プロフィール

軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.--(--) | スポンサー広告 |

月と共に満ちてゆく  2



 研究室に着いてから鞄の中に入っていたノート数冊を出しておいて、俺を呼び出した張本人を待つ。壁の掛け時計を見ると、もう四限が終わって二十分ほどが過ぎようとしていた。俺が取っていた授業が割合早く終わったのもあるが、時が過ぎるのをやたらと長く感じてしまう。瑶子さんのことだから自分の用事はさっさと済ませて、もうこの建物の入り口で待ってるんじゃないだろうか。遅れたら遅れたで何だかんだとチクチク言われそうだ。……いや、付き合わされる身なのに用事で遅れたくらいで小言言われる意味がわからない。大体あの人も俺なんか付き合わせないで友達だの恋人だの、他にいろいろいるだろうに。
 指先でトントンと机を叩きながら待っていると、小さく扉が開く音がした。待ち人来る。用件は予測がついているからとっとと済ませて建物を出るべきだろう。時期が時期だし、俺が待つならまだしも待たせるのは酷だ。鞄を肩に掛け、出したノートを手に立ち上がった。

「これ、ノート」

 真っ白なコートに、膝丈の黒いスカート。俺を呼び出したその女子は、髪型や服装とか雰囲気がなんとなく奈央に似ていて、背丈は瑶子さんより少し低い感じの、普段から大人しい子だった。そう親しいわけでもないけれど、親しくないというわけでもない。まあ普通に同じ研究室にいる程度の交流は持っているが、他の授業で出くわして近くの席にわざわざ座るほどは仲良くない。ノートを借りに来るようには見えなかったから意外だという気持ちも少しある。
 俺が差し出したノートを見て、彼女はきょとんとした瞳でノートと俺を交互に見た。

「え、……ノート?」
「違った? 教科書?」
「きょ、教科書?」
「?」

 ……意思の疎通が図れない。どうも何か読み間違えたらしいことだけはわかる。
 それじゃあ用件は何なのだと再び相手の瞳を見れば、彼女は少し戸惑った様子で一度目を伏せてから、意を決したように俺の目を見た。

「あのね鈴城くん、」

 窓の外は、

「わたしね、」

 今どれくらい寒い?



『いつまでも自分が恋愛の主体になろうとしない人』 



 少し困ったような呆れたような表情、照れたような控えめな声。そういやらしくなかったな、と今頃思う。
 いつだってあの人は自信に満ちている。自分というものは今いるこの自分でしか有り得ないのだからと堂々としているように見えていた。
 あの時のあの人の台詞は、どうしてあんなに寂しく響いたのか。
 ――俺は、早くこの建物を出なきゃならないのに。夏に待たされたお礼を冬にするのは報復としても正しくない。そう思う。




「――どう、かな……?」

 彼女の“告白”が終わったらしかった。ほとんど上の空だったけれど、何を言われていたのかは大体見当がつく。
 どう?
 どうだろう。
 別に特別仲が良かったわけでもないけれど、特別苦手だというわけでもない。こういう雰囲気の子とは前にも付き合ったことがある。
 だから?
 だからどうするのか。
 いつも通りにするだけじゃないのか。
 自分が特別嫌だと感じたのでなければ、相手を受け入れるのが正しいんだろうと思って今までそうしてきた。
 だから今回もだ。今回もそうするのが普通だ。

『別にいいよ』

 そう言おうと小さく息を吸ってから口を開いた時だった。
 けたたましい音をさせて、研究室の扉が開かれた。その音は、いつぞやの来襲を俺に思い出させる。

「理央ちゃんおっそーい!! レディを冬空の下で待たせるなんてっ、……あ、」

 いつも通り騒がしい人だ。図ったかのようなタイミングの悪さに驚いてしまう。ドアを開いて飛び込んできたのはもちろん、瑶子さんだ。勢いが良すぎたからか、瑶子さんの白いコートの裾が大きく揺れている。
 ――もっと驚いてもよかったはずなのに、心のどこかで「やっぱり」という気持ちがある。こうなりそうな気がしていた。
 突然割り込んできた瑶子さんも部屋の中の様子に驚いて、俺を呼び出した彼女は当然俺や瑶子さん以上に驚いたようだ。目を丸くして俺を見ると、どもりながら「ごめんね」と呟いて走って部屋を出て行く。悪いことをした気がして手を伸ばしたけれど、拒絶するようにドアが閉まったのでそれ以上俺にはどうすることもできなかった。

「……今の子と話すのが、理央ちゃんの用事だったの?」

 鞄を肩にかけ直していると、瑶子さんが小さい声で俺に問いかける。
 事実なので、頷く。

「話があるって呼び出されてて」
「ならどうして私と約束なんかしたの!?」

 瑶子さんは急に声を張り上げた。さっき瑶子さんが飛び込んできたときよりも驚いてしまう。怒鳴られることを何かしたのだろうか。

「どうして、って、瑶子さんが電話を」
「あの子との約束が先だったんでしょ!?」
「どうせノートか何かの催促だと思ったんですよ」
「そんなわけないじゃない……! あんな大人しそうな子が、頑張って理央ちゃん呼び出したんだよ!?」

 大人しそうな子。……そうだ、なんとなく奈央に似てるなあと思っていた。でも、奈央が大人しいなんてことは俺はよく分かってるから、特別それが問題だと思ったことなんてない。
 俺の態度が気に入らないらしい瑶子さんは睨むように俺を見る。

「……理央ちゃん、あの子に付き合って欲しいって言われたんでしょ? ……私が入ってこなかったら、別にいいよ、って言って、晴れてハッピークリスマスだったわけだ」
「な、」

 なんでそんなこと断言されなきゃいけないんだ。
 けど、実際瑶子さんが入ってこなかったらそうなっていたのだろう、とも思う。瑶子さんが飛び込んでくるまでは、あの子の意に沿う返事をしようとしていたわけだし。だから途中で口を噤む。口を噤めば自分の推論の正しさを瑶子さんが確信するのは当然だろう。やっぱり、と小さく呆れたような声が聞こえた。
 ほんの少し静寂が訪れる。
 白いコート姿の瑶子さんは、俯き加減で立ち尽くしていた。白いコートに、紺色のカチューシャの対比が鮮やかだと思う。
 どうして俺がこの人に叱られているのか、わからない。「ごめんね、邪魔しちゃったぁ?」とでも言えば彼女らしいと思うのに、どうして瑶子さんとの間に今、静寂が訪れなければならないのか、わからない。
 静けさを切り裂いたのは、すう、と空気を吸う音。

「――理央くん」

 違和感を覚えながら、瑶子さんの目を見る。
 その瞳は、さっきのあの子と同じ、……もしかしたらそれ以上に真っ直ぐに見えた。

「……今から私がずうっと思ってきたことを言うので、黙って全部聞いてください。異論は認めません」

 ……まるで俺がこれまで全然貴女の話を聞いてなかったみたいな言い方じゃないですか。
 そんな軽口さえ阻まれる空気があった。ただその空気に圧されて、頷く。
 よしよし、と瑶子さんは茶化すように一度顔を綻ばせてから、また真剣な瞳で俺を見る。

「理央くんはいい人だと思う。優しいし、気が利くし、紳士的だし、賢いし。言うところはきちんと言ってくれる。女の子がそういう人に弱いのは当然だと思うのね。でも、いい人であっていい男ではないと思う。だって理央くんにとっては、どんな女の子も奈央ちんか紗央ちんか、そのどっちかにしか分類されてないんだもの。妹だとか従姉だとか、みんなそんな風に見えちゃうから、踏み込みすぎることができない。理央くんはいつもどこかで強くブレーキをかけてて、その一方で無意識的に女の子をすごく傷つけることをたっくさんしてると思う。それは無意識だから責められることじゃないよ。けど、誰に対しても本気になれないなら擬似的な恋愛関係だって作らない方がいいんじゃない? ……これまで付き合った子が何人いるのかわかんないけど、きっとみんな、どっか寂しいなって思ってたと思う。理央くんのこと好きって言うのはね、奈央ちんや紗央ちんだけじゃないんだよ。理央くんが家族をとっても大事に思う気持ちはすごく素敵だと思うけど、同じような目で見て欲しいなんて誰も思わない」

 そこまで言い終わると、瑶子さんは息をついた。それから深呼吸をする。

「……でもね、どうしてかなあ、私はそういう人に惹かれちゃうんだよね。頑張ってもこっち見てくれないな、って思う人、好きになっちゃうの。だってね、理央くんって見た目すっごい私の好みなの。その上過剰なくらい優しいでしょ? 嫌なら嫌って言ってくれればいいのに、そうじゃなきゃわかんないのに、でも理央くんは絶対断らないもんね。そんなの私じゃなくたって自惚れちゃうよ普通。私間違ってないと思う! ……私だけにこうしてくれてるんじゃないかな、って、私だけだったらいいな、って、……思っちゃうよ、もう、理央くんの馬鹿、鈍感っ、……大好き」

 ――これは、どう反応するのが正解なんだろう。
 突っ立ってることしかできずに、ほとんど放心に近い状態でいると、瑶子さんの笑い声が聞こえた。

「あははっ、何、嘘、意外だったの? 本当はもうちょっと時期見ようと思ってたんだけど、理央くんがあんまりダメダメな子だからつい。これだからおねーさんってば面倒見が良すぎてダメなのよねー」

 瑶子さんの明るい声が、段々尻すぼみになっているように思える。本人は同じボリュームで喋っているつもりだろうし、実際そうなのかもしれないけど、俺の耳に入ってきたのは段々小さくなる寂しげな声で、……それだって、どう考えたってらしくないだろう。瑶子さんの声なのに、瑶子さんの言葉じゃないなんてそんな馬鹿なことは。
 何か言わなくちゃいけない、何か言わないとどうにもできなくなるような気分の悪い予感がして、とにかく言葉を探したけれど、俺が口にしていいような言葉はひとつも見つからなかった。
 おかしい。
 さっきはあんなに簡単に、誰かを受け入れる言葉を言おうとしていたのに。

「……うん、なんか踏んだり蹴ったりだよね、ごめんね理央くん。買い物はひとりで行けるから平気! もう私からしつこく連絡したりしないので、安心して勉強に恋に励んでください! おねーさんからの訓示は以上です! じゃ、またね理央くんっ」
「は!? 何ですかいきな、」

 り、と続ける前に扉の向こうにコート姿が消えた。
 ……別に、踏んだり蹴ったりだなんて思ってないし、しつこいだなんて思ったことも言ったこともないのに、……勝手な人だ。
 泥沼に引っ張り込んでやるとか豪語してたのはどこの誰だ。……本当に、本当に本当に、一方的すぎる。
 一人になった研究室で、瑶子さんの自分勝手な部分をたくさん頭の中で挙げていった。けどそれは全部瑶子さんらしさだから許せていたことで、俺が優しいからじゃない。
 数分考えたけど、考えたところで次のアクションは思いつかず、埒が明かないので帰ることにする。
 

 重いもの買わなきゃいいけど、あの人。




ゼミの資料作ってるときとか、お風呂入ってるときとか、暇な時間は結構このシーンどうしようか考えたりしてたんですが、あんまりうまいことまとまらなかった。
本当はもっと瑶子さんを可愛く書いてあげたかったんだけどなあ。アメブロであいのりメンバーの日記眺めたりしてると、こういう可愛さのある人だといいなあと想像が膨らみます。
地の文がおかしいのは、眠いのと理央の思考回路がちょっと変だからです。
理央はみんな妹みたいな気がしてるんだよね、ほんとに変態だよね!
あと2話くらいで瑶子さんと理央の話はおしまい、のはず。どう書くにしても、私は瑶子さん気に入ってるし、付き合ってる状態を考えるところから瑶子さんのキャラ立てが始まったから、どうしたって理央は瑶子さん好きなんだよ。それ以上にどう書けと!!
どうしたら可愛くなるかなー。どうしよっかなー。


この後瑶子さんは部屋でひとりで号泣ですよ。泣かないでいられるほど強くない、けど理央の前で泣くのはプライドとかいろんなものが許さない。泣きながら紗央に電話とかすればいいのに。
泣いたり誰かに縋ったりする弱さも持ってるのがいいんじゃない。泣かない女の子はあんまり可愛くないよな! 涙腺は正常に機能するのがいいよな!


何かもう理央がこっから先ずぶずぶハマってくんだなあと思うとニヤニヤします。ざまあみろ!!
クリスマスに間に合わせたかったけど無理だな! 今年中に終わらす!
近代戦パロは冬二くん視点を考えつつ、磁石の続きを書き始めたら「紗央うぜぇえええええええ」ってなったので、いっそ空視点を書き出してみる。ドライな空は書いててむちゃくちゃ楽しいです。バカっぽくて明るい奴の二重人格とか禿げ萌える。
キディ・ガーランド見てたら、なんかイケメンコンビの片割れの声を中井和哉がやってて吹いた。なんか、違うと思う。ああいうのは置鮎とかっぽい。もしくは小野D(迷ったら何でも小野Dにすりゃいいと思ってる)。ちなみにタっくんとは似ても似つかない感じです。ヴァルキュリア進めてザカに会う!
断章やってたからまだ進められん……。歩兵ウェルキンいいよなあ。上司にしたい。最初は攻撃も外してたけど後々かなり当てるようになったし。


レジェンド(笑)だと、いっそケレスさんがドン引きするくらいいちゃいちゃしてりゃいいと思ってる。
別に口調変わったりとかじゃないけど、雰囲気違いすぎ、くらい。そんなキャラをやらないですかね石田は。
とくがわも好きなんですけどね。ミラ☆トレ、マジで面白すぎるんですがもう最終話……。つまらん。
あかりちゃんの大人バージョン可愛いよなあ……。


そろそろ寝る。明日パスポート取りに行く。
スポンサーサイト

2009.12.25(Fri) | Always I Need | cm(0) | tb(0) |

この記事へのトラックバックURL
http://hechima1222.blog88.fc2.com/tb.php/666-c8c28dc5
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
Name
E-Mail
URL
Title

password
管理者にだけ表示を許可
/
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。