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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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死にゆく僕等に最後の痛みを 2



 懐かしい、やわらかい陽の光。
 この眩しい陽射しは、実家の自室によく似ている。窓の位置が東側だったから朝日の光がやたらと入るのだ。ああ、そういえばこの枕の感触も、自分の部屋のものにとてもよく似ている気がする。このやわらかさを、俺は知っている。
 こんこん、と控えめに音がする。……ノック? 心地よさに俺は音をそれ以上気にすることなく枕に顔を埋めた。ノックの音は段々大きくなり、最後に痺れを切らしたかのように、がちゃりと扉が開かれた。

「寝坊なんて珍しいね、お兄ちゃん! 早く用意しないと瀬川くん待たせちゃうよ」

 泣きたくなるほど懐かしい声。ゆっくりと目を開けると、そこには、……そこには。

「ほら、早く起きて? お母さんが朝ごはん片付かないって言ってるから」

 奈央の声。奈央の瞳。懐かしいセーラー服。少し拗ねたような顔。
 ――『お兄ちゃん』と呼ぶ、何の悪気もないその響き。
 体を起こしてみると、奈央と揃いで買ったパジャマではなく、高校時代に寝るときに使っていたジャージを身に纏っていた。そんなものも懐かしい。
 こんなに痛い夢を見るなんて。
 高校時代の夢。もしかしたら一番幸せだったかもしれない頃の――、……?

「っ、おい、奈央!」

 セーラー服姿の奈央は、肩までの髪を緩く巻いていて、それも俺の記憶の中の奈央と結びつかなくてなんだか不思議だった。
 けど、何より不思議なのは。

「……母さん、って、言った?」
「え? うん。あたしもう朝ごはん食べちゃったから、早く行かないとお母さん怒っちゃうよ?」
「じゃなくて! 母さんは父さんとアメリカに、」

 そのはずだ。
 父さんは外資系の企業の重役で、海外の長期出張に母さんもついていった。だから俺と奈央は残されて。
 なのに奈央は、何か変な話でも聞くような目で俺を見ると、あははは、と明るく笑った。

「ちゃんと顔洗って目覚ました方がいいよー? お父さんは専務さんで本社勤務でしょ? お母さんはしっかり家庭を守る専業主婦! いて当たり前だよ。お父さんとお母さんがそんな遠くに行くなんて言ったら、あたし泣いちゃうかも」

 えへへ、と照れ隠しのように奈央が、笑う。
 奈央は、そんなこと、絶対に言わないのに。
 早く着替えてね、と告げて部屋を出ようとする奈央をまた引き止める。何? と振り向くその顔は少し面倒そうだった。

「……髪」
「え?」

 緩くふわりと巻かれた髪を指差すと、今度は嬉しそうに顔を綻ばせる。

「ちょっと頑張ってみたの! こうしたら可愛いかもよ、って部活で先輩が言ってくれたから。似合うかな?」
「似合うよ」

 奈央が、目を丸くした。
 似合うと思った。いつもと雰囲気は違うけれど、似合わないことなんてない。俺にとってみれば何でもなくさらりとそう言うことが当然で、奈央もそれに笑いながら礼を言うというのがいつもの俺たちだ。

「び、っくりしたぁ……。素直に褒めるなんて気持ち悪いよ? あ、もしかして新手の作戦? ひっかかったぁ」

 この奈央は、誰なんだろう。
 父さんも母さんも好きで、俺の言葉を簡単には受け入れなくて、少し、子供っぽくて、明るくて、

「でも嬉しい。ありがとね、お兄ちゃんっ」

 俺を、お兄ちゃんと呼ぶ。
 


 懐かしい学ランを着て、見慣れた角で待ち合わせ。俺と奈央は徒歩、瀬川は自転車登校だ。最初はマウンテンバイクだったけど、ママチャリにチェンジしてるってことは、今は二年か三年ってことか。奈央後ろに乗っけたいしー、とかほざいてたのを思い出す。
 ママチャリに跨る瀬川に近づいて、最初に奈央が手を振って「おはようっ」と明るく声をかける。おう、と瀬川が奈央に視線を合わせた。

「お、髪いつもと違う! かわいー」
「あ、ほ、ほんと? ほんとに?」
「俺奈央にはぜってー嘘つかねぇよ?」

 奈央が、何かを噛み締めるように、そしてすごく嬉しそうに笑った。
 そりゃ可愛いだろう。髪形が違わなくたって、この奈央は可愛いと思う。これは、誰も知らなかった奈央だ。
 毎日毎日俺と穏やかな時間を過ごした妹じゃない。こいつは、俺の知ってる俺の妹じゃない。
 奈央の鞄を自転車のカゴに入れ、奈央が瀬川のママチャリの後ろに横向きになって座る。奈央がスカートの裾を直しているとき、瀬川は俺を見た。

「……やっぱ制服似合うな、理央」

 そう言った瀬川の顔は、あの、赤い密室で白い服を着ていた、あの瀬川の顔だ。
 俺の夢じゃない。俺の妄想じゃない。もし夢や妄想だったとしても、そこに瀬川が入り込んでいるんだ。
 ――そんなに俺が嫌いか、憎いか。俺の愛した奈央を奪って、自分だけが好かれて満足か。どうせお前も俺ももう死んでるのに。
 自転車がゆっくり前進する。落ちないようになのか、奈央は瀬川の背中に肩を預けていた。この奈央は俺の知る奈央じゃない、そう思っているのに、触れ合ったその部分を引き裂きたくてしょうがなかった。
 醜い、醜い、醜い。違うとわかっているのに、奈央であるというだけで執着する。だって、あの声で、あの姿で。鈴城奈央を名乗るのなら、俺以外の男と親しくするなんてやめてくれ、とまで思う。あれは、知らない奈央なのに。
 あんなにもあからさまに瀬川への恋情を示す奈央なんて、奈央じゃないとわかっているのに。

「あ、あのね瀬川くんっ」
「ん? どした?」
「この前コーラス部の発表会来てくれたでしょ? えっと、そのお返しじゃないけど、今度の水泳部の大会、応援しに行ってもいいかな?」
「え、マジで!? 大っ歓迎! 奈央に応援されたら絶対いいタイム出るって!」

 水泳の応援なんて行っても仕方ないんだぞ、と言ってやりたかった。昔、声援は耳には入るけど言葉として認識できない、って瀬川自身が言ったのだ。そんなに気張って応援なんてしなくても、瀬川は速い。
 頼むから、そんな顔を他の奴に見せないで欲しい。さして暑くもないのに、頬を紅潮させるのもやめてほしい。
 ――これ以上俺に醜さを自覚させないで欲しい。どす黒くて汚くてどろどろしている心を、これ以上抉ったら俺は瀬川を殺してしまうかもしれない。今ここで、どうにかして。そして瀬川を失って泣き叫ぶ奈央を奪ってどこか遠くへ行ってしまいたい。別人だと分かっているのに!!

「……理央、気分、悪いのか?」

 瀬川はわざとらしく横目で俺を見て、低い声で言った。
 俺は少しも迷わずに返すことにする。

「最ッ悪だ」

 



ごめん書いてみたくなった。すぐ終わるから許して欲しい。



あのArkもどきの続き、っていうかその後の理央サイド。
こんな予定じゃなかったのに空が気持ち黒くなったかな。
奈央が本当に普通の女の子だったら。普通の妹だったら。優しいところは変わってないので世間一般の妹よりはそりゃあ緩い方ですが、これまでと比べたらまったく普通の女の子。
そんな子が変態な兄貴受け入れられるわけないじゃない。みたいな。
絶対空のこと好きだよなあ、とか思って楽しんでました。この奈央普通にきっと可愛い。
私の考えることですので人が普通に思ったように話が進みます。酷いです。


さて、そろそろ寝ないと明日の授業が……!
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2008.04.17(Thu) | eternal damnation | cm(0) | tb(0) |

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