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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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14――river



 目を開けて、今自分がいる場所に少しの疑問を覚える。不規則なリズムで体がゆっくり揺れる。辺りを見回して、ようやく思い出す。ここは熱い砂漠の地でもない。不気味な川だった。夜だからか、岸と川の境さえ見えない。ただ、黒。
 数日の移動を経て砂漠を出、久々に埋もれない足場を踏んだ気がしていたのだが、もうおそらく数時間水の動きの揺られている今は、その土の感触も懐かしいものとなりつつあった。
 月の光が淡く照らしている水面だけがきらきら輝いている。川幅が広く両岸も見えないために、その水面を見つめることだけが暇潰しだった。流れはとても緩やかで、小舟が進むたびに聞こえる水音もさらさらと耳に心地良い。

「……なんか、安心しますね」

 穏やかな声はシンゴのものだった。
 岸を離れてすぐシンゴが眠り、それを見てからルカも目を閉じたのだ。シンゴはずっと疲れている様子だったからもっとゆっくり眠ってもいいのに、とルカは思う。砂漠ではあれだけ不安定だった。もう少し休んだ方が、と言おうとも思ったが、砂漠を抜けて、段々寒いくらいに気温が低くなるにつれて今は落ち着きを取り戻したように見える。無理にこちらが心配しても仕方ないことかもしれない。シンゴが自分でそうやって穏やかな声を出せるのなら、このままそっとしておこう。あのままでなければいいのだ。あのままでは、シンゴがどうにかなってしまうのではないかと気が気でなかった。

「久々にゆっくりしてる気がするな」
「あいつらと一緒にいる間も散々でしたからね。絶対ろくな死に方しませんよ」
「そんなの世界の真理だろ?」

 まあ、こうして無傷で出られただけ良いのだろう。これまでの展開、ルカやシンゴが命を落としてもおかしくはないタイミングはいくつもあった。そもそも、自分たちの生きる国を離れて、今まで暮らしていられるのが奇跡に近い。
 まだ自分やシンゴが生きながらえていることを知ったら、あの女王はどう思うだろうか。今度は殺そうとするだろうか。

「砂漠、出られるなんて、俺、思ってませんでした」

 今まで力強い言葉でルカを引っ張っていたシンゴが、初めてにも思える弱音であり本音を漏らした。戻れる、帰れる、そうシンゴが言うからルカもそう思えた。一人なら、そんな気持ちはとっくに砂に埋もれて沈んでいただろう。一人じゃなかったから、一緒にいてくれた誰かが他の誰でもないシンゴだったから、ルカもここまで動けたのだ。
 シンゴでなければ、きっとここまで上手く行くこともなかった。

「ルカさんを帰さなきゃいけない、国に戻さなきゃいけない、って、そうは思ってました。それだけは貫かないと、って」
「なんでお前はそう自分が抜けてんだよ。俺がいるならお前もいるだろ?」
「何言ってんですかー! お姫様を助けるのは王子様って決まってんですよ!」
「王子様、ってな……。恥ずかしくないのかよ」
「恥ずかしくないですよ? ルカさんは、見た目も、頭も、性格も良くって、体力は、まあ見た目からしたらかなりある方だと思いますし、完っ璧王子様です。事実言って恥ずかしいことなんてないです」

 シンゴは自分を従者か何かだと思っているのだろうか。いつも、何かにつけてはルカを王子様扱いして持ち上げたがる。本気でやめてほしいとまでは思わないが、ふざけ半分にしてはしつこいし、何より、シンゴはおそらく真面目に言っているのだ。けれど、だからといって、“王子様”という言葉の持つ“物知らず”の雰囲気が抜けるわけではない。シンゴが本気で言っているのが分かるほど、馬鹿にされている気がして、愉快な気分にはなれなかった。

「……夢を、見たんだ」

 話を逸らすようにルカが呟くと、「夢?」とシンゴが問い返した。

「どんな、夢、ですか?」
「これまでの。国を追放されて、砂漠に来て、これまでの、いろんなこと。たくさんのことがありすぎて頭パンクしそうだった。ほんと、あいつらの忠告強ち間違っちゃいないみたいだったな」

 ムネモシュネの棲む川。あれもどこかの神話に出てくる女神だったか。けれど、そこまで危険視するようなものでもなかったように思う。確かに、広大な川だから並に揺られる時間が普通より長いのはわかる。しかし、それが“頭がぐちゃぐちゃになる”と大真面目に忠告されるようなことだったのか、甚だ疑問だ。寧ろルカにとっては、たくさんのことがいっぺんに思い出されて、これからの決意が新たになったくらいだ。
 
『……大丈夫、君の探しものは無事だよ。君がここで生きてるように、彼女もそこで時を紡いでる』

 本当のことはわからない。わからないけれど、その言葉が気休めだったとしても、どれだけ救われたか。こんな安い言葉で元気になれる自分はなんて単純なんだろう。彼女が生きている、ちゃんと生きていると誰かが言ってくれて、自分もそう信じることで次に進む力が湧いてくる気がしていた。

「……俺も、夢を見ました」

 変わらない穏やかな声でそういうシンゴの目が、ゆっくり細められたのが分かった。

「……どんな?」

 先ほどのシンゴと同じように、ルカもまた問い返す。シンゴは目を閉じると、深呼吸をして、慎重に、言葉を選ぶように、話し始めた。

「ルカさんと違って、ひとつだけです。たった、ひとつだけ。せっかく長い夢なんだから、他のことだって出てきてくれたってよかったのに」
「それだけ大事ってことなんだろ」
「大事、……そうですね。これから俺が、一生大事にしていきたいから、夢に、見たのかもしれません」

 妹や弟のことだ、とルカは直感的に思った。シンゴがそうして、一生大切に、大事にしていきたいだなんて、家族以外では有り得ない。ルカに罪悪感を抱かせないためにあんなにも慎重に、言葉を選んだのだろう。

「頭が、そのことで一杯になるんです。まだまだ辿り着くには遠いってのに、俺、夢の中でもすげー必死でした。馬鹿みたいに」
「何言ってんだ、馬鹿じゃねぇよ。馬鹿はこんなところまで頑張れないって」

 そうですかねえ、と苦笑するシンゴ。その苦笑が妙に板についてしまったようで、哀しいと思った。シンゴは、あの町で満面の笑みを浮かべてのびのびしている方が、ずっと良い。それは今、ルカが一番よく分かっている。
 突風が吹いて、小舟が大きく揺れた。砂漠にいた時には考えられなかったくらいの、肌を刺すような冷たい風だ。

「寒くなったな」
「この気温差は反則っスね。体壊しますって」

 この寒暑の差は確かに体を壊しかねない。昨日までは灼けつくように暑かったというのに、今では体が凍りつきそうなほど冷たい風が飽きずに何度も吹き付けてくる。慣れれば耐性もつきそうな気がするが、なれるまでに何回風邪を引くことか。

「次行く国の偉い人って、とんでもない野郎なんですよね? 地下に処刑場設けてるとかって」
「一人で支配してるくせに共和制ベースってところからして卑怯くせえな。どこぞの英雄みたいだ。相当頭の良い奴だと思う」

 若さのデメリットをひっくり返そうとしているのだ。その制度で、君主の名が他に知れているのなら大成功だろう。要領もいい。少なくとも、城の兵をほぼ全滅させられた、前の国の君主より何倍も厄介な人間だろうとは思う。

「ギリギリで逃げる奴とかいないんスかね。隠すみたいに地下に処刑場作ってるってことは、一般の人間には知られたくないんじゃ? そしたら外まで逃げた奴の勝ちじゃないですか」
「さあな。処刑場あるような所が、そう簡単に逃げ出せるつくりになってるとも思えないし、逃げてもすぐ捕まって死刑なんじゃないか? あー、まあ人質でも取ればわかんないけど、君主サマがわざわざ捕らえておくほどの極悪人が逃げ出して人質までとったら、いくら一般の民衆でも黙っちゃいないだろ。公開処刑かもな」
「なるべく関わりたくないですねー。危ないことなんてもう御免ですよ」
「誰だってそうだろ。俺だってあんな人間離れした奴らにそう何度も会いたくない」

 とは言いつつも、危険を免れることはこれからも不可能だろう。こうして今生きているのが既に危険なことなのだろうし、普通に考えたって、今まで暮らしてきた環境と全く違う場所に放り出されて、ここがどこかも分からないのに元いた場所に戻ろうとしているのだ。無謀だし無茶かもしれない。
 急激な寒さにルカがくしゃみをひとつすると、過剰に心配してシンゴが自らの体に巻いていたマントを外そうとするので、慌ててそれを制止した。

「馬鹿かお前っ、風邪引くだろ!!」
「馬鹿だから引きません!」
「そういう問題じゃない!」

 確かにシンゴは賢くない。論理的な思考力は低い、のかもしれない。その上、本能的にとんでもなく頑固だ。でも、時折ルカよりもずっと大人びた表情を見せる。その度にルカは腹立たしくも、寂しくも感じるのだった。
 当然マントは受け取らずに軽く腕を摩る。砂漠を出る直前に「長袖を着ろ」と言われた時は蒸し殺す気かとも思ったが、ここまで寒いとこれでも足りない気がする。

「夜明けには着きますよ」

 静かに舟を漕いでいた船頭が口を開いてそう言った。
 それを聞いてルカは首にかけた金時計を見る。あと数時間だ。

「雪の国って言ってましたっけ、向こう」
「高い山に囲まれてるんだろうな。雲が山を越えないんだ」

 雪なんて、国にいた時もそうそうお目にかかるものではなかった。あれほどの暑さも、これほどの寒さも、経験はないに等しい。頭上は晴れているが、向こうの夜空に浮かぶ雲は厚い。着いてみなければわからないが、砂漠の暑さを180度反転させた感じなのだろう。

「雪、か……」

 夜明けの光は、まだ、遠い。





別れる直前くらいから書き出してればよかったかなと今更後悔。
いつかinterludeか回想シーンか何かにしようかな。
個人的にもうちょっとアンドゥーと盗賊さんとか絡ませたいから何とかしたい。(願望)

だから何かREADY STEADY GOとかLinkもぽい気がするんだよ?(何)
大和がいかに気持ち悪いか書きたい。そろそろ現実的に書けるところまできたな。
interludeは大和メインになるか。なるのかな。

椿は出すつもりなんだけど、エンジくんは出さない方向で考えてます。
じゃあ出したらどうなるんだろう、と考えた結果、いろいろあって結局最後に風哉くんに殺されそうな気がしました。そりゃあもう、私の頭の中ではとんでもないことがいろいろ繰り広げられてたわけですが。
しかし、エンジくん出さないってなると、それはそれでもっのすごくカオスな設定と展開が強引に引き起こされます。これは酷いです!(爽)
いいんだ、どうせ私の頭の中なんてこんなもんさ。整理整頓ができないのさ。爽やかにはいかないのさ。

半袖で雪国行ったら死にますよあんたら。と言いたい。
文化祭も終わらせたい。スターゲイザーは次の話のラストあたりまで書いて止めてあります。
ツキ高の流風は空気を読みません。KYです。KYって言い方好きじゃないっていうか嫌いなのでもうしません。リベリオンの流風はもっと空気読みません。あいつの不幸気取りがムカつくんですよね! シンゴの方が好きだけど、シンゴのひとりで傷ついてる感も好きじゃないです。もう書くなよって話か。ええいうるさい、あいつらが書きたいんじゃないんだ!(何)
流行語大賞はきっとどげんかせんといかんなんだろうなあと思ってます。


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2007.11.26(Mon) | rebellion | cm(0) | tb(0) |

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