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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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月の眩暈と光源体 4



 帰国してすぐ、母校に新任教師として赴任することが決まり、実際に仕事を始めて数ヶ月。高校生相手に勉強教えながら子供育てるってのは結構しんどいけど、高校時代の俺が見たらきっとびっくりするくらい、俺はまともに父親できてる気がする。
 夏休みも無事に終わり、文化祭までもう目前という頃だった。

「樹理、もう起きないと遅れるぞー」

 俺は研究日の朝をのんびり過ごしていたが、樹理はいつも通り保育園がある。仕事の日は母さんに送り迎えを頼んでいるが、俺が休みの日は俺が送らないといけない。いつも起きる時間をとっくに過ぎているのに、今日は珍しく樹理が起きてこない。普段は俺と一緒に家を出られるくらいの時間にはちゃんと目を覚ましているのに。
 三歳児にそれだけのことができていた今までの方がおかしいのかもしれない。そう思って樹理の部屋を覗くと、ベッドの上の小さな体が小刻みに上下しているのがすぐわかった。

「樹理……?」

 近づいて覗き込む。小さな顔が赤い。まさかじゃなくても熱を出していることが一目で分かった。一応額に手を当てて見ると、やっぱり驚くほど熱い。これまで微熱はちょくちょく出していたけど、ここまでの高熱を出しているのを見るのは初めてだ。
 ……取り合えず、保育園に欠席の連絡か。あと薬とタオルと、汗かいてるから着替えもさせないといけない。
 そう思って一旦樹理の部屋を出ようとすると、げほんげほんという激しい咳と一緒に、行く、という小さな声が聞こえた。

「そんな熱じゃ休まなきゃダメだって。今日はお休みしような?」

 諭すように言ってみても、樹理はふるふると首を振る。黒髪の混じったやわらかい金髪はだいぶ汗で湿っていた。それだけの高熱を出しているのに行きたいなんて、そんなに楽しみな行事でもあるのだろうか。

「おかあさん、が、」

 咳込みながら樹理が口を開く。
 おかあさん。
 向こうを発ってからずっと聞かなかった言葉だ。

「おとーさんのこまること、しちゃだめよ、って」
「あ、―――」

 その言葉を聞いた瞬間、目の前がふっと暗くなった気がした。
 これが三歳の子供の言う言葉か?
 こんな小さい子供に何言い聞かせたんだよお前、相変わらず頭回ってないな、良かれと思って言ったんだろうが大迷惑だ。
 そして、――こんな言葉をどうして俺は、こんな小さな子供に言わせてしまったのだろう。

「……困ったりしないよ。もう少し寝て、後でちゃんと病院行こう」

 彼女によく似た薄いグリーンの瞳が熱で潤んでいる。
 大きな瞳で、ほんとうに? と今にも聞きたそうに俺の顔を覗くから、俺は優しく声をかけて、頭を撫でてやることしかできなかった。
 何度か頭を撫でてやって、樹理が再び眠ったのを見届けてから、部屋を出る。

「…………」

 母親を呼ばないのも。
 俺みたいな、単なるどこかの若い男としか思えない人間をちゃんと父親として呼ぶのも。
 転んでも寂しくても泣かないのも。
 こんな熱が出ている時でさえ俺を気遣うのも。

「……全部、お前が吹き込んでたのか……」

 そりゃあ困る。
 もういない母親を呼んで叫ばれても。
 もう肉親は俺しかいないのに、引き取る俺を父親と呼んでもらえないのも。
 転んで泣かれるのも、寂しいからって泣かれるのも、全部困らないわけはない。
 でも、もっと大変な三年間をお前は過ごしただろうに。気にするなと何度も言ったはずなのに、結局ずっと俺を気遣っていたのは樹理より誰よりお前じゃないか。
 あんな台詞、子供に言って聞かせるもんじゃないってわからなかったのか。樹理を引き取って、さっき一番困ったぞ、俺。
 微熱が出た時に飲ませてる風邪薬を薬箱から出して、ふと思い出す。
 あの樹理の姿は、樹理を産んですぐの彼女の姿に似ていた。本当は一人じゃ不安で不安で仕方ないくせに、もう自分が長くないことも知っているくせに、ルカがいなくても大丈夫、と震える声で電話してきた彼女に――。



『え、樹理くん熱出しちゃったんだ!? なのに水城今電話してていいの?』
「んー、今りんご擦ってる。どうせ吐きそうだけど何か食わさないととりあえずの薬も飲ませられない」
『うわー、何気にちゃんとお父さんしてるんだ……。水城、あの独活の大木にでかい顔していいからね!』
「わーい、ちょーうれしー」

 別に心細いわけじゃなかったが、ちょうど話も合いそうだったからって理由で、携帯を肩と耳とで挟みながらりんごを擦る。
 まずりんごなんて買ってたのが意外だった。なんでこんなもん買ったんだろう。母さんに押し付けられたのか? ……あれ、土曜に樹理用に作った弁当に入れてたっけか。やっぱり覚えてない。

『病院は?』
「これから」
『響先生のとこ?』
「いや、そっちはうちからだと逆に遠いかも。近くにでかい総合病院あるからそっち行く」

 絶対混んでる自信あるけど、車で連れてくこと考えてもそっちの方がいい気がした。高熱の原因は多分疲れと知恵熱ってとこだろうけど、ちゃんと薬は貰わないと。
 りんごを半分擦り終えて、そろそろ樹理のところに戻ろうかと思う。汗も拭いてやらないと気持ち悪いだろうし、着替えもさせないと。

「お前んとこはさ、椿病気になったりしたらどーすんの? 世話とかプロに任せちゃう?」
『まさか。あいつ自分がそうやって育ったから、自分はすんの嫌なんじゃない? 自分とあたし以外には抱かせたがんないもん。むしろどうすればいいのかわかんない時とか話聞きたいのに、自分で考えてどーにかしろ的な? 考えもんよ』
「また極端だな。らしいけど」

 俺は、何となく母さんには聞きづらくて、こういうことは聞けない。
 母さんも気まずいだろうとは思う。聞かれなくて気まずい部分もあるのかもしれないけど。
 だから葉山に電話してるのかもしれないけど、やっぱりヤマトはヤマトだったか。 

『熱引いたら教えてよ。様子見に行きたいっ』
「はぁ?」
『だって最近樹理くんの顔見てないし! あの髪撫でたいし!』
「あー、じゃあ最近俺大福食いたくて仕方ないからよろしく。あと美味い緑茶」
『それくらいなら任せなさい!』

 まあ、一人で来るわけじゃないだろうし、樹理の熱が引いてからなら椿が一緒でも多分大丈夫だろう。過労が原因だろうから長引くとも思わないし。 
 無駄話はそれくらいにして電話を切り、擦ったりんごの入った器とスプーン、薬、それからタオルを数枚持って樹理の部屋へ戻る。

「樹理、ちょっと食べて薬飲もう」

 目がぼんやりしてる。ああ可哀想だな。そう思いながら上体を起こしてやって、一匙ずつ器の中のりんごを掬って口許に持っていく。
 肩で息するし、ぜえぜえいってるし、汗で体中べたべただし。まともにも眠れなかっただろう。
 小さな体が悲鳴をあげている。だって見ていてわかる。こんなのも、食べられるような状態じゃないし、実際に口に運んでいる樹理も無理矢理飲み込んでいるようにしか見えない。
 どうせ食べなきゃ薬が飲めないから食べてもらわなきゃ困るんだけど、こんなに辛そうなのに必死で食べようとしてるのはすごく痛々しい。噎せることさえしないから余計だ。

「……困んないから、いいよ。ゆっくり食べな」

 必死で口に運ぶから、口の周りにりんごがところどころついていて、それを指で取ってやりながら声を掛けると、大きな瞳はびっくりしたように見開かれて、それから樹理は大きく噎せた。
 何度も何度も咳込んで、背中を摩ってやって、必死で喉に押し込んでたものは全部吐き出してしまったようだった。それで申し訳ないと思ったのか何なのか、樹理は恐る恐る俺の顔を見る。
 ……だから、三歳児のくせに要らん心配をするなっての。

「いいよ、ゆっくりで」

 そう言ってやると、樹理は大声で泣き出した。樹理の泣き声をまともに聞くのは、泣くのが仕事の時期以来じゃないだろうか。彼女の前では転んでベソかくくらいはあったけど、ここまで大泣きする子ではないし。
 そういえば、母親が死んだ時も樹理は泣かなかった。単に理解できていないだけなのかとも思っていたが、――それもやっぱり、俺を困らせないためだったんだろうか。
 時折咳込みながら、俺の服を掴んで声を上げて泣く樹理の、湿った髪を何度も撫でてやる。これだけ泣かれちゃ流石に困るな、俺も。今まで泣いてんのあんまり見たことないし。
 
 けど俺は、その時本当に、この子もちゃんと泣けるんだと安心した。






流風がとてつもなく気持ち悪い。


が。



流風無双は大和無双を越えると確信した。(笑)



ごめん、気持ち悪いのに楽しかった! 今度仕事中に保育園から連絡とか入ればいいよ! ジャングルジムから落ちたとかね!! 休み時間に連絡貰って、次授業あるのに学校飛び出ればいい。
空あたりが「なんだあいつー。今日ジャンプの発売日かー?」とか限りなく空気なこと言ってればいい。

ちなみに樹理が熱下がったら今度は流風が育児知恵熱にかかってダウンすればいい。
流風が病気した時はきっとルミに預けるんだろうなあ。ガキの頃から大和にいびられてたのか、樹理。
もうほんとに樹理とか小さいまま時が止まればいいのに……! そしたら単に可愛くて健気な子のままでいられたのに! あんたでかくなったら親困らせてばっかじゃないか。(笑)
いいよ結局ファザコンだから。(何そのまとめ)


え、じゃあ私あれに対して何か書いた方がいいんですかね?>秋臼さん
いや、書くのは楽しそうなんだけど、みずきちゃんの見た目が欲しいよね!
真紘なんてあのタっくんと紗央の子供だから高校時代も大学時代も言い寄られてるのに気付かないでスルーするタイプだと思う。
「付き合って」って言われて「どこに?」って返せる子が好きです。実際いたらハブられるに決まってます。


今回書いてて医者キャラ欲しいなあと思ったけどキャラ増やすの面倒なんで却下。
もういいよ、水城さんちと芹沢さんち妄想するだけで最近愛が怖いというのに。(笑)
え、もちろんアンドゥーも(略)

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2008.09.04(Thu) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

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