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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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ゆらぎ 1



 文化祭では合唱部の発表会もある。その練習でここ連日は7時近くまで残って練習。楽しいことではあるけれど、正直疲れるし、三年だからいろいろリーダーとして受け持つところも多い。音楽室の鍵を返しに行ったらちょうど空先生に会ってしまって、おしゃべりついでに世界史の質問なんかをしたらあっという間に時間が過ぎてしまい、他の部員はみんな帰ってしまった後。まあ、世界史の質問もできたことだしいっか、と自己満足。とはいえ、一人での帰り道は寂しいものがあります、いろいろと。
 楽譜だとかなんだとか、いろいろ入って重い鞄を肩にかけ、うちの部員だけじゃなく他の人もいない正門をひとり潜る。そして暗く長い坂道。とっとと鍵返してみんなと帰ればよかったなあ、とため息をついた時、坂を上がってくるひとつの影があった。歩きながらふとその影をよく見れば、――それは知った顔。

「あ、芹沢じゃん!」
「あ? なんだ、葉山か」
「え? 何、忘れ物とか?」

 坂を上がってくるなんて、学校に用事としか考えられない。……でも、この人間が忘れ物したからって取りに来るようにも見えないのよね……。どうだろう。
 芹沢自身もそう思うらしく、まさか、と笑った。

「流風と伊賀奇と駅前で文化祭実行委員会。その帰り」
「あー、そっか。あんたって家あっちなんだもんね。ていうか実行委員会? その面子超頼りないんだけど……。A組ってあんたらが委員でいいと思ってるわけ?」
「だから、俺らよりクラスの連中の方が問題」
「確かに」

 確かに喫茶店やる上では稼ぎ頭になるかもしれないけど……。うう、水城に伊賀奇に芹沢なんて絶対稼ぐじゃない、みんな部活の部長してるし知名度抜群だし! 芹沢は水城と伊賀奇といるとちょっと霞むのかもしれないけど、でもあの二人が知られすぎなのであって芹沢くらいで十分! うちのクラスにひとりくらいいてくれたっていいのになあ。

「実行委員が稼ぎ頭なんて羨ましい。芹沢、あんた文系なんだからいっそうちのクラスで働いてよー!!」
「本気で言ってんなら考えといてやるよ」
「本気も本気! A組なんて水城と伊賀奇いれば十分でしょー? あんたはうちで執事君やってくれたら空先生からも感謝されるって絶対」
「そりゃ要らねぇな」

 そう言って芹沢は肩を竦める。そりゃそうだ、あたしだって空先生の感謝なんて別に欲しくないし。ごめんね先生。
 
「で、お前は? こんな時間まで文化祭の話し合い?」
「違う違う。文化祭で合唱部の発表会あるから、その練習。戸締りとかした後に空先生と話し込んじゃったら遅くなって」
「なるほど。文化部だと三年でも仕事任されるから厄介だな」
「そうなのよねー。ま、その分出番あるからいいってもんよ」

 芹沢って、正直よくわからない。
 最初はただ噂を聞いただけ。同じ部活の男子が、「友達が芹沢にやられたっぽい」という話をしていて、噂話って女子は大抵好きだし暴力沙汰も何だかんだで他人事なら聞いていられる。でも、芹沢ってどんな人なのか、あたしも周りの友人もよく知らなかった。男子バレー部の部長してるけど、水城があまりにも有名すぎて霞んでしまう。芹沢がいつも一緒にいる水城とは多少交流があるにしても、芹沢も交えて話すような機会にはめぐり合ったことが無かったわけで。
 夕暮れの教室、今日みたいに部活帰りで戸締りして鍵を返しに行くついでに忘れ物をとりに教室へ戻って、職員室に向かう道。A組の教室にひとりでいる芹沢に初めて話しかけた時のことは、まだよく覚えている。その時の芹沢は、本当に人を殴ったのだそうだ。どれだけの力を使ったのか、拳が赤黒く腫れていた。痛そうだった。何だかむしゃくしゃしてるみたいな表情をしていた芹沢は怖くて、でも話しかけたからには放っておくこともできなくて、あたしはハンカチをその手に巻いてあげた。大柄で、言葉遣いもぶっきらぼうで、借りたものを綺麗に返すこともできなくて、意地悪で、そのくせ変に優しい。意味が分からない。
 芹沢の噂を知ってるのはあたしだけじゃない。知ってる子は大体芹沢って怖い、って言う。でも、あたしには単に怖い人にはどうしても思えない。性格は悪いけど、あたしを傘に入れてくれたし、その時タオルを貸してくれた、それにあたしがそれ以上濡れないように傘を傾けてくれたことも知っている。お祭りにも誘ってくれたし、浴衣のチョイスを褒めてくれたし、椿を象った銀の簪をくれた。ただ怖い奴なんかじゃない。こうして今話していたって、怖さなんてちっとも感じない。

「あ、ごめん引き止めちゃって。もう遅いから今日はこの辺で」
「ああ、……でもお前友達待ちとかじゃないのか?」
「空先生と話してたらみんな帰っちゃってて。今日は寂しく坂を下ります」
「……じゃ、送ってく」

 芹沢が踵を返した。
 ……な、なんだろう、変に緊張するんですけど、昼間のこともあるし。あたしに変な勘違いさせるつもりがないならこういう優しさは無用なんですけどっ!!

「なんだよ、駅まで遠いだろ。送るっつってんだよ」
「い、いいよ別に! ひとりで平気!」
「知り合いの女性警官が言ってたが、この辺の凶悪犯罪は変質者くらいなもんなんだとよ」
「あたしには変質者も近寄りません!」
「変質者は質が変だから変質者なんだぞ」
「で、でも悪いし!! 今駅前から来たんでしょ? せ、せっかく坂上ってきたのにっ」
「俺運動部だから体鍛えるの好きでな」
「そういう問題じゃ、」

 そういう問題じゃないのに。なんでこの人こんなに平然としてるわけ? 紳士として育てられましたって顔はしてないのに! 紳士なら人殴ったりしないし!!

「じゃあ何だ、……俺が怖い?」

 怖い?
 怖くないわよ、だって芹沢、変に優しいし。
 怖いかどうか聞くならもっと、茶化したみたいに聞いて欲しい。どうして芹沢の声はどこか真剣なんだろう。怖いって思う人も、そりゃあいるんだろうと思う。これだけガタイがよくて、鋭い目で見られたら萎縮してしまうことも確かにあるんだろう。でも、でも。

「……分かったわよ、ひとりでちょうど寂しかったし! 送ってくださいお願いします」
「仕方ねぇな、付き合ってやるよ」
「何よその言い方ー!!」

 変に優しいから変に勘違いしそうになってしまう。
 昼間の何気ない声、あんな些細なことをあたしは今もまだ気にしているのだから重症だ。優しすぎるだけ? こういうのはちょっと、経験ないからドキドキしてしまう。不覚だ。ていうか、こう勘違いしそうになると芹沢に申し訳ない。ただのいい奴だったらごめんねマジで。
 ――この人は意外とあたしのことを気に入っているのかもしれない、なんて、そんな馬鹿みたいな勘違い。 







続くものを書くと書き終わらない、最後まで上げないで書いていると途中で書かなくなる、というどっちにしても書けない私です。
取り合えず、先の一話を書き上げてから上げようかなあとは思ってるんですが、いつまでもつことやら。


ルミの何が大和にとってそんなによかったのか一生懸命考えてるんですが、よくわかりません。
それは多分どの世界でも一緒だと思うんだ。なあ分かんないよな大和!! 取り立てていい所ないよな!! どんだけ頑張って考えてもわかんないんで、多分「なんとなく」とか、あえて「全部」が答えなのかなと思い始めました。
ルミは普通の子だから、普通の子以上に踏み入るわけがないんだ。だから、大和の根っこにある何かを溶かしてあげた(笑)とかいう展開じゃないし、そもそもそれは後の話だし。
ということはルミが普通にしてただけで大和が何故か気に入ったってわけで、それだとやっぱり「なんとなく」ですよね。今書いてる部分で大和さんが大分乱心し始めてるんですが。
あとは流風への対抗心。それが一番大きいのかな。自分がちょっと気に入ってるかもしれないものを、何にも考えないで生きてる流風が掻っ攫うのは不愉快なんだと思う。
文化祭近いだろうし、あっという間に終わりそう。しかし大和が乱心すると女だろうと子供だろうとぶん殴りそうで怖い。


最近紗央ばっかり書いてる気もするし、ルミばっかり書いてる気もする。なのでちょっと奈央を挟んでみたいなと思って書いてるけど、これがArkもどき以来の黒さ。しかもあれと違って素で黒いので手に負えない。
未来話が恋しくなってきます。現代を書いてると、お父さんしてる流風に会いたくなる。俺はアイドルだからとか言ってると特にな、どの口が言うんだそんなふざけた台詞を……!!!


ええと、取り合えず、ご近所で大和のところを飛び出したルミは倉木麻衣の「think about」が超カバーしてると思う。びっくりした。

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2009.08.22(Sat) | きづき/ゆらぎ | cm(0) | tb(0) |

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