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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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風見鶏


 大和とルミが喧嘩をしたらしいとの噂を聞いて、あたしは取り合えず、休みの日に大和を訪ねてみることにした。
 学生や一般の企業と違って平日に休みがあるから、学校をサボっている奴を訪問するには持って来いだ。何度か訪れているからもう門を潜るのも慣れてしまった。正面の門を潜って、最初に出迎えてくれたお手伝いさんに挨拶をして、大和が離れに篭りきりだという話を聞く。家族とも顔を合わせたくないということなのだろう。
 離れは大和が子供を相手に教室を開くときに使っている場所だ。小さな建物ではなく、ぱっと見普通に一軒家。場所を間違えるわけがないので、すたすたそこまで辿りつくと、一応ドアに手を掛ける。鍵が掛かっている。そりゃそうだろう、家族にも会いたくないのに鍵を開けておくはずがない。
 なのであたしは縁側に向かった。窓の鍵は開いていないだろうが、一番広い畳の部屋にいるんじゃないだろうかと思ったのだ。離れに自分しかいないならわざわざ二階まで上がって篭る必要もないわけだし。
 窓はやっぱり締め切られていて、窓の向こうの障子も閉まったまま。
 仕方ないから窓を叩く。最初はコンコンと弱めに、それから段々強く。するとガラスの向こうの障子が少しだけ開いた。冴えてるじゃないあたし。大和はこの部屋にいる。
 大和はやって来たのがあたしであることに多少驚いたのか、障子を開ける。自宅だからか着流し姿だ。そして、ガラスの前に胡坐をかいて、お前何やってんだ、とでも言いそうな顔をした。そんなことしてないで開けなさいよねこの独活!!

「ここ開けるか玄関開けるかどっちかにしてもらえる? じゃないと割るわよ」

 ガラスの向こうまで聞こえるように大きな声で言うと、しょうがねぇな、とばかりにガラス戸が開いた。

「……何しに来たんだよ」
「その前に入れてくれる? 外でする話じゃないでしょ」
「暇人」
「暇じゃないわよ、あんたと違ってね」

 大和は、入れ、とはひとことも言わなかったけれど、帰れと言われたとしても退くつもりは一切無い。大和の顔にいつもの豪快さがない。やっぱり変だと思う。
 あたしは、あたしを助けてくれたルミを見捨てるわけにいかない。自分だけが幸せであればいいなんて思わないし、あれだけのことを大和と一緒にいて察しているルミが失言なんてするわけがない。大和と一緒にいるのがどういうことなのか、一番長く理解しているのはルミだ。わかっているからこそ、均衡を壊すことなんて自分からするわけない。なら大和が何かどうしようもないことをやらかしたに違いないのだ。
 ショートブーツを脱いで縁側の外で揃え、中に入る。広い和室はそんなに物なんてないはずなのに何故か散らかっている。この特殊能力を見てルミは育った。片付けながら育った。そういう人なんだと理解しながら。

「……喧嘩?」
「……違う」
「じゃあ何なの」
「俺が嫌だと言った。俺のどんな問題もお前には関係ない、偉そうに俺に指図するな、目障りだから帰れってな」
「それが本当ならあんたを殺したいくらいだけど、残念ながらあんたがそんなこと言うとは思わないのよ」

 だから、動けないのだろうと、思う。
 事情はよく分からない。何があったのかも、わからない。ただ、ルミが自分から大和から離れるとは思えないから、それなら、何か理由があって大和がルミを拒絶したとしか考えられない。でも大和だってルミを手放したいと思うわけがないから、偉そう、だとか、目障り、だとか、ルミと傷つける直接的表現は絶対に使わないはずだ。シーマスがルミに逐一言う嫌味なんかを大和は肯定するばっかりでフォローナシだけど、あれは大和は悪口を言いたいんじゃなく、事実を容認しているだけだ。そういうルミが好きだと遠まわしに言っているだけ。だからルミだって目くじら立てて怒ることはない。……怒ってもいいと思うけどね、あたしなら怒る。
 特殊な環境で、付き合いが長い二人だからこそ、相手に直接響く『言葉』は慎重に選ぶ。慎重に選んだ先で、ルミが傷ついてしまったのだ。

「……あんたって、バカみたいにルミばっかり好きなのかと思ってたけど、違うのね」

 いつもより小さく見える大和を眺めて、あたしはそう思う。
 駆け落ちさえ覚悟している二人だと思っていた。でも、そうじゃないみたい。心はいつも相手のものだけど、大和のこの体は芹沢から動く気がない。大和がわかっていること、ルミがわからないはずないだろう。だからこそ一層大和の力になろうとしていた。大和がそこから動けないのなら、ルミが側にいてあげるしかない。大和は生まれもあるし、自分の意思で決めたこと。一方でルミは、まだまだ自由が残されている。

「――ルミはあたしに、家族としか思えないならケレスと別れろ、って言ってた」
「……何だそりゃ」

 壁に背をつけてあたしを見る大和は何か妙なものでも見るような眼であたしを見ている。

「恋人は、家族より遠くて家族より分かり合えなくて、でも家族より近づきたいし分かってあげたいものなんだって」
「…………」
「でもね、付き合いが長すぎるから、ルミにとってあんたは半分家族なんだって。それってどういうこと?」

 難しいと思う。そんなのわからない。ただの抽象論に終わらない。

「恋人は家族より遠くて分かり合えないのに、あんたの恋人のルミは半分家族なのよ。家族であり恋人であるって何なの? どういうこと? 家族ならすごく近くて分かり合ってるんでしょ? なのに遠いの? 分からないの? 側にいて分かり合ってるのに近づきたくて分かってあげたいなんておかしいじゃない。家族である以上に何を理解しろっていうの? 恋人同士が最後に行き着くのが家族なら今以上に理解なんて要らないでしょう? わけがわからないの、大体半分って何よ、イチかゼロかは紙切れが決めるの? あたしは思うのよ、体がわかってるもの、恋人同士は別れられるけど、家族は絶対に別れないの、待っててくれるの。だって近くて分かり合ってるんだもの。それじゃあ何、半分恋人半分家族のあんたとルミは、別れても別れられないってこと?」

 たとえあたしに何があっても、圭一は、理央は、奈央は、あたしを待っててくれるだろう。あたしとケレスがもし別れたとしても、あたしはあの場所に帰れる。無条件で信頼して受け入れてくれるのが家族だ。あたしはあの灯りの暖かさを知っているから、家族がどんなものかわかっているから、半分家族、だなんて言葉はよくよく考えれば理解の外にある。半分家族なんて有り得ない。圭一があたしを恋愛の勘定に入れなかったのがいい例だ。

「……いい加減気づきなさいよ、付き合い長いから家族みたいなもんだって甘えてるんでしょう? 時間が解決してくれるって、思ってるんでしょう?」

 この二人は、それがダメだったんだろう。
 家族みたいなもんだと甘えている。肝心な言葉は言い合わない関係。何があっても時間が解決すると思っている。
 それは家族じゃない。

「家族なら家族なの、恋人なら恋人なのよ! 両立できないの、絶対両立なんてできないの!! 最後に行き着く先がそこでも、その途中で両立なんて絶対できないんだから! 大体ね、庶民のルミが、こんな家で暮らしてるあんたをね、家族だなんて本気で思えるわけないじゃない!」

 無条件で信頼して受け入れてくれるのが家族だ。ルミだってきっと、何度も夢見たのだろうと思う。家族であればどんなに幸せだろうと。
 でもきっと無理だ。庶民のルミが、こんな大金持ちと付き合えるだけですごいのに、無条件で信頼「され」受け入れ「られ」ているなんて思えるわけがない。受け入れられていないなんて思う時点で家族なんかじゃない。

「理解できないわ。家族でありえるわけないのに、家族だと思い込んで、家族じゃなければ拒絶の言葉は普通別れを意味するものだと思うけど」
「………なら、あいつには俺よりもっといいのがいるだろ、俺みたいに家から離れられないような男より」
「へえ、学校であんだけくっついて宣伝してたくせにそういうこと言う? ルミに恥かかせたいって言うならあたしは今すぐあんたをぶん殴るわ。別の大学に編入してもらう? あんたの家がお金積めばどうにかなるわよね。でも噂って変に流れるもんだから、怖いわよ?」

 日本男児のくせにはっきりしないのね。
 まあ、大和だってただルミに拒絶されることが怖かっただけだろうと思う。あたしもそうだった、いつも肝心な一言は言えずに勝手に傷ついた。今は遠く感じられる思い出。
 それにしても、こんな大和を見てると自分が出会ったのがケレスで心底ほっとする。部屋に篭って鬱になるような男でもなければ、先を勝手に予想して足が竦むこともない。もうちょっとそういう部分あってもいいんじゃないの、とは思うけど。……うん、事実よ事実、あたしに大和なんて手に負えないわ。

「ルミが傷ついた以上、あんたたちが恋人同士であることは明白。なら、すぱっと別れるか結婚するか、決断なさい。半分なんて生温いこと言ってるからこうなるのよ」

 こんな台詞をあたしが言ってるのを聞いたらケレスは怒るだろうか、それとも馬鹿にしたみたいに笑うだろうか。ほんと、偉そうに。
 言いたいことを言いたいだけ言って、あたしは再び縁側から外に出て、ブーツを履く。
 長々と話を聞かされた大和はひとつ大きく息をついてから、あたしを見送る。

「自分がされた説教を人にする気分は?」
「最高よ。これ以上ない説得力でしょ?」
「確かにな」
「あんたに感謝するわ。ケレスがどれだけいい男かわかったから」
「今惚気られると本気でブチ殺したくなるんだが」
「そんなことしたらあんたが殺されるわよ。ま、それもいいかもね。やってみる?」

 言えば大和は薄く笑って、遠慮しとく、と返した。暇潰しはここまで。あたしだってこんなところに何時間もいられるほど暇じゃないし、やりたいことだってたくさんある。こんな男に関わる時間なんて本来ないくらいなのだ。
 別れの挨拶も特にせず大和に背を向ける。正門を出る直前に振り返って離れを見れば、大和は縁側に腰を下ろしていた。そうして、まだ花の時期には早い、椿の葉をじっと眺めていた。








すいません紗央をデレさせたかっただけなんだと思います。


大和見てたらケレスさんの方が何倍も何十倍も何百倍もいい男だと自覚するだろうなあ、と途中で思ったんですすいません。真ん中らへんは自分で書いてて意味が分からなくなりました。
いやあ、大和死ねばいいのに!
取り合えず円満解決したらこの日のことを大和がケレスさんにチクって紗央がブチ切れるという王道展開ですねわかります。大和は解決した後なら、悩んだことを恥じる性格じゃないのでべらべら喋ると思います。紗央にとってはそんなのバラされるのは恥以外の何物でもないので3日くらい自宅に篭るんじゃなかろうか。恥ずかしくて顔が見れない……!!みたいな。
ちなみに紗央が殺されたら大和を殺しに行くのはケレスさんというよりも奈央なんじゃないかという確信があります。(笑) 怖い!!


うみねこ散終わりました。楽しかったですが、散子さんとベルンは好きじゃないです。
バトラァあああああああああ!!!!!! かっこいいよバトラ……!! どういうことなんだよバトラ……!!


うみねこ終わったのでまたロミオとシンデレラをリピートしてるわけですが、アナザー聞いてて、
「やっぱ王子も捨てがたいけど それは別の自分に任せよう」
って聞いてたら、エンジ君とシーマスさんは別の人間だけど根本が同じっていうパラレルを想像してひとりでテンション上げてました。エンジ君は文句無く王子だと思います。
そいでやっぱりアナザーのシンクロ率は(ry

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2009.08.17(Mon) | ご近所物語 | cm(0) | tb(0) |

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