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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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綺羅星に願い事



「ううううっ、寒いっ」

 神社まであとは階段を上るだけ。この神社は山の中にあるから、明かりもそんなになくて本当に暗い。冬の夜は暗いし寒いから嫌なのよね。
 加えて、今は元日の夜。あと数時間で日付も二日に変わってしまおうかという時間。だから初詣の人も、二十四時間前に比べれば格段に少ない。ていうか、いない。そりゃそうだ、普通はもっと有名どころとか行くだろうし、地元だからって好きこのんでこんなところまで来ないだろう。あたしと友人の場合はそれを狙って、人が少ないから早く行って早く帰ってきて遊んでしまえー、というノリだった、のだけど。あたしが待ち合わせの十分前からこんな寒いとこで待っているというのに、当の友人は3分ほど前に『彼氏と予定入っちゃったv』なんてメールを悠長に送りやがって結局今日の予定はパー。寒がり損だ。奴らが熱い分あたしは冷えてろと、そういうことなんだろう。
 誰か呼ぶのも手だと思ったけどこんなところにわざわざ来てくれるような人、いないだろう。だから大人しく帰って、民放でバカ騒ぎしてるテレビ番組を見ることにしようと思う。帰りに肉まん2つくらい買って帰ってやる。でもって、今度会ったら請求してやる。……それは安すぎか? もしかして。
 小さな橋を渡って、もうすぐ学校が見える。寒いけど、人のいない夜の道っていうのは道路独占な気分で楽しくて、駅まで歩くことにした。当然ながら学校には電気ひとつついていない。ああ、非常口の緑色の明かりと、消化器の赤いランプが不気味ーに見えてたりするけど、学校に侵入したりすることはないから問題ない。
 ブーツの低いヒールを鳴らして、ダウンのポケットに手を突っ込んで歩く。マフラーくらいしてくればよかったかも。初詣終わったらすぐどっかで遊ぼうと思ってたからあまり防寒を考えてなかったのが痛い。学校の正門を通り過ぎて、坂を下っていくと、珍しく人とすれ違った。外灯の白い灯りに浮かんだその顔を横目で見ると、どうも見知った瓶底眼鏡。……あれ?

「遠藤くん?」

 あんな牛乳瓶の底な眼鏡してる人、そうそういない。意外にも高い背といい、髪型といい、それは遠藤 嵐だった。名前につけられた文字とはえらくかけ離れた性格の人。眼鏡外すと性格違うってのはお約束だけど、彼の場合別人格だったりするから厄介。別人格の方とは最近あまり出会ってないけど、眼鏡を外すとかなりのイケメン(死語?)だってことは知ってる。
 声を掛けられた遠藤くんはこっちを向いて、うわわわっ、と驚いて転びそうになっていた。何そのリアクション、過剰でしょ。あたしはそんなに恐ろしい顔してない。

「さ、佐藤さんっ、こんな時間に、ど、どうしたの?」
「初詣。……のつもりだったけど、ドタキャンされて帰るとこ」
「あ、そ、そうなんだ」
「遠藤くんは? こんな時間に出歩いて大丈夫なの?」

 そういうと、遠藤くんは嬉しそうに笑った。……多分。何せ牛乳瓶の底なもんだからどんな目してんのかまではわからない。がさがさと肩にかけたバッグを漁って、何かを取り出す。

「……双眼鏡?」
「う、うん。これから、観測、い、行くから」
「観測? どこで?」
「あの神社。あそこ、えっと、境内は、開けてる、し。この時期なら、初詣行くって言えば、お、親にも怒られないし」

 なるほど。それは賢いかもしれない。
 けど、せっかく神社で観測するなら初詣がてらすればいいのに、あくまでも主体は観測ってところが遠藤くんらしいな、と思う。

「だから完全防備なわけね。あったかそー」
「冬って、空気澄んでて、空も綺麗、だけど、あの、すごく寒い、から」

 上半身、ダウンのジッパー一番上まで上げて帽子まで被ってるのは完全防備にしてもやりすぎだとは思う。けど、下は普通にジーンズにブーツだ。きっと彼はあんまり考えてなくて、あったかそうだから履いてきたとかなんだろうけど、いろんなとこをどうにかすれば絶対カッコいいのよね、遠藤くんって。そう、眼鏡外したアラシとかなら多分似合うと思う。うん、それ見たいかも。ドタキャンの八つ当たりがてら。

「あ、さ、佐藤さん、寒いなら、これっ」

 あたしがそんなことを考えていると、遠藤くんが首のマフラーを慌てて外して(外そうとしてバッグとかに絡まって苦戦してた)、あたしの首に巻いてくれた。あたしの白いダウンに男物なマフラーはちょっと趣味じゃなかったけど、あったかいからありがたく甘えることにした。
 気まずいのか遠藤くんはあたしと目を合わそうとせずに、「そ、それじゃあっ」と言って神社の方へ駆けていこうとした、けど、あたしが近づいてそれを制止する。

「遠藤くん、ありがとう」
「あ、え、えっと、寒そう、だから」
「けどねー、普通こういうところで知り合いの女の子がひとりで歩いてたら、駅くらいまで送ってくもんだよ?」
「え、あ、え!?」

 まあ無茶苦茶だけど。そんなの義務じゃないし、ありがた迷惑ってこともあるし。それに、送って行こうか? なんて言葉がさらりと出てくる遠藤くんは遠藤くんじゃない。
 ということで随分動揺しているところを、襲ってしまおうという魂胆。え、え、と繰り返す遠藤くんの眼鏡に手を掛けた。

「隙アリっ!」
「え、あ、わ!!」

 すっと眼鏡を抜き取ると、やっぱり遠藤くんは驚いて後ろに倒れた。マンガの世界ならここで煙がぼわっと出たり出なかったりするだろう。
 久々に眼鏡無しバージョンの遠藤くん見るなあ、と思うとちょっとドキドキする。いや、性格はほんとガキなんだけどね、あっちの遠藤くん、もといアラシは。

「ってー……。何すんだよアヤっ!」
「わ、何か久しぶり、その声でその口調!」
「? 変なこと言ってんなよ」

 やっぱりやっぱりやっぱり眼鏡外した方が断然良い……!!
 遠藤くんの髪型のままだと前髪がうざったいのか、帽子を取ってがしがしと乱暴に頭を掻く。うん、何か乱雑な方がアラシっぽい気がする。一番上まで上げられたチャックも落ち着かないらしく、半分くらいまで下げた。
 着ているものは普通だから、うん、うん、さっきよりずっといい。

「しっかし寒いなー! アヤ、寒いからマフラーするならちゃんとしとけよ!! あー寒ぃ!!」

 さっきより断然カッコよくなった遠藤くん、もといアラシは寒い寒いと言いながらあたしの手を乱暴に引っ張る。 

「あ、アラシ!?」
「何だよ、文句あるってのか?!」
「文句云々の前にどこ行く気よ!」
「は? 何言ってんのお前」

 子供みたいにけたけた笑いながら、バッカでー、と本当に憎たらしいガキみたいな台詞を吐く。その息はほわほわといちいち白く上がって消えていった。

「神社まで星見に行くの! オリオンがぜってー綺麗だぜ! 俺オリオンくらいしか知らねぇんだけどさっ」
「寒いなら帰ればいいんじゃないの?」
「だぁから何言ってんだよ。星見に家出てきてんだから見なきゃいけないに決まってるだろ! あ、今正月だからあれもついでに。えっと、なんだっけ、除夜の鐘じゃなくて、甘酒じゃなくて」
「初詣?」
「あ、それそれ!! 今年もたくさん星見られますように、ってふたりで願ってみたら叶いそーじゃん?」

 あたし別にそんなこと祈りたくも願いたくもないんですけど。寧ろ恋愛だとか恋愛だとか金銭関係だとかそんな感じのことをいろいろお願いしたい。神頼み大好き。
 しかしアラシはそんなあたしの願いなんてどうでもいいらしい。……多分、遠藤くんも初詣行ったとしたら同じようなことをお祈りするんだろう。遠藤くんの場合、もっと星のことたくさん知れますように、とか、そんな感じかも。
 遠藤くんに巻いてもらったマフラーを、アラシに言われたようにちゃんと巻いて、片手をアラシに引かれて神社への道を戻っていく。
 まあ、せっかくだからお参りしていこうかな。一応ひとりじゃないし。三人くらいでいる気分だ。遠藤くんと、アラシと、あたしとで三人。ちゃんと星を見てみたいのも、星を知りたいのも事実だし、心を少し割いて、祈ってあげようかな。
 願いはアラシも遠藤くんも一緒だろう。三人で願ってみたら、叶いそう。かも?






超時期はずれ。
今度のお題が天文部だから漁ってみた。今年の初詣ネタで上げようと思ってたぽい。
珍しくランとアラシと綾奈ちゃんがみんな揃って出てきてる。珍しい。

ランとアラシって、主体は結局アラシだっていうオチだった気がするので、ランがそれなりに腹黒いイメージがあります。
アラシが押さえつけられた状態がランなのであって、ランが暴走したのがアラシってわけじゃないんですよ確か。ネオロマネタで書こうと思ってた奴だ。


さてそろそろ眠いです。
誕生日月のある人のリクに答えるってことは、私来月なんかちょっと嫌な予感がするんですけど。
再来月とかもな……!!

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2008.06.13(Fri) | Title | cm(0) | tb(0) |

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