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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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ロストエデン



「ケイン? 誰だそいつ」
「今回の御前試合の優勝者です!」
「あー、なるほど。あの金髪な。それなら解る」

 騎士団に何人の人間がいるのかわかってんのかこいつ。名前なんかいちいち覚えているわけがない。戦場に出れば部隊長だろうが雑魚だろうが有能だろうが無能だろうが俺の使う駒でしかない。名前のある駒なんざ使い方が厄介で面倒なだけだ。
 慎吾はこの部屋に来る前、ケインと言う今年の御前試合の優勝者に声をかけられたらしい。金髪の男だ。本のページを捲る手を止めずに、それで? と続きを促す。慎吾も話し相手がいなければ毎日退屈だろう。だだっ広い部屋は今、俺が散らした書き損じの紙や要らなくなった紙などで埋め尽くされている。もちろん自分で片付ける気は無い。慎吾もそれは解っているし、今自分が惨状を目撃しているのに後でメイドに片付けさせるのは忍びないと思ったのか、丸めて放り投げられた紙をひとつずつ拾って片付けながら口を開く。

「そういう本に興味あるみたいでしたよ。そんな感じの迷信、地元で聞かされて育ったとかで」
「そんな脅し文句、どこの地方行ったって腐るほどあんだろ」
「悪魔ってなると敷居高い感じがして。字面も厳ついですし、怖い感じありますよね。まあ、王子様に言っても理解されないとは思いますけど」

 聞かされてはいたが、元々信じてないモンを怖がれって方が無理だ。随分壮大な妄想だな、くらいにしか今でも思っていない。

「敷居なんざねぇのにもっと怖いモンがあんだろ」
「は? 何スか、ドラゴンとか?」
「にんげん」

 最後のページを読み終わり、わざと音を立てて本を閉じてから慎吾を見れば、予想通りの複雑そうな表情。
 真に恐れるべきは人間だということを知っているのは俺よりも慎吾だろう。悪魔だの天使だの神だのなんだのは、結局それを信じている人間が口にすることでしか存在できない。それはもちろん俺がそいつらを見たことが無いからだし、信じてもいないからだ。
 で、空気が悪くなったところで俺がひとつ質問をする。

「つーか、書庫からここまでお前が通るルートで騎士団のメンバーに会うなんておかしくねぇか」
「あ、ハイ。俺もそれ思って聞いたら、城にまだ慣れてないのと、その、騎士団でちょっと浮いてるって」
「っは、よく言うぜ」
「は? 今なんて?」
「別にー?」

 浮いてるだなんてどの口が言うんだか。自分から浮きに行ってんだろう。
 名前なんかは覚える気もなかったが、いつだったか騎士団の部隊長からチクりを受けた。今回の御前試合の優勝者が貴族出のぼっちゃん方とやらかしたらしい、と。俺は貴族の味方でも庶民の味方でもないから、ふーん、で済ませたわけだが、部隊長はじめ貴族連中は俺が貴族の味方だと思ってるからこうしてわざわざ報告にやってくる。甘いなぁ、違うんだっての。奴らは自分達が駒であることを理解しないばかりか、自分達は庶民の上に立つプレイヤーだと考えているらしい。馬鹿を通り越して哀れな奴らだ。それなら、最初から自分が下っ端だと認識している慎吾みたいな奴の方が俺には余程気高く見えるのだ。城を出る慎吾からはそんなオーラが滲み出ていたのかもしれない。やっぱり俺って見る目あるってこった。

「で? 将来有望で同じように浮いてた慎吾サンは、そいつとは仲良くなれそうかよ」
「さあ、どうなんスかね。俺もわかんないっス」
「なんだよ、自分のことだろ?」

 ペンにインクをつけてから紙に走り書きを始める。慎吾は相変わらず、不自由な右足を引きずりながら床のゴミを拾っていた。

「俺あの人より年下ですし」
「ここにいる期間考えりゃお前のが先輩だろうが」
「そう言われたんスけど。……俺はもう騎士じゃない。どんなに頑張ったってもうあそこで戦うことはできない。そう思ったら、あの人相手に、今と同じように素直でいられるのかって、考えちゃいます」
「――意外と強かだな。嫉妬なんて」
「……そうっスね、その言葉が一番しっくりくるかもしれない」

 慎吾がぐしゃりとくず紙を握り締めた。
 俺はそれに気づいてはいるけれど、特別宥める言葉をかけてやったりはしない。慎吾を特別扱いしてはいけない。名前のある駒はこれだから厄介だ。

「今置かれてる境遇が同じだって思うと、自分のもの取られたみたいな錯覚もあるし、どうして俺はここにいてあの人はあそこにいるんだろう、って、多分延々と考えます。あの人の足はきっとこんな風にはならないと思うから、余計に」
「……お前、気付いてるか」

 紙を握ったまま、慎吾がこちらに向き直る。俺はペンを走らせる手を止めて、椅子の背もたれに体重を預ける。
 優しい言葉をかけることは卑怯なことだと慎吾も思うだろう。俺は俺の思ったことを、そのまま口にするだけだ。

「お前は騎士団の人間じゃねぇんだ。……そんなこと、考えるだけでおこがましい。違うか」
「分かってます」

 だからもっと複雑なんです。
 その声色は諦めや悲しさや、いろんな感情が入り混じっていて、聞き流すには少し重過ぎる代物だった。
 ――年下のくせに、人生悟りきったような顔しやがって。
 立場からも経験からも、慎吾は俺よりずっといろいろなことを知っているのかもしれない。だが、それは俺が羨むものではなく、寧ろ、俺は王族の人間として知ってはいけないのだと思う。

「王子の邪魔になるのもアレなんで、失礼させていただきます」
「おう、また何かあったら呼びつける」
「分かりました」

 ドアの前に立って俺に向かって深く一礼する。頭を下げて、上げて、そこで慎吾は思い出したかのように、あ、と声をあげる。

「あのケインって人、戦果上げると思いますよ」

 何かと思えばそんな話か。

「そりゃ楽しみだな」
「手合わせでもしたらどうですか? いい運動になると思いますけど」
「毎日馬に乗って棒振り回してりゃいいってほど暇じゃねぇんだよ、王子様は」
「なるほど。それは余計なお世話でしたね」

 用事はそれだけだったようで、それじゃあ失礼します、と再び深く頭を下げると、慎吾は重い扉を開いて足を引きずりながら退室した。 
 ゴミは全て慎吾が丸めて持っていったのだろう。床に目を落とせばすっかり綺麗になっていた。

「……何つったっけ」

 この礼も兼ねて、話題の新人と手合わせでもしようかと思ったのに、肝心の名前はすっかり頭から抜けていた。





秋臼さんが書いてた奴の続きのつもりで書いてて放置してたのを引っ張り出した。
明らかに書いてた時のこと忘れてるから途中からとんでもないことになってる。


慎吾は大和に腕切り落とされるといいと思う。前々から思ってる。
慎吾はそんなに大和のこと好きじゃないけど、騎士でありたいと思ってるから、どんな性格してても王族のために体を犠牲にする覚悟はあるんだと思う。足が使い物にならなくなったのは騎士としての仕事で仕方なかったことじゃなくて、自分の不甲斐なさから来ることだから今でも後悔の対象なんだと思います。騎士ってそういうもんだよね、という話をリベリオンで書きたい。(笑)
得体の知れない悪魔にだんだん喰われてく王子様とかアニメとか漫画なら絵になりますよね。大和じゃなければ!!(爽) あ、でも土浦だと思ったらかなりときめくぞ私。
大和に腕落とされて、そのまま左腕一本で奈央のお父ちゃんを討ち取るとか、もう城にいないで帰ってほしい。お兄ちゃんおかえりー、ってなるシーンはちょっと見たい。


しかし何だ、この世界の大和は人の名前を覚えられないんだろうか。
そしてリベリオンを書こうとしていた当初の目論見はどこへ行った。

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2009.07.24(Fri) | 聖櫃戦争 | cm(0) | tb(0) |

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