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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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きみをひとりにはしないから



 どうしてつばきをつれていかなかった……!!




 一ヶ月に一度は必ず、この夢を見る。
 こころをなくす前の、父様の最後の叫び。こころからの叫び。
 父様にとって、私は生きていくのに邪魔なのだろう。私もあの事故で母様と一緒に死んでしまえれば、父様はもう少し楽だったかもしれない。






「あら」

 ドアを開けて、最初に気付いてくれたのは紗央おばさま。紗央おばさまは、父様のお兄様の奥様で、私にとっては義理の伯母さまだ。小さな喫茶店を従妹の奈央おばさまと営んでいらして、料理の腕はお二人とも天下一品。私はまだ小学生だけれど、調理実習も苦手だからお二人にはいつかいろいろ教えていただきたいなと思っていたりする。

「椿ちゃん! 珍しいね、いらっしゃい」

 奥から奈央おばさまが出てくる。私ひとりで来ることなんて無いから、驚いた顔をしている。ぺこりとお辞儀をすると、カウンター席に案内してくれた。お店はあまり広くない。奥に一組、女の人が二人組みでケーキを食べながらお茶をしている。それくらい。

「学校終わったんだ」
「はい、先ほど一度家へ帰りました」
「そっか。樹理くん中学生になって時間合わなくなっちゃったもんね」

 奈央おばさまがそう言う。当たっているから、私は苦笑した。
 去年までなら樹理さんが大体家にいてくれたけれど、中学生とでは時間が合わない。私は家に帰ってもしばらくひとりになってしまう。宿題をしたり本を読んだり、することがないわけではないけれど、広い部屋にひとりというのはやっぱり、どこか寂しいから。

「ここにだったらいつ来てくれてもいいから。好きなだけ食べて行って」
「そんな、私そんなつもりでは、」

 私はただ、寂しいから誰かに一緒にいて欲しいだけで。甘いものが目的だと思われたらそれも少し寂しい。けれど紗央おばさんがカウンターの向こうで首を振る。

「いいのよ。こっちだって余っちゃうのは困るし、流風が来た時割増で請求するんだから」
「それはおじさまのご迷惑になってしまいます」
「あんたの父親なんだから、それくらいしたって当然でしょ?」



 どうしてつばきをつれていかなかった



 と叫んだ父様の声が甦る。あれ以来聞いていない父様の声。毎日聞いているのは優しいおじさまの声で、私が何を考えていて、どう思っていて、今どんな気持ちなのか、気付いてくれようとしている人。大好きな人。
 私のおとうさんって、誰なんだろう。
 ふいにそんな疑問が生まれて黙り込むと、奈央さんがふわりと優しく笑って私の肩に手を乗せてくれた。

「それよりも、椿ちゃんは紗央ちゃんの可愛い姪っ子だもん。心配しないで」
「そうよ、姪っ子に何ご馳走しようといいじゃない。ご好意ってやつ」

 そう言って紗央おばさまは私の前にパイの乗ったお皿を出した。おばさまの作るレモンパイは大好きだ。
 今紅茶淹れるね、と奈央おばさまもまた奥へ戻っていく。フォークを刺して、一口頬張ったパイの甘酸っぱさは、なんだか今の私の気持ちと似ている気がした。





「なんだよ椿。どこ行ってたんだ?」

 マンションに戻ると、樹理さんが帰宅していた。普段私は帰宅してからあまり出歩かないから、樹理さんも不思議だったのだろう。

「紗央おばさまと奈央おばさまの喫茶店にお邪魔していました。お土産まで頂いてしまって」

 紗央おばさまと奈央おばさまは、余っちゃったから、とパイやタルトをケーキボックスにつめてくれた。色とりどりのケーキは見ていて飽きないけれど、こんなに食べきれるかわからない。おじさまも樹理さんも、男性にしては小食だと思う。それを告げると、あたしのケーキが食べられないなんて流風が言うわけないじゃない、と紗央おばさまは自信満々で言い、樹理だって育ち盛りなんだし賢いんだから糖分取らないと、とも付け加えていた。

「まあ、美味しいから食べられると思うけど。取りあえず今晩のデザートには困らないな」
「ええ」

 出かけるのに肩にかけていた小さなバッグをリビングの椅子にかけ、ケーキボックスを冷蔵庫に入れるためキッチンへ向かう。ケーキボックスは小さいとはいい難いから、ちゃんと仕舞えるかどうか心配だったけれど、ちょうどいいスペースが確保できそうだった。ボックスを仕舞って、冷蔵庫の扉を閉めると、夕飯どうする? と樹理さんが問いかける。

「夕飯?」
「あれ、お父さんからメール来ただろ? 今日遅くなるんだって」

 急いで鞄から携帯を取り出してみてみると、確かにメールの着信があった。マナーモードもサイレントにしてあるし、喫茶店でながなが話してしまっていたから気付かなかったのだと思う。

「冷蔵庫、何かあった?」
「私に聞いて何かわかるとでも?」
「使えねぇ奴」

 樹理さんが冷蔵庫を確認して、ああ何もないな、とぼやいた。子供が料理をするのに使いやすい食材は確かに見当たらなかったかもしれない。

「じゃ、何か適当に見繕ってくるから」

 樹理さんは自分の通学鞄から財布を取り出すとズボンのポケットに無造作に仕舞う。留守番よろしく、とその足は玄関へと向かっていく。ああ、ダメだ。これじゃあ何の意味も無い。またひとりになってしまう。
 


 わたしもつれていって



「……一緒に行っては迷惑ですか?」

 靴を履く樹理さんの目の前に立って、勇気を振り絞ってそう言うと、

「ちゃんと献立考えるの貢献しろよ」

 と返された。

「ば、バッグ取ってきます!」
「なんだよ、来るつもりなら始めから持ってこいよな」

 くるりと方向転換してリビングに戻る。小さなピンクのバッグから白いつるつるの携帯電話を取り出す。
 マナーモードのサイレントは解除して、樹理さんの待つ玄関へと急いだ。






この話の流風って明るい。
「お前犯罪者に見えるんだって」と誰かに言わせたらこの子目に見えて落ち込みそうです。
「人んちの子供引き取って育ててやってこんだけ愛情注いだ結果が犯罪者呼ばわりって……」と落ち込みます。なんかギャグっぽい流風は珍しいので好きです。このストーリーの流風は前向きで強いからかなり好きな部類かもしれない。


で、ルミのテーマソングは天野月子の「菩提樹」で決まりだろマジで。「銀猫」でもいい。
大和は、ルミだけ失うくらいなら椿も一緒に死んで欲しかったと思う。それなら全部割り切って自分も死ねると思ってそう。椿がいるから大和は絶対死ねない。でもルミがいないから生きてもいけない。
その成れの果てがこうです。どっちがよかったのかな。
椿はひとりきりになることに敏感だといいな。学校では孤立してそうなイメージがありますが。
流風は本当の親じゃないから、わかってあげようっていう気持ちが誰よりも強い。わかってあげようって気持ちと、わかってほしいって椿の気持ちが同じくらいだからちゃんと親子で成り立ってそうです。そいでジェラってしまうのが樹理。何にやきもちやいたらいいのかわからないのが樹理。


いつか流風に「母様のことを教えてください」とか言うんだろうな。流風のことだから懇切丁寧に教えるんだろうな。ていうか椿だけじゃなくて、流風の部屋のダブルベッドに樹理と椿呼んで、流風真ん中で子供が両脇で寝ながら思い出話したりしてくれると楽しい。
そいで樹理とかに、「お父さんだってお母さんと死に別れてさ、それでもこうしてるって、そんなに好きじゃないってこと?」とかマセガキの中学生樹理に聞かれたりする。
流風は確かに樹理とかローラさんとか支えに生きてたけど、軸が別のところにあったからどうしても生きて日本に戻らなきゃいけなかったんです。そうじゃなきゃ帰国して子供育てるとか流風なんかには無理無理。
親子考えるの楽しいなあ! でもご近所も書きたい!


もひとつ。
流風は本当は椿を帰してあげたくて仕方ない。自分が忙しくてちゃんと見てあげられてないって思ってるのもあるし、やっぱり本当の親の近くにいた方がいいと思ってる。
でも今の大和に椿を帰したらどうなるかわかんないから守ってあげてるだけ。と思ったけどもっと後になってから帰す方が危ないんじゃww この子母親似よ!
まあでも、大和は雰囲気似てるだけの人を気にしたりしないからな。その人じゃなきゃ意味が無い。
大和の欲しい言葉をいつもくれるのがルミ。大和はそれだけは分かってて、ルミからたくさん貰いすぎててどう返したらいいのかわかんなくて、だからモノをあげる。大和はストレートな言葉とモノでしかいっぱいな気持ちを表現できないことをルミも分かってるから、大和がくれるものを拒んだりしない。
設定だけなら大好物なんだがうまくいかない。どっかの少女漫画でこういうのいないかな!

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2009.06.17(Wed) | ほんとうのさいわい | cm(0) | tb(0) |

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