プロフィール

軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.--(--) | スポンサー広告 |

いたいたちいち




「……どうしたんだよ、その傷」

 学校が終わり、帰宅して真っ先にリビングに向かった俺は、奇妙なものを見た。リビングでは兄さんがテレビのワイドショーをBGMにDSに向かっている。今日授業無い日だったな確か、と兄さんの今日の予定を思い出したので、兄さんが今家にいること自体は何の問題もない。
 ただ、兄さんの風貌に問題があった。頬には引っかき傷のようなもの、額は少し腫れているように見える。道で転んだりだとかはあまりしない人だから尚更奇妙に見える。
 鞄を下ろして兄さんの目の前に座り、まじまじとその顔を見る。

「……変なの。猫にでもやられた?」
「猫じゃないけど怒らせたみたいだ」

 兄さんは黙々とゲームを進める。画面を覗き込むと、テトリスだった。こういう地道なゲームはとことん兄さんの性に合っていると思う。

「怒らせたって、猫じゃないなら犬? 鳩?」

 兄さんがゲームの片手間に食べているのだろう、市販のクッキーをひとつ頬張る。やっぱりこういうのは手作りを食べなれていると不味く感じられてならない。いやに甘ったるくて好きじゃない味だ。ついでに兄さんの湯のみを拝借して中のお茶を一口頂いて、ぱさぱさに乾いた口の中を潤した。
 道端の動物に手を出して引っかかれる、なんて兄さんなら有り得なくも無い。無さそうではあるけど有り得ないわけではないだろうと思う。時計をちらりと見ると、もうすぐ先生が来る時間だった。着替えるのも面倒だから今日はこのままでもいいだろう。玄関の鍵閉め忘れてる気がするから、このまま出迎えればちょうどいい。

「いや、紗央さん」

 ただ俺は、その兄さんの一言にひどく驚いた。
 内容ではなく、兄さんの声に何の危機感もなかったから。
 こんな傷を負わされるほど姉さんを怒らせるなんてことが兄さんにできるわけがない。それよりも、兄さん相手に姉さんがこんなこと、するわけがない。
 唖然として兄さんを見つめていると、兄さんは突然「あー!!」と騒いで、それから神妙にDSの電源を切った。どうやらゲームオーバーになったらしい。顔を上げた兄さんは、いつもと変わらない表情でへらりと笑った。

「この間高校の頃の同級生に告白されてさ、」

 な、

「どうしたもんかと思って紗央さんに相談しに行ったんだけど、」

 何を、

「そんなの自分で考えなさいよ!、って」

 この男は、何を、

「すっげー怒られた」

 何を、平然と、
 
「そうだよな、相談するようなことじゃないよな」

 ――そんなの、殺されなかったのが不思議なくらいだ。
 
「……それで何か投げつけられたんだ?」
「シャーペンとマグカップ。さすがに驚いた」
「へえ」

 何で、何で、どうして、どうして兄さんが姉さんにそんなこと言うんだ?
 どうして平然と姉さんの所に行った?
 すうっと背筋が冷えて、頭の中で取り合えずすべての情報を消去しようとする。

「……自業自得だろ、兄さん」

 立ち上がって、大股で一歩兄さんに近づいて、襟首を鷲掴みにして、右腕を振り上げる。
 鈍い人だとは思っていたけどここまでだとは思わなかった。
 驚いた表情をする兄さんを心底憎いと思う。どうしてこんな惨いことを。襟首を握る力を強めてぐっと自分に近づけると、振り上げた右腕を後ろから誰かに掴まれて動きを封じられてしまった。
 それが誰かなんて、鍵を閉め忘れてたのを思い出せばすぐにわかることだけれど、今は誰に止められたって止まっちゃいけないと思う。

「てめぇがやんなきゃなんねぇのは勉強だろうが」

 うるさい。
 俺が勉強したって姉さんが傷ついたことは変わらない。姉さんは絶対今も部屋で泣いてる。何でそんなに惨いことができるんだ、意味が分からない。殴ってやんなきゃこの人は絶対理解しない。
 ペンとマグをぶつけられたくらいじゃ少なすぎる。何年も何年も兄さんだけ見てきた姉さんだ、その姉さんを俺はずっと見てたからわかってる、姉さんが今どれくらい痛いのか! 俺が一発殴ってやったくらいじゃ、全然足りない、絶対足りない。

「………理央」
「っ……!」

 振り上げた右腕を制止させられたまま、やり場の無い気持ちをどうしたらいいかわからなかった。兄さんのシャツを握る左の拳から力が抜けて行く。
 兄さんは、何もわかっちゃいない。
 でも、何も間違ったことはしていなかった。そうも思える。
 兄さんは誰よりも姉さんを信頼して、誰よりも大事にしていた。俺は弟だから、そんな兄さんを一番知っている。だから俺は、兄さんを、とても羨ましいと思ってしまう。
 視界が涙でぼやけてきた俺の右腕を、黙って先生が引っ張る。力の抜けてしまった俺は、そのまま引きずられるように先生の後に続いて部屋に戻った。





「あんな兄さんですけど、……一回だけ本気で怒ったことがあるんです」

 先生は、黙っていてくれた。

「小学校低学年の頃です。兄さんと姉さんが三年かそこらで、その頃って姉さん、見た目のことがあってずっといじめられてたんですよ。奈央はまだ見た目が日本人寄りだったし、一年二年と俺が一緒のクラスだったんでそんなことなかったんですけど、兄さんと姉さんは一度も同じクラスになってなくて」

 毎日毎日、奈央の心配ばかりしていた。大丈夫、いじめられたりしなかった? と、毎日妹に問いかけていた。奈央は多分わかっていて、それでも何も言わなかった。姉さんは昔から負けず嫌いでああいう可愛くない性格だし、見た目も小学生にしたらちょっと不気味なのかもしれない。物珍しさとやっかみがいりまじった揶揄がいつも姉さんを苦しめていた。

「……で、ある日、いつも一緒に帰る姉さんが奈央と一緒に先帰っちゃったみたいだったんですよ。けど姉さんの上履き無いし、どうしたんだろう、って兄さんと話してたら、ちょうど姉さんのクラスの悪い奴らが出てきて、ベタなんですけど、靴隠されたみたいで。それで兄さんに会いたくなくて先に帰ったんだと思います」

 いつも強気を装っているから、上履きでとぼとぼ帰る姿なんて見せたくなかったんだろうと思う。兄さんのことだからきっと心配してくれる。それも嫌だったに違いない。

「そいつらが帰るところ見つけて、俺に先帰ってろって言って、兄さんはそいつら追いかけて。でも俺も気になって兄さんの後、気付かれないように着いて行きました。兄さん達がいたのは近所の公園で、三対一で蹴り合い殴り合いの喧嘩ですよ。昔から兄さんあんなんですから、喧嘩とか当然強くなくて、やられっぱなしだったんですけど」

 でも、覚えている。

「でも、兄さんの目、ぎらぎらしてて、本当に怒ってるんだっていうのが遠くからでもよくわかった。砂を相手に向けてぶちまけて、ランドセル振り回してぶつけて、」

 兄さんはきっと、姉さんを守るためになら誰かを傷つけることが出来る人なんだ、と思った。

「目に砂が入って相手が泣いて、痛い痛いって喚いて、隠した靴の在り処聞き出して。それで、……痛いとかふざけたこと言うな、って。姉さん、紗央ちゃんは一回も人の前で泣いたりしないんだ、って。俺は大事なもの傷つけられるの我慢できない、って」

 そう怒鳴った。
 泥だらけ傷だらけで兄さんはそう言った。俺はちゃんと聞いてた。嘘は言っていない、そう思った。

「……俺にはあんなことできなかった。兄さんは姉さんのためになら何だってできる人なんだ、って思ったんです。姉さんは兄さんの一番大事な人なんだろうって。だから俺は、」

 姉さんをずっと見てきたけど、兄さんの弟でいる以外何もできなかった。

「そんな兄さんが、姉さんを傷つけたのが、どうしても理解できない……!!」

 どうして。
 大事なんじゃなかったのか。大事だから身を投げ出せるんじゃないのか。
 いくら鈍くても、あんな酷いことしなくてもよかったじゃないか。ただでさえ姉さんは打たれ弱いのに。結婚でもなんでも、したってしなくたって大差ない。兄さんだってきっとこのままでいいと思ってたはずだ。
 机に向かって、俺は拳を握る。
 どうすることもできない。兄さんを殴ることも、姉さんを慰めることも、きっと俺にはできない。でも兄さんが憎くて仕方なくて、今もきっと部屋で泣いている姉さんが可哀想で仕方ない。

「……あいつに限ったことじゃねぇんだろ、お前の兄貴の場合」

 勉強という空気でもなかったからか、俺のベッドに腰掛けていた先生が、ゆっくりと、吐き出すように言った。
 飲み込めない。

「あいつだけじゃなく、やられてるのがお前でも、あの妹でも、お前の兄貴は喧嘩なりなんなりしただろうよ」
「……そんなことないですよ、兄さんは姉さんを一番大事に思ってる」
「だろうな。ただし、お前も、あいつの妹も、どれも一番だ」

 順位なんざねぇんだよ、最初から。先生はそう付け加える。
 それは一番残酷だ。そんなの、最初から希望は少しも無いって言ってるのと同じこと。
 姉さんは何年その中を過ごしてきたんだろう。

「近親相姦の気はないってこの前さらっと言ってたぞ。そこまで言うんだから完璧だろ」
「そんな、……そんなことまで、言うんですね、兄さん」
「家族なんだったら当然の反応だろうな」

 姉さんはどれだけ長い間、兄さんと生きていく夢を見て、こうして壊されたんだろう。
 痛かっただろうと思う。苦しいだろうとも思う。
 きっぱり振られたのではなく、間接的に、一番痛いやり方で終わりを告げられてしまった。
 その上、兄さんがその女と付き合おうがどうしようが、姉さんがその舞台に上がるチャンスは永遠に来ないのだ。

「……っ、じゃあ、」

 俺は悲しくなる。
 どうして先に生まれたのが兄さんで、後に生まれたのが俺なのか。

「俺が兄さんになってやりたい……!!」

 俺が兄さんなら、姉さんをここまで悲しませることは絶対にしない。姉さんが昔要求していたように、名前を呼び捨ててやれる。俺なら姉さんに振り向いてやれる。ああでも、姉さんは俺なんか少しも呼んじゃいないのだ。この一方通行だけが歪んでいる。姉さんが俺に抱く感情は、兄さんが姉さんに抱く感情と全く同じものだろう。俺も、その舞台に上がることは永遠に無い。俺はそのことを、ずっと昔から知っていた。
 家があと三軒離れていたらこうはならなかったかもしれない。近すぎたから、兄さんにとってはみんなかけがえのないものになってしまったのだろう。やっぱりそれは、すごく残酷だ。
 
「それが無理なら、早く誰かが掻っ攫ってくれたらいい、あんな姉さん、口説けなくても攫うくらい簡単だ」

 誰か姉さんを攫ってやってほしい。
 誰かに姉さんが恋をして、その相手にレモンパイでも焼けるようになったら、兄さんはもちろん、俺でさえもほっとしてしまうんだろう。今の姉さんは想像するだけでこちらが痛くなる。
 前に似たような言葉を吹っ掛けたとき、先生は御免だと言った。
 けれど今日は、何も言わなかった。






気持ちだけで書いてしまった。
理央は紗央のこと好きだけど、でもアンドゥーの弟でしかいられないからただ見てるだけ。
しかも好きって言っても家族としての土台は絶対あると思うので、やっぱりこの立ち位置からは抜け出せない。


続きも考えたんですが長いのでやめます。
いくら辛いっつっても社会人なので仕事には行きます。そこにケレスさんが来てくれたらいい。
でも直接言っても追い返されるだけだと思うので、適当に「財布拾った」言いつつ自分の財布持っていけばいい。
そこで書類とか紗央が用意する間、もう飯作ったりすんのやめたら、とか、距離置いてみろ的なことを言われてまた紗央さんがキレる。そんなこと誰に言われたのよ! あたしに言いたいことあるならはっきり言えばいいじゃない、圭一に言われたの!? とか、「圭一」って単語出すと怒ってても3秒後くらいにちょっと悲しそうな顔になります、多分。
でもって財布の中身確認してる時に免許とか学生証で持ち主判明、「何よ、あたしのことバカにしに来たの!?」とか言い出す、多分。
で、言いたいこと言ったしでケレスさんが交番出る時紗央が後ろから引き止めて、「そんなに距離置かせたいならあんたの家にちょっと泊めてよ」って発言で昼ドラから水10または金10くらいのノリに引っ張る。「あの家に一人暮らしなら部屋余ってるでしょ? いいじゃない別にそんなに離れてないし」とか失恋直後にしては普通有り得ない発言を連発します。それが紗央さんです。
嫌だっつっても紗央だから押しかけるんですが、ていうか私のキャラ押しかけるの多くね? あ、ケレスさんが押しかけやすいキャラなんですね!(爽)
荷物は服じゃなくて大体ケーキの型とかのお菓子作り用品(キッチンが結構いいのは多分チェックしてある)で、「お前服とかは」って聞かれたら「だって必要なのって下着だけであとは大体あんたに借りたら済むことだし」って言うと思う。
ここまでぶっとんでんのも、アンドゥーに顔合わせられなくなったら、普段通りに振舞えるのはケレスさんの前だけになりそうだからですな。


こうすればしばらく紗央さんが普通の暮らしできる。(笑)
至貴くんとか来てもクオリティ高い料理を振舞えます。
流風も遊びに来て紗央の作ったホットケーキ食べるんだけど、奴はきっと「こっちの方がおいしいけど、にーちゃんが作った奴の方が好き」って言うと思う。
紗央さん負けず嫌いなんで、「何で?」って聞くと、「んー、雑な味が好き」とか言いそうです。
で、やっぱり紗央さん負けず嫌いなんで、「雑なホットケーキなんてどうやって作んのよ!」って言い寄ります。
鈴城さんちも安藤さんちも多分小食だろうと思うので、大人数の料理とかは腕が鳴りそうですね。



タっくんの話もかなり考えた。前書いた話だと大和結構負けまいと必死でしたが、あれが毎日とかになったら確実に負ける。
でも開き直って「いいですよ、僕は家族が一番大事なんで」って言うとタっくんも上機嫌で同調してくれると見た。そっか、タっくんってダメなDQNだったんだね!


そしてもう寝ます。秋臼さんの今後のGJに期待。(笑)

スポンサーサイト

2009.02.17(Tue) | ご近所物語 | cm(0) | tb(0) |

この記事へのトラックバックURL
http://hechima1222.blog88.fc2.com/tb.php/293-fec0a6e0
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
Name
E-Mail
URL
Title

password
管理者にだけ表示を許可
/
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。