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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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ナツオト


 七月十九日。
 俺は瑶子さんと大学の図書館に来ていた。俺が先を歩いているのは単に偶然で、俺が誘ったわけではもちろんない。
 試験が近いから図書館で勉強でもしよっか、と突然メールで提案してきたのは彼女の方だ。俺は学校よりも自分の部屋で勉強する方が捗るからあまり気乗りはしなかったが、二つも年上の相手からの誘いを無碍に断ることもできず、こうして図書館へと足を運ぶことになってしまった。――今日はこれから買い物に出ようと思っていたのに、仕方ない。帰りに寄れば十分時間はあるだろう。
 図書館の入り口に学生証をスキャンさせて中に入る。彼女よりも先にゲートを潜った俺は学生証を財布に仕舞おうとして、取り落とした。

「あ、理央ちゃん落としたよー」

 それを、後ろに続いた瑶子さんが拾い上げ、写真若いねー、とまじまじと見つめ、はたと何かに気付いたような表情で俺を見ると、突然俺の胸倉を掴んで詰め寄った。

「り、理央ちゃんもしかして明日誕生日なのっ!?」
「はあ、そうですけど。……図書館だから静かにしませんか」
「ええっ、じゃあお祝いしないと!! もう時間ないし!」
「いや、だから勉強しに来たんだし、ここ図書館ですから」
「勉強なんて二の次二の次! 勉強とお誕生日どっちが大事なの!?」
「勉強です」
「却下します! そっかそっか、じゃあどこ」

 行こうか、とでも続けるつもりだったのだろうが、瑶子さんの言葉は図書館の司書からの注意で遮られてしまった。当然だ。
 そして当然の帰結として俺と瑶子さんは図書館を放り出され、仕方なしに空き教室でノートを広げるか、という話になり、適当な校舎に向かって歩を進めていた。とは言っても、彼女は文系学部、俺は理系学部で普段使う校舎がまるで違う。歩く方向も定まらず、相手の出方を窺いながら足を動かすしかない。普段強引なくせにどうしてこういう時率先して歩かないのか、紗央といいこの人といい、強気な女性は読みづらい。
 俺の左隣を歩きながら、鞄を肩にかけ直し、むすっとした表情で彼女は口を開いた。

「理央ちゃんがいけないんだよ、明日誕生日ですって素直に吐かないから」
「そんな恥ずかしい自己申告、二十歳過ぎた男がするわけないでしょう」
「そりゃそうかもしれないけど、あ、そういえば理央ちゃん双子の妹さんいるって言ってなかった? 誕生日同じだよね、プレゼントは!?」

 耳にきんと響く大声で瑶子さんは歩きながら俺に詰め寄る。しかもまくしたてる。
 家族構成だとか得意科目だとか趣味だとか、粗方この人に聞きだされてしまったので奈央の存在も知られている。看護の専門学校に通って、今は総合病院で働いていることも知られてしまっている。実に不本意だ。

「帰りがけに買おうと思ってたんです」
「え、じゃあまだ用意してないんだ!?」
「はあ、まあ、厳密には」
「ええっ、そんなのダメだよ、お兄ちゃんとしてなってない!!」

 今度は俺の前に立ちふさがって胸を張ってみせる。奈央よりもずっと明るい茶髪が揺れる。

「ようし、こうなったら」

 そしてまた嫌な予感がする。次に来る言葉が予想できている気がする。気のせいであってほしいのだが、こういう時に悪い予感というのは的中するものだ。

「プレゼント選びはおねーさんにまっかせなさい!」






 ということで、近くにあるターミナル駅の百貨店まで来た。元々こっちには寄る予定ではあったけれど、この状況は俺が引っ張られているようにしか見えないだろう。

「妹さんとは毎年プレゼント交換してるの?」
「まあ、一応」
「へえ、去年は?」
「財布貰いました」
「理央ちゃんは何あげたの?」
「何だったかな、一緒に出かけた時欲しいって呟いてた、……サンダルだったかな」
「目線が彼氏だねー」

 そう言われることは少なくないのでスルーしておく。買いに行く身としても、『彼女にあげる』という体の方が買いやすいのだ。店員なんかは妹にあげるんだか他の女にあげるんだかわかりゃしないんだから、それなら恋人相手だと思わせておく方がいい。そこまで安いとはいえないものを選んでいるからか、プレゼントで、と指定すると、羨ましいです、と若い店員に言われることもしばしばで。これに慣れていいものかは未だにわからないが。

「料理上手なんだよね、確か」
「よくそんなことまで覚えてますね……。僕そんなことまで喋りました?」
「喋ったよー! 妹が全部やってくれるから僕は標準よりできないですよ、って言ってたもん、覚えてるよ」

 そんなどうでもいいことまで覚えていてくれているとは、頭の容量に余程余裕があるのだろう。ご苦労様、と言ってやりたい感じだ。
 しばらくフロアを歩き回ったけれど、まっかせなさい、と胸を叩いた自称おねーさんは何もひらめかないようで、うーんと唸っている。
 仕方ないのでポケットから携帯を取り出して、昔の写真を引っ張り出す。

「これ」
「何?」
「見たいかなと思って」

 去年、瀬川が奈央と海に遊びに行った時に送りつけてきた写真だ。白いワンピース姿で麦わら帽子をかぶった奈央が、瀬川と一緒に画面に納まっている。多分、瀬川が腕を伸ばして自分で撮影したのだろう。
 別に羨ましかないのに勝ち誇った顔をする瀬川はいやにウザったかったのをよく覚えている。

「わあ、可愛いね。理央ちゃんと並んで歩いたらサマになりそう」
「よしてくださいよ、そいつ彼氏いるんで」

 そっか、こっちの子だね。としばらく瑶子さんは携帯を眺めてから、俺に返す。
 
「なんかふんわりしてるね。双子の妹っていうから、黒髪できっちりしてるような子かと思ったけど、ちょっとタイプ違うみたい」

 それはどちらかと言うと奈央よりも紗央に近いイメージに聞こえる。
 瑶子さんは、よし、と声を上げると、俺の手を取って引っ張った。

「イメージ固まったかも! 行こっ」

 ……この人、やけに楽しそうだな。
 腕を引かれるがまま足を動かして、階段を上がったり下りたり、結局辿り着いたのは照明を並べて売っているフロアだった。照明を販売しているからか、店内は薄暗い。代わりに売り物のランプがここぞとばかりに力を発揮している。瑶子さんは先を歩いて、コーナーの隅へと足を運ぶ。そこには、少し歪な形をした、水晶のようなランプが大小いくつも並んでいた。

「岩塩で作ってるランプなんだよね。水晶みたいでしょ?」

 触ってみると、内側の明かりのせいかふわりと温かい。赤く、あまり強くない光は間接照明にちょうど良さそうだ。
 俺の部屋も奈央の部屋も、そう狭い部屋ではない。加えて奈央は家事を長年やっているからか綺麗好きで、あまりごちゃごちゃと小物は置かない性格をしている。こういうランプがひとつあってもいいかもしれない。

「どうかな、妹さんに」
「せっかくなんで採用させてもらいます」
「わ、ほんとっ? おねーさんに任せてよかったねぇ、理央ちゃん!」

 この人の話だと、自分は末っ子だったからおねーさんやるのに憧れてた、とのことなのだが、俺からしてみれば妹に振り回される感覚にものすごく近い。言えば怒るだろうから言わないでおくし、彼女が言うように、任せてよかった、ということにしておこうと思う。
 S・M・L・LLと大きさがある中から、部屋の広さも考えてMサイズを買ってプレゼント用に包装してもらう。ある程度の大きさの岩塩を使っているから重みもあるが、持ち帰れないほどではない。ランプの入った紙袋を手に、どこかで休憩しようか、と瑶子さんが切り出す。悪くない話だ。目の前にはちょうど評判のケーキを出す喫茶店がある。

「僕もう一つ買うものがあるんで、先に入っててもらえますか」

 店に入ろうとする瑶子さんの背中に声をかけると、きょとんとした瞳が俺を捉える。

「……帰るつもりじゃないでしょうね?」
「まさか。歩き回って疲れてますよ、僕だって。じゃあこのランプ持ってってくださいよ、これあれば逃げないってわかるでしょう」
「う、……いいよ、疑ってるわけじゃないもん」

 確実に疑ってるじゃないか――そんな言葉はやっぱり飲み込んでおく。そもそも重いから置いていこうと思っていたのに、これではこのまま動かねばならないようだ。
 店に入る瑶子さんの背を見送り、彼女が店員に「二人で!!」と強調している姿を確認してから、買い忘れたものを買いにいくことにする。
 階段を上がって、婦人服売り場だ。奈央がよく利用するブランドのショップ。今日新作のワンピースだとかが入荷するということで、二週間前に取り置きを頼んでいたもの。今日引き取って帰ろうと思っていただけで、ここの服をプレゼントしようというのは前々に決めていたことだった。
 珍しい、男の客ということで店員も俺の顔を覚えていたらしい。目的のものはすぐに手に入り、ランプの紙袋と服の入った紙袋両方を手に喫茶店へ戻ると、瑶子さんは入り口に一番近い席で俺が入ってくるのを待っていたらしい。近づくウェイトレスにアイスコーヒーとベイクドチーズケーキのセットを頼み、席に着く。彼女の口が開きかける。どこ行ってたの、と続けられる前に、俺はさっき引き取った紙袋を彼女に差し出した。

「……へ」
「本当はプレゼント用に予約してたんですけど、服なんて単純なものよりいい物買えたんで、お礼です」
「へ!? え!? ちょっ、か、買うもの、決まってたの……?」
「ええ、まあ。厳密には予約してただけなんで、ぎりぎりまで変えられるかなとは思ってましたけど」
「厳密には、ってそういう意味だったのか……!」

 学校で、厳密にはまだ用意できてない、と言った俺の台詞にやっと合点が行った様子で、瑶子さんが吼える。

「……受け取れないよ、だって妹さんへのプレゼントだもん」
「あいつ似たような服腐るほど持ってますから。新作だろうが旧作だろうが大差ないです」
「そう言う問題じゃないし! 服なんて、下手したらランプより高いし!!」
「金額は問題じゃないですよ。おねーさんに任せなさい、って選んだの瑶子さんじゃないですか。気に入らなかったら買ってないですよ、重いし」

 それを言うと、瑶子さんはしゅんと沈んでみせる。犬の耳でも生えてたら垂れ下がってるな、今。
 俺には金額云々はあんまり気にするポイントじゃない。瑶子さんに引っ張られなかったらこれを買うこともなかったろうし、奈央は何でも喜ぶとは思うけれど、服よりこっちの方が喜ぶような気がしたのだ。だから、予約した分が勿体無いし、お礼として渡す分には構わないかなと考えてしまう。

「……理央ちゃん、モテるでしょ」
「は? そんなことないですよ」
「いいや! こんなことさらっとする男がモテないはずないもん!! 理央ちゃんの馬鹿! 鈍感っ!」
「な、何言われてんだかさっぱりなんですけど……」

 瑶子さんの意味不明な叫びは、ウェイトレスが飲み物とケーキを運んできてもまだしばらく続いた。








今日は理央奈央の誕生日。
ってことで、奈央でなく理央メインに据えてみた。せっかくなのでよこたんもつけてみた。
岩塩のランプはネットで眺めてて私が欲しくなった。でも置く場所が無いww


よこたんは、奈央のふんわりした感じも紗央の凛とした感じも両方持ってるといいなと思うので、多分奈央が好きなブランドでも着こなせると思ってる。
よこたんから理央への一方的な片想いとかでも面白いなと思う。付き合ってるのがまだまだ想像できないんだけど、告白は絶対よこたんから、と思っている。大事な人を支えてあげるのも必要なコトだけど、君だって支えられなきゃ倒れちゃうよ理央くん。って言ってほしい。そういうシーンからちゃん付けじゃなくくん付けになったりして。
GLAYの「夏音」が似合う二人だったらちょっとときめくな、と思った。


今日おかんとなんか下らない話をしていて、何故か反射的に「死ね」と口走った私。おかんが「あぁ?」と表情が怒ったので、咄嗟に、「死んでください」と丁寧語で返した私。おかんと妹が大笑いしました。
うちのでぶたんは相変わらず自力でケージに戻れないのでソファーの裏って言うか下で丸くなって寝ていました。かわういなあ。


もう寝る、もう寝るよ私……!!

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2009.07.20(Mon) | Always I Need | cm(0) | tb(0) |

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