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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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プリムラ・シンフォニア    2/2

「そういえば、あたしがここにいるのに驚かないのね」
「あ、まあ、学校で大体話は聞いてたので」
「ふうん、あれらと仲良いんだ」
「不可抗力で」
「どれと付き合ってるの?」
「芹沢大和って言ってわかります?」
「ああ、あのおぼっちゃんね、わかるわかる。そっか、まあ大事なものは一際大切にしそうよね」

 部屋に戻ってきてすぐ、赤いカーペットに腰を下ろして、そんな話をした。彼女は大和の顔を頭の中で思い描いているようで、ちゃんと正解が浮かんだのか何度かうんうんと頷いている。
 コートを脱いだ彼女は半袖の黒いタートルのニット姿で、それもまた腕の白さを一層際立たせている。なんだこの人、あたしを怒らせたいのだろうか。
 
「あたしは鈴城紗央。好きなように呼んで」
「葉山ルミです」
「あ、……あいつらと同い年ってことはもしかしてあたしより年上?」
「えーっと、まあ、一応そうなるかもしれないです。でもでも、呼び捨てとかタメ口とか全然構わないですし、それ以前にあたしが紗央さんのこと年下って思えないっていうか!!」
「そ、そう? だったらありがたいんだけど」

 彼女、紗央さんは本当にあたしより年下らしい。全然見えないけど。すごく大人っぽいけど!!
 社会人してるのも影響してるのかもしれない。少なくともあたしより二つ三つくらいは大人に見える。顔立ちはもちろん関係しているとして。
 紗央さんの強気な口調は性格そのままだろう。多分呼び捨てる関係が一番性に合っているはずだ。あたしは一般人で小心者なので格上の方相手に呼び捨てなんて、例え相手が年下であろうと無理です滅相もない。
 紗央さんがあたしに紅茶の入ったカップを渡してくれる。紅茶の銘柄なんてあたしにはよくわかんないけど、きっといいものなんだろう。あの男が用意したのかと思うとちょっといらっとするけど!
 目の前にいる紗央さんが盛り付けられたタルトにフォークを入れているのを見て、じゃああたしも、とお皿を持ち上げたはいいけど、……どう考えても何かおかしい。

「……ええっと、紗央さん?」
「なーに?」

 皿から顔を上げずに紗央さんは返事をする。それをおかしいと思ってないんだろうかこの人は。

「それは流石に小麦粉とか砂糖とかチーズとかその他諸々を製造している農家の方々をはじめいろんな人が嘆きそうな食べ方だと思うんですが」
「精一杯敬意を示してるのよ。美味しいから」

 あっさり言った!!
 紗央さんは綺麗にカットされたタルトのピースをわざわざぐちゃぐちゃに崩すようにして、半分近くボロボロになった状態のを食べている。一口食べるごとに「うーん……」と唸る姿はちょっとあたしには理解しがたい。料理好きの血が騒いでるのか、対抗意識か。

「憎しみ一杯込めて荒らしてるようにしか見えないんですけど」
「憎しみはほとんどないわよ、お菓子に罪はないもの」

 いやまあ、確かに、あの男がどうしてここまでできるのかっていうのはあたしの女としてのプライドだったりいろんなものを崩してくれてるけど、でも申し訳なくてそんな食べ方できない。
 食べたら分量とか大体分かっちゃうんだろうか。料理好きな人ってそうなのかな。
 そうだ、この人この家で料理してるんだ。ぱっとさっきの歯ブラシの映像を思い出す。あんな風に置いといたら大和なら絶対寝惚けてあたしの使う、間違いなく。

「あの」

 大体把握したのか、それとも怒りが収まってきたのか黙々とタルトを食べていた紗央さんに声を掛けると、皿の上のものをすべて口に入れてから顔を上げてあたしを見る。それから「何?」と言いたそうに首を傾げた。

「ここ、住んでるんですよね。一緒に」
「うん? そうね、住んでる」

 またあっさりした反応だ。まあ、殴ったり殴られたりでかなり大きい山場潜ってるからこうもあっさりなるのだろうか。あたしも大和に関してはこれでもかってほどあっさりしてるつもりなんだけど。

「さっき歯ブラシ並んでるの見て、あたしと大和よりよっぽど進んでるんじゃないかって思っちゃって。似合うなあって」
「すすんでる?」
「……えー、と」

 あれ? 説明がないから言葉が通じない? え、まさかジェネレーションギャップ?

「付き合ってるんですよね、ケレスと」
「一応?」

 何故疑問形。ケレスって面倒事嫌いそうだから、こういうちょっと面倒そうなタイプの女性を無理矢理付き合わせるなんてことはないだろうし。そしたら何故疑問形。しかも一応。

「殴ったのに花貰ったりしませんでした?」
「あったわね。びっくりした」

 そりゃあそうでしょうよ、でかい男が五人集まって悩んで出した解決策なんだから。あたしもちょっとは関わったし。えっと、この人はもしかするとあたしが想像しているよりずっと鈍い人? 

「……もしかして紗央さんって、同居とか同棲とかじゃなくて居候?」
「どれでも当てはまるんじゃない?」

 ああ、やっぱり言った。絶対この人、「その言葉って厳密にどう違うわけ?」って眉間に皺寄せて聞いてくるタイプだ。「付き合ってください!」「どこに?」ってやり取りをこれまでの人生で二回くらい経験してそう。
 これは確かに。

「…………あいつらが本気で悩むわけだわ……」

 あたしでもため息が出そう。大の男が五人、肩寄せ合って何を話しているのかと思えばケレスの彼女がどーたらこーたらで、シーマスもとっかえひっかえ女と付き合ってる割にいいアドバイスできないなんて使えないの、と思ったりしていた、実は。ごめんシーマス、絶対口には出さないけどそこだけ謝っておく。この人の鈍感は筋金入りだ。
 紗央さんが「何か言った?」と問うてくるのはお約束で、何でもないです、と笑顔で答えておく。
 あたしはこの人とケレスの間に何があったのか知らない。付き合い始めたという話だけを聞いていたから、何かしらあったんだろうと思うし、紗央さんにも一応付き合ってるという前提はあるみたいだから、とにかく何かはあったんだろう。そのレベルが低いのか高いのかはわかんないけど、付き合ってるって思わせてるだけで十分なのかも。

「紗央さんって、この家でいつも何して過ごしてるんですか?」

 とまあ、普段を聞き出すにはこんな感じだろうか。紗央さんはカップから口を離すとそれをトレーに置き、うーん、と悩みながらベッドの上の枕を手に取るとぎゅうっと抱きしめた。

「帰ってきたらご飯作って、一緒に食べて、ソファーでテレビ見たり」
「あー……」

 あー、だ。なんていうか、あたしにはそうとしか言えない。
 悪いけどあたしには男の気持ちはわからない。わからない、けど、恋人という肩書きがあるのに横でくつろいでる美人さんに手を出せないというのは、いっくらこの人が超のつく鈍感だったとしてもきっついだろう。なるほど、生殺しという言葉をなんとなく理解した気がする。
 結婚するまで一切手は出しません、と誠実なのか何なのか宣言してくれてる大和でさえ無駄にくっつきたがる時間帯だ。それをやったらこの人はまたケレスをグーで殴るのだろうか。鈍感って程度にもよるけどこれは行き過ぎなんじゃ? ほんの少しだけケレスに同情してあげようと思う。

「あたし思うんですけど」

 うん、と紗央さんが続きを促してくれる。
 あたしは紅茶で口の中を潤してから、思い切って考えを述べてみることにした。

「なんて言ってケレスが紗央さんに付き合おうって言ったのかはわかんないんですけど、でも、ケレスはいろんなの飛び越して『家族』になりたかったわけじゃないと思うんです」
「家族?」
「だって紗央さんの話聞いてると、恋人っていうよりもう家族だなって」

 そう思う。付き合うという言葉から飛躍して結婚、そこから家族という考えに至るのは間違ってないのかもしれない。純粋だとも思う。でも、二十歳の男にそんな論理の飛躍を汲み取る力などあるものか。大和みたいなのは特殊だとしても、それでもこっちの意図を汲み取るのに長けているというわけではない。我を通したいだけだ。
 紗央さんは神妙な顔をして枕を一層強く抱きしめた。

「祭りは準備が一番楽しいって言うでしょう? 遠足とか旅行も、何持っていこう何して遊ぼう、って考えてるうちが一番楽しくないですか? 前段階って結構大切だと思うんですよ、『家族』の前段階も、多分楽しいですよ」

 あたしはそう思う。いずれあたしと大和は紙切れ一枚で変わってしまうのかもしれない。でも今楽しい時間があれば、あたしたちの本質はいつも変わらないんじゃないかと思える。

「……いずれそうなるなら同じじゃないの?」

 紗央さんは少しだけ不貞腐れたような顔をした。自分のしていることを咎められたように感じたのだろうか。

「恋人って、家族より遠くて、家族より分かり合えなくて、でも家族より近づきたいし分かってあげたい。親友相手より自分を晒せなくて、素直になれなくて、でも親友より自分を晒してみたいし素直でありたい。それでいて一番自分を甘やかしてくれるし、甘やかしてあげたい。そういう相手。ね、ここ踏まないと家族にはなれないでしょう?」
「芹沢大和はルミにとってそういう人、な訳?」
「まああたしとアレはちょっと付き合い長すぎるから半分家族みたいなものなんですけど。でも、うん、そうですね、あたしを一番甘やかしてくれるのも、あたしが一番甘やかしてやりたいと思うのも芹沢大和とゆー男です」

 まさかコレ盗聴とかされてないわよね、ドアの向こうにF5が集結してるとかいうお約束もないわよね!? あったらあたしマジで男共ぶん殴る。
 うーん、と紗央さんが唸って、今度は打って変わって不安そうな表情。

「甘やかしてやりたいから、……キスも?」
「は? ああ、なんていうか、うーん……」

 小学生かこの人は……!! この鈍感さを可愛いと思えるかどうかはストイックに悦が入るかどうかの分かれ目でもある気がする。これはどう答えたものか。

「隣に座ってるだけじゃわかんないことたくさんあるから、物足りないんじゃないですか?」
「でも別にしたって何がわかるわけでもない気がするし」
「分かりますよ、向こうがどんだけ本気なのかとか、どんだけあたしのこと好きなのかとか、えっと、……紗央さーん?」

 紗央さんは特別びっくりしたような顔をしてあたしを見ていた。
 いやもうアレの場合事情が事情だから特殊なんだろうけど。最早そんな話は恥ずかしくないです、シーマスが地味かつピンポイントに貶すあたしの特徴を奴が肯定するinカフェテリアの方が余程恥ずかしいんです。

「目とか、見てれば多分分かると思うんですけど。遊びか本気かなんて。……ていうかですね、」

 これ以上びっくりさせるようなことを言うつもりはない。これではケレスがほんの少し可哀想だから軌道修正に加わってあげようと思っているだけ。あたしばっかりこうして喋ってたらいつか大和の愚痴が始まるから自制の意味も兼ねて最後に。

「あの五人が集まってて目移りしない時点で紗央さんしっかりしてるんですよ! 普通の子だったら黄色い声上げてます!」

 やっぱりまだ驚いた顔をしている、っていうか分かってないんじゃないのかな。やっぱり自分がとびきりの美人だと観点も普通じゃないってこと?
 紗央さんがふっつーの女の子ならあの五人が揃ってるところに同席している時点で黄色い声上げてきゃぴきゃぴしてるはずなのだ、多分。一緒に住んでるからかもしれないけど、紗央さんはちゃんとケレスのこと見れてるんだと思う。他にシーマスや響や鳥尾、それに大和が入ってきても、紗央さんがちゃんとピントを合わせるのはケレスなんだ。鈍感かもしれない、でも他に目移りしないってことはその人を見ていたいと思うからで、実に不本意だけどあたしと同じだ。

「それに! 自分晒してなかったらあのでっかい図体したケレスが素で紗央さんみたいな女性にぶん殴られるわけないんですよ! あんな無様な痣残るわけないです!」
「う、」

 それにはちょっと詰まってしまうものがあったらしい。何よりそのことに気付くべきなんだと思う。
 自分を晒してくれてる人が一応まだちゃんと待っててくれてること、家族なんてまだ望んでないんだってこと、それは紗央さんがちゃんと意思表示しないと向こうに伝わるわけがない。大和みたいに、馬鹿かと思うほど言葉を使えっていうんじゃないけど、最低限はやっぱり欲しいと思う。
 ……ていうか、直球ストレートで告白したらこのタイプは一発で理解してくれると思うんだけど、未だにこうってことは、ケレスもツメ甘いんじゃなかろうか。けどそれはあたしが心配することじゃなくて本人らがどうにか動いてくれるだろう。

「だから、家族としか思えないし思うつもりもないなら早く別れないと。ケレスはどうでもいいとして、じゃないと紗央さんが可哀想だと思うので」

 こうして見ると紗央さんってやっぱりあたしより年下なのかも。
 小さくなって、うん、ともっと小さい声で呟いた紗央さんの声を聞いて、これでちょっとは良くなるといいなあ、と思った。






これ大和聞いてたら嬉しいだろうな、と思います。大和と長いこと一緒にいたらあんな台詞くらいルミは全然恥ずかしくないと思うんだ。


ということで、恋人同士がどういうことをするとかしないとかいうことよりも、紗央の根本を叩いてみる形にしてみました。どういうことするとか聞いてもこの紗央は「へえ」とか「ふーん」で全部済ませそう。自分の話じゃないとわかんないと思う。
ルミはいろんな面でシーマスさんとケレスさんに謝った方がいいと思う。
で、紗央に直接いろんな話聞いて、「ケレスって外人なのに我慢強いんだ……」とかなり感心してればいいと思います。ルミはよき理解者になれると思いました! 紗央のじゃなくてケレスさんの。(笑)


ルミは恐ろしいくらい一本気だな、と思いました。大和よりルミの方が気持ちが強いんじゃないかと思った。ルミは空といい友達になれるんじゃないだろうか。ダメなとこもどうしようもないところも全部ひっくるめて好きだと思ってるこいつらは太平洋並に心が広い。
大和って結局ルミが頑張ってくれてるのに甘えてるだけなんだろうな。事情は複雑だし家も好きだし花も好きだから家を捨てる気は少しもない、普通は庶民のルミの方が不安で仕方ないのに大和って寄りかかってるだけなんだなあ。そりゃ愛想尽かされるって。自分がそれだけ頑張って今までの関係築いてきたのに線引かれたらそりゃあ怒るって。


紗央さん視点はこの次で。深夜テンションと勢いに乗ってとんでもないものができそうです。
ここまでルミに言われても好きだとか自覚しないのは、やっぱりケレスさんは本気じゃないってどっかで思ってるからですね。ご近所の紗央は超絶鈍感でも「お前が好きだ」ってストレートに言われて分からないような耳の聞こえない人ではない。そりゃそうか。


よし、がんばるぞー。
これF5が聞いてたらそれはそれで楽しいのに! とちょっと思った。大和はからかわれないと思います。寧ろ鼻が高い。
「無様な痣」とかそこだけ聞こえて笑い転げてたらいいのにとか思いました。頑張ります。


すいません書き忘れてました。
ラブシャッフル最終回、オーちゃんとカイリの空港キスシーンはなんとなくなのに無性にシーマスさんと
椿にやってほしいと思いました。何あれデラ萌えるんですけど……!!!!
どうして谷原はあんなに変態ぽく見えるのか、というか変態役に(私の)定評があります。(笑)


お題提供→Fortune Fate

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2009.03.21(Sat) | ご近所物語 | cm(0) | tb(0) |

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