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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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eternal damnation 1



やっと終わりました。
全部で95KB(メモ帳で)。


いろいろ問題あるので全部追記に貼り付けます。






 あれはもう、いつのことだっただろう。そう長い時間は経っていないはずなのに、もうこのドラマの起点がどこだったのかも思い出せない。分かっている。彼と彼女は、最初から二人きりだった。最初からこうで、最初からこうあるべきで、それならば最期までこうあるのが当然なのだ。だから、これがあるべき形で、これで良い。すべてが蕩けそうなほどに熱い吐息と、この世のものと思えないほどの甘い香りが立ち込める、この部屋の中だけが地上で赦された二人の楽園。彼女はゆっくりと顔を上げて、綺麗にその口元を歪めて微笑んだ。

「――楽園へ還りましょう?」



 人は、死ぬ。演繹法だろうが帰納法だろうが、それは確認の手段にすぎない。それは真理で、真理はひとつだ。暗がりの中で、何度それを確認しただろうか。もう何度も、何度も。飽きることはなかった。飽きてしまったら、彼がいないことに納得してしまう気がした。真理の袋小路に立たされて、抗う術ももたないのに、認識する度に自分が苦しいと分かっていて、何度も、『彼がいない』ことを確かめる。窒息しそうな苦しさの中で、少しも動けなかった。
 二人の苦しさは最高潮に達して、ある日、理央が先に体を壊した。
 理央は、昔から体が弱かった。もう子供ではないが、季節の変わり目には必ずと言っていいほど風邪を引く。それに、今は精神的にも酷く弱っている。大事な親友を亡くして、理央には責任などないというのに、ずっと自分を責め続けている。もう何日も出ていないし、まともに食事もしていない。高熱を出して寝込めばなおさら理央は苦しさに囚われる。苦しそうに喘ぎながら、額に玉のような汗をいくつも浮かべていた。
 奈央は思う。理央は私が守るべき存在である、と。幼い頃、彼女を可愛がってくれたのは理央だけだった。だから今、卑屈にならずに生きていられる。その恩は一生かけて返さなければならないし、理央が心底苦しんでいる今だからこそ、自分までもが暗い部屋に沈んでいるわけにはいかない。

「……理央、要さんに薬もらって、買い物してくるね。何か食べないと」

 苦しそうに喉で息をして横たわる理央の傍らで奈央がそっと呟くと、理央は目を細く開いて弱々しく首を振り、体を起こした。

「嫌、だ……」
「嫌じゃないよ。……大丈夫、あたしはどこにも行かないから」

 奈央はそう窘めたが、理央の腕は病人と思えないほど強い力で奈央を抱き、体力などもうほとんど残っていないために奈央を抱いたまま後ろに倒れこみ、そのまま放そうとしなかった。
 理央の親友の瀬川 空は、奈央の恋人だった。彼は一月も終わりに近づいたとある日、二人の住むこのマンションの一室で夕食を共にとり、明日も仕事だから、と帰宅した。翌日が休日なら泊まっていくこともあったが、泊まらないことがおかしいわけでは決してない。いつも通りのことだった。その帰り道に、居眠り運転のトラックに轢かれて、彼はいなくなった。どうしようもないことだったのに、それでも理央は自分を責めている。でも、理央が彼を送っていたとしたら、奈央は理央までも失っていたかもしれない。やはり、不可抗力。理央が自分を責めても、疲れるだけで何にもならない。理央は自らを責めすぎているがゆえに、大事な妹を外に出すのが怖いようだった。失う恐怖と不安が募って、小刻みに震えるその姿は、妹である奈央から見ても痛々しい。
 理央はうわごとのように何度も何度も奈央の名を呼び、精神よりも先に体が限界を感じて眠りに落ちるまで腕の力を緩めることはなかった。


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2007.12.28(Fri) | eternal damnation | cm(0) | tb(0) |

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