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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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花風薫る



 空が一面橙色に染まる夕暮れに、ひとりで川辺まで散歩に行って、辺りが藍色に包まれる頃自宅に戻ると、小さな木の家は激しい橙色に包まれていた。
 ――夕陽が落っこちてきたみたいだ。
 呆然としながら流風はそう思った。天に向かって燃え盛る橙色、それがおさまるまで流風はただじっと待つことしかできなかった。どこを探してもいない父親と母親、その二人はきっとまだ中にいるのだろう。それでも動くことなどできなかった。炎が木造の家を食らい尽くすところを、ただじっと、膝を抱えて見ていることしかできない。夜中と夜明けの時間帯の寒さも手伝ってか、明け方には火はほとんど納まっていた。ありがたくも既に火葬まで済んだ両親を見つけたのはそれからだ。流風には両親以外の身寄りがない。家も頼れる人間も全てを失った。それが、四年前のこと。
 身寄りもなく幼い流風が生きていける手段を簡単に見つけられるはずもなく、行き場所も無いままやがて栄養失調、免疫の無い体が病に侵されるのは早かった。何度も吐血を繰り返し、枯れ枝のようになった少年の遺体が川辺で発見されたのは、流風の家が炎に見舞われてからおよそ一年経った頃のことだった。







「ああもうっ、こんなのわかんないよう!!」
「紅茶でも飲んで落ち着かれたらどうですか、奈央お嬢様」
「けど夜には先生がお見えになるんだから、それまでにやらないと……」

 困り果てた表情でテーブルに齧りついていた少女に、流風は背中から優しく声を掛ける。少女の目の前に入れたての紅茶のカップを置けば、少女はひとまずカップに口をつけて落ち着いたようだった。
 テーブルの上には教科書とノート。良家の一人娘である少女――奈央は学校には通っていない。毎日家庭教師が来るのだ。今日もその課題に追われているのだろう。

「流風くん、わかる?」
「すみません、俺には少し難しすぎます。お役に立てず申し訳ございません」
「流風くん賢いからきっと教科書読めばわかるよ! この前の天文学とか物理学も教科書読んで教えてくれたし、数学もできるっ」
「え、そんな、あれはたまたまで」
「そんなことないよ、先生も褒めてくれたから流風くんは賢いの」

 肩より少し長めの栗色の髪を揺らして、奈央が微笑む。差し出すその手には数学の教科書が。困惑しながらも流風はそれを手に取ってぱらぱらと眺める。元々本を読むことは嫌いではないのだが、流風の時間は三年前に止まってしまったのだ。生前も学校に通っていたわけではないし、知識には自信が無い。至らないながらも奈央に勉強を教えたりはするが、本来ならば立場は逆であろうし、逆ということさえ普通は適わないのかもしれない。自分のような身分の低い人間が令嬢である奈央に勉強を教えるなど恐れ多いことだ。

「本当はお世話なんてさせたくないんだよ、お友達になってほしいのに」
「いえ、拾ってくださったお嬢様と対等な関係など望みません。お嬢様のためにお嬢様のお側におります、盾となるのが俺の役目です」

 一通り読み終えてぱたんと本を閉じれば、奈央は困ったような笑顔で「そんなことしてくれなくていいのに」と呟いた。
 けれど、それが奈央と契約を交わした流風の存在意義だ。奈央を守る、奈央のために働く、あとはほんの少しだけ、自分の望みを叶えたい、それだけ。誰かが父と母を殺した、その犯人に盛大に復讐してやりたい。後ろ暗い目的だったが、死んだ後も行き場がなく川辺に留まっていた流風を見つけた奈央は、それでもいいと言ってくれたのだ。勝てば自分の望みを叶えることのできるゲームがある、古くから伝わってはいるけれど最早伝説めいていて、プレイヤーと駒がすべて揃わなければ開始されることもない。

『戦いに負ければあなたの魂は消えてしまう。天国でお父さんお母さんに会うこともできなくなっちゃう』

 雨の夜だった。馬車を止め、屋敷に帰らせて、奈央は増水する川をどこか虚ろな瞳で眺めてそう言った。

『早くお父さんお母さんに会いたいなら、天国に行った方がいいよ。あたしが道、教えてあげるから』

 真っ白な傘を叩く大粒の雨。霊体である自分にはその水滴の大きさも冷たさも何の関係もない。
 奈央が首にかかるロザリオを右の手で軽く握り、離してから手を開くと、ひらりと手のひらから白い蝶が舞いだした。蝶がひらりひらりと雨の中を舞った軌跡が白い靄のようになって残る。辿れば着くよ、と奈央は付け加えた。

『……けど、死んだら何もできない、父さんと母さんを殺した奴が死んで地獄に行ったかどうかなんて俺にはわかんないし、そいつが死ぬまでの人生幸せに暮らしてたら父さんも母さんも悔しいと思う。痛みを味わえるのは生きてる間だけだ、そいつが生きてる間に俺はそいつに痛みを教えてやりたい……!! 消えたって構わない、死んで天国に行くのも消えちまうのも結局生きてないことは一緒なんだ、なら俺は、できる限りのことをして自分を終えたい』
『……そっか』

 奈央のその一言で蝶が消えた。

『いつ始まるかわからない。明日かもしれない、五十年後かもしれない、その頃はあたしもうおばあちゃんだね。でもいつか必ず揃う、揃えば必ずゲームは始まる。それまであたしと一緒に待ってみる? あなたの望みを叶えるお手伝いをさせて欲しいの』

 何故奈央がこんなにも自分に親切にしてくれるのか、流風にはわかりかねた。奈央はどう見てもお嬢様だ。もしかしたらこの近くの屋敷の娘なのかもしれない。奈央の言葉から嘘っぽさはまるで感じられなかった。本当に、心から言っているのだということがわかる。

『俺なんかで、いいのか? 俺なんか、こんな細いし、学も無いし、身分も低い』




「あたしは流風くんだからお手伝いしてあげたいんだよ」




 諭すようなその声で流風は我に返った。あの雨の日を思い返せばキリがない。
 契約を交わしてからの流風は、執事として常に奈央の側にいるようになった。流風との契約は奈央には何のメリットもないはずだ、その恩恵をタダで流風だけが受けるというのは割に合わない。こうして側に仕えていてもまだ足りないような気さえするのだ。

「……ありがとうございます、お嬢様」
「いいえ。それで、数学大丈夫そうかな?」
「善処させていただきます」
「流風くん教え方上手だから助かるんだぁ」

 薄く開けた窓から風が入り込んで、奈央の栗色の髪と桃色のリボンを揺らす。
 ふわりと香る花の匂いに流風は目を細めた。






奈央と流風。
ここまで書いておいても奈央が何したいんだかよくわかんないので、狭めていって自分の首を絞めようと思います。(笑)


奈央と大和のやり取りとかも書きたいです。この世界は奈央と大和も仲良くなれそうにない。
ご令嬢相手に跪いて手の甲にキスする王子様とかな。身分身分ww
それ見て流風がイライラしながらちょっと構えたりすればいい。でもって大和にからかわれる。
「弱ぇとお嬢様ひとり守んのも必死だな? 鏡見てみろよ、無様だぜ?」
「王子、私の流風くんを馬鹿にしないでいただけます? 貴方のような剣を振り回すしか能のない大男、流風くんの実力と機転があれば一発です」
ふっかけんなww ハードル上がるww
大和相手だと奈央の口調は黒モードになりそうですね。そういうのも好きです。
奈央の持ってる力が流風の技を倍にする効果とかなら、不意をついて魔法攻撃かければ怯ませるくらいはいけそうだけどな。
あと、キリがないから回復系ってナシの方がいいよねとかちょっと思った。
ホイミベホイミケアルケアルラ、と。
最初金色の蝶にしようと思ってたんですが、「いやいやベアトリーチェじゃないだろ」と思い、白にした。


まったく、人殺しちゃダメじゃないか紗央ー。(何)
そんな風に育てた覚えはないよ? 君警官だったじゃない他の世界じゃ。
叡一くんと紗央の出会いも楽しそうだ。奈央と流風よりは断然ギャグ寄りだろうし。
大和のシーンも書きたいのは山々なんだけど、どうしてもカードキャプターさくらの1話を思い出してしまって「節子それ悪魔ちゃう! ケロちゃんや!!」な事態になってます。
ケロちゃん完全体の声は小野坂、と。風哉くんの声はケロちゃんよりもうちょっと軽くお願いします、と。
叡一くんと紗央とかは点呼どんに丸投げしたいと思ってます。その方がいいものができそうです。私はネタ出しに勤しむよ! 供給だけは惜しまないよ!(笑)


もう11時半かー。お風呂入らないと。
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2009.04.16(Thu) | 聖櫃戦争 | cm(0) | tb(0) |

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