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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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死にゆく僕等に最後の痛みを 3



 デニム地のミニスカート。
 紺と白の太いボーダーの薄いニット。
 じゃらじゃらと音を立てる、存在感ありすぎるくらいのネックレス。
 ……似合わないわけじゃないが、やっぱり奈央ではないな、と思う。
 変に暑い屋外のプール。そのギャラリーで、奈央はプールに視線を釘付けにされていた。
 普通の妹。親が傍にいて、ああ卑屈にならなくて、そうだったら俺の妹はこんな風になってたのか。ミニスカートなんて恥ずかしくて穿けないよ、といつか言っていた奈央を思い出した。

「ね、瀬川くんの出番いつかな?」

 期待を込めまくった視線で奈央は俺を見た。さあ? と答えると、不機嫌そうに頬を膨らませる。

「お兄ちゃん何それ! 親友でしょ!?」
「知らないものは知らない」
「聞いておいてよぅ!!」
「関係あるのお前なんだから自分で聞きにいけば? 今から」
「それじゃ遅いのっ」

 まだ高校生のはずなのに、二十歳を超えていたあの奈央よりも大人びて見えるのは服装のせいなのか。ともかく奈央は白や桃色とか黄色とか、薄くて万年春みたいな色合いの服が多くて、裾や袖にいつもレースかフリルがついていた気がするから、余計子供っぽく思えるんだろう。今思えることであって、当時は違和感なんてなかったけれど。

「瀬川くん、一番になるかな?」

 今度は心配そうな声。
 そんな心配しなくても、瀬川は速い。馬鹿みたいにいつもいつもがむしゃらだ。

「なるよ」

 だから俺はそう答える。
 短いホイッスルの後、瀬川が飛び込み台に立つ。
 更にホイッスル。選手が一斉にばしゃんと飛び込む音がして、俺は目を閉じた。



「どーだった、今日の俺! ぶっちぎり優勝!」

 夕方、会場からの帰り。瀬川はいつものように自転車を引き、俺と奈央はその横を歩く。奈央は心持ち俺より瀬川寄りを歩く。ここで近づいても変だから、俺はそのままの間隔を保っていた。
 瀬川は予想通り一位。本人が言うようにぶっちぎりだった。隣で応援する奈央も終始「すごいすごい」と声を上げ、拍手を送っていた。

「ほんとすごかったよ!! 見ててびっくりしちゃったもん」
「マジで!? カッコよかった?」
「え!? え、えっと、」

 明らかに狙ってる瀬川の質問。お前それ卑怯だろ。実際の高校時代はそんなこと絶対聞けなかったくせに。
 奈央はあたふたして視線をきょろきょろと彷徨わせてから、うん、と小さく頷いた。白いパンプスの低いヒールがアスファルトを控えめに叩く。

「そっか! 奈央にそう言われると自信つくし! 第一、奈央が応援してくれたから今日勝てたんだ。さっすが俺の勝利の女神!」
「え、あ、そんなことないよっ、……あ、でも、……あたしも、瀬川くんが聞きに来てくれたから、頑張って歌えたんだよ」
「じゃあお互い様だな。相互補完っていうか」

 『理央と瀬川くんが聞きに来てくれたから、頑張らなきゃ、って思ったの』
 奈央がいつか言っていた言葉。
 今の奈央の考えの中に、俺の存在はどこにもなくて、俺の居場所も、奈央の中にはまるでないのかもしれない。
 自然と歩みが遅くなる。
 普通、俺はここにいるべきじゃないんだろう。奈央が瀬川を好きで、瀬川も奈央を好きで、それを俺は知っているんだから、察して家で本でも読んでいるべきだ。この奈央は本当に“今”に夢中で、それは普通の女子高生で、とても可愛いと思う。受け持った生徒なんかよりは余程可愛い自信がある。

「理央、あんま遅いと置いてくぞ」
「二人で先に帰ればいいだろ」
 
 自棄になっていたわけではないが、そうすればいいと思った。二人ともそうしたいだろうとも思う。
 奈央は俺の提案にまたあたふたしていたが、そんな奈央を気にすることなく瀬川は足を止めると、振り返った。

「待つよ。三人で帰んの!」
「そ、そうだよお兄ちゃん! 三人で帰るの!」

 本当は少しがっかりしたくせに。
 奈央ではないけれど、この奈央はとても可愛い。やっぱり瀬川に渡すわけにはいかないな。そう思いながら、仕方なく歩く速度を上げた。






普通の女子高生してる奈央とか描きたかったらしい。
これ、あれだ。結構前に書いた紗央の悪夢話と展開的には同じです。


もう眠いので寝ます。
早くこれ終わらせよう。
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2008.04.18(Fri) | eternal damnation | cm(0) | tb(0) |

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