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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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間に合ったー


「ケーキ、食べたい?」
「……お前な、年考えろよ」

 大和は縁側でぼーっと呆けながら、開花にはまだ早い椿の木を眺めている。昔からこうするのが好きだった。今でも時間のある時は大体大和はここで椿を眺めている。花が咲く前も、咲いている時も、散ってからも、時間があれば眺める。最初は何がいいんだかさっぱり分からなかったあたしも、ずっと一緒にいるようになってからはなんとなく良さが分かってきた気がする。

「椿に帰ってきて欲しいんだ? 今日くらい」
「誰がだよ」
「大和が」
「椿元気かなー、って顔に書いてあるもん」
「元気じゃなきゃ炎而ぶん殴るだけだろ」
「うわあ、パパの嫉妬全開」
「そうじゃねぇっつの」

 一人娘をもう嫁に出した気分。正確には実家を出る許可を与えただけだ。それでも大和はいつも心配で仕方ないだろう。家を出たい、ひとりで暮らしてみたいと言われた直後の大和の顔、その言葉に続けて「炎而様がルームシェアを提案してくださって」との椿の言葉を聞いた瞬間更にショックを受けた大和の顔、今でも思い出すと笑えるなんてレベルじゃない。
 大和は父親としてよりも家元として椿に接することが多かった。それは仕方ないと思うし、椿もある程度は理解してくれていると思う。何百年と続く伝統を背負っているのだから、親子愛よりも優先するべきものも少なからず存在する。でも、何だかんだでやっぱり大和は父親なのだ。気にしない振りをしていたって、素っ気無い振りをしていたって、椿のことは可愛いし心配なんだと思う。口に出したことは一度もないけれど、顔に背中にそう書いてあるもの。あたしの目だと読めちゃうのよね、素直すぎる大和の言葉。自由にさせてあげたいけどそうもいかない、じれったい気持ちもよくわかる。

「……今日くらい帰ってきてもいいのにね」
「うるせぇよ、何回言うんだ」
「本当は家に居てほしかったんだけどなあ、あたし」

 家から出してあげたのが、大和の精一杯の優しさで愛情で、顔を出せなんて一度も連絡してないのも大和の気持ちだって、椿は気づいてくれるだろうか。それでいい、帰ってこなくたっていい。椿が自発的に言い出すことを無理矢理押し込めたりはしないって決めてるから、家を出て暮らしたいというならそうすればいい。もっとやりたいことがあるのならやればいい。そうして生きればいい。ただ、ちゃんと大和やあたしの目を見て、どうしたいのかどう生きたいのか教えてほしい。ちゃんと真っ直ぐ目を見て話すことができるのなら、あたしたちは文句つけたりしないんだから。
 帰ってこなくていい。でも帰ってきて欲しい。我が侭かなあ。あたしだって大和に負けず劣らず椿のことは可愛いと思ってるんだもの、仕方ないじゃない?

「ま、水城もおんなじように寂しい思いしてるんだから侘しさ分かち合ったらいいじゃない。連絡してみれば?」
「るせぇよ、樹理と椿じゃ全然違うだろ」
「寂しいの否定しないんだ?」
「それは違うって最初から言ってんだろうが」
「うーん、大和が寂しくないっていうなら、水城は家にひとりだろうしあたしが遊びに行こうかなあ」
「何でそうなる!」

 大和が目に見えてイライラしている。からかわれるの好きじゃないもんね、昔から。普段水城のことからかってばっかりだから、てっきりそういう人なのかと思ってたら、寧ろ逆だった。真っ直ぐな分、隙が多いのよね。水城は賢いからそういうのすぐわかるみたいで、水城が帰国してからはすっかり立場逆転、って感じ?
 一度あたしの方をじろりと睨んだ大和はため息をつくとまた視線を椿の木へ向けた。あたしも同じように、変わらず青い椿の葉を眺める。
 そうして二人で呆けること十数分。

「父様、母様」

 砂利を踏む音にあたしと大和が顔を上げれば、そこには久しぶりに戻ってきた椿の顔があった。あたしにも連絡寄越さないなんて、サプライズのつもり?
 椿の後ろには樹理くんと、仕事帰りなのだろうスーツ姿の水城もいる。誘い合わせて来てくださったわけね、ありがたいわ。

「お久し振りです。連絡もせずにすみませんでした」
「元気ならいいのよ。ねえ大和」

 声をかけても返事をしない大和を見て水城が笑う。

「椿が帰ってこないもんで拗ねてたけど結局来てくれたから嬉しくて言葉も無い?」
「うるせぇよ流風!!」
「おー怖い。わざわざ来てやった親友に言うねえ」
「お前だってどうせ樹理が来なきゃ忘れてたんだろうが」
「俺お前の誕生日覚えてられるほど脳に空きスペースないんで」
「あーあーさいですか」

 そんな態度じゃ拗ねてるし照れてるってバレバレなのに。子供みたいなところは何年経ってもぜーんぜん変わらない。そんなだから水城に下克上許しちゃうのよ。 
 笑う水城と不機嫌極まりない大和を見て、椿も樹理くんも苦笑している。娘にまで笑われて大和も立場ないわね。

「父様、お誕生日おめでとうございます」

 大和の目の前に立った椿は、そう言って軽く頭を下げた。
 
「……来るなら来るで連絡くらい入れろ」
「色々考えていたら遅くなってしまって……。ご迷惑でしたか?」

 そういう台詞を平気で切り捨てられるほど大和は非情じゃない。けど、そんなわけない、と即答できるほど素直でもないので、自然と返答は「別に」というものになる。椿が三歳くらいなら素直に嬉しいというのだろうけれど、そんな年でもないし。
 当然水城から野次が飛ぶ。飛び交う罵声。高校時代みたいに馬鹿馬鹿しい。

「椿、考えてたって何を?」

 仕方ないのであたしが話を振ると、椿は困った顔をして笑う。

「お誕生日の贈り物を。家ではいつもお花を活けていましたけれど、今年はそうもいかないですし、かといって父様に似合うものもなかなか思いつかなかったもので」
「それで、結局どうしたの?」
「ええ、それで少し樹理さんにお手伝いしていただきました」

 そこで樹理くんの名前が出る。視線を移すと、樹理くんが持ち上げた手にはスーパーの袋が。何か買い物をしてきたらしい。

「せっかくですから、私の手料理を味見していただきたいと思った次第ですわ」
「「「え?」」」

 あたしと大和、水城の声も重なる。
 あたしや大和はもちろんだけど、芹沢家の長女ってことで水城にも椿の料理の腕前は大体察しがつくんだろう。冷や汗が浮かんでいるのがわかる。樹理くんは割と平然としてるように見えるんだけど……。

「つ、椿? 無理しなくていいのよ、そんなに気を遣わなくても」
「いいえ、私も自立した生活が送れているということを知っていただきたいです」
「りょ、料理なら母さんが作るから、お前は久々に戻ってきたんだしゆっくりしてればいい」
「そんな。父様のお誕生日に手ぶらで来てしまったんです、私にはこれくらいしかできることがありません。させてください」

 ……椿が自分から言い出したことはさせてあげなきゃ。うん、そうなのよね。これ殺し文句よね。
 流石の大和も、させてください、と言われては無理に反対することができない。

「……じゃあ、楽しみにしてる」

 縁側に座っていた大和は立ち上がると、椿にそう告げてから水城を捕獲しにかかった。逃走防止だろう。
 椿は「お任せください」と、いつになく張り切っている。それがあたしには怖くて仕方ないんだけど。
 大和と水城が揃って母屋に向かう。椿もぱたぱたとその後を追う。あたしも続くために立ち上がると、残された樹理くんが近づいてきた。

「椿、結構料理上達してるんですよ。ちゃんと食べられるくらいには」
「嘘っ」
「僕も真紘さんも最初は餌食になったんですけどね、最近はまあ、それなりに。だって料理は都筑くんじゃなくて椿がやってるんですよ、確か」
「……椿が、ねえ……」

 台所に立つと、何か前衛芸術的なものを作り出すあの子が、それなりの料理をするなんて。しばらく離れていたとは言え、意外というか想像がつかないというか。

「都筑くんが死んだって話も聞かないですし、僕も真紘さんも生きてるし、多分大丈夫ですよ」

 あたしや大和には教えてくれないで、樹理くんや真紘くんは知ってるんだなあと思うと複雑だけど。これもサプライズプレゼントってやつかもしれない。何より、そういう椿の成長は大和も嬉しいだろうと思う。

「樹理くんがそう言うならきっと平気ね。バレンタインでも犠牲になってたし」
「大丈夫だって分かってなきゃ買い物に付き合ったりしません」
「そうよねー。うん、いいプレゼントかもね、大和には」
「そうなると思います」

 受け取るのは大和だし、万が一何か黒い物体が出てきてもそれはそれで嬉しいんじゃないだろうか。と思うとやけに納得してしまう。椿もあたしたちの目の届かないところでちゃんと成長してるんだなあ、なんて、手を放してから随分経つのに今更感慨深くなってみる。
 なかなか着いてこないあたしたちを不思議に思ったのか、椿からお呼びの声がかかる。

「よし、じゃあ椿の手料理ご馳走にならなきゃ」
「一応胃薬用意しといた方がいいかもしれませんよ」

 冗談めかして笑いながら、樹理くんが重そうなビニール袋を揺らした。




一応間に合った。でも途中で面倒になって適当です。
大和は椿のまともな手料理とか一生食べる機会ないだろうな、と思ってるから相当嬉しいと思う。
なんていうか親馬鹿。知ってたけど親馬鹿。
それでも締めるところは締めるよ。ちゃんと家元するよ!
真紘は独身時代のタっくんと同じような食生活で同じような部屋になる気がしてきました。


サプリ入りの食事とか、紗央なら「豚も食べないわよ……」とか言ってると思います。
与一郎君は城下の食べ物を城に入れるべきって飽きるほど大和に進言してそうです。
それは格式がなんたらかんたらって大和は言うし、紗央も城下の食べ物がどんなのなのかわかんないから基本的に大和には同意なんだけど、タっくんに城下のもの食べさせてもらったら考えが変わると思う。
しまいには「あんたこんな不味いもの毎日食べてるから仕事終わらないのよ!」とか言われそうだ。
ローテブルクには忙しい人がいなさそうです。強いて言えば炎而君だけど、あのトリオも抜くところは抜いてそうだし。
空奈央と、ひたすらケレスさんの仕事の邪魔する紗央とか、そんな紗央を快く思ってない流風とかがいいな、うん。書きたいんじゃなくて見たい。
流風が完璧ラマール君ポジション!
流風はケレスさんにすっごい憧れてるとかでもいいんだけど、ケレスさんの隊に自分から志願して、後で空とかに、
「お前どうしてあいつの隊志願したの?」
って聞かれて、
「この中隊ってのは決まってたから、……ほら、……面子的にここしかないかなって」
「ちょ、てめッ、俺とシーマスに喧嘩売ってんのか!?」
「いや、そうじゃなくて。単に俺と合いそうにないなあと」
「シーマスはともかく俺は優しい先輩であり優しい隊長だぞ!?」
みたいな会話をしてほしい。空、取りあえずシーマスさんに謝れ。
まあすごい憧れてる、って方が簡単ではあるんだけどね。
隊長さんは訓練の監督しなきゃいけないんだけど紗央が近くに寄ってきて危ないからちょっと離れたところにいたりして、わざわざ流風が探しに行く。
「また姉姫様ですか!? 今は訓練の時間なんですから邪魔しないでください!」
「邪魔なんかしてないわよ! ちょっと様子見に来ただけじゃないっ」
「それが邪魔なんです! どうせ目付役がうるさいから逃げてきたんでしょう」
「そんなんじゃないわよ!」
とかな。で、その直後に真紘あたりが「紗央姫様ー」って探してるらしい声が聞こえて、捕まる。
紗央と流風は仲が悪そうです。楽しい。


さて、明日も朝からバイトか……。バイトなんて消えてなくなればいいのに。

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2009.11.28(Sat) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

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