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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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interlude-Ⅴ ――filial piety



 珍しく雪が降らなかった。雲も晴れて澄んだ青空が広がっている。
 目を覚ましてすぐ外が晴天であることに気づいたヤマトは、簡単に上着を羽織ると執務室へ向かった。

「お、ヤマトはん。おはよーございます」
「おはよう。ちょうどよかった」

 執務室へ続く廊下の角を曲がったところで、後ろからツヅキに声を掛けられ振り返る。朝もまだ早いというのに、しっかりいつもの服を着込んでいる。

「いくらお屋敷の中やからって寝間着のままは困りますわー。仮にも国一番のお偉いさんなんやから、風邪でも引かれたら簡単に寝首かかれてしまう」
「何年ここで生きてると思ってんだ。お前が用件にすぐ答えれば部屋に戻る」

 彼の忠告はいつも決まりきった挨拶のようなもので、心配など微塵もされていないのはヤマトが一番よく分かっている。ご用件は、と早速本題を問う切り替えの早さは年寄り連中には真似できないものだろう。

「夕方まで留守にする。会議はお前とツバキに任せる」
「今日もいつも通りどこぞのお嬢様と昼に会食入っとりますけど、そちらは?」
「適当に断っておけ。ああ、興味あるなら行っていいぞ。大して美味くもない手料理食わされるだけだけどな」
「謹んで遠慮させていただきます。しっかし、もっと早よ言ってもらわな困りますわ。当日に断りの連絡入れたときの先方のお嬢さんの金切り声! ご本人は聞いたことないからわからへんかもしれんけど!」
「お前、食事の度に媚びた猫なで声で近づかれるのとどっちがいいんだよ。金切り声の方がマシだな」

 それに、今日晴れてんだよなー。
 窓の外を見てしみじみそう呟くヤマトに、はあああ、と思いっきりわざとらしいため息をつくと、再びツヅキが口を開く。
 ツヅキはこれまでヤマトが無茶な要求をしても大体のことはこなしてきたし、仮にダメだと言われたとしても勝手に逃げる自信がある。

「4時まで。夜の会議は俺やツバキはんじゃあかん」
「悪いな。時間には戻る」
「ええ加減、天気に仕事左右されるのやめてくださると助かるんやけどなぁ」
「んなの天気に文句言えよ」

 それだけ言い残すと、ヤマトは無駄話もそこそこに自室へ戻って行った。



「あーもうっ、この上着邪魔! 目立つしっ」
「黙れ暴れんな馬が潰れる」
「潰れないわよ!! ……た、多分」
「多分かよ」

 ヤマトが笑うと、うるさいっ、と高い声。それから、照れ隠しなのかヤマトの背中に顔を押し付けている。馬を操っているのだからこちらからは見えないというのに。
 彼女の負担にならないようにあまりスピードは出さずに馬を進める。後ろの彼女はしっかりヤマトの腰に腕を回しているから落ちる心配はないだろう。

「あんたと馬に乗ってこんな上着着せられたら目立って仕方ないから嫌なのにー……」
「ずっと屋敷にいるんだ、俺と外出する時目立たなくていつ目立つんだよ。言っとくけど、放してやる気無いからな」
「そういうこと簡単に言うからあんたってほんっと嫌な奴!!」
「嬉しいくせにー」
「う、嬉しくなぁい!!」

 本気で嬉しいだろうとはもちろん思っていない。もといた集落から拉致されるように屋敷へ連れて行かれて、こんな晴れの日にしか自分の家に帰ることができない。
 嫌わないでこうして腰に腕を回してくれているのが奇跡と言っても過言ではない。実際嫌われているのかもしれないが、表立っていない以上深く突っ込むような気はヤマトにはない。それに、嫌われていたとしても手放す気など毛頭ないのだ。
 朝食も取らず馬に乗って屋敷を飛び出してから10分弱。後ろで騒いでいた彼女が急に静かになる。

「到着。下ろすから待っとけ」

 最初はそれを極端に嫌がっていた彼女も、ヤマトがこうすることが、自分はこうされることが普通なんだとわかると、言う事にもすんなり従うようになった。こうして少しずつ上流の暮らしを学んでいけばいい。けれど今までの暮らしも忘れて欲しくはないから、仕事を放り出してでも定期的に帰してやる。
 馬から下ろしてやると、彼女はすぐに駆け出した。彼女の家はこの集落でも割と奥にある。赤い豪奢な男物の上着を翻しながら駆ける彼女の背を、ヤマトも馬を引きながらゆっくり追いかける。
 前に来たのはいつのことだったたろう。吹雪く日でなければいつも曇っているこの一帯で、晴れることは稀なので一月に一度晴れればいい。ということは、おそらく先月以来だ。
 真っ先に家へ辿り着くと、彼女は勢いよく扉を開けた。

「お父さんっ、お母さんっ!!」

 ここに来る度に彼女の声は嬉しそうに高くなる。ここに来ないとそうはならないのが哀しいところだが、それは仕方の無いことだ。小さな家の隣に馬を止まらせると、ヤマトもまた家に足を踏み入れる。

「ご無沙汰しています、おじさん、おばさん」
「綺麗に晴れたからきっと来てくれると思ってたわ。おかえり、ルミ」
「ヤマト君も忙しいのに毎回ありがとうな」
「いえ、当然です」
 
 随分早いけど朝ごはんは食べたの? と彼女の母が問う。もちろん、朝一で屋敷を出てきたから何も口にしていない。月に一度会えるか会えないかの家族だ。せっかく晴れたのだから、少しでも長く家族といさせてやりたかった。
 彼女は朝食を作る母親の手伝いのために台所に向かい、ヤマトは彼女の父とテーブルで向かい合う形で話を始める。大体それがいつものやり取りだ。

「すみません、……本当はもっと一緒にいさせてやりたいんです。根本的には、連れ出すべきじゃなかったと、今でもよく思います」
「その台詞は聞き飽きたよ、ヤマト君。国を引っ張る立場の人間が、自らの判断を悔いちゃいけない。君は正しいことをしてくれた。もちろんルミがいなければこの家は寂しいけれどね」

 幼い頃、ヤマトは屋敷のある町ではなく、わざわざ離れたこの集落まで来て遊ぶことが多かった。言う必要を感じなかったために、この集落の人間はヤマトをどこかの村の子供だと思い込んでくれた。彼女の両親もそうだ。彼女だって、そうだった。庶民であると思われることは楽だったし、そう振舞うのも楽だった。だから、何年もそうやって、事あるごとにここに来た。つい数年前までだ。
 ただ、父が死んで、指導者としての地位につかなければならないとなった時、状況が変わったのだ。ヤマトと彼女が懇意にしていることを嗅ぎつけた人間が一家への嫌がらせを始めるようになった。
 彼女だけには嫌な思いもさせたくないし、傷つけたくない。それには自分が彼女から手を引けばいいだけなのはわかっていた。しかし、元々指導者の家の長男として育てられたヤマトには、欲しいものを簡単に諦めるなんて考えはすんなり出てこなかったのだ。
 深夜、吹雪の中馬を走らせ、初めて彼女とその両親の前に、権力者として姿を現した。三人とも、酷く驚いていた。その時の顔を、ヤマトは今もよく覚えている。何か恐ろしいものでも見るよう瞳だった。それが嫌だったのに、その時はそう思われることが必要だった。有無を言わせずに、その夜ヤマトは何も言わずに彼女を家から連れ出し、屋敷の自分の部屋に匿った。それからずっと、彼女はヤマトの部屋で暮らしている。

「……立派になったじゃないか。ちゃんと指導者としての役割を果たしているし、晴れた日にはちゃんとルミを連れて来てくれる。君が何も言わずにルミを連れ出した時は何事かと思ったが、……あんなに頭を下げられちゃ私達に言えることは何も無いよ」

 あの吹雪の日の翌日の深夜、自室で彼女が眠りについた頃、再びヤマトは馬を走らせた。彼女の家で、前日の無礼を詫びるためだった。
 とんでもない失礼を口にすることを承知で、床に額を擦り付けるほどに頭を下げて、どうしても彼女だけは自分に守らせて欲しいと懇願した。後にも先にも、あれほど人に許しを請うのはあの一度きりだろうと思う。

「まだまだ褒められるには値しません。……まだ、俺は子供扱いされてますから。そのうち偉くなりますから待っててください」
「いやあ、もう十分大物だ。あのひょっこり現れた子がこうも立派になるなんて誰も思ってなかったよ。それに、わざわざ晴れた日にだけ帰ってくるなんて紳士だ」
「買いかぶりすぎですよ。風邪、引いてほしくないだけですから」

 基本的にこの一帯はいつでも寒いのだが、吹雪いている日はもちろん、曇りの日も大体体が凍るように冷える。晴れている日はまだ太陽の恩恵を感じられる。吹雪いていなければ馬を出すことはできるが、ただでさえ屋敷での生活を強いて苦労させているというのに、下手に冷気に晒して風邪を引かせてしまうのは嫌だった。それに、外出することで周りの人間にも彼女の存在を植え付けなければならない。そのためには、人が少しでも外で活動する晴れた日に、彼女にはヤマトの目立つ上着を着せ、馬で外出するのが一番なのだ。
 
「夕方までですけど、畑仕事とか手伝わせて下さい。多少役に立つと思います」
「毎度済まないね。畑仕事なんてするような身分じゃないのに」

 いえ、とヤマトが笑って首を振ると、台所にいたルミが二人の元へやってきてヤマトの腕を掴んだ。

「いいの! こいつ土触るの慣れてるんだからじゃんじゃん使って! 知ってるでしょ? 向こうの町のいろんなところにこいつが花植えてるの。好感度稼ぎもいいとこよ」
「へー。じゃあその好感度稼ぎの俺を手伝うお前はどう分類したらいいんだろうな?」
「あたしはただ花が好きなだけだもん!」

 それが当然であるかのように返すルミにヤマトは目を細めて笑い、自分より低い位置にある彼女の頭にぽんと手を置くと、彼女の父に向き直った。

「そういうことなので、一日よろしくお願いします」

 ヤマトがいつも以上に肩の力を抜く一日が始まる。




いつも行き当たりばったりだからあんまり考えてないんだけど、雪国だけど畑で作物が取れるんだと思います。(適当)


別名「きれいなヤマト」編。(笑)
自分の楽しみとルミのため以外には動きません。まあルミも自分のもんとか思ってそうだから究極的には全部自分のためですな。
もうお前誰だの次元でとんでもないヤマトさんがたくさん出る予定。頭の中にはとんでもないヤマトさんばっかり出てきます。
そして別に彼は好感度アップさせたい訳じゃなく、自分の住む町の至るところに花を植えているらしい。緑化運動ですか。特殊な肥料とかわざわざ作らせてるんですよ。もう変態の域ですよね。


まあ、全体的に気持ち悪くても、ルミに対してはどこのヤマトもこんな感じです。
傷つけたくない、悲しませたくない、苦しませたくない、でも手放す気はない。いいんだか悪いんだか分かりません。根っからの王様気質なんでしょう。
えー、ごめん、吹雪の夜にいきなり馬で現れて村の娘掻っ攫う男(CV:伊藤健太郎)はかなりイメージ的には好きなんです。(何)


でもってごめん、風哉くんいつも別人……!(爽)
どうしようかなあ、もうワンクッション置こうかなあ。でもキャラがいない。
クローバーのキャラ紹介のエースが好きで仕方ない。騎士は嘘つかないんだってよ!
でもやっぱり一番は双子とグレイさん。どんな剣士なんだろうなあ。

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2007.12.08(Sat) | rebellion | cm(0) | tb(0) |

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