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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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interlude-Ⅶ ――snowy night


 それは、控えめに雪のちらつく真夜中だった。

「ヤーマートー……!!!」

 聞きなれた声が背中にぶつけられ、まずい、とヤマトはゆっくりと首だけ振り向いた。屈んで土を掘っている体勢では、体ごとふりむくことができなかったのだ。
 思った通り声の主はヤマトの最愛の人物で、その表情は不機嫌そのもの。それも仕方ないことか、とヤマトはため息をついた。

「……一応聞くが、何でここにいる?」

 余計怒らせることはわかっていたけれど、聞いてみた。
 案の定彼女は更に不機嫌そうな表情になる。これは三日くらい同じ寝台で寝かせてくれないかもしれない。

「いっつもいっつもいーっつも部屋に戻ってくるの遅いから、そんなに会議って長引くもんなのかと思ってツヅキ君捕まえたの! 簡単に白状してくれたわよ!」
「ったく、余計なことを……」
「何が余計よ! 種蒔くのは週一回、あたしと一緒にって言ってたじゃない!」

 確かに言った。ルミをこの屋敷に無理矢理連れてきた頃からの約束だった。これまでも週一回は欠かさず一緒に雪の下の土を掘り返し、少しずつ種を蒔いていたのだ。
 けれどヤマトはその週一回以外も暇があれば夜中にひとりで種を蒔く作業を行っていた。ルミに嘘をつくつもりは毛頭ない。ちゃんと週一回一緒に作業するという約束は破っていないのだから。

「ち・な・み・に、屁理屈言ったら怒るわよ……?」
「……流石。お見通しか」
「当然。何年一緒にいると思ってるのよ」
 
 そう先手を打たれては仕方ない。これは嘘ではなく屁理屈に分類されるのだ。
 ヤマトは立ち上がり、素直に頭を下げた。

「悪かった」

 ヤマトだって、毎日こうして一緒に作業ができればいいと思っている。ルミも花が好きなことは十分わかっているし、だからこそ惹かれたという事実もある。
 ただ、親元から無理矢理引き離してヤマトの自己満足のためにこうして屋敷に囲っているのだ。万が一にも風邪を引かせるような真似はできない。吹雪でないと言っても夜中になれば昼間よりぐっと気温は下がる。毎日のように外に出すわけにはいかなかった。
 目に見えてヤマトよりも薄着のルミに自分の外套を掛けてやる。わざわざ上着を持ってくるのも忘れるほど怒っていたのか、心配してくれたのか。どちらにしろ嬉しいことではあった。

「……何もこんな時間にひとりでやることないじゃない」
「仕方ないだろ。昼間は無駄に忙しいんだ」
「それは分かってる。……あたしの体心配してくれるのはいいけど、あんただって一応人間なんだから風邪引くわよ。少しくらい休まないと」

 そのひとことで、ここまで来てくれたルミがただヤマトを案じていたということが分かった。ここは町の中ではあるが、屋敷からは多少距離がある。町全体が寝静まっているこんな時間では、体感温度もずっと低いだろうに。
 ヤマトはルミに着せた外套のフードをルミの頭に被せて、雪が積もるのを防いでやる。

「そんな心配されるなんて俺も愛されてるねー」
「か、からかわないでよっ」
「別にからかってない。お前いなかったら倒れんじゃねぇかってくらい多忙なのは事実だし、な」

 ルミは言葉に詰まってそっぽを向いたようだった。
 すべて事実なのに、何を照れることがあろうか。本当のことだ。ルミの存在がなければこの多忙な毎日は送れない。彼女が傍にいてくれると言うのなら、この国の人間全員が死んだってヤマトの世界はおそらくは保たれるだろう。けれど、それはルミが望まない。それを分かっているから、自分の責務はきちんと果たそうと思っているだけで。

「お前は先に部屋戻ってろ。俺もすぐ戻るから。風邪でも引かれたらおじさんとおばさんに合わせる顔がない」
「嫌。あたしに黙って種蒔いてた罰!」

 ルミはヤマトの腰に下がっている小さな皮袋を奪い取ると、子供のように笑って見せた。袋の中には、各地から集めた花の種がたくさん入っている。どれがどんな花を咲かせるのか、咲くまでわからない。咲くまで待つのが、冬の国で暮らす二人のささやかな楽しみだった。

「……大丈夫よ。そんなに体弱くないんだから。あんたは心配しすぎなの」

 確かにそうなのだろう。自分だけのものにしてしまいたいと強く思う一方で、自分だけのものではないという事実がヤマトの脳裏にいつも過ぎる。大切にしないと、と思いすぎてルミに苦しい思いをさせたかもしれない。

「ね、これそこに蒔いていいの?」
「……ああ」
 
 ヤマトが観念したと分かると、ルミは袋に手を入れて、ほんの一つまみの種をヤマトが掘った穴に蒔いた。
 大きな屋敷の中の、ヤマトの大きな部屋。普段そこでしか生活できないルミにとっては、週に一度、こうして外で大好きな花を植えることが何よりの気分転換で、楽しみだったに違いないのだ。その証拠に、たった一つまみの種を植えるだけなのに、ルミの表情はどこまでも楽しそうだ。

「半年くらいかな?」
「だろうな」
「楽しみだね、花が咲くまで」

 ああ、と頷く。
 ルミの前ではあまりにも素直な自分に気色悪さを感じることも多々ある。
 けれど、花が咲くのを本当に楽しみに思うのだ。それと同時に、彼女への愛しさも当然に募っていく。
 一度にたくさんの作業を行わない二人は、その後二箇所ほど穴を掘って種を蒔いては上から土を被せる作業を重ねた。一通りの作業が終わり、穴を埋め終わった箇所の表面を手でぽんぽんと叩く。すぐにうっすらと雪が積もっていた。

「今度は庭だ」

 近くに置いていた麻袋を担ぐと、ルミに声をかける。
 ルミはすぐに麻袋の正体に気付いたようで、屋敷に向かって歩き始めるヤマトに小走りでついてきた。

「それって、砂漠であの男の子から超安値で買った植物兵器?」
「人聞きの悪い。戦争しようってんじゃないぞ」

 人を虐げたり、痛めつけたりするのは確かに気分がいいが、だからってヤマトは戦争をしたいと思ったことがなかった。戦争のために別にエリアを設けるとか、相手側の陣地でだけ戦えるというのなら考えても良いが、この土地や、二人で植えた花を踏み躙られると思うと我慢がならない。

「……株分け、できないかと思ってな。大抵の怪我や病は治せるとんでもない植物だ。古い本に、葉だけで株分けできるくらいの生命力って書いてあったし」
「株分け、って……良からぬことに使うの?」

 その言葉には少々ヤマトもがっくりきた。戦争はしないと言っているのに。国としての利潤を血眼になって追求しているのは年寄り連中ばかりで、ヤマト自身はそこまで固執していないのだ。

「ばーか」

 歩きながら、ヤマトは懐から古い紙切れを取り出してルミに手渡した。
 小さく折りたたまれたそれを、慎重に開いていく。少し力が入れば破れてしまいそうだ。
 開くと、ルミは小さく、わあ、と声を上げた。

「綺麗な花が咲くんだそうだ。木だから栽培に何年かかるかわかんないけどな。実際に見てみたいもんだから、今成分の解析させてるところだ」

 古い本の切り抜きの隅に、絵の具か何かで描かれたその花。鮮やかな色。
 この花を実際に、二人で見てみたい。ヤマトの考えはただそれだけだった。
 大真面目に言った台詞だったが、ルミは紙切れを手にくすくす笑っている。

「何だよ」
「え? ……ふふっ、本当にそれだけ?」
「それだけだ。他に何がある?」
「ううん。ヤマトって偉いし偉そうなくせに、いっつもそうなんだなあ、って」
「良からぬこと考えててほしかったのか?」

 そんなわけないでしょー、とルミは首を振る。
 けれど、話の文脈からすればそういうことではないのだろうか。

「ヤマトのそういうところ、あたし好きなんだなあ、って思っただけ」
「限定的だな。全部の間違いだろ」
「あんまり自惚れてると怒るわよ?」

 そうは言っていても、ルミの顔はどことなく嬉しそうで。
 空いたヤマトの左手に自分の右手を重ねて、指を絡める。
 ヤマトは表情を少しも変えることなく、繋いだ手にぐっと力を込めた。





だから死刑なんだぞ、っていう。



他の誰が植えた花を踏まれることももちろん花を愛する者としては嫌だけど、町中の花はほとんどこいつらが二人して植えてるもんだからわざとでもそうでなくても我慢できないんだろうと思う。
この園芸バカップルどうにかしてください。
バカップルだし同じ部屋に住んでるし同じ寝台で寝てるけどヤマトは一切手出してないぞ、という。
この子約束守るの大好きだな。何なんだ。


創兵くんの名前、青がどうのこうのって話になったんで、もうシアンとかでいいですかね。(適当)
なんかそれくらいしか浮かばんかった。アオだと変だし、かといって英語も、ねえ。


眠い!!!!

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2008.07.04(Fri) | rebellion | cm(0) | tb(0) |

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