プロフィール

軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.--(--) | スポンサー広告 |

大和+慎吾で未来話。


 慎吾が大和に『娘』を紹介されたのは、自分の息子がもう小学校6年生になろうかという頃だった。
 そもそも、大和は高校を卒業して附属大に上がったが、慎吾は外部の体育大。それだけでも十分疎遠となる条件は揃っているのに、加えて慎吾は国を代表するバスケプレーヤーとして国内外を駆けずり回っていたのだ。マネージャーとしていつも側にいてくれたパートナーと、できちゃった結婚などという若気の至りの一言で済まされてしまいそうな一大イベントもあり、大和と顔を合わせるのは、息子が生まれた時以来だ。10年以上の月日が経っているというのに、大和からはほとんど変化が見受けられない。ガキ大将がそのまま大人になった、ってこういうことを言うんだろうな。と慎吾は思って、自身の妻にもそう言われたことを思い出す。俺はガキ大将じゃないですよ、と何度も言い返したけれど。

「娘の椿だ」

 広い和室の畳の上で正座をして待っていると、貫禄ある大和の後ろから、艶やかな赤い着物を着た少女がそろそろと歩いてくる。
 長い髪は軽く波打っていて、ああこれは母親似だな、と遠い記憶を手繰り寄せて、思った。自分の息子の一つ下だと聞かされていたけれど、余程大人びて見える。子供っぽくも見えるし、大人っぽくも見えるのはこの時期の女の子にはよくあることなのだろう。授業で何度かそんなことを聞いた気がする。

「芹沢 椿ですわ。野島様、お初にお目にかかります」
「あ、えっと、初めまして、で、ございます、です!!」
「ふふっ、もっと砕けてくださって構いませんわ。私は単に好んでこのような話し方をしているだけですから。親戚の子供、くらいにお相手してくだされば嬉しいです」

 とは言われても。この家柄だからこの口調、何だか納得だった。
 そういえばあんなひょうきんな性格をしていた大和でさえも、「母様」「父様」「姉様」という言葉を使っていた気がする。慣れ親しんで小さい頃から使っていた言葉だから、人前でも出てしまうようで、面倒なので直そうともしていなかった。
 椿が大人顔負けの穏やかな微笑みを作ると、慎吾も懸命に大人らしく笑ってみせようとした。が、所詮慎吾なので徒労に終わる。

「しっかりしてますねー。とてもヤマト先輩と血繋がってるとは思えないっス」
「いや、人型してるから俺似だと思うんだよな」
「……ヤマト先輩、それでよく不仲になりませんね、葉山先輩と」
「愛あるジョークだろ?」
「うちでそれ言ったら千咲さん100%出て行きますね、ルカ連れて」
「お前のところは今そうなってないのが不思議だ」
「ちょ、何スかそれっ」
「俺の冗談は聞き流すことも受け取って返すこともできるけど、お前の本気はそのどっちもしたくないくらい厄介なことがある」
「そんな、もう小6になろうかという子供がいるのに今まで結婚生活継続できてるのが不思議みたいな言い方やめてくださいよ!! 千咲さんだって俺への愛はあります!」
「………そうだよな。」
「何ですかその、そう思いたきゃ思ってろよな視線は」
「お、人の視線読めるようになったんだなお前」
「あーちくしょうッ、何年経ってもヤマト先輩とサシでちゃんと話できる気になりません!!」

 慎吾が叫ぶと、大和が笑い、続いて控えめにくすくすと椿が笑った。
 お前笑われてるぞー、と大和が茶化すと、誰のせいっスか、と控えめに慎吾が膨れた。
 それにしても。
 椿に視線を移して、慎吾は思う。
 長い黒髪の可愛い子。ヤマト先輩のお姉さんも確か美人だったし、葉山先輩も悪くないよな(千咲さんほどじゃないけど!)。とか思いながら、自分の息子もいつかこんな彼女を連れてくるのだろうかと感慨深くなる。普通そこは娘を持つ父親が持つ気持ちだろうが、野島慎吾に世間の理屈は通用しないのである。
 これだけ可愛ければ見た目は合格点だが、芹沢大和と、その男のもとに嫁いだ女との子供だ。一筋縄で行くわけがない。

「で、何で今頃俺に紹介するんスか、椿ちゃん。普通なら生まれた時とか、幼稚園くらいとか」
「人間なんだからまともな言葉喋れるようになってからじゃないと仕方ないだろ」
「すいませんね仕方ない親で!」
「いやいや、お前のとこのルカはさ、喋るとこよりも外見に価値があるからいいんだよ。あのふざけた顔どうした? 整形した?」
「させませんよそんなこと!」

 自分の子供のはずなのに、昔憧れた先輩(男)に顔がそっくりという異例の事態を現在進行形で実感中の慎吾は軽く拳を震わせた。
 そりゃあ自分だって多少心配した。どう考えたって自分より流風の方がいいに決まってる。だから自分の知らないところで、とかいろいろ考えてはみたが、あの時期に他の男と会ってる時間なんてまずありえないことは慎吾が一番分かっていた。だから消去法で今は納得している。それより、似てる似てないを大和に言われることの方が何となく腹立たしかった。きっと娘も素敵な性格をしておいでなのだろうが。

「中学一緒になるかなー、とか思って」
「中学? え、私立行かせないんスか? 寧ろ今からエスカレーターだと思ってたんですけど」
「小学校なんて私立も公立も変わんねーだろ、とか思ってさ。中学は選ばせようと思ってたけど、私立なんて面倒ですわvで一蹴だ。な、椿」
「ええ。わざわざ電車通学なんて。通学のために車を出されるのも煩わしいですわ」
「な? だからお前のとこのルカの後輩だ、多分」
「ちょっかい出させないでくださいよ。俺に似て純粋なんですからっ」
「自分で言ってりゃ世話ねぇな、若気の至りのくせに」
「そーゆーこと小学生の娘がいる前で言いますか普通!」

 父様は私のことなど気になさいませんわ。
 フォローするように穏やかに言える椿は自分の息子より相当大人だ。年下とは思えない。というより、慎吾もこの子に勝てる気がしない。真面目に。

「そっか、でもヤマト先輩の娘さんと中学一緒か。楽しそうです。つっても、後輩の女の子となんてあんま接点なさそうですけど」
「どこぞの水城流風は後輩の女子ともものすごーく仲良かったけどな」
「ルカは俺に似てじゅ・ん・す・い、なんです! 千咲さんたまに呆れますけど!」
「あー、お前の嫁さん面白いよなー。流風に顔そっくり。超クール。何で別れないのか不思議でしょうがねぇよ」
「だからそういうこと言わないでくださいってば!」

 

 流風の名前が出るといつも思う。
 彼はどうしているだろうか。母校で、元気にやっているだろうか。
 大和と椿に見送られて大きな門へ向かう途中も、ずっと懐かしい先輩の面影が頭から離れなかった。近いのだから会いに行けばいいのだが、それもなんだか憚られる。帰国した流風は、自分の知っている流風ではない気がして、少し、気が引けてしまう。会いたい気持ちは変わらないが。

「会いに行かないの? 水城に」
「え、うあ、お久しぶりです葉山先輩!」

 もう芹沢という苗字なのはわかりきっているが、それ以外に呼び方を見つけられない慎吾はいつもルミを旧姓で呼んでいた。ルミも、慎吾とそこまで親交が深いわけでもなかったのでそれを許容していた。
 学生時代は髪を茶色くしていたりして結構今時な女生徒で、どうしてこの人とヤマト先輩が付き合ってるんだろうと慎吾は不思議に思ったものだが、性格的な相性も傍から見ていてとてもよかったし、今こうして和服を着こなしているルミは、制服、というより洋服を着ているよりずっと似合っているように見えた。

「何ででしょうね。遠くなったように思ってんのかな、俺も」
「多分水城もだよ。野島ってばんばんメディア露出するんだもん。あいつと飲んでるといっつもぼやいてるよ、慎吾が会いにきてくれないー、って」
「ええっ、マジすか!? 俺の方こそ行きづらいのに……」
「あんた有名人なんだからさ。来週うちに来るみたいだから、来てみたら? 怒りながら喜ぶよ、多分。会ったら多分すっきりすると思う。思ったより変わってないから」

 そう、流風は月に一度くらいの頻度でここを訪れているという。知っていて足を運べないのは、怖いからだ。流風が変わっているのを見るのが。自分が変わったと思われるのが。

「はは、……じゃあ、都合ついたらお邪魔するかもしれません。何せ代表チームのコーチに決まっちゃって。断然流風先輩優先なんですけどね、心だけは」
「変わったねー、水城が自分を必要としていると思ったら突っ走ってたのに」
「これくらいには大人になったってことっスかね。葉山先輩こそ、高校の時はあんなギャルっぽかったのに今や家元夫人、でもぱっと見極道の妻なんてすごいですよ」
「……野島ってさー、ほんとに先輩にいじめられんの好きだよねー……。もしかしてドM? あいつと相性いいんじゃない?」
「ちょ、何物騒なこと言ってんスか、手ぇバキバキ言わさないでくださいよ怖いですって!!」

 ルミとの距離も、成人してから少し近づいた気がする。
 流風がいなくても、自分はそれなりに誰かとコミュニケーションを取れるのだ、と思い知った。結婚がその最たるもので、流風しか見えていなかった自分がものすごく、遠く感じられた。自分はあの頃の自分とは違うのだと、息子に彼と同じ名前をつけたのは、勝手に贖罪がしたかったのではないだろうか。だから、そっくりに育ってしまったのではないだろうか。遠い流風に責められている気がして、何となく、居た堪れなかった。
 椿は、大和がとても好きな花だ。聞かされはしなかったが、夏祭りで出会った時のルミは大体椿柄の浴衣を着て、椿の簪を挿していた。そんな、自分が一番好きな花の名をつけた娘は、第三者から見ても、しっかり両親の血を継いで、物怖じしない凛とした子に育っている。
 なら、自分は。ルカは。

「会いなって。好きでしょ、水城のこと。子供に同じ名前つけちゃうくらいにさ」
「………言われなくても周知のことですよ、未だに大好きです」
「けどちょーっとブランクあったからね。埋めなおしなよ。ぎくしゃくしてる水城と野島なんて見てて気持ち悪いよー?」
「わかってますよー……。……葉山先輩がヤマト先輩と違ってサシで話せる人でよかったっスよ」
「まあねー。あれと一緒にされたらあたし人間辞めるっきゃないわ……。あれでも結構丸くなったと思うんだけど」 

 あれだけ反発しあっていた大和とルミだったのに、今こうして穏やかに苦笑できる程度には、みんな大人になったということか。
 ならば、流風も変わって当然だ。自分もそうなのだから。同じくらい変わっていれば、全体的にはあまり変わっていないことにならないだろうか。
 全部、会ってみなければわからない。

「……っし、はい。来ます。来週絶対来ますから、流風先輩には内緒にしといてくださいね。サプライズゲストってことで」
「了解。言っとくよ、あの性悪に」
「ヤマト先輩に言ったら言いふらされるっていうかマスコミとかにあらぬことリークしそうですよ」
「あはは、確かに?」

 もう夜が迫っていた。
 ひとつお辞儀をして、じゃあまた来週に、とお互いに告げ、慎吾は門に背を向けた。
 少しだけ怖いけれど、やっぱり楽しみだ。それだけ自分は流風が好きだった、とても。
 まずは家に帰って、彼によく似た顔で仏頂面を作る我が子の顔でも拝もうか。
 万年反抗期のせいかどうせ拒絶されるだろうけれど、それでも、進む足は速かった。





大和はルミと結婚するのを諦めてて、「結婚するかー」とか冗談めかして言いつつも心のうちではどうせ無理だけどの反語つき、みたいな。
でもって自分の誕生日に別れ話切り出すんだけどルミさんにキレられて珍しくビビってみたりして。
でもって一番偉い人のとこに直談判行きそうです。
「この人、多分あたしじゃなきゃダメなんだと思うんですよね!! 行動の能率7割は落ちますよ!? 家のこと思うならあたしを芹沢の嫁にしてやってください!」
とか言いそうです。そんな啖呵切ったら逆に気に入られそうです。
そんなこんなだから微妙に大和はルミに頭上がんなかったらいいな。
黒いのとか厳しいのとかおいお前人間やめろよなオーラは健在でも。
風哉くんの家みたいに大和の家もすごい家だから、結婚式は和でもって豪華。けど疲れる。
でもって翌日の早朝から大和がルミ引っ張り起こしてアイマスクさせて、すっごい郊外の小さい教会で、世話になったからってドレスプレゼントとかだとうわあキザいなあと思う。
「ウエディングドレスは乙女の永遠の憧れなんだろ? 乙女かどうかは怪しいけどな」
とか大真面目に言います。
「神前式と教会で式と両方やって神様的にはどうなのかしら……」
「黙って喜ぶとかできねぇのかよお前」
という会話が欲しいところです。


慎吾は流風となんか連絡取りにくそうです。アドレスとかも知ってるけどイマイチ勇気出ない感じ。
流風としては、慎吾が結構メディア露出してて近づきにくいのと、千咲さんに自分がよく思われてないの知ってるから家にも行けないみたいな。
流風なしで仲良くできてる大和と慎吾を最近書こうと思って挫折しまくってる気がします。


千咲さんとルミはたまに一緒にお茶とか行きそうです。同い年だし。
慎吾の前で見せない笑顔を見せて欲しい。たまたま見かけてショック受けて欲しい。

「千咲さんはどうせ俺のことなんてただのバスケ馬鹿くらいにしか見えてないんだー……」
「バスケ馬鹿だから付き合ったの忘れたの?」
「うぐ、……うわああああ、千咲さんがいじめるー!! ルカぁあああ、助けてー!!」
「うっわ、近づくなこの馬鹿親父! ノートに馬鹿がうつったらどうすんだよ!」

慎吾はずっと敬語だと思う。
千咲さん今日もマジで綺麗ですねー!!とか、弁当うまかったっス!! とか、いつまでも後輩な感じ。
慎吾が「家内が~」とか言ってるの想像できない、つーか笑う。
けど言うところでは言うんだろうな。根が真面目だから。
高校時代はただの変態だったのに、大人になったら毒が抜けたというか、単なる子煩悩な気が。


リベリオンの慎吾は今後何だか大変になってくる気がするので、穏やかなのでも書いておこうかなあと思って。
寝よう。

スポンサーサイト

2007.08.22(Wed) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

この記事へのトラックバックURL
http://hechima1222.blog88.fc2.com/tb.php/31-316118d8
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
Name
E-Mail
URL
Title

password
管理者にだけ表示を許可
/
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。