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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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序章はこんな感じで。


「エンジさんは今日も出かけてんのかー……」

 母さんも今日は珍しくふらりと出かけたらしい。父さんは今月一杯日本代表の監督として強化合宿に参加中。エンジさんも出かけてるみたいだから、午後はどうやら俺一人らしい。
 午前中は学校で練習があった。月末に試合が控えてる。一応レギュラーなんだし頑張らないといけない。とは言ってもバスケって家で練習できるようなもんじゃないし、あんまり真面目に勉強する気にもならないし、俺はリビングのソファーに座ってテレビの電源を入れた。
 つまらないバラエティ番組の再放送を見ながらゆっくりしていると、次第に眠気に襲われる。どうせすることもないし、俺はその眠気に身を委ねることにした。



 叩きつける雨の音で目を覚ます。携帯の画面で時間を確認すると4時半を回っていた。
 夕立かー、と思いながら一応ベランダを覗いてみたら洗濯物が干したままだったので、欠伸を噛み殺しながら取り込んだ。母さんも雨が降るとは思ってなかったらしい。まあ、予報でも言ってなかったからな。
 全部取り込み終えて、暇なのでつけてあったテレビを眺めながら畳んでいく。家事手伝うことなんてあんまりないからたまにやると楽しい気がした。
 畳んだ出来によし、と納得して、今度は何をしようかとソファに再び腰掛けたとき、携帯が音楽と一緒に振動した。見てみると、エンジさんからのメールだった。俺が午前中だけ練習って知ってるから母さんじゃなく俺にメールしたんだと思う。

『これから帰るんだけど、雨に降られたからタオル2枚用意してもらえる?』

 2枚?
 その数を少し不思議に思いながらも了解のメールを返す。
 母さんと途中で出くわして一緒に帰ってくるのかもな、なんて思いながら洗面所に向かう。フェイスタオルとバスタオルとどっちがいいだろう。音で雨の勢いを確認して、これは結構酷く濡れてそうだな、と思う。白いバスタオルを2枚棚から下ろした。
 インターホンが鳴ったのはそれから10分も経たなかった。うちのマンションは1階にロビーがあって、住んでいる人以外は基本的にそのロックを抜けられない。来客は24時間体制のフロントで部屋に連絡をしてもらわないと2階より上にいけないようになっている。今鳴ったインターホンは玄関からのだから、ここに住んでいる人が鳴らしたもの。玄関のドアには鍵がかかってるからやっぱり鳴らしたのはエンジさんかはたまた母さんかどっちか。多分前者だ。
 鍵を開けてドアを押し開く。やっぱりエンジさんだった。

「おかえりなさい。はいタオル」
「ただいま、ルカ。ありがとうな」

 そう言ってエンジさんはタオルを2枚受け取ると玄関に入って、後ろにいた人も一緒に玄関に入れる。……あれ? 母さんじゃない。
 エンジさんの背中に隠れるようにしていたのは、女の人だった。少し背は高め。エンジさんのジャケットを雨避けに被っていて、だからエンジさんはその女の人よりずっと濡れていた。 

「すみません、炎而様。お借りしてしまって」
「いいよ。それよりほら、拭かないと風邪引く」

 ジャケットをエンジさんに返すと、その人の顔が見える。
 長い黒髪は緩く波打っていて、大きくて黒い瞳に長い睫毛。結構可愛い、っていうか、大和撫子って言うんだろうか、こういうの。それと、特徴的な口調。
 あの人だ。噂の、あの人。
 エンジさんは自分の髪を拭くのもほどほどに、その人の髪を軽く拭くのを手伝っていた。
 こうしてるとまるっきりあれです、恋人同士。
 エンジさんはバレーしてるだけあって背も高くてカッコいい。この女の人も、背高めだしすごく大人っぽくて釣り合っているように見える。

「あ、ルカは会うの初めてだよな」

 エンジさんがこっちを向いて初めて気づいたらしく言った。
 俺は慌てて頷く。

「椿も、ルカに会うの初めてだよな?」

 その人も頷いた。
 何か人に紹介されるのも気恥ずかしい。その前にここは玄関だ。
 スリッパを2足出して、まずはリビングに案内した。



「えっと、俺、野島流風です! えっとえっと、い、いつもエンジさんがお世話になってます!!」
「なんだよそれ」

 俺だって何言ってんだかよくわかんない。だってこんなの緊張するじゃないか。
 綺麗な人だし、すごい大人っぽいし、何喋ったらいいかなんてわかんない。
 俺がテンパってんの見てエンジさんは笑っていた。女の人も軽く笑いながら俺に頭を下げる。

「芹沢 椿です。炎而様もですけれど、ルカ、というのも少し変わったお名前ですわね、野島先輩」
「あ、うん、何か父親が絶対コレって言ってつけたらしいです。流れる風でルカ、って、………あれ?」

 何か今の会話すごく違和感なかったか?
 俺じゃなくて。俺変なこと言ってないし。いや全部変っちゃ変だけど。
 この人、今、センパイとか、言わなかった?

「あー、そっか。そりゃ先輩だよな。学校一緒だし」
「ええ。ついでと言っては何ですが、中学も同じでしたわ」
「ああ、そうなんだ?」

 エンジさんは納得ー、みたいな顔で笑ってるし。
 この人、えっと、椿さんも、そうなんですよー、みたいな感じで笑ってるし。
 あれ、何それ。

「ちょ、ちょちょっ、待ってくださいよ!! ……年下ッ!?」
「うん、椿は俺の2つ下だからルカの1個下」
「中学の時から有名な方でしたから、会うのは初めてでも私はよく存じ上げておりました」
 
 な、何それすげえ恥ずかしいんだけど!!!!
 エンジさんと同い年かと思って普通に敬語使ってたし!!
 この人とエンジさん、学校じゃすっごい有名だけど、俺そこまで気にして話聞いたことなかったし、だからいくつかなんて知らないし!!
 
「中学の頃とはまた違いますわね。中学の頃はもっと冷静で落ち着き払ったイメージが強かったものですから」
「ちょ、何っ、そんなんじゃないですって!」
「へー、ルカ中学の時そうだったんだ?」
「え、だからあのっ、」

 ひ、否定しないけど別にそれはカッコつけてたとかそんなんじゃなくて、今でも学校じゃこうだしっ、俺別にカッコつけしぃじゃないぞ!? 違うんだって!

「俺の前とか家じゃルカはいつもこうだけど?」
「ではこちらが素の先輩なんでしょうね。お父様によく似てらっしゃいますわ」
「え、うちの父さん知ってるんですか!?」

 あー、何ていうかもう、敬語絶対抜けないや。
 俺絶対敵わない気がするし。

「たまに屋敷に遊びに来ますわ。うちの父にやり込められるのが得意みたいですわね」
「いや、コーチに敵う奴なんてそうそういないって」
「炎而様のお父様くらいでしょうね」
「親父だって勝ってはいないと思うけどなあ」

 そういうことらしい。父さんは椿さんのお父さんと知り合いで、エンジさんのお父さんと同い年で。じゃあ間接的には知ってるってことなんだな。俺全然面識ないけど。父さんは多分会ったことあるんだろう。 
 それにしても、エンジさんと椿さんはそうやって笑い合っているのとか、すごく似合う。
 もう付き合って2年くらいになるんだろうか。いや、付き合ってるって直接聞いたわけじゃないけど、すごいそういう噂飛び交ってるし、エンジさんも椿さんも別に否定してないらしいし、それじゃあ恋人同士ってこと?
 俺にくらいそういうこと話してくれてたっていいと思うのになー……。そう思うとこの状況は結構複雑だ。お似合いだと思うし、エンジさん取られるから嫌とかそんなんじゃなくて。

「……2人って、どうして付き合い始めたんですか?」

 なので、思い切ったことを聞いてみた。
 我ながら、これは後でエンジさん単独に聞くんだったと思う。
 ちょっとばかり緊張しながら返答を待っていると、エンジさんと椿さんは顔を見合わせて笑い始めた。

「だぁから、付き合ってないって!!」
「私は一向に構いませんけれど、そんなことを言っては炎而様に失礼ですわ」
「だ、だって学校でだってそう言われて否定してないじゃないですか!」
「否定するの面倒なくらい大勢に言われてるんだから嫌になるのも仕方ないだろ?」
「それに、否定もしていませんが肯定もしていませんもの」

 な、何ていう屁理屈……!!
 これには流石の俺も閉口してしまうけれど、ツキ高生徒を代表して言わせて貰おうと思う。

「これだけお似合いで、炎而様に椿な関係で、下校いつも一緒で、休日こうやって一緒に出かけて、ここまで揃って恋人以外のどんな言葉で納得しろっつーんですか!」
「学校の後輩」
「学校の先輩、でしょうか?」
「部活も委員会も違うのにそんなん言い訳になりますか!」
「あー、それじゃああれだ、父親の高校時代の先輩の娘さん」
「なら私は父の高校時代の後輩の息子さん、ですわね」
「そんなん俺と椿さんだって一緒でしょうが!!」

 もしかしてエンジさんってものすごい常識はずれなのかも……?
 今時婚姻届出してなくても実質夫婦なら権利認められたりするし、事実婚って奴? 何かそんなようなもんだと思うのに。
 俺からすれば今のエンジさんはボケ倒してるようにしか見えない。それとも俺がおかしいのか? 普通だと思うんだけど俺!! いっつもツッコミばっかしてるくせに、こういう時だけボケに回るのはすっげー卑怯だ!

「本当にそんなんじゃないんだって。信じろよ」
「べ、別に信じてないわけじゃないですよ! ただ、何か、不思議だなって思ってただけで」
「関係には名前がないと不安ですものね。そうですわね、……友達以上恋人未満、なんていうのがぴったりかと」
「う、……そういうベタで曖昧なとこ出しますか……」

 椿さんは悪気一切無いみたいな笑顔でそんなことを言ってのける。エンジさんもなんか否定しないし! 否定も肯定もしないのはこの2人のすっっごい悪いとこだと思う。ご想像にお任せしまーす、みたいな。俺がガキすぎんのかな。この人たちは、そうじゃないんだろうか。この人たちは、俺と違う感覚で、生きてる気がする。



 椿さんがエンジさんの部屋を見たいと言った。エンジさんの部屋は綺麗だから見られても平気だろう。エンジさんが快諾して、俺も誘われたけど流石に一緒に行く気にはならなかったので辞退しておいた。友達以上恋人未満、なんて言われても、結局は男女なわけで、俺から見たらすごいお似合いの2人だから俺みたいなのが間に入っちゃやっぱり不味い気がした。
 どうせそろそろ母さんも帰ってくるだろうな、と思いながらリビングのソファーでまたテレビを見る。がちゃりと玄関のドアが開く音がしたのは、それからすぐだった。

「おかえり。洗濯物入れといた」
「ありがとう」

 母さんは傘をさしていた。買ったもののようには見えないから、どこかで借りてきたんだろう。

「エンジ君帰ってきてるのね」

 靴を見て、母さんが言う。

「うん。芹沢 椿さんって言う、俺の1個下の女の子と一緒」
「でしょうね。椿ちゃん家にいなかったから」
「……え、何それ。母さん椿さん知ってんの?」

 リビングに向かいながら俺がそう問いかけると、あんたこそ知らなかったの、みたいな顔をされる。そ、そう言われると俺がすごい鈍感みたいじゃないか!

「椿ちゃんの家行ってきたんだから。お母さんと仲いいのよ、私」
「そ、そんなの知らないって!」
「ほんと無関心ね、流風」

 ということは傘はそこで借りたんだ。
 見てないならテレビ消しなさい、と言われて素直に従う。暇だったからつけてただけだし。
 母さんと向かい合うように座って、俺がテーブルにだれていると母さんが笑った。

「何よ、複雑そうな顔して」
「ん、……んー……、エンジさんと椿さんって、トモダチ以上コイビト未満なんだって」
「ただの先輩後輩でもないでしょうからね」
「そんなのってアリなのかなと思って、さ……。俺がガキなだけなのかなぁ」
「そうよ」

 あっさり母さんが切るので俺は軽くずっこけてしまう。そんな簡単に切らなくても!

「んなあっさり言うなよ! 俺だって多少はいろんなこと考えてる!」
「深春と幼馴染脱却できないくせに?」
「ハルはそんなんじゃないっ! な、なんだよいきなりハルとか持ち出して!!」

 本当にハルはそんなんじゃない! 幼馴染だしほっとけないくらい抜けてるけど本当にそんなんじゃない! 高校生の息子相手にそういうの持ち出すなよ、非行に走るぞ!!

「羨ましいの? エンジ君が」
「え、いや、そーゆーんじゃ、ないと思う」

 まだ俺は部活とかの方が好きだし、他の子、って言ってもハルが放っておけなさすぎてそんな余裕ないし。でも何か複雑だ。どうしてだろう。

「なら、嫉妬かもね。椿ちゃんに」
「………は!? な、何で俺がっ、椿さんに!!」
「エンジ君、ずっとあんたの兄貴役やってくれてたから。お兄ちゃん取られて寂しいんでしょ」

 そう改めて第三者に言われると、何か、否定しきれないかも。
 エンジさんはずっと俺の兄貴みたいなのをやってくれてて、勉強も教えてくれるし、面倒見だっていいし。妹がいるから慣れてると言われて、俺はずっと素直に甘えてきた。俺は一人っ子だからそれは嬉しかったし、ずっと楽しかったし。だからこの状況、自分で思ってる以上に、意識してないところで俺自身、複雑に感じてるのかもしれない。
 
「……図星?」
「るさいっ! そんなんじゃねぇよ!!」
「あんたほんっとーに父親似なんだから。隠し事下手すぎ」
「似てない!! ああもう、いろいろ余計なんだよ母さんは!!」
 
 ちょっと余計なこと言わないで黙っててくれればこの上なくいい母親だと思うんだけど。
 父さんと比べればずっと母さんの方がいいとは思うけど、でも単体でこうして話し合っていると、ちょくちょく嫌なオーラが出ていたりする。これもこれで複雑だ。

「あ、部屋にいるのよね、エンジ君と椿ちゃん」
「うん、そうだけど」
「ちゃんとドア開いてる? 何かあったら慎吾死ぬかもしれないから」
「は? ドアで何かって、……………っ、母さん!!! ふざけんな怒るぞ!?」
「もう怒ってるじゃない。ま、エンジ君はそんな短絡的な子じゃないと思うし、万一慎吾が死んだとしても他殺なら保険金下りることだし」

 こんなことをさらりと笑顔で言えてしまう母さんは、今俺が知る限りでは最強の人間だ。こんな家に三年間も住まわせて本当にエンジさんには申し訳ないんだけど今はできるだけ早く部屋を出てきて爽やかに笑って欲しいと思う。
 じゃなきゃ俺が居たたまれない、マジで。
 困った時に頼りになるテレビをつけて、別に面白くないニュース番組を眺めながら、早くエンジさんたち出て来ないかなあ、なんてぼんやり待つのだった。




けど多分ルカはカッコつけしぃなんだと思います。(笑)
素で父親そっくりなのにクールとか有り得ないし。
で、椿にはやっぱりずっと敬語です。
エンジ君に「直せば?」とか言われても、「いえ、もう絶対直りませんから」とか断言してそう。
千咲さんくらいしか対等に話せないと思う、芹沢さんちの人間とは。


文化祭書くぞー、みんな学祭ガンバレ!(棒読み)


あ、ちなみにドア開いてないと云々なんてのは、実際のところ結構シリアスな会話とかしてそうな気がします。
ルカのこともわかってやれよ椿ー、お前自分のことでいっぱいすぎて周り見えてなさすぎだろう。
ルカだって父親に懐けなくて結構真剣に悩んでたりするんだゾ!(何) 椿にとっては小さすぎる悩みなのかもしれんが。
そう思うと、生徒会メンバーの子供でちゃんと育ってるのって至貴くんと嵩皓ちゃんのとこだけな気がするよ。問題ありすぎだ。(笑)
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2007.11.01(Thu) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

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