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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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どうしても大人になれない


「流風くん?」
「あ、奈央ねーちゃん!」

 下校途中の奈央が、少年、水城 流風の家の前を通りかかったとき、彼はちょうどランドセルの中をがさがさ漁っているところだった。高校生の奈央と小学生の流風がこうしてばったり会うことも珍しい。だから奈央は声をかけてみたのだ。

「ありゃー、鍵置いてきたみたいだ」

 テーブルの上置きっぱなしだなあ、と流風は朝の自分の行動を回想しているようだった。鍵がなくては中に入れない。うーん、と考え込む流風と視線を合わせるようにして奈央が口を開く。

「それじゃあお家帰れないんじゃない? お父さんもお母さんも遅くまで帰ってこないんだよね?」
「んー、前に忘れた時はにーちゃんのとこ行ったんだけど……」

 そう言って流風が向ける視線の先を、奈央も一緒になって見つめる。 
 そこは水城家の隣家、奈央の姉が今もまだ居候しているであろう家がある。中がどうなっているのかはここからではわからない。姉はいつものサイクルでいけば今日は休みのはず。中にいるのかもしれないが、家の主がいるかもしれないのだから迂闊に訪ねて行くことはもちろんできない。
 流風はあの家の主と仲が良かった。鍵があってもなくても頻繁に訪ねていただろう。この非常事態ではどうするのだろうか。

「行かないの? お兄さんのとこ」
「にーちゃんのとこ、紗央ねーちゃんいる」
「……そうだね」

 この子も知っているんだ。奈央は鞄の握り手をきゅっと握って、流風の次の言葉を促す。

「会った? お姉ちゃんに」
「会った! お腹空いた! って飛び込んだら紗央ねーちゃんがいて俺びっくりしたけど、おいしい夕ご飯作ってくれた!」
「そうなんだ」

 姉はどうやらいつまでたっても姉のままのようだった。交番へわざわざ様子を見に行けば、強がる姉のことだから追い返されるに違いない。奈央の耳に入る姉の情報は、理央から伝えられるものばかりだったから、こうしてちゃんと姉が生活していることを聞き入れられると安心する。料理をして振舞って、それが姉の幸せだ。

「けど、とっとと帰れ、って追い出された。まあそれはいつものことなんだけどさ」
「……そっか」
「紗央ねーちゃんいるようになって、いつもよりずっと喋るし喧嘩するしでにーちゃん変なんだよなー。何でだろ、ご飯美味しいと元気出んのかな。俺にーちゃんのホットケーキとか案外好きなのに」 
「…………」

 一度抑えたはずの感情がぶり返しそうになる。憎いと思う。子供の口から零れる嘘偽りのない言葉だからこそ信憑性があるし、その様子は、何となく思い浮かんでしまう。
 料理をすることが好きで、振舞うのが好きで、そういう姉をまだ騙し続けているに違いないんだ。
 理央や空が言うから、もう無理なことはしようと思わない。でも、何かあるならすぐにでも飛び込む覚悟はある。戻ってきた姉が、奈央に心配をかけまいと無理をして倒れたって、それでも奈央は構わなかった。すべてを知っていても、泣いて寄り添うつもりだ。ごめんね、お姉ちゃんの気持ち分からなくてごめんね、でもあたしお姉ちゃんがいなきゃ寂しいよ。そう言えば姉はきっと、しょうがないわね、と妹の奈央を甘やかしてくれるはずだ。それでよかったのだ。
 唇を痛いほどに噛み締めたところで、流風がまた「だからちょっとにーちゃんとこには行きづらいんだ」と言葉を続けた。それが、奈央をふと現実へ呼び戻す。それから流風は、でも、と続けてにこりと笑顔を作る。

「いいんだ、にーちゃんも紗央ねーちゃんも、なんかすげえ楽しそうだし!」

 それだけの理由じゃ、あたしは納得できない。
 奈央はそう思う。二人とも楽しそうだったとしても。ケレスが紗央に対して本気であったにしてもそうでなかったにしても、それだけでは奈央は納得しきれない。

「……流風くん、お隣のお兄さんとすごく仲良しだよね。うちのお姉ちゃんに取られちゃったみたいで寂しくなったりしない?」

 この子もそう思ったことはあるはずだ。そう思って奈央が問いかけると、流風はまた少し悩んで、にーちゃんにはぜってー内緒な、と人差し指を口に当てて言う。

「最初はそう思った。もう俺と遊んでくんないのかなー、って。ねーちゃん後から来たのにずるいなー、って思ってた。けどさ、」
「けど?」
「そーゆーの、俺が思っても変わんないなって。俺、なんでもいちばんじゃなきゃ嫌なんだけどさ、こればっかはにーちゃんが決めることじゃん。俺といるよりねーちゃんといる方が楽しいんだろうな、って見ててわかるし。それに今もちゃんと遊んでくれるし。二人とも一緒に構ってくれるから、前より楽しくなったかも」

 黒い髪を揺らして、胸を張って笑う少年が、奈央には自分より大人に見えた。
 この子は十個も年が違う。独占欲や嫉妬心も、もっともっとあるはずなのに。ひとつしか年の離れていないはずの自分がどうして抜け出せないのか。
 そう、と返答してから何も喋ろうとしない奈央を不思議に思ってか、大きな瞳で流風が奈央の表情をのぞき見る。

「奈央ねーちゃんは? にーちゃんに紗央ねーちゃん取られたみたい?」

 みたい、じゃなくて、取られた。
 あの自信に溢れた表情を思い出すだけで腹が立つ。

「………あたしはお姉ちゃんのいちばんじゃ、なかったのかなぁ……」

 俯いてぽつりと呟いた言葉、その音量の低さでは流風が反応できるはずもなく、きょとんと首を傾げたまま、何か言った? と聞き返してくる。 
 奈央は顔を上げた。まだ不思議そうにこちらを見る少年の小さな手を握って、ふわりと自然に笑みを零す。

「流風くん、カッコイイね」

 少年の問いかけには答えられない。こんなの恥ずかしすぎる。

「うん、よく言われる!」

 この流風の返答は、子供ながらのものだったのか、それとも空気を読んでのことだったのか。どちらにしても、この子はきっと将来素敵な男性になるんだろうな、と奈央は思ったのだった。






理央に言われるより、空に言われるより、ケレスさんにガツンと怒られるより、紗央に直に言われるより、6つ7つ年下の子供に言われる方が効くんじゃないかな! と思ってみた。
そして流風、もともとお前はケレスさんの一番ではない。(大前提)
時期は付き合ってる報告された後ですな、やっぱり。

この後流風は奈央に連れられて空の家行きます。慎吾は部活で遅い、みのりもいない、奈央と二人っきりだぜどうしよう!! という空の出鼻を挫こうかと。
リビングと部屋をきれいにして、インターホン鳴って飛び出たら流風もいる。
「コブ付きかよ……!!」と悔しがる空さん。
でも空のことなんで奈央と一緒に流風構ってくれるはず。
「じゃあUNOやろうぜ! やっぱベーシックなのが一番だろ!」とか言って。人生ゲームとかな。
瀬川さんちはそういうゲーム多そう。
慎吾が先に帰ってきて参戦し、みのりが帰ってきて、「流風くんって将来有望なアイドルになるよね絶対っ」と騒ぎます。なんやかやで楽しそうです。
流風を使うとみのりとまで接点ができました。意外とご近所の世界は狭いです。
ホットケーキ好き! って言うと奈央とか空も振舞ってくれるけど、流風が一番好きなのはケレスさんの雑なホットケーキ、というのはお約束すぎて捨てられない設定です。


書くことがない。
書きすぎた。
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2009.03.19(Thu) | ご近所物語 | cm(0) | tb(0) |

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