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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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恋する赤い鳥



「はい、三秒以内に起きないとおでこに“ハゲてください”って書くわよ」
「……誰に頼んでんだそれは……」

 煎餅布団の上でタクはごろりと寝そべったまま、眠そうに瞼を持ち上げてあたしを見る。枕をしっかり抱きかかえて、両足で掛け布団を挟みこんでる。
 一応目は覚めたみたいだから良しとして、吹き零れる前に鍋の火を止める。起き上がったような音が聞こえないってことはまだごろごろやってるんだろう。地域の大人がこんなんで本当にいいわけ? よくないわよ、仮にもおまわりさんだっていうなら尚更!

「……つーかお前、まだ七時前じゃねぇか……。行き過ぎた早起きなんて、あー、老けてんなぁお前」
「うるさいわね、高校生が日曜に早起きなんて褒められこそすれ老けてるなんて言われることじゃないわよ!」
「常識外れな時間に訪ねてくるのはボケ始めた婆さんのすることだぞ。ついでに言えば、俺まで老けさせようというのかお前は」
「三十路前のオッサンの方が余程老けてるじゃない!」
「黙れ俺はまだ現役バリバリでぶいぶい言わしてんだよ」
「何その古臭い言い回し!!」

 ていうか、タクは警察官だから日曜が休みってわけじゃない。駐在さんだから変則的な部分はあるのかもしれないけど、それでも仕事のある日にこの体たらくって。誰か徹底的にこの男を管理してくれる心の広い女性はいないのかしら。いたらこの部屋がこんな大惨事になってるわけがないから、考えるだけ無駄ってやつかもしれない。
 そんな会話をしてもまだタクが布団から起き上がる気配はない。流石にタイムリミットだ。朝ごはんはもうできあがりそうだから、ポニーテールにしていた髪を下ろして、それまで使っていたゴムを手首にかけ、スタンバイしてあった油性ペンを手に取ると台所からタクの布団へと再び向かう。顔に影ができて、タクもあたしが近づいたことに気付いたらしい。

「別バージョンとして“肉刺”ってのもあるけどどっちがいい?」
「わかった、起きる。起きるから不定休の公務員にその罰ゲームはやめてくれ」
「定休の公務員には罰ゲームしてもいいってこと? それって自分卑下? それとも持ち上げてるの?」
「人の揚げ足を取るな、ガキが」

 そう言ってタクは起き上がると、あたしに軽く頭突きを食らわせた。地味に痛い。第一揚げ足取らせるようなことしてる方が悪いんじゃない。
 タクが着替えるというので、あたしはそそくさと台所へ戻った。駐在って交番と家がくっついてるようなものだから、ここの他にも部屋はあるんだけどタクの居住スペースは台所と繋がっているこの部屋だけなのだ。他の部屋を何故使わないかって、……汚くするくせに片付けられないからだと思う、多分。だから着替えるっていう時はあたしが逃げるかタクが自分で移動するかどっちかだ。あたしが逃げるのが立場的に正しいんだろうとは思うけど。

「で? 今日は何作ってんだよ」

 それが着替え終了の合図。まだ時間に余裕があるからだろう、ネクタイは緩く締めてあるだけ。制服の白いシャツは、さっきタクが寝ている間にあたしが軽くアイロンをかけておいたものだ。だってよく腕まくりとかするし、自分で洗濯したって干す時ろくにしわ伸ばししないからいつもシャツが皺になっている。そういうのあたしは気になって仕方ない性質なのだから仕方ない。
 居間のちゃぶ台にカリカリに焼いたベーコンと目玉焼き、付け合せに作ったサラダ、オニオンスープを並べ、それから台所に大事に置いておいたバスケットを中央に置く。バスケットには赤いギンガムチェックのマットを被せてある。その端を摘んで、中身を大公開してやった。

「手作りバターロール! たまには洋食ってのもいいでしょ?」
「へー、こんなの手作りできるもんなのか」
「あたしにかかればちょろいもんよ」
「ふーん」

 ふーん、って、今のはちょっと突っ込みどころだと思うんだけど。いつもの調子だからスルーされたのかも? バスケット一杯に入ったバターロールをひとつ手に取ると、何事もなかったかのように味見を始めている。……えっと、これは何か、自分が視界に入れてもらえてないみたいで変に不安になる。
 タクがあたしを横目で見る。静かになったのを不思議に思ってるみたい。

「……なんかコレにヤバいもんでも入れたのか、お前」
「自分の料理を汚すはずないでしょ」
「なら妙な顔してんなよ。こんなん職人しか作れねぇもんだと思ってた。意外とやるな」
「い、」

 ――なんだ、普通に感心してくれてただけだったのか。
 変に不安になった自分が馬鹿みたいだ。……別に、そんな、気にするほど不安だったわけじゃないけど。そもそもそんなに不安なんかじゃなかったわよ、ぴったり当てはまる言葉があんまり思いつかなかっただけで!

「意外じゃないわよ。あたしだもの、当然よ」
「さいですか。……手作りの洋食なんて食う機会なかったからな」
「手作りってほどじゃないでしょ、こんなの……。あ、も、もしかして洋食あんまり好きじゃない? 和食のが好き?」

 突然変なこと言い出すから気になってそう声を上げるあたしを、タクは不思議そうな目で見ながらバスケットの中のバターロールに再び手を伸ばす。いちいちやかましいんだよ、とお叱りの言葉付きだ。

「実家にいた頃は親がガチガチの古代人だったからな。就職してからはずっとこんな調子だから、まともな洋食なんて食ったことほとんどねぇんだよ」
「古代人って……。いいじゃない和食。あたし好きよ? ていうか、今のタクの食生活のがおかしいんだから! 和食でも洋食でもいいからちゃんとしたもの食べなさいよ!」
「食ってるよ、お前が来た時は」
「あたしだって毎日来れるわけじゃ、」
「ほとんど毎日来てんだろうが。律儀に冷蔵庫におかず入れて帰るし」
「あ、余ったからよ、勿体無いじゃない!」
「そーですか」

 別に、別にっ、タクの食生活が心配だからそんなことしてるんじゃないしっ、ただ夕飯作ってあげて、材料が余ったから、タクじゃまともに使えないだろうしと思って、エコよエコ、地球のためにしてるのよ、最終的にそれをタクが食べて食生活が安泰っていうなら、まあ本意ではなかったにしてもよかったんじゃない、そういう感じよ!! 
 自分じゃ家事とか何もできないくせに彼女もいなくて、それなのにあたしに対して上目線なんて偉そうなのよ、ばかっ!

「うし、じゃあ行くかな」

 朝食を食べ終えた後の食器を片付けてそのまま流しで顔を洗うと、タクはぱしんと両手で頬を軽く叩いた。乾いたタオルを差し出すと、悪いな、という言葉と一緒に顔をわしゃわしゃ拭いて、それをそのまま首にかける。……おまわりさんっていうよりも、どっかの土木工作員だ。

「タオルなんか巻いて、そんなに汗っかきなの?」

 バスケット一杯に持ってきたバターロールは、勿体無いからとタクが全部食べた。育ち盛り……とは違うと思うけど、体力をつけなきゃいけない年齢ではありそうだ。食べてくれるのはあたしとしても嬉しい、もとい、持ってきたんだから食べてくれなきゃ困る!
 
「いやあ、山田のじーさんが芋掘り手伝えっつーもんだから。これから行かねぇとな」
「はぁ!? それ警察官の仕事!?」
「さあな。でも、こういうとこは人間同士の繋がりが深い。ひとり分かれば全体が分かる。事件事故よりも爺さん婆さんが寂しくしてる方が余程俺の仕事が増える、ってな」

 ……かっこつけてるつもりなのかしら。
 ……でも、タクはかっこつけてても、本気でそう思っていそうな気がする。人の繋がりを大事に守ろうとしているような気がしている。かっこつけててもあんまりかっこよくないのが玉に瑕かもね。
 そう思っていても、どうしたってあたしはこの人を好ましく思うのを止められないだろう。この人があたしを助けてくれたから。世界の青さに膝をついて泣いていたあたしを、助けてくれたから。

「ね、あたしも行っていい?」

 バスケットの中にマットを畳んで入れて、純粋に好奇心から訊ねると、またどこか見下したような目で見られた。……ムカつく。

「そんなピラピラした服着て何するってんだよ」
「タクの服着ていくから平気よ」
「俺とお前じゃ一応サイズが違うわけだが、……いくら田舎とは言え道の真ん中で脱げたら恥ずかしいぞ? 俺ぜってー他人の振りするからな」
「そしたら“この人に服剥ぎ取られたんです!”って大泣きしてやるわ」
「……お前ってほんとにえげつないな」
「お褒めに預かり光栄ね」
「褒め言葉に聞こえるってんだからおめでたい頭だよ」

 ぶつぶつ言いながらタクはろくに整頓もしてない箪笥から、適当にシャツとズボンを引っ張り出して、ついでにその二つのアイテムにベルトをプラスしてあたしに寄越す。うわ、ほんとに大きい。
 
「五分で着替えなきゃ置いてくからな」
「言うのはいいけどっ、そう言うなら早く出てってよね!!」
「誰もガキの着替えなんざ見たかねぇよ」
「誰がガキよ、ガキじゃないわよ!」
「さてどうだかな」
「~~~っ、オジサン!! セクハラっ! 鈍感! タクのばかっ!!」
「鈍感は関係な、どわッ」

 手近にあったアイロンを勢いよく投げつけるとようやくタクは退散した。……誰がガキよ、誰が。十分育ってるわよ!! そこらへんの女子高生と一緒にしないで欲しいわ!!
 とは思っていても、言われてしまえばちょっと気になってしまったり。

「っ、ガキじゃないわよ、……多分」

 ひとりで呟いた声は誰に届くことも無い。なんか、乗せられた気がする。
 着ていたワンピースを脱いで、上に大きすぎるシャツを着て、ズボンを履いたらベルトでめいっぱい絞って、裾は何回も折り返して、どうにか普通に動ける程度に落ち着いた。
 芋掘りなんて幼稚園以来かもしれない。芋っていろいろ幅利かせられるからありがたかったりして。
 服がぶかぶかだから変にがに股になってしまう。これは可愛くないな、そう思いながらタクの元へ向かうことにする。
 ――五分、経ってないといいけど。



「「何か、上手く乗せられてる気がする。」」

って感じの二人だといいなあと思ってる。距離ができてしまえば相手のことが好きだってのを自覚せざるを得ないし実際そうなんだろうけど、相手を目の前にしては小学生レベルだといい。この時点では。
「誰がこんなクソガキ!」「嫌よこんなオッサン!」って両方思ってればいい。
ごめ、思い出しちゃった、月曜のヴァルキュリア、ザカ出るじゃない……!!(萌)(しかもどうでもいい)
紗央に限っては、どう頑張ったってそりゃ好きになるだろうと思う。紗央にとってタっくんって、命の恩人っていうより心の恩人だから。タっくんにとって紗央が単なるガキだったとしても、紗央にとってのタっくんはどうしたって特別になっちゃうと思うんだ。それも単に助けてくれただけじゃなくて、タっくんって紗央が得意なことをひとつもできない人だから、「この人を助けてあげたい」って気持ちが紗央を支えてたんだろうとか思います。だからこそいなくなった時の衝撃は誰よりも何よりも大きくて、支えがなくなった状態だったけど、タっくんはそこまでわかってたからあえて何も言わなかったりして。タっくんの手伝いをしてあげたい、って気持ちに代わって、もう誰も信用できない、ってマイナスの気持ちが今度は支えてくれるようになりました。あれだ、紗央ってアンチATフィールドでできてるんだwww


タっくんは洋食はほとんど食べたことない人だと思います。さすが長男!
18年間古代人暮らしをして、その後貧乏人暮らししてるんだから両方経験できてよかったんじゃないかな!(爽)
途中は苦しくても、結果的に一番オイシイ人生を送る人だと思います。
旧家っていう、家族関係で密なはずなのにどこか遠い人たちの中で暮らしてたから、田舎の駐在さんっていろいろ思うところもできただろうな。最初は爺さん婆さんの世話なんざ御免だね! とか思ってたりしたらすげえときめく。ザカならときめく。(いい加減離れませんか)



プリキュアの時間に一回起きようと思います。トゥース……
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2009.08.09(Sun) | Title | cm(0) | tb(0) |

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