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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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またつづき、ていうか回想



 芹沢 大和が自我を取り戻すことができないのは、自らに全責任があると感じているからなのだろう。
 あの日彼女は家にいて、ちょうど昼食を取った後の幼い椿を寝かしつけ、自分も一息入れているところで我がままな夫から連絡が入った。大和の我がままに振り回されることには慣れっこの彼女は、仕方ないわね、と椿を家政婦に任せて腰を上げる。そうして大和がいる場所へと車で急いだ。
 芹沢家の運転手が法を逸脱する運転をするはずがなく、たまたま大きなトラックがそこを通りかかり、たまたまその運転手が長距離の運転で疲れていたためか寝不足だったのだろう、居眠り運転をしていた。大通りでたまたまぶつかった。大和はルミを呼び出しただけだ。誰も事故が起こるなどとは考えていない。
 それでも、この事故を大和の引き起こしたことだと感じる者も多いのだろうことは、流風もわかっている。誰よりも大和自身がそう感じているのだ。昔からの自分の我がままで、ついに最愛の妻を喪ってしまった。椿から母親を奪ってしまった。幼い頃に母を亡くしている大和だから、幼くして母を失うことの辛さは一番わかっている。その引き金を自分で引いてしまった。その悲しみと絶望は、流風が樹理の母を失ったのとはまた違う種類の悲しみなのだろう。
 事故の連絡を聞いたその瞬間から、大和は茫然自失としてなかなか言葉を発さなくなった。彼女の葬儀も、喪主として語ることはひとつもなかった。実質葬儀を運営したのは彼女の実家と、大和の兄夫婦である。


 葬儀は雨の日だった。


 華やかに笑う彼女の遺影を抱きかかえたまま、大和は雨の中を立ち尽くしていた。
 まだ幼い樹理の手を引き、黒い傘をさしながら、流風はそれを眺めていることしかできない。

「よう、嬢ちゃん」
「……この度は、」
「んな挨拶聞きたくて声かけたんじゃねぇんだよ、こっちは」

 聞き飽きた、と欠伸を噛み殺しながら彼――桜井 拓海は言う。
 実質的な喪主としてあいさつ回りをしたのは彼である。元は芹沢家の長男としてある程度の常識と帝王学を叩き込まれた拓海をこの場に擁立したのは、他でもない芹沢サイドだった。大和があのような状態にあってはまともな葬儀など期待できない。しかし現当主夫人の葬儀である。彼女の実家にすべて任せるわけにもいかず、家としての体裁を保つためやむなくという話らしい。

「嬢ちゃんは、何だ、学者さんだって聞いたけど」
「まあ一応。今はいち教師ですけどね」
「で? 国飛び出して海渡ってガキ連れて帰ってきた、と」
「八つ当たりなら余所でやってもらえますか? 子供のいる前でする話じゃないでしょう」
「いや」

 ばたばたと大粒の雨が傘を叩く。

「椿を引き取っちゃくれねぇかと思ってな」

 拓海の声はいやに通っていた。激しい雨の中でも、すっと耳に入る声。それは大和の声によく似ている。

「……どうして俺が。第一ヤマトがいる」
「あれが今ガキ育てられるように見えんのか?」
「でも俺ができるわけない。どっちかって言ったら親戚だし年齢も貴方の方が適任でしょう。紗央さんが母親代わりになってやればいい。同い年の娘もいるんだ、家柄だってそっちの方がずっといいんだし」
「俺より、信頼おける人間が預かる方が奴も安心すんだろ。ついでに言えば、うちはガキ二人育てんので手一杯なんでな。出来も悪い、家も狭い。お嬢様ひとり養える環境じゃねぇよ」
「それはうちだって、」

 傘の柄をぐっと握って反論しようとしたが、拓海にびしりと指を突き付けられて一瞬怯んでしまう。拓海はにやりと口角を上げて、いやな笑みを作った。

「調べないで打診するわきゃないだろ? お前さんの年収、これまでのキャリア、そんでこれからのステップ、住居、芹沢の元長男舐めんなよ?」
「厄介払いするのに昔の権力振りかざしたんですか」

 これでは椿が可哀想だ。芹沢の後継ぎになるかもしれない一人娘を芹沢に置いておけないという事態。引き取ることを桜井家が拒否するのなら、このままだと椿はいずれ盥回しになるかもしれない。それだけは避けてやりたい。でも。
 きゅっと樹理の手を握れば、ペリドットの瞳が不思議そうに流風を見上げる。
 今まで、この手を引いて生きていくので精一杯だったのだ。雨風に晒され、片手で傘を持ち、片手で樹理の手を握る。樹理が辛くならないように傘を差してきたのに、この手で傘を手放してまた別の子供の手を引いていくことなどできるのだろうか。子供を育てることだって、自分の子供相手にも手探りなのに。

「……どうして、俺なんですか。……樹理に母親を教えてやることもできない俺が、手探りで生きていくのが精一杯の俺が、他の誰かを育てるなんてできると思ってます? 本気で」
「他の誰かじゃなく、椿はお前の娘になる。他人じゃねぇよ」
「それでも他人だ」
「正直、今一番椿を愛してやれるのはお前しかいない」
「無責任なこと言うな、一応あんたヤマトの兄貴だろ!?」
「だが、他人だ」

 あー、とやる気の無い声を出しながら、拓海は内ポケットから煙草の箱を取り出した。雨の中、煙草の先に点けられた火が煙を作り出す。

「向こうの実家でもいいだろう、別に。だが、父親が健在なのに椿だけを押し付ければ向こうには蟠りができる。ガキが知らなくてもいいことを椿が飲み込むかもしれない。芹沢に置いとくんだってそうだ、どこにいたって椿は十分愛されない。どちらにも同情できるのはお前さんだけだろう、なあ、嬢ちゃん」

 大和が自分を失ってしまうことにもある程度共感はできる。その上で、椿を可愛がってやることもできる。確かにそういう人材はこの近くでは自分しかいないのかもしれない。けれど自分では足りないことも多すぎる。金銭的な面などの問題ではなく、もっと根本的なところから、自分にこんな役目は無理ではないかと思うのだ。

「……でも、母親は教えてやれない」
「それはあのバカがああなってなくとも同じことだ。椿の母親は、」

 ふう、と煙を吐き出して、拓海は目を伏せた。

「死んじまったんだから」

 彼女が焼かれて生まれた煙が、雨の中曇り空に昇った。





銀河鉄道の夜を見た時に思った、本当の幸いが云々というフレーズが好きで。
タイトルは「ほんとうのさいわい」にしたけどラストがどうなるのかわかりません。
しかしこういうちょっと後ろ向きだけど誰かが頑張るストーリーは好きなので書いてて楽しいです。
珍しくタっくんが出張るっていうのも。

タっくんはああいう性格だけど、やっぱり家を飛び出したことにある程度負い目はあるんだと思います。大和が普通に家を継ぐだけなら楽でいられたかもしれない。まあ未来話ではかなり奔放な人だと思います、タっくん。
でもルミがいなくなって、大和がああなったらどんな人だって責任を感じずにはいられないと思います。大和の弱さはタっくんが作ったみたいなもんだし、まあタっくんなら「だから何だってんだよ」とか思ってそうですが、椿には一切罪がないので、椿だけはどうにかしてあげたいなという気持ちがあるんだと思います。多分、芹沢のおうちは椿は芹沢が引き取るって話をしてたんだろうけど、椿のためにタっくんが反旗翻したんだと思ってます。次期当主がどうやって育てられるか一番知っているから、少しでも普通の環境で、誰かの愛情を受けて育って欲しいと思ってくれたのではないだろうか。
頑張ってるんですがあれですね、中井ボイスにはなれない気がします。中井ボイスのパパってのをなかなか見ないからなんでしょうが。あれ、明日のよいちか何かでやってたかな……。

一番椿を愛してあげられる人が流風だったから、流風に話が来た。流風は根性だけはあるので頑張れると思います。実質主役は流風ですな。大和と椿に焦点当てるつもりだったけど。
風哉くんとかは噂を聞いて京都でほくそ笑んでそうだと思います。
これが空だったら奈央が死んでもひとりで頑張るんだろうなあ。いいシングルファザーになりそうだな、空は。

皆既日食見がてら屋久島に行きたいなあとか思ってます。
ツアーもいいなあと思ったんだけど、見れない場合を考慮するとリスクが高すぎる。まだ学生だし。
でも次は2035年だか2036年。ちと遠い。
誰か都合よく屋久島行きたい人いないかなあ。今ならまだ旅割で安くあがりそうなんだけど。
鹿児島まで飛行機、そこからフェリーとかいいなあ。鹿児島まで新幹線っていうのもいいなと思ってる。

タっくんをもうちょっと近づけるように頑張ります。
ダメだなあ、中井ボイスの似合う男はやっぱり刀を持たせなきゃダメなんだ……。
タっくんが真紘の剣道の練習付き合ってたりしたら相当これは良さそうなんですが。(笑)

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2009.05.29(Fri) | ほんとうのさいわい | cm(0) | tb(0) |

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