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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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野に咲く花のように




 昨夜の予報から、今日が雪であることは分かっていた。なので今日はいつも使うバイクを使わず、電車を使っての通勤。こういう日に限って研究日でない自分の身を恨めしく思ったのは往路も同じだった。学校での仕事を終えて帰路につき、駅への道を辿りながらケレスは再び往路と同じことを考える。
 雪は止む気配がなかった。大粒の牡丹雪が、黒い傘にふわりふわりと積もって、だんだんとその重みを主張し始める。積もったと思ったら傘を振って雪を落とし、また進む。往路と同じ、その繰り返しだ。往路と違うところと言えば、足場が格段に悪くなっているところだろう。朝はまだ降り始めということもあってか路面はあまり酷くはなっていなかったのだが、何時間も経って積もった上を車が通り、泥の入り混じったみぞれが道路に満遍なく広がっている。
 駅はもうすぐそこ、商店街の入り口に差し掛かった。この悪天候で、買い物に出る人間など少ないのだろう、以前見たことのある商店街と比べると活気が少ないのは当然だった。それでも商店街の各店舗のシャッターは開いている。全国の他の商店街に比べれば、ここは比較的賑やかなのかもしれない。

「…………」

 商店街に特別用事はないので、駅に向かうため突っ切ることにする。そうして一歩踏み出し、たまたま左を見ると、その先にどこかで見たような顔があった。向こうもケレスに気がついたらしく、あ、と言った顔のままフリーズしている。どことなく気まずい時間が流れた。
 セミロングの栗色の髪、その一部を結う桃色のリボン、真っ白なコートに大人びた黒い傘。彼女の顔立ちはまだ学生のようにも見える。肩には黒く大きなトートバッグが掛かっているのだが、その先からはネギらしきものが見えているので、所謂エコバッグという奴なのだろう。

「えっと、け、」

 彼女は傘を差したまま、随分考えながらこちらに一歩ずつ近づいてきた。歩くたびに、「け、け、」と傍から見れば奇怪極まりない言動を繰り返す。
 あと数歩で隣に並ぶというところで彼女は、ふう、と大げさなため息をつくと顔を上げ、

「こんにちは、横文字さんっ」

 と満面の笑みで言ってのけた。
 その言動のお陰で、一発で目の前の女が何者なのかが分かる。先ほどの呟きも、こちらの名前を思い出そうとしてのことなのだろうと予測はできるのだが、思い出せなかったからといってその呼び方はどうなんだ、と思わざるを得ない。

「恋人の影響受けすぎなんじゃねぇのか」
「すみません、空君がいつもそうやって呼んでたな、っていうのしか思い出せなくって」

 明日シバく。
 翌日の予定がひとつ決まったケレスである。
 目の前の女は、瀬川 空の恋人だ。普段聞き流しているが、やたらと自慢していたような気がする。名前は何と言っただろうか。

「あたし鈴城奈央です。理央の双子の妹の。今更失礼なんですけど、お名前伺ってもいいですか?」

 奈央はトートバッグを肩にかけなおすと、ぺこりと頭を下げた。理央と兄妹だということは、言われるまで忘れていた。見た目はあまり似ていない。色合いも雰囲気も、理央はどちらかといえば交番に勤務している女性警察官に似ているような気がする。普段理央と奈央が二人で歩いていても兄妹だと初見で判断できる人間はまずいないだろう。

「……ケレスだ」
「あ、そうですよね! ケレス先生! 芹沢君とか水城君とか野島君とかがクリニックに来るとたまに聞こえる名前でした。きっと先生の話で盛り上がってるんだろうな、っていうのはわかるのに肝心のお名前が出てこないことが多くって。もう覚えたので大丈夫です」

 固有名詞を使わずに会話する、今名前の上がった面子からならどんな言葉を使われていたのか簡単に想像できるというものだった。頭が痛くなった気がした。

「普段お見かけしませんから、今日は雪で電車を使ったんですね?」

 マンションが駅の方向なので途中までご一緒してもいいですか?
 こういったタイプの女との会話は慣れていないが、断る方が不自然だろう。ああ、と頷いて駅への歩みを再開した。




「普段は何で通勤されてるんですか?」
「バイクだ」
「あ、なんか分かる気がします。車よりバイク似合いそうですね、ケレス先生」

 駅は目と鼻の先で、距離もそう遠くない。ケレスから質問するようなことは特に無いので、自然と奈央からの質問ばかりになってしまっていた。クリニックの院長である響 要は非常勤の保健医として校内にいることはあるが、奈央が来るという事は校内での健康診断の時くらいで、学校にはほとんど来たことがないはずだ。諸々のイベントには空が参加しているのだから奈央も来ているのだろうが、生憎と顔を合わせる機会はなかった。

「あたしばっかり聞いちゃってすみません。理央、えっと、兄が休むと代わりに授業してくださってるんですよね。すごい人なんだぞー、って聞いてたからついつい気になっちゃって」
「別に、授業のベースになるプリントは理央が作ってる。俺はそれに従って進めているだけだ」
「教え方上手くて学歴も比べ物にならないから、生徒に何も言われなくても兄にとってはプレッシャーなんだそうです」
「杞憂だって伝えておけ」
「きゆう、……難しい日本語もご存知なんですね……」

 見るからに外国人であるケレスが難しい熟語を知っていたことに奈央は驚きとある種の絶望を感じているようだった。肩と一緒に桃色のリボンもしゅんと垂れて見える。
 職員室やら教室やらで、瀬川 空はやたらと恋人自慢をしている。くどいようだがちゃんと聞いているわけではない。けれど、あれだけ自慢する女ということは、空とは釣り合いが取れないくらい気品のあるお嬢様なのかと思っていたケレスだったが、どうやら少し違うらしい。初めて言葉を交わしてまだ数分しか経っていない。彼女の本質など見抜けはしないが、高嶺の花、という言葉とは別の場所にいる女であろうことはわかった。

「雨とか雪とか、嫌いじゃないんですけどお買い物には適してないですよね」

 黒い傘を傾け、ふわりふわりと空から降る牡丹雪を眺めながら、奈央が呟いた。

「でも、今日は初めて先生とお話できたのでちょっとラッキーでした」

 そう言って少しケレスより先を歩き、くるりと振り向いてみせた奈央だったが、白いコートが翻った瞬間にブーツの底がみぞれで滑ったらしく体勢を崩した。何が入っているのかは知らないが、トートバッグの中身をぶちまけては大変だろうし、何より駅前での転倒騒ぎは周囲の視線が気になるところ。ケレスが咄嗟に彼女の腕を取ると、何とか転倒は防ぐことができた。
 
「思ったよりずっと優しい人で嬉しいです」

 体勢を立て直してコートを叩くと、奈央はにこりと笑ってお礼のために頭を下げてきた。それからごそごそとコートのポケットを探っている。

「これ、さっき八百屋さん行った時に創兵くんにあげようと思ってたんですけど、本人がお留守だったので、貰ってください」

 小さな透明のラッピングバッグに入っているのは四つのマカロンだった。ピンク、ライトブルー、チョコレート、ライムグリーン。春を思わせる淡い色合いが揃っている。
 味には自信ありますから、と言っているところを見ると、手作りなのだろう。甘いものは得意ではないが、断ると関係云々の前にどこかから聞きつけた空が喧しく騒ぎ立てるのが想像できたので大人しく貰っておくことにした。受け取ると、奈央は大きな瞳を見開いて、まるで驚いているかのようだった。 

「……何だよ」
「いえ、突っ返されると思ってたのでちょっとびっくりで」
「突っ返して欲しいなら返す」
「そんなことないですよ! おいしいので食べてみてくださいっ」

 やっと駅まで着いた。さっき奈央と出会った場所はここからでも見えるくらい近いのに、随分長かったような気がする。軒下でケレスが傘を閉じると、ばさりと積もった雪が落ちた。
 奈央はこの位置から見える高層マンションに住んでいるのだろう。傘を差したまま、ぺこりとまたお辞儀をした。

「今日はどうもありがとうございました。今度電車使うことがあったらお夕飯でも食べに来てください」

 電車を使うことがあってもそんな日はきっと来ないだろう、とケレスは思う。その様子もおそらく奈央は分かっていて、次の言葉を口にした。

「美味しい赤ワインがあるんですけど、空君ワイン苦手みたいで合うお料理が作れないんです」

 重いのか肩のバッグを時折掛け直し、奈央はそう言う。ワインお嫌いですか? と奈央が問えば、繕う必要もないので「いや」と曖昧な返事をするに留めた。

「先生と要さん呼べばちょっと大人なディナーが楽しめそうだな、と思いまして」

 それは割と魅力的な話だとは思えたのだが、今の発言はどことなく、想像に反していたような気がする。不思議な違和感だった。
 あ、と奈央が気付いたように声を上げ、長々引き止めてすみませんでした、とまた頭を下げ、それじゃあ気をつけて帰ってくださいね、と見送られる。そのまま背を向けて駅に消えてもよかったのだが、一応、

「大事な恋人除け者にしたディナーでも楽しめんのか?」

 その質問を、投げかけておいた。
 奈央はやはり目をぱちぱちさせている。予想外の質問だったのだろう。独占欲の強い空を差し置けるのだろうか。
 返答がなければそれでも構わない。背を向けようとしたその時、

「本当の空君はこんなことくらいじゃ騒いでくれないんですよv」

 穏やかな声がはっきりとそう告げた。

「今のは今度お夕飯食べに来てくれるってことですよね? 期待しちゃいます」

 黒い傘には白い雪が降り積もって行く。
 吐息も白いのに、彼女の周囲は寒さを感じないやわらかさがある。
 高嶺の花でこそないが、大地にしっかり根を張る花ではあるらしい。
 今度こそケレスは背を向けた。

「――いつか、な」







すいませんでした……!!!!(土下座)
雪が降ったので出来心で! あんま雪関係ないけど!!


個人的に奈央は高嶺の花なんかじゃもちろんなくって、寧ろ雑草に近いかなって感じです。
百合とかは紗央とか理央の方が似合いそう。紗央のがお嬢様オーラは出てる気がします。
奈央は蒲公英とかかな。動じることはほとんどありません。
理央奈央に要さんとケレスさんでディナーとか、大分シックな空気が漂いそうです。鈴城さんちのことなのでワインの品質は保証されてますな。


理央が風邪とかで仕事休んで、ケレスさんが代わりに授業してくれるのが理央にとって地味なプレッシャーというのは願望です。
そうだったらいいな! そんなのときめくよね!
理央の授業だー、と思ってたらケレスさんが教室入って来るとか、生徒としてはどんな心境なんだろう。私なら嬉しいけどな!
リベリオンも書きたかったけどせっかく雪降ったしこっちで。


明日って言うか今日で、バイト先の社員さんがひとり異動になります。
私が入ったときからずっといる人だったので寂しいです。新しい人来るのか……。
しかも栄転じゃないのに群馬に異動とか悲しすぎる。ていうか群馬にまで支店があったことが驚き!
なので今日は送別会があります。9時からとか銭ゲバ見れない、でもいいんだ、うん。
パートさんとかみんな来る大きいものになるそうで。いい人だったからなあ。新天地で頑張って頂きたい。そして私は群馬に転勤するような仕事には就きたくない、と思いました。

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2009.02.28(Sat) | 触発されました | cm(0) | tb(0) |

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