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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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(中)


 シンゴと出会ったのは、母さんが亡くなるほんの少し前のことだった。
 家の事情が事情だったから学校にも行けず、母さんから字の読み書きと簡単な計算程度だけ習った俺は、暇を見つけては学校の傍まで赴き、山のように積まれて捨てられている本を何冊も拝借しては読める範囲の部分を読む、ってのを毎日のように繰り返していた。読めないところは文脈から推測してみたり。基礎さえあれば大半の本は読めるってことがわかったのは今思えば大きい収穫だったのかもしれない。 
 粗末な服と、食事と、何も無い時間。他の子供達は大体学校に通わせてもらっているからそこで友達もできるだろうが、俺にはそれがなかった。母親は病気しながら仕事して、俺も簡単な仕事で手助けしなきゃいけなかったり、看病しなきゃいけなかったりで友達作る余裕なんてなかったし。それに、そもそも、……普通の子供となんてうまくやっていける自信がなかった。
 靴磨きとか、軽い荷物運ぶとか、果実の収穫を手伝うとか、そういう仕事でちょっとは家計助けて、余った時間でわけのわからない本を読む。それが楽しかったし、それでよかった。
 シンゴがやってきたのはその頃だ。隣町から城下のこっちに越してきた。しばらく城下で野菜だのを売る仕事をしていたけれど、数年して夫婦して隣町に戻っていった。今度は栽培の方の仕事に移ったらしい。そのためにシンゴの両親の代わりに店を出す人が町に来たりしていたから、組合か何かでそういうローテーションが決まっているのかもしれない。
 そんな一家が町に来たことは知っていたけれど、シンゴは学校に入ったし、ああいう性格だから友達もすぐにできたようで、やっぱり俺とは違う世界で生きてる奴だと思ってた。
 俺はしばらくシンゴとは面識なんてなかった。なのに、まだ学校に入る前の年だったシンゴの妹や弟と、そうとは知らずに遊ぶことはたまにあった。
 全然友達いなかった俺の方こそ遊んでもらってた感じがしてたのに、シンゴは恐縮してわざわざお礼を言いに来た。なんだかそれが、すごくくすぐったかった覚えがある。
 シンゴは俺を見かける度にルカさんルカさんって追いかけてきて、会うのが暇な時間なら、俺は読んだ本の話をしたりして。だからつまり、結局は幼馴染なんだろう。シンゴに会う時より前の俺には友達なんていなかったんだから。初めてできた友達。初めてできた、ひとりじゃない時間。シンゴが近くにいてくれて初めて、ひとりだった時間は空しいものだったと思い知ったのだ。


 そうしてしばらくして母さんが死んで、俺は“仕事”をするようになって、今まで以上に時間がなくなった。早く借金なんて返してしまいたくて、午前中も頼み込んでいろんな仕事をさせてもらっていたから、余計にだった。
 そんなある日だ。

「フタバがいなくなった……!?」

 仕事でリンゴの収穫を手伝っていた俺を、シンゴが大慌てで訪ねてきた。
 シンゴが学校に行っている間、妹のフタバの面倒を見ているはずのシュウが少し目を離した隙にどこかに行ってしまったというのだ。それで弟のシュウは急いでシンゴの学校に駆け込んだという。
 そう言われても、町から多少離れているここで朝から仕事をしていた俺が知っているわけもない。

「……居場所がわからないから来たんじゃなくて、……着いてきてほしいから、来たんです」

 重々しく口を開くシンゴの言葉でぴんと来た。きっと誰かがフタバが歩いていったのを見ていたのだろう。そしてそれは――

「裏通りに行った、とか」
「確かじゃないですけど、そっちの方に子供が歩いてくの見たって人がいて、けどあっちに一人で行くのもちょっと気が引けて」

 別に俺が毎晩裏通りに“仕事”しに行ってることを知っているわけではないだろう。確かにあそこ一帯にはガラの悪い大男が多かったりするから、俺より多少体の大きいシンゴであったとしても一人で行くのは怖いだろう。
 本当に向こうまで行ってしまったのだとしたら、とんでもないことになるかもしれない。

「っ、急ぐぞ!!」

 ちょうどよく仕事終わりだったからすぐに走りだすことができた。
 あんな小さい子を、あんな場所にいさせてはいけない。いなければそれが一番いいのだが。



 シンゴにはまず家に帰らせて、フタバが家に戻ってきていないか確認させる。そして俺は真っ直ぐ通い慣れた裏通りへ向かった。慣れたとはいえ、嫌な場所だ。一歩進むたびにヘドロが体に纏わりつくような嫌悪感を覚える。
 路地をひとつひとつ辿り、フタバがいないかどうかを調べていく。俺だって長居したくないのだ。早く帰りたい。今夜またここにこなければならないとしても、それでも早く帰りたい。
 もう5本ほど路地を走って調べ回って、もう家に帰ったのではないだろうか、シンゴはここに来にくくて、それを連絡することができないのではないだろうか、と考えた。そろそろ町に戻ったほうがいいかもしれない。

「っ――!?」

 背筋がぞくりとする。嫌な空気。
 恐る恐る振り向くと、例の雇い主の息子が、眠っている女の子を抱えて歩いていた。俺のよく知る女の子。
 何故。どうして。

「な、んで、フタバを……!」
「ひとりで歩いてたから保護してやったんだ、文句あるか」
「な、ならッ、とっとと帰せよ!! 表はこっちじゃないだろ!?」
「折角だからうちで菓子のひとつも食わせてやろうかと思っただけだ」
「ふざけんな!! ……っ、俺の友達の妹なんだ、頼むから、返してくれ」

 何が怖かったって、フタバがこのまま連れ去られることじゃなくて、――またひとりに戻ること。
 何も無い暗闇。そこに置かれた自分の姿を想像するだけで可哀想で仕方なかった。このまま俺が何も見なかったことにしてフタバを放っておいたらどうなるか分からない。俺がここに通ってるのなんて少し人に聞けばすぐわかってしまうことだろう。それを聞いて、シンゴはどう思うんだろう。絶対に今までのようにはいかなくなる。

「ああ、このままこの子に何かあったら、せっかくの友達がいなくなっちまうもんなぁ?」

 男は俺の思考の全てを見透かしたように言った。
 腹は立ったが、実際その通りだったので言い返すことはできず、唇を噛んだ。
 
「ここで止めないと、どうやったってお前は何かしらで疑われるし、孤児ってのは厄介なもんだ」
「……何でもいい、何とでも言えばいいから、だから帰してやってくれよ……! 俺と違ってこんなとこいちゃいけないんだよ!!」

 ――俺だって別にこんなとこいていい人間ってわけじゃないだろうけど。
 そんな考えも頭を過ぎったが、振り切る。俺とは違うんだ。フタバは、シンゴとか、家族とか、周りの町の人とかに大切に守られて生きていくんだ。それなら、町に住んでる俺だって守ってやらなきゃいけない。

「――なあ、ルカ。頼み方、ってもん知ってんだろ」

 にやりと男が笑った。
 頼み方? そんなのどこの法律に書いてあるんだよ。学がないからんなコト知らないんだよ、こっちは!
 言いたくてもひとことも出てこない。俺なりの頼み方。
 噛み千切るほど唇を噛み締めて、俺は地面に膝をついた。


 そこで、フェードアウト。




ここで終わらせるのはかなり微妙だからもうちょい続く。
こんなこと話してなくてもいいんだけど。ヒサさんには適当に表面的なことだけ、「シンゴは途中で越してきた幼馴染でさー」とか喋ってて、あとは思ってるだけとかいうんでもいい気がする。
シンゴはケレスさんとかに話せそうだけど、ルカはヒサさんにあんまり言いたくないんじゃないか的な匂いがする。けれども、馴れ初めっていうほどの馴れ初めが別になかったっていう。馴れ初めっていうか此処の部分が書きたかっただけで、もともと書こうと思ってた流れでも結局ルカが回想してるだけで、「そんなに面白いもんじゃないから」ってヒサさんには言って締める予定だった気が。
……まあいいや!(爽)


それでも、ルカと同じではなくても子供の頃ちゃんとした大人が近くにあんまりいなかったヒサさんだから聞ける話かもしれない。見抜ける話ではあるかもしれないけど、それなりの年まで親とか周囲の大人が一緒にいたケレスさんにはやっぱり根本的には理解できない話だろうし。
もうちょい話が進んだらルカの過去話は書きたいような書きたくないようなうざったい話がたくさんあるので自己満足で書きたい。
よくこの子おかしくならなかったなあ。主人公の特権ですか、どういう過去でもグレないってのは。
薬に手出しててもおかしくないよなあ、とも思ったけどそれもやっぱり拒否で。薬っていうならツキ高の方が余程怪しい。いやそんなのに頼りませんけどねあの人。


予備校行くのはいいんだけど、内職するものがないと苦痛だわあの授業……。

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2008.07.17(Thu) | rebellion | cm(0) | tb(0) |

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