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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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interludeⅠ―――knight and sovereign


 ――とある日。


「お」

 とある村の入り口で、毛並みの良い馬に乗った騎士の姿を捉え、青年は馬を急がせた。長い間青年と連れ添っている馬は主の言うことをよく聞き、速度を上げつつも体をあまり揺らさず、とても利口である。そんな馬が傍にいるからこそ、一週間近い長旅も青年にとってはそんなに苦ではない。この村は、ここ数日の彼の目的地であった。

「ケイさん」
「ん、ああ、ヤマト君か。また会ったな」
「やっだなあ、ちゃんとヤマト様って呼ばないと俺怒りますよ?」
「……ヤ、ヤマト様?」
「いい加減冗談本気にするのやめてくださいって」

 彼は度々冗談を本気で返す。青年の冗談が、やけに真剣みがあって笑えないというのも問題なのだが、青年は自らが悪いと考える機能を生憎と持ち合わせていない。
 彼は、名をケイという。青年の国からそう近くない国で、執政官をしている男である。地理的には離れた場所で生活している二人が何故顔見知りなのかと言えば、

「偶然ですね。そっちも視察ですか?」
「そう。怖がって他にやる奴いないし」
「まあその気持ちも分からなくはないよなあ。よっ、名誉の汚れ役!」
「嬉しくないな、それ。本気で」

 といった具合に、とある事情と自らの仕事上の都合で同じ場所に居合わせることがたまにあるからだった。
 本来、ケイは騎士として戦うのが仕事なのだが、騎士という役職自体能天気な君主が勝手に創設した機関であり、ケイの国は国土がやたら広く、つまり国にいる人間の絶対数が多いために、軍に割く人員も少なくない。なので城まで攻め込まれるようなことは極めて稀であるし、そもそも国の周辺にそんな物騒な民族はいない。そんな要因が、ケイの騎士としての仕事を奪い、騎士としての仕事が皆無であるがために執政官を兼職するという事態になっているらしい。元々はどこかの国の騎士だったらしいのだが、青年は詳しい話を知らない。昔から騎士だったのなら、それなりに誇りがあってもいいものだが、たまにケイは、こうして視察に来るために乗ってくる馬を撫でながら「馬に触れられる貴重な時間だ」などというものだから、青年の中でケイ=騎士という等式は薄れてきていた、というよりも、最初からなかったのかもしれない。

「今日はツヅキ君は一緒じゃないんだな」

 ふと思い出したようにケイが青年に声を掛ける。

「自分の首狙ってる奴そうそう連れて歩かないですって。さすがにまだ死ねないわけだし」

 青年が笑顔で返すと、ケイはあからさまに呆れた表情を見せた。

「まだそんなこと言ってるのか。よく飽きないな」
「何言っちゃってるんですか。俺にとっては文字通り死活問題ですよ。命狙われてんですから」

 涼しく笑いながら、青年は村の中へ馬を進めた。その後に続いて、ケイも馬を歩かせる。
 ツヅキというのは青年のすぐ傍にいつもいる部下(という扱いになっている)だったが、実際はなぜか青年の殺害を目論む謎の人物である。自分の命を狙う者を傍に据え置くというのも妙な話だが、青年は、通常まず起こりえないような妙なことが大好きで、進んでそんな要素を取り込もうとしている。故に、ツヅキという男は、自分が標的としている相手に雇われる形でよく行動を共にしていた。
 ツヅキの性格と、本来の目的に大いに問題があるが、青年はそれらをとても好ましく思っているし、問題点を除けば優秀な人材で、青年が諸々の事情から国を留守にする時は一切の権限を彼に預けていた。もちろん、権力者として青年が国にいなければならない時は国を代表してツヅキを派遣することもよくある。なので、青年とツヅキが共に国外にいる状態を知っているケイの方が普通でないのだ。

「しかし、よく全権限委託なんてできるな。血の繋がりどころか国とも接点ないような子を次席にするなんて」
「次席って意識はないですけど。いやあ、皮肉なことに俺の考え方一番分かってるのがあいつなもんだから」
「遠征中に国荒らされるかも、とか考えないわけだ」
「どうして? あいつが狙ってんのは俺の首。国は関係ない。それに、そんな下らないことするような奴なら雇うどころか最初に殺してますって」
「仮にも権力者が。言うなあ」
「権力者だから言えるんですよ。あとですねー、“こんなこと”するような権力者サマよりは余程健全な考えだと思いますけど?」

 確かにな、とケイが答え、村の中央で二人は馬を下りた。民家の並ぶのどかな村の風景。ただ異質であるのは、音もなければ人もいないことだ。人がいないというのは本質的には誤りで、村の遠くで逃げる人影を青年は見つけていた。が、放っておく。村がこの状態では、逃げたくなるのも全く無理のない話なのだから。
 音のない村。二人はもう慣れつつあるその風景に、足音を響かせていく。

「……相変わらず、惨いな」
「毎度思うけど、しばらく肉食える気しないですしね。まあ、気がしないだけで生きるために食いますけど、……今回はどんだけ生きてたんだか」

 青年は民家の一つを覗き見た。壁一面が真っ赤に塗りたくられて、少しも動く気配のない人影が二つ。攻撃を受けたのは一週間ほど前だということだが、むせ返るような死の匂いが立ち込めていた。死体の異臭につられてやってくる小さな虫を手で払いながら青年は民家に背を向けた。ケイは他の家を見て回っているらしい。
 これまでの経過から推測すると、きっとどこかの家にあるだろうものを青年は探している。どこにあるかはわからない。生き残りも多少はいたのだろうが、怯えてきっと逃げてしまっているのだろう。一軒一軒見て回るより他はない。青年は次の家屋の扉に手をかけた。

「ヤマト君」

 少し離れた民家から出てきたケイが青年に声をかける。青年が視線をそちらに移すと、ケイは軽く手招きをした。

「ありましたか」

 馬を連れて、ケイの呼び寄せた民家まで歩く。その民家は別段金持ちそうなわけでも、際立って貧しいようにも見えない。至って普通の家だったが、ただ、不気味に少しだけ開いた扉の向こうにどうしようもない闇が広がっているように見えた。

「あちゃー、今回も酷いな、こりゃ」
「どんな恨みがあったらこんなことできるんだか」
「もう恨みとか通り越して楽しくなってそうですね。関節ごとにぶつ切りなんて普通じゃできないですよ。前回は首、回ってましたし?」

 青年はつい二週間ほど前に見た情景を思い出して、バラバラになった“人間だったもの”を見ながら口元に笑みを浮かべた。自分でも人間として最低だと思うが、こんなことをする、あんなことをする、どんな正当な理由があるのだろう。それを是非とも伺いたい。とてもそんな高尚な理由が存在するとは思えないが、その本当の理由が下らなければ下らないほど、青年の欲望はどんどん高まっていく。
 ――できることなら自分もやってみたい。持てるあらゆる力を駆使して、ひとつの地域を真っ赤に染め上げ、音を消し去る行為を。

「いや、そんな狂ってれば迷わず皆殺しにしてると思う。実際はどうかわからないけど、家の数から村の人口考えて、それと死体の数考慮すると、一番最初の時は十人近く生きてるんじゃないかと思う。前回と今回はそれより少し少ないくらいだろうな」
「確かに、そうかもしれない。その人数差も謎だよな。夜にすることなんてないんだから、たまたま村の外にいたとかは考えにくいし、村をほぼ皆殺し状態にしといて微妙な数だけ見逃すってのもよくわからない」
「本当はもっと細かく調べて手がかりのひとつも見つけるべきなんだろうけど、仕事上そうもいかないからな。今回もあった、って報告さえすればうちの君主様は満足らしい」
「問題ありまくりの主人持つと大変ですねえ」
「君に言われたら笑うしかないな」

 分断された死体から目を逸らすように、ケイは苦笑し、民家を出た。青年もその後に続く。
 ケイのいる国の君主はかなり問題がある。という噂を青年はよく聞く。あれが君主で、国として成立しているのは執政官の果たす役割がとても大きいとも言われる。その執政官が彼なのだから、そう何日も死体だらけの村での骸の観察にかけている時間はないのだろう。

「まあ、暇を見つけて、今まで見に行った場所の生き残り探し出して話聞いてみようと思う。明らかに惨い殺され方してる人は絶対に共通点がある、と思わないか?」
「単独で頭のイカれた奴なら単に習慣とかまじないの一種で一人だけ特別可愛がって殺してんのかもしれないですけど、村一個潰して回ってるわけだし、ここ一ヶ月でこれで三度目だし。明らかに集団だよな」

 どんな田舎の小さな村でも、一応国家の管轄内に入っている。反乱を起こすような民族が仮にいるとしても、その情報を国が掴んでいないわけがないし、国が情報を掴めないほど小さな集団で、村一つを潰せるとも思えない。その上、最初、二度目、今回と場所はてんでバラバラだ。村をいくつも殺して回れるような集団に、普通でない力が働いている。そう結論づけるより他無い。

「……あ、ケイさん」
「ん?」
「あの馬鹿みたいに広い砂漠って、ケイさんの国が管轄してんですよね、一応。毎度お世話になってるんですけど、どこをどこが管轄してるって面倒だから覚えてなくて」

 突然の青年の問いかけに、ケイは驚きながらも頷いた。

「ああ、下手に踏み入るとこっちも危ないからほぼ放置だけどな。俺は忙しくて手が回らないからあそこで起きた問題に関しては取りあえず置いてる軍隊に任せてるよ。噂の盗賊さんのことだろ?」
「いやいや、それはそれでぶっ殺したいですけど、そうじゃなくて。一番最初、あの砂漠を抜けてすぐの集落、潰れましたよね。来週かな、あそこの生き残りに会いに行くんです」
「本当か? 若いのに意外とやるな」
「話聞かないと始まらないですからね。ツヅキに調べさせて、逃げた生き残りの場所突き止めさせて、ちょっと行って話聞かせろって凄んで来いって頼んだらあいつ相当やらかしたらしくて。それで口割る気になってくれたみたいです」

 に、と青年は笑ってみせる。青年の年齢はケイより少し下だが、今の青年の笑顔は新しい玩具を見つけた子供の顔そのものだった。

「悪い権力者だな、ほんと」
「馬鹿言わないでください。ボクを信じて命を預けてくれてる国の皆の命を守るためじゃないですか!」
「相当胡散臭いな、その台詞」
「うーわ、酷いなあ、良い権力者してんのに。まあとにかく、その場でツヅキに突っ込んで話聞いてこさせてもいいかなあと思ってたけど、流石にその辺は礼儀通そうと思ってね。あー、俺って大人だな」
「突っ込んで話聞いてこさせてもいいかなあと思ってた、って、それくらいやらかすって前から分かってたってことだろ、おい……。大人かどうかは置いておくにしても、ちょっとは進展しそうなんだな」

 青年は頷いて、馬に跨った。馬の頭の毛並みを軽く整えてやりながら、青年は「当然でしょう」と続ける。

「今後の参考になるような為になるお話聞いてきますよ」
「それなら、こんな所来てないで早くそっちに行けば良かったのに。こんなところで死体の観察なんて下っ端に任せればいいんだし、そもそも立場からいったらこんなところにいるような人じゃないだろ、君」

 そう返しながら、ケイも馬に跨る。
 青年は口角を上げた。

「――楽しいんだから仕方ない、でしょ」
「は?」

 きょとんとした顔のケイにまじまじと見つめられたが、青年は満面の笑みを浮かべ、はぐらかすように、それじゃあまた、と付け加えて馬を走らせた。







大和はやっぱり人として最低だと思います。
そしてアンドゥーには王道を走ってもらいたい。
ほら、「元々はどこかの国の騎士だったらしい」とかのこの意味不明のぼかし方とか王道ですよね!!!(笑)

interludeは大和とアンドゥー中心になるかなあ。
続けばね。(笑)
きっと前半は大和で、後の方になるとアンドゥーになるんだと思う。
そうはいっても幕間だから書けるならいろいろ書きたいけど。
理央奈央紗央のきょうだいも書きたいんだけど今はまだ自粛な感じで?

大和はそんなに風哉くんこき使っていいんだろうか。
寝込み襲われて首くらい絞められてそう、とか思ってたりします。
けど大和はそんなんじゃ死なないし、風哉くんもそんな簡単には殺してやらないと思ってそうなのでうんたらかんたら。


次はいつになるかなー。(爽)

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2007.07.04(Wed) | rebellion | cm(0) | tb(0) |

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