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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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罪の詰まった蜜



 その日、私は父に呼び出された。


「……王子が城を出た? 騎士団の遠征以外では戯れに城下に出る程度と聞いていますけれど」
「その筋に詳しい者の話によれば、国王の老齢化とともに封印もだいぶ弱まっているということだ」
「……ついに己の無能さに気がついたということでしょうか」

 父の話は、王子が城を出たらしいという話だった。そこからまず北の町へ向かったらしい。今の王子は騎士団を率いる将軍。あの国の中で戦力となっているのは御前試合を勝ち抜いて騎士団に入団したほんの一握りの人と、騎士団を率いて将軍となっている王子だけだ。その国防の要が城を出たということは、余程のことがあったと考えていいはず。元々暴れたいだけの男だろうとは思っているが、これまでの王族にない武の力を持っていることは確かだし、あの男が暴れるだけでも攻撃を仕掛けるこちら側にとってみればかなり厄介な存在。これで今あの国には一握りの精鋭と、使えない烏合の衆が残されているだけということになる。
 大きな机、その向こうにいる父は実に愉快そうだった。長い歴史を覆す時が近い。

「あの王子に剣の封印を継続させる力はないぞ、奈央。そしてこちらにはお前という切り札がある。次に国を治めるのは間違いなく我々だ」
「ですが、王子が王族であることは疑えません。封印を行える可能性も否定はできないと思います」
「自分の力で封印が行えるなら町を駆け巡る必要はあるまい。王子は城に代々伝わる悪魔の伝承さえ隠されていたと聞く。国王め、息子を見限るとは大したものだ」

 父はそう言って豪快に笑う。
 国王が息子を見限った、ということは、国を捨てる覚悟も同じだ。こちらと血が混じっていることを公にされるくらいなら、封印の解けた悪魔に国を滅ぼされる方が威厳を守れると考えたのだろう。確かに、長く争ったこちらと血が混じっていることが国民に知れれば国を揺るがす事態になることは必至。打開には次期国王に封印を継続させるしかないけれど、国王と正式に承認されるには国王と正妻との子供である必要がある。性別は問わないが、とにかく正妻との子供だ。その正妻は、例の王子を産んでしばらくして亡くなり、新しい候補者は永遠に現れない。これまで産後の肥立ちが悪く、亡くなった王妃もいたということだが、生まれた子供は全員王位を無事継承している。つまり、異常事態は初めてなのだ。前例がないから、後妻を立てるという考えもなかったのだろう。あったのかもしれないが、後妻を立ててから子供を産ませ、育てるには例の王子が育ちすぎてしまう。それで国を捨てる覚悟をしたというなら、剣に悪魔を封印した時の王と同じくらいの英断と言えるだろう。私は鼻で笑ってやりたいが。

「……そうですね、私がいる限り、私たちが負けることは有り得ません。王子の暴力には屈しませんから」

 見限られた王子がいる。
 その逆の立場の私がいる。男系が生まれ続けたこの家で、ひとりだけ女として生まれた私。その上ひとりだけ魔術の適性を持っている、私。
 私だって父や祖父と同じように、剣を振るって戦いたいのに。自分の腕の力で、迫害の歴史に終止符を打ちたいのに、それは叶わない。王子と違って私は必要とされているだけいいのだろう。城にあの王子という存在があることが、混血の証明となってしまうように、こちらに私がいることも混血の証明になる。私がいる限り、いくら王子を見限ったところで終わりは無い。
 ――その日までにゲームが始まらなければ、の話だけれど。






「おかえりなさいませ、奈央お嬢様」

 一通り話を聞かされ、父の結論は「しばらく様子見だ」とのことで。疲れた耳と一緒に部屋に戻ると、流風くんが出迎えてくれた。
 流風くんは私のお世話をしてくれるけれど、家の中はあまり歩かせないことにしている。庭を散歩する時、テラスでお茶を飲む時以外はほとんど私の部屋にいてもらうことにしている。私は、ゲームへの参加を決めてもまだ、彼に事実を告げるのが怖いのだ。すべてを捨てる決意を私がしていたところで、彼には理解してもらえない。ゲームで優勝する以外に、私が許してもらえる道は、きっとない。いつか始まるゲームで彼を勝利に導いて、その特典として彼の願いが叶ったその時初めて私は戦狂いの姫君と付けられたその名で私の一生を終えることができると思うから。

「お父上は、どんなお話で?」
「うーん、長くてつまんなかったから忘れちゃった」
「これだけ大きなお屋敷のお嬢様なんですから、大変な用事なのでしょうね」

 大事な用。
 そうだろうか。
 祖父を殺された頃までは、私にとっても大事なことだったけれど、今はどうだろう?
 あの王子のギラギラした瞳に、同じように対抗したいとは少しも思わない。
 もちろん神様も信じているけれど、……単に王子の相手をするのが面倒になってきただけなのかもしれない。戦いたいのならお生憎様だ。私はこれから、命をかけなければならないから、貴方の相手をしている暇はないの。

「そうだ、流風くんの淹れたお茶が飲みたいなっ」
「はい、そろそろお戻りになられるかと思って用意させていただきました」
「わ、すごい。ちょうどよかったんだ」

 部屋を突っ切り、バルコニーへ出る。見晴らしの良いその場所にもテーブルが置いてある。流風くんが引いてくれた椅子に腰掛けて、お茶が出されるのを待つ。
 私はこうしてお嬢様気取り。本当のことを知ったら、この景色さえ流風くんは消したいと願ってしまうんだろう。でも、覚えていたい。私は楽しいの。こうして一緒にお茶を楽しめることが、私は楽しい。

「どうぞ、お召し上がりください」
「ありがとう」

 カップからはふわりと爽やかな柑橘系の香りがする。流風くんはいつの間にかフレーバーティーも覚えたみたいだ。

「書庫に紅茶の本なんてあったの?」

 私が訊ねると、流風くんは、え、とちょっとうろたえる。

「あ、……やっぱりお嬢様には見抜かれてしまいましたか」
「流風くんの淹れてくれる紅茶だもん。違いくらい分かるよ」
「書庫にそんな本がありましたので、読ませていただきました。あとは執事長さんにお願いして」

 私の部屋の隣には書庫がついている。幼い頃はそこに閉じ込められてひたすら歴史を頭に叩き込まれた。
 流風くんは最初文字もまともに読めなかったけれど、文字を覚えてからが驚くほど早かった。私が外出している時は部屋から出られないから、ずっと書庫に篭って本を読んでいるのだという。好き嫌いなく片っ端から読むから、歴史の知識は私に劣らないと思うし、家庭教師の先生が来る直前なんかは私が勉強を教えられているくらい。飲み込みが早いんだろう。お茶の淹れ方も最初となんか比べられないほどずっと上手になったし、他の執事やメイドさんよりも流風くんの方が上手いんじゃないかな、と思っちゃうくらい。これは単に贔屓かもしれないけど。
 カップに口をつければよくわかる。やっぱり流風くん、上手になったなあ。

「すごくおいしい。ありがとう」
「ありがとうございます。俺みたいな素人の淹れたものを褒めてくださって」
「ううん、素人かそうじゃないかなんて関係ないよ。流風くんが頑張って勉強してくれて、こうしてお茶も淹れてくれるの、あたしには伝わるもん」
「……そりゃあ、お嬢様のためですから、俺もみっともないことはできません」

 流風くんはそう真剣な顔で言ってくれる。私は嬉しくなる。
 私の側に立ったままの流風くんを見上げて、私は笑いかける。

「流風くんも座って。一緒にお茶しよう?」

 こう言えば、流風くんは絶対断る。

「いけません。俺はお嬢様にお仕えする身ですから、」
「あたしの話し相手になってほしいの。お仕事だよ?」
 
 そう言えば、流風くんは絶対断れない。
 私ってなんだか卑怯だ。でもそういう手を使わないといけないくらい、流風くんが頑固だってことも知ってる。

「……それでは、失礼致します」

 流風くんが私の目の前の席に座る。
 私は流風くんのために、新しくお茶を淹れてあげる。私は普段淹れてもらってばかりだから、流風くんほど上手く淹れられないと思うけど。
 流風くんの頑張りが私に伝わるみたいに、私の気持ちも流風くんに伝わってくれたらいいなあ。

「――今日は風が気持ちいいですね」

 その声に私は頷いて、ポットから紅茶を注ぐ。
 ふわりとやわらかい風に乗って爽やかな紅茶の香り。

「明日も明後日もずっとこういう日だったらいいのに」
「そうですね」

 ずっと、ずっと、こういう日だったらいいのに。終わりなんて、始まりなんて、永遠に来なければいいのに。
 陳腐な言葉だけれど、この時間が止まってしまえばいいのに、と思う。
 流風くんにカップを差し出して、庭の緑を眺める。
 いつゲームが始まるのか、いつ終わるのか、王国が倒れるのが先なのか、どうなのか。私にはわからない。

「……次は違う香りのも飲んでみたいな」

 今が幸せであるほどに悲しく感じてしまう。

「勉強しておきますね」

 優しい声に泣きたくなってしまう私の気持ちに、いつ気づいてくれるだろう。
 






奈央。



紗央についてはちょっと書いてたんだけど進まなかったので方向転換しました。
紗央は死んでからも首飾り持ってます。寧ろ聖櫃戦争はその力で戦うので持ったままです。なんだ、黄金って空間移動できんのか。そいつぁすげぇな。


レンタカー2台とも喫煙車で予約してたので、1台禁煙車に替えて貰おうと電話したら、ベルタで禁煙車無いといわれ、おおう今時珍しい! と思った次第。車種変えれば大丈夫、と言われたんですが、サイドブレーキが足踏みじゃないのがいいんです、と伝えたら手動はベルタしかないみたいでww
足踏みサイドブレーキの良さがわからない……。うちの新しい車も足踏みなんですけど。
運転は保険が利き始めるのが今月末かららしく、練習すらさせてもらえませんでした。手続きしたのは先月の最初の方だったじゃないか!


紗央の過去話にしようかなあ。つかそれ以外書くものがない。
それよりCD作らないとな。どうしよう、何入れよう。取り合えず和田アキ子を入れることだけは決まってる。ポンキッキーズはみんなの友達……!!

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2009.09.05(Sat) | 聖櫃戦争 | cm(0) | tb(0) |

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