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Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
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「あっはははははははははは!!!!!」
校門の前に自転車に跨って到着した都筑は、俺の姿と門を見て大笑いした。
すぐ傍には大型トラック。五人程度の使用人がトラックから荷物を出している。
「おはよう、何だいきなり笑い出して」
「っははははは、だ、だって、豪勢にもTPOがありますわ……! これ、パチンコ屋の新装開店ですやん……! もしくはどこぞのお昼の番組のテレフォンなんたら」
「失礼な、これでも“てんてーににあうおはなはなにかなあ?”って一分くらい悩んだんだぞ」
都筑の言う通り、校門の前にはパチンコ屋の開店祝いのような豪華な花輪が何台も置いてある。人が死んだとかもうその辺は遠慮一切ナシで赤白基準。発光ダイオードが使われていて、夜でも豪勢であることがわかるスグレモノだ。いやあ、これに金かけた俺偉い。偉すぎる。
先生もあの世で微笑んでいることだろう。花を手向けてくれるなんていい生徒を持ってボク幸せだよ、とでも言っているだろうか。きっと俺の人生これからいいことがあるだろう。
でも先生、ごめんな。夜光らせてやりたいけどこの辺電源ないんだよ。こんなもんの電気のために金払う気にはならなかったんだな、俺。
「しかも発光ダイオードて。根本的に花かどうかすら怪しいわぁ。やー、さすが大和先輩! 目の付け所が違う!」
「はははは、そう褒めるなよ照れるだろー?」
とまあふざけた会話を一通りいつも通り楽しんで、配置した花輪をすぐに片付けさせる。ネタとしてこいつに見せたかっただけだし。娯楽のために金を使うのは金持ちの特権だ。
何や、片付けてしまうんですかー、と都筑は少し不満そうだったが、自宅近くにこんな意味不明なくらい騒がしいものが何台も置かれているのは俺が嫌だ。
「あ、そういえば流風先輩の様子はどないですか?」
「薬効いてるから寝てんじゃねぇかな。起きててもここに来ようとは思わないだろうし」
「それはそうやろなぁ」
誰かが死んだというだけで普通の人間は立ち寄ろうと思わないだろう。死んだ誰かが、近しい誰かなら尚更。
すべて片付けが終わって荷物を載せたトラックに近づいて、荷台から花束を取り出す。数台の花輪に比べれば安いもんだが、メインとしてはこっちだ。
「豪勢だろ、バラの花束なんて」
黒薔薇の花束。黒薔薇っつっても真っ黒なわけじゃないし、本当に深い赤というのが正しいんだろうが、品種がブラックバッカラとか言って黒だーって思いっきり主張してる。
二十本程度の黒薔薇と、その中央にシンプルに普通の赤薔薇を差し込んである。いっやあ、やっぱり白ってイメージじゃないな、と思って。
「黄色とピンクゆうんも面白いやろなぁ」
「後で祟られても困るからな。妥当な線で」
「あんな花輪用意したお方がよう言いますわ」
門の隅に花束を置き、今度はポケットに手を突っ込んで、今朝入手したばかりの煙草の箱とライターを出した。
それは? と問いかける都筑を横目に、既に開封してあるボックスからまず一本取り出して火を点け、花束から少し離れたところに置いてやる。ヘビースモーカーが死んだら、墓参りとかでこういうのドラマでよくやってるし。生徒が先生のために花と煙草を手向けるなんて泣かせる情景だ。
「流風のために煙草覚えようかなあ、と思って?」
新しくもう一本を取り出して、口に咥えると火をつけた。
「わー、やっぱ悪い人や」
「やー、こればっかは仕方ないだろ。俺、流風が追い詰められてるとこ見るとぞくぞくすんの」
「俺という存在がありながらそんなところで悦入るなんてちょーっと気に食いまへんなー」
「何言ってんだか。お前といる時は四六時中寒気が止まんねぇよ」
お褒めに預かり光栄です、と都筑が返す。俺は笑いながら煙を吐き出した。
流風は、寝ようともしないし眠れもしないと言っていた。
『眠いのはわかってる。体がもう休ませてくれって叫んでるのもわかる。眠気もある。でも、目を閉じても落ちないんだ』
光の灯らない瞳で流風がぼやいていた。
それでも休ませないことには弱っていくばかりだ。せっかく生きるために家を出たのなら、まずは休むべきだろう。だから昨日は、無理矢理押さえつけて薬を溶かした水を飲ませたのだ。
現場が近いから眠れないのかもしれない、とも思う。いやに何かを感じているのかもしれない。もしそうなら俺は言ってやりたいと思う。もうあそこには血痕以外何もないんだと。
「ただいま」
離れの扉を開けて、中に入る。喫煙者がここに来た時だけ使っていた灰皿は玄関に置いてあったので、今日から喫煙者となる俺はその灰皿を手にした。
一階で人のいる音がする。流風の部屋に充てたのは二階の大和の部屋のすぐ隣の部屋だ。ということは、目が覚めたのだろう。
和の外観とは違い、部屋は基本的に洋風で、一階の空間は居間というよりはダイニングキッチンというのが正しい。足を向けてみれば、流風はキッチンにいた。
テーブルにはコンビニの袋。朝コンビニに出かけて、パンを何種類かと飲み物と卵やら何やらを買っていたのを思い出した。俺一人が暮らしているうちは確実に使うことのなかったフライパンが音を立てている。
「おかえり。……どっか行ってたんだな」
「野暮用で。何、愛妻の朝食って感じかね、今朝は」
「何が愛妻だ、馬鹿」
不機嫌そうに流風はハムエッグを二人分、更に盛り付けてテーブルへやって来た。ちょうどよくトースターの音がして、綺麗に焼けたトーストも用意されている。
俺が自分でやるとこれだけのこともできないからな。まったく、家事ができる奴ってのは脳細胞がどうかなってんじゃないのか。
灰皿をテーブルの端において、椅子に腰掛ける。
「家で食事っていうといつも和食だったからなー。新鮮だ」
「洋食って威張って言うほどのもんじゃないだろ。……多少は自分で作れるから、置いてもらうんだし、それくらいしないと」
「生活に差し障るなら衣食住は気にするな」
「障らない。……平気だよ、どうせ先生のとこいたときだって俺が作ってたんだ、変わんないって」
流風はそう言ってトーストを齧った。
昨日は何も食べようとしてなかったから、大した進歩だ。流石に生きる意志がある人間は食べなきゃやってられないらしい。
「睡眠は? 足りたか?」
「おかげさまで」
「礼言われると照れるからやめろよ」
「何がだ。手荒いんだよ、ヤマト」
朝食を終えると、流風は後片付けに入った。新しい家事手伝い雇ったんじゃないんだからそこまで細かくやらなくていい、と言ったのに、お前がやったら皿が粉々になる、と返された。まあ確かに。家で食事するなら片付けはやってもらわないと俺の場合大惨事になる。
洗い物をする流風を横目に、また例の煙草を一本取り出す。先生の近くにいて煙が嫌だってことはないだろうから特に断りは入れなかった。
しゅ、というライターの音が聞こえたのか、流風が首だけをこちらに向けた。すぐにその眉間に皺がよる。
「未成年のくせに喫煙ですか」
「えー、成人って十五からだろ?」
「何時代の人間だよ、お前」
洗い終わった皿を片付け、ため息交じりにこちらにやってきた流風は、この煙草が一体どんなものなのかすぐにわかったらしい。
「……どーした、流風?」
「……お前、わかっててやってんだろ……!」
「わからないでやるほど俺は馬鹿じゃない。わかるだろ、それくらい」
煙草の香りが部屋に満ちていく。
「……お前がどんな顔するか見たかった。いっや、想像通り。……やっぱぞくぞくする」
流風は、頭をぐしゃぐしゃに掻き毟って、そうしてしゃがみこんで蹲った。
俺もしゃがんで、そんな流風と視線を合わせてやる。
「っ、すっげーいい奴だな、って、思ったのに……!」
「なんで? 俺いい奴だけど?」
すごく、追い詰められている流風の表情は、少しずつ俺の感情を昂らせていく。流風のキャラメル色の髪を少し強めに撫でた。額と、俺を睨みつける凛とした瞳が見えた。
予想外だった。
てっきり泣くと思ったのに。せんせい、とでも叫んで泣くと思ったのに。
「……泣かないのな、お前。偉いよ」
泣かねぇよ、と言い切る流風の声は掠れていて、今にも泣きそうで。
俺はそんな流風のすぐ傍で、また煙を吐いた。
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