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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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夢見る金環日食



 多分それは、見てはいけないものだったのだろうと、思う。
 
「――ぁ、ルミ、さん」

 相変わらず汚い部屋の中、不安定な体勢で男に押し倒されているのが椿ちゃん。普段見ない着物姿。赤い布地の上に椿ちゃんの綺麗な黒髪が波打っている。
 椿ちゃんはあたしの顔を見ると最初はひどく驚いた顔で、それから段々と困惑した表情になった。悲しげで、寂しそうで、可哀想な。あたしよりも椿ちゃんの方が状況に傷ついているみたいだ。それはなんというか、本当に申し訳ない。あたしはまだ何も思ってはいないのだ。大和が何か言うまでは、あたしは何があっても傷ついたりしない。
 あたしが来たことで多少男も驚いていたのか、緩んだ腕の戒めの間から椿ちゃんが逃げ出す。あたしのすぐ脇を、素早く走りぬけていった。泣いていたのかもしれない。でも、それはあたしには分からない。

「……なんで、椿ちゃんにあんなこと?」

 あたしは部屋に踏み入って襖を閉めると、大和の側に膝をついた。
 いつもは日の光がたくさん入って明るいはずの部屋は妙に暗い。夜以外でこんなに暗く感じられること、あっただろうか。多分ないんじゃないかな。
 大和は体勢を整えるとその場に胡坐をかいた。でもあたしの顔は見ようとしない。どうしてそうなんだろう。あたしは、大和なりに筋の通った理由があるなら、それで構わないと思っているのに。

「泣いてたのかも」
「言い出したのはあいつだ」
「なんて?」

 大和の全部を理解することなんてできるわけがないって分かってる。あたしたちは、生まれた世界が違いすぎるから。それでも大和があたしのことを好きだと思ってくれて、あたしも大和に同じ気持ちを抱くのなら、理解する努力だけは精一杯するつもりだ。大和に理由があるなら、それで納得してるなら構わない。後悔しているならその気持ちをわけてほしい。自分ひとりで抱え込まないでほしい。

「……私と結婚した方が家の看板守れますよ、家が本当に大事なら私と結婚するべきです、ってな」
「……それで、大和はなんて返したの?」

 椿ちゃんの言う事は筋が通っている。そうだろう。血を守るには椿ちゃんと結婚する方がいいに決まってる。大和だって家が大事だ。あたしにはわかってあげられなくても、あたしさえ知らないところできっと大和はいろいろ考えてきただろうと思う。あたしはそれが知りたくて仕方ないのに。野次馬根性と言われてしまうのかもしれないけれど、あたしは大和を信じてるから、大和の負担が少しでも軽くなればいいと思っている。そのためにあたしを使ってくれて構わないのに。
 あたしが尋ねても、大和は拳を強く握って歯を食いしばるばかりで、口を開こうとはしなかった。

「……言ってくれなきゃわかんないよ」

 ずっと大和の近くにいるけど、言葉にしてくれなきゃわからないことがたくさんある。
 大和は、言わなくたってもう分かってることばかり言葉にしたがる。大事なことは言葉にしてくれない。自分の中にしまったままだ。それじゃダメなんだと思う。それじゃあダメになる。しまいこむことがカッコイイなんて間違いだと思うし、ひとりで背負うべきことじゃないと思う。
 あなたがあたしを好きだと言うのなら、尚更あたしだって背負うべき痛みだ。

「……出てってくれないか」

 しばらくの沈黙の後、口を開いた大和はそう言った。
 大和の声は可哀想に思えてしまうほど低くて、暗くて、どうしてこの人はひとりでそこまで思いつめてしまうのか心配になってしまう。
 あたしはちょっとだけ悲しくなる。今は話せないということだろうか。でも、気持ちを整理する時間が必要ならそれでもいい。いつか大和が打ち明けて――

「これは芹沢の問題だ、……首、突っ込まないでくれ」

 

 その一言で、生まれてきてこれまで、大和と一緒にいた時間すべて使ってあたしが築いてきたものが、がらがらと音を立てて崩れた気がした。



 次の瞬間には、あたしは右の手のひらで、渾身の力で大和の頬を引っぱたいていた。
 すごい音がした。手がじんじんと痛む。熱い。ぼろぼろと涙が零れる。

「……そうよね、芹沢の問題よね、あたしがしつこく聞くべきことじゃないわよね……」

 芹沢の問題なんだ。
 あんたが頭を悩ませていたものはすべて芹沢の問題だったってこと。だからあたしには話す価値も何もないということだ。
 馬鹿じゃないの。そう突き放されたらあたしは何も言えなくなってしまう。
 だってあたしは芹沢の人間ではないのだ。芹沢大和とほんの少し親しいだけの、葉山ルミだ。芹沢じゃない。芹沢の人間じゃない。
 でも、酷いじゃない。あれだけ好きだとか何だとか言っておいて、芹沢の問題だからとあたしを突き放すなんて、――芹沢に入れてくれる気が少しもないってことじゃない。
 芹沢の一員になれるなんて本気で思っていたのはあたしだけだったのだろうか。それじゃあ馬鹿みたいだ。玉の輿に乗りたかったわけじゃないのに。ただ、あたしを好きだと本気で言ってくれてる大和を、あたしだってそれなりに本気で好きなだけなのに。少しでも力になりたいと思っただけなのに。大和は、夢見ることさえ許してくれないのか。

「……何なのよ、そうやってひとりで抱え込んで、自分ひとりが辛いみたいに」

 大和があたしのことを好きじゃないなんて思うわけではない。大和はきっと、あたしのことが好きだ。それでたくさん辛い思いもしたのかもしれない。椿ちゃんのこともある、家のこともある。年齢が年齢だ、ちゃんと考えて当然だと思う。でもね、大和ほどじゃなくてもあたしだって辛い思いはたくさんしてきた。何度も身分違いを思い知らされて泣きたくなって、それでも大和が好きだと言ってくれるから頑張って背伸びを続けてこられた。

「家とか気にするなとか、偉そうに言って、結局あんたが一番あたしとの間に線引いてるじゃない!! そうよ、あんたは芹沢大和様よ、大和ぼっちゃまよ!! 庶民のあたしじゃ対等に話すことも許されない雲の上の人よ!! ぼっちゃまに言われたら仕方ないわ、首突っ込むなんて恐れ多いことしないわよ! 芹沢のことは芹沢の中で処理したらいいじゃない!」

 もう何を言ったらいいのかわからない。これ以上、どんな言葉であなたを傷つけたらあたしの心は満足するんだろう。今も、あたしなんかより大和の方がずっと痛い思いをしているはずなのに。あたしは庶民だから、そういう耐性持ってないの。自分が苦しかったらすぐ吐き出しちゃうの。

「そういう風に突き放すなら、最初から夢なんて見させないでよ!!」

 大和が好きだと言ってくれるから、馬鹿みたいに、いつかずっと隣を歩く日が来るんじゃないかと夢見ていた。あたしなんかを、好きだと言ってくれるから。大和がいたからあたしはどれだけ背伸びしても平気で歩いていられたの。でもこうなった今では、背伸びもただ滑稽なだけ。魔法が解けるみたいに、あたしは普通の人間に戻ってしまう。
 あたしのことも、家のことも、たくさんたくさん考えて、だから頑なにあたしに触れようとしなかった大和の気持ちを知っている。家も椿ちゃんもどっちも大事な大和の気持ちも分かる。
 だからこそ、好きだと言うならあたしを頼ってほしかったのに。本気で好きだと言うならもっともっとあたしに寄りかかってほしかったのに。大和ひとり支える覚悟くらい、もう何年も前からあったのに。






 おじさまやおばさまに挨拶もせずに芹沢の屋敷を飛び出して、全速力で自分の部屋に帰った。
 みっともないくらい涙が出た。周りに何を言われようと、気にするなと大和が言っていた。だから気にする必要なんてなかったし、泣くこともなかった。大和が信じろと言うから最初から最後まで何があっても信じようと思ったのに、拒絶の言葉まで信じろってこと?
 これは、謝ってどうにかなる問題じゃない。大和は、誤解を招くような言い回しはしない。冗談は言うけど嘘は言わない人だから、あれはきっと、大和が本当にそう思っているということだ。
 大和自身が一番、自分を芹沢だと特別視しているなんて、言われるまで気付かなかっただろう。それだけ、あたしにとって芹沢という単語は重い。
 ……あたしも、いろいろ甘えて自分が辛いと思ってきたのかもしれない。口にはしなかったけど、大和にそれが伝わっていたのかもしれない。あれは大和の本心だったのかも、しれない。
 考えれば考えるほどわからなくなって、心がぎゅっと強く締め付けられる感じがして、それ以上深く考えるのをやめた。
 ――しばらく休んでゆっくりしよう。
 これからあたしは多分、普通の女子大生になるのだから。







タイトルは随分前にご近所のカップルをイメージして自分でいろいろタイトル考えたストックから。
前からちょこちょこ使ってるがどれがどれだか。
冬二くんとみのりイメージで考えたのが気に入ってるのに使う機会が無いという問題が。だってあそこトラブルなさそうだし取り立てて何を書いたらいいのかわからない。(笑)


最近紗央ばっかり書いてて弱い感じだったから、今度はルミ書きたいなと思って。
紗央は強がりが上手い。いや上手くないが。
ルミは、強い振りが上手い。強くないんだよルミだって!
大和が信じろっていうから信じてる、徹頭徹尾そういうスタンスを貫いてるルミは大和よりも余程男らしいかもしれない。

芹沢にいろんな事情があるから、理由があるならとやかくは言えない。けどそれで大和が辛い思いをするなら分けてほしい、と思ってる。ずっと昔からそう思ってるのに、大和はどうでもいいことばかり言葉にして、助けを求めたりはしない。それでも自分がいることで少しは助けになるのなら、とルミは深く追及しないで大和の側にいてあげてます。もともと身分違いと思ってる部分も当然あるので、邪魔になるなら身を引く覚悟はあります。
なんか大和死んだらいいのになあ。
しかしルミに出て行かれた大和は本気で死んだみたいになるんじゃないだろうか。自分で出てけって言ったくせにどん底になるって何なんですかね。ルミがどんだけ背伸びしてたか早く気づいてやれ、男だろお前! 
まあ、大和って嘘つかないし真っ直ぐだし、変に抱えちゃうところがなければ多分いい奴だと思うのですが。
前もどっかで書いたけど、大和がいないルミはふっつーの女の子なので、シーマスさんの軽口とか聞いてられません。泣き出すんじゃなかろうか。イケメンにぐさぐさ言われたら普通悲しくなるだろう。
でもって、仲直りするときはキャンパスのど真ん中でプロポーズというのは随分前に決めたので、そのまま脳内完結。
往来の中で「俺と結婚してください」とか後でどんだけネタにされるかわかってんのかww
しかし吹っ切れた大和なぞ「ネタ上等! 羨ましいだけだろうが雑魚共が!」とか言い出しそうなのでヤバいこいつ殺してあげたい!
どん底の大和と話する紗央とか書きたいかもなあ。あんたでもそんな風になるのね、とか。


点呼どんが書いてますが、そんな感じの理由で大和と奈央っていがみ合ってる。大和はまあ、戦場に女がいるから気に食わないって理由ですが、奈央は一族を迫害された歴史を知ってるから大和が嫌い。
大和はゲームに参加するときは歴史を知ってるので、歴史を背景に奈央を倒そうとする。
同じフィールドで戦いたいのに、ゲームの時には奈央にとって一族の歴史なんてどうでもよくて、自己否定に繋がろうと何だろうと、流風を勝たせるために大和を倒さなきゃいけない。それがまた大和にとっては気に食わない。あれだけのことをやっておいて恋のためなら身を滅ぼせるとかふざけんじゃねぇ、と思ってる。
大和はゲームの時には国の歴史の方が大事なんだ。自分が継ぐものだから。
奈央は流風を勝たせる方が大事なんだ。そのために契約したから。
戦う理由が食い違ってるし、ケレスさんからの命令もあるから奈央は殺せないんだろうな。
となると、大和は叡一くんと紗央を前にした時は、奈央と流風の方がまだ芯があったな、って感じるんだと思います。理由がないって怖いですね!


奈央のところはキリスト教イメージでいいと思います。
でも北欧神話の神様って、キリスト教が流入してきて廃れて悪役になっちゃうんですよね!(笑)
おおう、悲しいぜ。人間味溢れすぎてる北欧神話の神様好きなのになあ。


明日も暇。どうしよう本気ですることがない。もうビタXエボリューションするしか……!
レンタカー予約しないとな、うん。
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2009.08.12(Wed) | ご近所物語 | cm(0) | tb(0) |

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