開いてぎょっとした表情をつくる。

「こんなにもらえないわよ! あんた馬鹿にしてんでしょ!?」
「このエリアにはもう来ないからな。今日で最後だから餞別だ」
「餞別ってあんたがあたしにやるもんじゃないでしょうが」
「いいから黙ってとっとけ。駄賃だと思え」
「で、でも、」

 確かに、いつもは硬貨で渡している。紗央が決めた価格がコイン3枚分だからだ。価格としては相場であろう。その分に少し上乗せする者もいれば、きっかりその分しか払わない者もいる。上乗せするといってもコイン1枚か2枚分程度、多くても紙幣1枚くらいだ。紙幣5枚分の働きなどしていない、と紗央が主張するのは正しい。貧民街で情を持つことは正しくない、と拓海はわかっている。わかっていても、この美しい少女に何かしてやれることがあるとすれば多少の金を与えることくらいだ。それだって、彼女が裕福になるほどは与えてやれないし、争いのもとになってしまっては元も子もない。拓海は一応、彼女よりは長く生きた大人なので、そんな汚い事情は言葉にはしないけれども。

「……あんた、早死にしそうね」
「おい、その言いぐさはねえだろう」
「うるさいっ、貧乏人にこんなことして、北エリアでいつか刺されても知らないんだから!」

 目の前の少女は、語気を荒げて怒鳴った。彼女の頬がふわりと赤く染まったので、その怒鳴り声が精いっぱいの照れ隠しであることは拓海にも手に取るようにわかってしまった。なんだ顔以外にも可愛いところあるじゃねえかと思いつつ、拓海は少女の頭をぽんぽんと撫でる。
 
「心配して頂いて光栄だ」
「心配なんかしてない!」
「寂しいからって北エリア来たりすんじゃねえぞ」
「誰が行くか馬鹿!」

 拓海の目線のずっと下で、唸りながら青い瞳が拓海を射抜く。この瞳を見られるのも今日で最後かと感慨深く思いながら、紗央の黒髪をわしゃわしゃとかき回した。


2013.06.01(Sat) | パロディ | cm(0) | tb(0) |

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