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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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extra Ⅱ――yellow flower



 覚えているのは、ただ吹雪の日だったということ。吹雪だけど、この地に生まれた俺からしてみればすごく生易しいものだった。奴と出会ったのは、そんな日だった。


 そいつは雪の降る土地に来るのが初めてらしく、土地の者なら支障なく歩けるようなところをよろめきながら進んでいた。今思えばあれは疲労からだったのかもしれないし、服装をよくよく思い出してみれば足が凍傷になっていたのかもしれなかった。真実がどうだったのかは今となっては確かめようがないし、だからどうって話でもないのだが、あの頃はまだ十そこそこのガキだった俺だ、その異邦人が、ものすごく奇妙な何かに見えたのだ、とにかく。

「咲くのか、花なんて」

 そいつは俺の目の前で、俺よりずっと低い大人の声で問う。
 咲く、と確か俺は答えた。父が病床に伏している頃だった。俺は吹雪だろうが雨だろうが、日がな一日町の周りに花を植えていた。厚い雪の層を掘り進めて、花の種を蒔いて回っていた。

「あの木は俺の父さんが植えたものだ。気候なんて今と変わらないのに、ちゃんと育ってる」
「陽も射さないのにか? 冬の大神とやらが支配してるとか下らない話聞いたぞ、船頭に」

 下らない話。
 俺はその言葉を聞いて、笑った。

「じゃあこの話を聞いたらもっと下らないと思うんだろうなあ。この土地には春の女神が眠っている。だから春の加護を受けて、どんなに雪が降ろうと実りは訪れる」

 そいつは苦い顔をした。多分、こういう土着の信仰のようなものが苦手なんだろう。それは、俺も同じだ。

「それで、俺は春の女神を喰らった冬の神の末裔」
「そいつが花を植えてるってんだから全部笑い話だな」
「俺もそう思う。俺が誰よりこんな話信じちゃいないんだ」

 俺は、そんな話信じちゃいない。必要ない。冬の神の末裔? だからって縛られる理由がどこにある?

「俺は信じちゃいないから花を植える。花が好きで、いずれ俺の物になるこの国にも俺がたくさん花を咲かせたいと思うから」

 びゅう、と一際強い風邪が吹いて、俺は一瞬目をつむった。
 次に目を開いたときに見えたのは、この白い闇が支配する土地には鮮やかすぎるくらいの金色。フードが風で取れたらしかった。

「言い伝えを信じてないくせに、言い伝えを利用するか」
「何が悪い? 自然だろうと言い伝えだろうと、そこに存在するものは誰かに利用されなければ価値を持たない。俺は一生使う立場に身を置くんだよ。俺は俺のやりたいようにするために神話を利用する。それが不信心と言われようと俺は信じてないんだから心は痛まない。俺は一生、俺だけのために生きる」
「……神話以外の世界を見たこともないくせに」
「それは環境。それと年齢」
「それだけ考える頭がありゃ外にも出られるだろうが」
「そうかもしれない。俺はこれでなかなか賢い方だしな」

 出ようと思えばいつでも出られる。
 跡継ぎには困るかもしれないが、出てしまえばそんなことは関係のないことだ。

「けど、俺は出たところですぐ帰ってくる。俺は俺だけのためにしか生きられないけど、それでも、俺を作り上げるものがここにはある。俺であるために守らなきゃならないものがある。それは神話云々は関係ないんだ」

 花を咲かせたい。
 一緒に花を咲かせたい。
 彼女の喜ぶ顔が見たい。
 この白い闇に長く陽が射す日が訪れるのなら、その日には鮮やかな花畑を。
 錆び付いた冬の剣に、暖かな春の息吹を。

「ガキのくせによく言う、と思った? 横柄なのは元からだから許してほしいんだけど」
「ああ、お前今のままで成長止めておけ」
「できるならそうしたい。逃げてられるしなあ。いいんだけどさ、上に立つの嫌いじゃないし」

 雪を掘って土の中に種を埋めて、また土を被せ、雪を被せ、手袋で表面をぱんぱんと叩くと俺は立ち上がった。

「お兄さんは何しに来たの? 一人旅ってことは、元々いたところを出てきたってことでしょう?」

 追放されたか、自発的に出てきたのか――その辺はよくわからなかったが、どことなく自分と似た匂いがすると思った。
 きっと、自分のためにしか生きられない。誰かのために捨てる命はない。それは自分がどんな環境にいたとしてもだ。自分を自分として成り立たせるものを守るためだけに生きることができる。この男は“それ”を自分の中に、俺は自分の中というよりも寧ろ外に多く持っている。それだけの違いだ。
 相手は何も、返さなかった。

「ずっとここにいたら死ぬよ? 宿屋くらい案内する」

 俺が一歩踏み出すと、後をついて雪を踏む音が聞こえた。

「暇ならこれまでの話、聞かせろよ。跡継ぎってのは大抵暇してるもんなんだ」
「俺の話は高いぞ」
「へえ。じゃあ宿代チャラにしてやるよ。それでちょうどいいだろ」

 首だけ振り向いて男を見ると、金髪が雪に打たれて固まっているようだった。その様子は、少し面白い。
 あの種はどんな色の花を咲かすだろう。黄色い花なら運命っぽいのに。
 そう思った吹雪の日だった。







ケレスさんがヤマトの国にも行ったことあるとか言うから。
ケレスさん21か2くらいがいい。20の時だとヤマトが7歳でちょっと幼すぎるから。
ガキのくせにこれだけ喋れたら上出来だと思うけどな。


異国の話を聞くのは多分楽しいんだと思う。
仲良くなって欲しくないのでただ話を聞くだけであってほしいんだけど、きっと足が凍傷になってて滞在が思ってたよりちょっと延びるんだと思う。
どっかで決裂してほしいんだよね。ヤマトがブチギレるようなことがきっとあると思うんだな、花の芽踏み潰すとかな。
ツキ高のケレス先生はそんなことしなさそうだけどリベリオンの彼ならやらかしそうという偏見。
花の芽踏まれたくらいでもヤマトのキレっぷりはきっと恐ろしいんだろうなあ。10歳くらいのガキなのに殺す勢いでかかってきます。


そんな感じで。もうちょい考えたかったけど眠い。

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2008.05.07(Wed) | rebellion | cm(0) | tb(0) |

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