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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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酷すぎるIFネタ。



 転校生が来るという。
 文化祭を週末に控えた九月の半ば。ものすごく不自然な時期だ、とは思っていたのだが、自分とあまり関係のある事柄だとは思えず、窓際の席に当然のように降り注ぐ陽射しを浴びて湧き上がる睡眠欲に抗わずうとうとしていると、朝のHRも例の転校生の自己紹介が始まっていた。
 机に突っ伏していた俺は、薄く目を開けてその対象を視界に入れる。――女子だ。

「……かよ、です。かよ、って呼んでください」

 こげ茶色の髪は緩く波打って、おそらくそれなりの長さがあるのだろう。頭の高いところで深紅のリボンを使って二つに結い上げている。瞳の大きな子だ。それに、背は結構低い。贔屓目に見ても見なくても、可愛いという評価を誰もがするだろうと思った。
 苗字を聞き取れなかったので黒板を見たが、名前は大きく横書きになっていて、苗字の真ん前には担任が立っていたために分からずじまい。その代わりに見えたのは、おそらく名前なのだろう『華世』の文字。

(……だから“かよ”か)

 苗字も名前も、俺は直接呼ぶことなどまずないだろうし、知らなくても支障は無いだろう。このクラスの担任は生徒を皆下の名前で呼ぶことだし、俺が女子に話しかけることなどそう多くない。

「じゃあ華世、お前の席、あの一番後ろの席な。窓際の一番後ろに眠そうにしてる奴いんだろ? その隣」

 華世が指定されたのは、俺の右隣の席。昨日まではなかったのに、席が増えていると思ったらやはりここか、と思った。

「あ、」

 すんなり返事をするかと思ったら、華世は黒板の前に立ったまま俺を凝視して動かない。
 そこまで怖い顔をしているとは自分でも思ったことはなかったのだが。嫌なら誰かと席を交換すれば済む話だろうと思って俺からは何も言わなかった。
 どうした? と担任に促され、ようやく彼女は返事をして、こちらに歩いてくる。彼女が歩くのと同じスピードで、クラス中の視線もゆっくり動くのが気色悪くて仕方なかった。

「葵! ちゃんと世話してやんだぞ、わかったなー?」

 担任が偉そうにそう指示する。
 そんなこと言われても、俺が世話しなくたってこの子相手なら世話したい男子はたくさんいるだろう。席が隣なだけで世話するとかされるとか、何年前の感性だ、って感じだ。

「えと、……あおい、っていうの? 名前」
「そうだけど」
「葵の紋の葵?」
「そう」

 隣の席に腰を落ち着けた彼女は、そっか、と答えた。
 さすがに再び突っ伏す気にはならなくて華世を見ると、

(………?)

 どこかで見たことのあるような錯覚に襲われる。古いアルバムの中で見たことのあるような気がするのだ。会ったことなどないと言い切れるのだが、妙な既視感。

「葵くん、って呼んでもいい?」
「どうぞ」
「わたしのことは華世って呼んでくださいっ」
「うん」

 拒否する理由もないので頷くと、彼女は表情を綻ばせた。
 嬉しそうな顔。どっかで見たことがあるような気がする。
 会ったことある? なんてあるわけないから聞けるわけがなくて、余計に変な気分になる。
 会ったことなんてあるわけがない。彼女は、生まれてから今までずっとアメリカにいたのだから。





 昼休みは、大抵一人で体育館の裏にいる。昼食をそこで取って、そのまま昼寝をするのが一連の流れだ。そのまま五限六限をサボってしまって担任に怒られるということもまあ、たまにある。
 母の手作りの弁当を食べながら、陽だまりに足を伸ばす。
 次の授業は生物、現代文。サボっても問題ないだろう。

「葵くん見つけたっ」

 急に陽だまりに影ができて、ゆっくりとそちらに視線を向けると、そこには転校生がいた。走ってきたのか肩で息をしている。

「お弁当、ひとりで食べてるの?」
「そうだよ」
「いつも?」
「大体は」
「そうなんだ」

 華世は「教室で一緒に食べよう!」などと強制するようなタイプではないようで、ひとりも気楽でいいよねっ、と笑いながら俺の隣に腰を下ろす。制服汚れるのとか女子は気にするんじゃないかと思っていたけど、華世はそういうタイプでもないらしい。

「お前は、昼、食べたの?」
「ん? えっとね、葵くん見つけて一緒に食べよう! と思って教室出てきたんだけど、意気込みすぎて忘れてきちゃって」
「周りの奴うるさかっただろ、一緒に食べようって」
「職員室に呼ばれてるんだぁ、って言ったら、そっかー、ってわかってくれたよ」
「……じゃあまだ食べてないのか」
 
 ……ていうか少しこの子は抜けている気がする。気がするっていうか、抜けてる。
 まだ手をつけていなかったおにぎりを一つ華世に手渡してやると、大きな瞳がうろたえるようにきょろきょろした。

「食べないと次の授業持たないだろ。それ、うちの母さん特製の炊き込みご飯。ひとつ食べたら?」
「いいの? 葵くんのお弁当」
「食べたら昼寝するから平気」
「あ、じゃあサボっちゃうんだ? パパもね、高校生の頃はよくやってたって」

 俺が弁当を片付け始めると、華世は小さくいただきます、と俺に告げて、ラップを外しておにぎりを一口齧った。
 うちの母親は料理が上手い。お嬢様だったはずなのにあれだけ家庭的なら合格だろう。お嬢様だったから、ということかもしれないが。そこが男女の教育のされ方の違いということかもしれない。華世も、おいしい、と声を上げてくれたので、あとで報告してやろうと思う。

「……そういえば、ずっとアメリカにいたのに普通に日本語なんだな」

 昨日の帰りのHRで転校生の話を聞いて、その時、生まれてからずっとアメリカにいたと聞いていたので、日本語なんか全然ダメなんじゃないかと思っていたのだが、見当違いだったようだ。華世は普通に日本語を喋るし、つい英語が出てしまった、ということもない。

「うん。ハーフじゃないし、家でも普通に日本語。日本人学校行ってたし、会話は英語でも大丈夫だけど日本の授業みたいな英語は寧ろ苦手かも」
「へえ」

 ハーフじゃなければ家でも英語を話す必要はないということか。
 国外に行ったことのない俺は想像しにくいけれど、外国にずっといても日本語はここまで流暢に話せるものらしい。

「生まれてからずっとアメリカにいたって言ってもね、生まれたのは日本なんだよ。日本の方が、えっと、ホケン制度とか、しっかりしてるからって。けどそれからすぐ向こうに行ったから、あんまり変わらないかな」

 そんなに大きくないおにぎりを小さな口で齧りながら、華世は生い立ちを教えてくれた。 確かに、医療費だとか保険の制度や何やらは日本の方が進んでいると聞いたことがある。向こうは保険が利かないから出産費用が全部自腹になってしまうとか何とか。詳しくはよくわからない。
 ……でも、両親ともそんな長い間向こうにいるって、何の仕事なんだか。

「……何の仕事してるんだ? お父さん」

 最後の一口を口に放り込んで、しばらく咀嚼してから飲み込むと、まず華世はごちそうさま、と俺に挨拶してから口を開く。 

「パパはね、学者さんなの。パパとママは同い年なんだけど、わたしが生まれた時パパはまだ学生さんで、それから頑張って、向こうの学生さんに勉強教えたりして、今までずうっと大学にいたの」
「それで何でまた帰国したんだ?」
「日本の大学でね、パパの専門分野の教授さん?が亡くなっちゃったとかで、頼まれたみたい。パパは賢いのに変に謙虚だから、まだ研究者の身なのでって辞退しようとして。けどわたしは日本に行ってみたかったから、パパならちゃんとママとわたしに贅沢させてよね! って言っちゃった。パパ基本的にわたしには甘いから」

 そりゃあ苦学生の頃にできた子供なら、成功した今可愛くないわけがないだろうと思う。実際見た目は可愛いわけだし。
 体育館の外壁に凭れかかって話を聞く。本当に両親が好きなんだろうな、と思う。パパはすごいけどママは普通なの、と紹介してくれる華世の表情は生き生きしていて、両親に可愛がられて育ってきたんだろうことがすぐに見て取れるのだ。

「それでね、えっとね、葵くんにお話があって、一緒にお昼しようと思ってたんだけど」
「ああ」

 そういえばそうだった。
 転校生が、ただ隣の席だったからといって男子にわざわざ寄ってくることなどないだろう。何か用事があるはずだ。
 凭れかかった姿勢のまま、何? と目で問いかけると、華世はしばらく頭のリボンを揺らしながらきょろきょろと周りを見回してから、

「わたし、変なの」

 と呟いた。
 突拍子が無さ過ぎる。
 そりゃあ変なのは何となくわかるけれど、それを突然告白されてもどうしろと。
 どう対応すべきかわからずに俺がひとつ深呼吸をすると、それをどう捉えたのかあたふたとしている。多少呆れたが拒絶しようとかそんなつもりはない。

「あ、え、えっとね、わたし初めて日本に来たのに、その、」

 これは弁解らしい。付け加えとも言うのだろうか。

「――葵くんのこと、知ってる気がして」
「!」

 ……俺も同じだ。
 と、即座に返すことはできなかった。
 俺は驚いたまま華世を見つめ、華世は不思議そうに俺の目を見る。
 奇妙な時間が、流れた。






というIFストーリーを考えてました。
他には真紘と、旭(あきら)って名前のキャラを出そうと思ってたりしたけどこれ以降は頭の中でしか考えてません。


まあ端的に言えば大和とルミが別れたらどうなったかストーリーなんですが。
大和は当初の予定のまま許婚と結婚して、ルミは失恋のショックで流風を頼ってみたりして、流風はそれなりにルミのこと気に入ってるけど弱ってるとこ漬け込んだりしないでしばらく待ってあげてたりして。ルミだってもともとは流風に憧れてたんだからその相手に優しくされたら十中八九落ちるだろ、みたいな。
そいで生まれた子供は同い年で、葵と華世。
椿って名前はやっぱり一番大事にしたかったからつけなかったんだろうなと適当に推測。大和のお姉さん夕霧だから、葵も源氏名ってとこか。
ということで、大和とルミが結婚しようが別れようが紗央のところには余り影響ないだろうと思うので、真紘は真紘のまま。
大和とルミが別れて、ルミが流風と結婚したら多分慎吾は子供に流風ってつけない気がするから、名前が変わって旭。日が昇るようなイメージで考えたら「旭」か「晃」しか思いつかなくて、後者は別オリジで使ってる字なので前者に決定。

子供同士出会ったからどうなるって話じゃないですけど、流風って頑固だからルミが大和と別れたって知った時点でもう連絡とるのやめてると思います。
日本に戻らないでずっとアメリカで研究してるのも、日本にあんまり戻りたくないからだろうなあと思ったり。

華世はビジュアルほぼ梓ですが、色合いがクリスマスぽくて好きです。目を深緑で塗っているので、赤リボンと相まってそう見えます。
この部分書いただけで、ああ椿のいる芹沢家は幸せなんだなあと実感しました。椿とか好きです。うん。

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2008.12.06(Sat) | 未分類 | cm(0) | tb(0) |

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