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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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アルデラミンの忠誠  2



 数日の旅の後、城に戻った王子は俺に部屋に入るなと命じた。王位継承云々の問題について調べ始めてからは、人払いをすることもよくある。だから俺は素直に指示に従い、取りあえずは自室へと戻った。自分の部屋からではすぐに王子の部屋に駆けつけることはできないが、王子でもある程度は自分で問題を処理しようとする。数分で俺に用事ができるとは思えなかった。
 相変わらずのボロくて狭い部屋。まだ日は高いのに薄暗く湿った場所では、時間や明るさなど関係なく囚人の呻く声が聞こえる。粗末なベッドに腰を下ろして、深く息をつくとやっぱりこの数日自分は疲れていたのだと実感する。あの王子と数日一緒にいたのだ。緊張もしたし、いつ首を切られるかと気が気ではなかった。実際、金山に向かう途中で「弟妹の顔を見て来い」と言われた時は背筋がひやりとした。まだ、帰るわけにはいかない。まだその時ではない。まだ、まだだ。王子が国王になるまでは。
 ブーツを脱いで、動かない足をベッドに上げて軽くマッサージをする。どんなに刺激を加えようと一切感覚の無い右足を恨めしく思いながらも、毎日それを続けている。これを続けていなければ、足の先から腐っていくような気がして、腐り始めたら全身が侵されていく気がして、怖い。
 軽く瞼を閉じると、緊張の糸がぷつりと切れた。やっぱり疲れてんだな……、そう実感しながら意識を眠りの淵に落とした。



 扉をどんどん強く叩く音で眼が覚めた。窓の外はもう暗くなっていた。たっぷり数時間は眠ってしまっていたらしい。
 慌ててベッドから下りると、不便な足を引きずってドアを開ける。俺の部屋に用事があるのなんて王子か、王族に仕える一部の側近だけだ。とりわけ、王子が何かやらかすと大体俺のところに連絡が来ることになっている。扉の向こうにいたのは、――俺が会うことなんてまず無い、国王の一番近くで仕える老紳士だった。もちろん身分も何もかも、俺とは比べ物にならない。すぐさまその場に跪く。

「王子がどちらにいらっしゃるか知らないかね」
「お、お部屋にいらっしゃるかと。人払いをされてましたので」
「その通りなら私がこんなところに来る必要があると思うか? ……下手な嘘は止しなさい、王子はどちらに」
「ぞ、っ、存じません! 本当です!」

 確かに、王子が部屋にいたならこんな高位の人がこの部屋みたいな辺鄙な場所に来る必要などない。いないから、俺を訪ねてきた。それはわかっていても、王子の人払いの対象には俺も含まれている。王子付きの使用人であるならば王子の所在を知っていて当然、ということだろうか。

「君が今口を割ったことで王子が君を罰しようとするなら、それは私が全力で引きとめよう。長く隠されれば私の方が君を罰さなければならなくなる」
「本当に知らないんです。王子は私を含め、人払いをされました。私はそれから一歩もこの部屋から出ておりません。……長旅の後ですので、久し振りに城の人間と会話でも楽しんでいらっしゃるのかもしれません」

 跪いたまま、必死にそう弁明する。
 相手がどう感じているのかは俺には分からない。ただ、ここで罰されるのは困るのだ。せっかく王子の近くにいられるのに。王子が国王になろうとしているのに、俺が処罰を受けるわけにはいかない。
 かっ、と相手の靴の底が床を打つ音がして、顔を上げた。

「……まあいい。こちらでもよく探すことにしよう。君も、王子をお見かけしたらすぐに連絡するように」
「はっ!」

 ――一応、諦めてくれたらしい。
 しかし何故だろう。長い期間城を空けることにも反対をしなかった人間が、少し王子が城を歩き回った程度で騒ぐなんて。そりゃあ王子は自室にいるか、騎士団の様子を見に行くか、行動の予測は立てやすい相手だ。俺という使用人がいるのがここであるとしても、高官が普通ここまで来るか? 騎士団の連中に命じて探させればいいだけの話だろう。
 ……それは、『王子』が『城を歩き回る』ことに何か意味があるからだ。こんなところにいる俺を頼ってまで王子を探している人間だ、他の場所も隈なく探してはいるのだろう。
 立ち去る相手の後姿が消えるまでしっかり見送るため、跪いたままの体勢でいると、扉から離れていく影がふと立ち止まった。

「――書庫の鍵が壊れていたのだが、心当たりは」
「え、」

 書庫の鍵。書庫?
 王子は書庫の本は使うが書庫には出入りしない。実際出入りして本を探し、届けていたのは俺だ。

「王子に命じられて資料を探しに出入りしたことは何度かあります。……随分古い鍵でしたし、人の出入りもあまり多くなかったようでしたので、老朽化かと思うのですが」

 率直に思うところを述べる。
 ふん、と相手は納得したのかそうでないのか曖昧な様子で、階段を上っていく。影はだんだん小さくなり、やがて完全に見えなくなった。
 それから部屋に戻り扉を閉めると、顔を洗ってブーツを履く。
 ……俺も、ちゃんと仕事しなきゃ。修と双葉に合わせる顔がなくなっちまう。




 書庫は一応見に行った。まだ修理はされていなかったので、壊れたままの鍵を見ることができた。
 最後に俺があの書庫に入ったのはもちろん王子と城を出る前。けどその時には開錠も施錠も問題なかったはずだ。それが今壊れているということは、王子と俺の不在の間に何かあったということ。老朽化と言っても鍵は鍵だ。施錠がしっかり出来たのなら、何か特別に力を加えない限り壊れたりはしないはず。つまり、何だ。滅多に人の出入りしない書庫に、入ろうとした人間、もしくは入った人間がいるということ。老朽化で壊れたにしろ、外部から力を受けて壊されたにしろ、誰かがあの扉を開けようとしたことは事実だ。……けど、書庫に入ったって面白いことなんかない。大抵の本は書庫とは別の図書室にも保管されているし、図書室なら誰だって出入りできる。薄暗いこともないし、学者先生なんかは大体そっちを利用している。書庫にあるのはいやに難しそうな本だとか、王族のための寝物語だとか、装丁に金が掛かっていそうな本ばかり。王子が持って来いと命じた本は大体書庫に納められていた。何でわざわざ書庫に入ろうとしたんだか、俺にはわからない。
 そんなことを考えながら王子の部屋の扉の前に陣取り十分ほど。お目当ての人間がやっと姿を現した。

「どこ行ってたんスか」
「ちょっとそこまで」

 王子はまだ着替えておらず、城を出たときの服装のままだった。ボロい布を纏って、ただでさえ王子らしい貫禄は失われているのに、纏った衣類が土塗れだったから余計にみすぼらしく感じられた。
 土に汚れた衣類もそうだが、一番目を引くのは王子の両肩。一羽ずつ、カラスがとまっている。背筋にぞくりと悪寒が走った。突然カラスを連れるなんておかしいことこの上ないのに、王子はそれに気づいていないようだった。馬車の中であれだけ目にしたモチーフなのに。
 その問題も確かに気がかりなのだが、王子が高官に探されていたという話をすると、

「どう撒いた」

 との問いかけがあった。隠さずそのままを話す。メイドを引っ掛けてる、ってのはちょっと誇張だけど、王子は気づいていないらしい。

「……何かヤバいことしてるんスか? 向こうは王子にアタリつけてたみたいっスけど」

 ヤバいことしてなきゃわざわざ高官が俺の部屋になんか来るものか。何か国の大事に関わることに王子が踏み込みつつあると考えるのが妥当だろう。
 王子は俺の言葉に、にやりと笑った。

「ヤバかろうとそうじゃなかろうと、俺が国を継ぎゃいいって話だろ。……やってやるさ、そのためにわざわざ城を留守にしたんだ」

 ……そうだ、ヤバかろうとそうじゃなかろうと、王子が国を継いでくれれば俺はそれでいい。そして、思うように国政を動かしてくれれば。思うように戦ってくれれば、俺はそれでいい。
 王子が肩のマントをかけ直し、俺に一歩二歩近づいてくる。俺は王子が思うように動いて、その結果として国を継いでもらえればそれで構わない。王子がそう思うなら、そうすりゃいい。王子が目の前に来たところで、軽く頭を下げ、扉の前から退く。
 王子が扉を開くと、ちらりと部屋の中が見える。いつもと同じ、散らかった部屋。見られたら不味いものがあるから、掃除しないようにメイドに言いつけたのだろう。
 少し下らない話をしてから、王子が部屋に入る。また明日な、と声をかけられ、そこでまた悪寒に襲われる。明日なんてないかもしれない、という妙な感覚。何とか王子を引き止めないと。思ったときには既に「王子」と呼びかけていた。閉まりかけていた扉がギリギリのところで止まり、再び開く。

「言い忘れてました。俺じゃないって弁明も含めてなんスけど」

 でも、俺にできる話題なんて限られている。

「何だ」
「書庫の鍵が壊れていたそうで」
「書庫の?」

 考えたけどそれしか言うようなことがなかった。鍵なんてそう簡単に壊れないし、老朽化といっても城を出る前まではちゃんと施錠できた。そう言ってみたけれど、やはり王子からも「老朽化だろ」と断じられてしまう。そりゃあそうだ、俺だってそう思う。
 再び閉まりそうになる扉の向こうに王子の姿が消えていく。欠伸を噛み殺したような声も聞こえる。
 ――率直に伝えないと、話は進まないかもしれない。変な胸騒ぎがする。

「王子、どこか出かけるなら俺を伴ってください」

 また、閉まりかけた扉が開いた。

「……用事を一息に済ませるってことを知らねぇのか」

 王子は何度も呼び止められたからか不機嫌な表情を露にしている。けれど、あの胸騒ぎは。明日なんてないかもしれない、そんな変な胸騒ぎだから、放っておくわけにいかないような気がするのだ。

「いえ、今言わなきゃ、って突然思い立って。……ぞくっ、て、なんか、胸騒ぎがして」
「…………」

 しばらく王子は考え込んでいた。
 俺だって、言わなくていいならこんなこと、言ったりしない。仕事は少ない方がいい。ただ他のどんな仕事よりも、俺にとって王子を守ることは大事な仕事だから、盾となれるなら俺を伴ってほしい。そう思うだけだ。

「忠告感謝する。だが、足の悪い従者ひとり伴うより自分ひとりで動く方が効率がいいこともある」

 ……ほらやっぱり。言われそうだと思ってた。
 俺なんか足が悪くて役になんか立ちゃしない。俺だって分かってる。わかってるけど、そうしなきゃ俺を保っていられないから、これは俺がここで生きるための意地だ。

「それは分かってます。王子としての事情があることも分かります。ですから、せめて行き先だけでも告げてもらえればと。……さっき上の人が王子探してたことといい、鍵といいカラスといい、変に重なって不気味なんです」
「お前を安心させるために俺がお前に付き合えって?」 

 王子は一度ため息をつくと、それから呆れたように笑った。
 聞こえたのは、

「ざけんなよ、身分弁えろ」

 そんな言葉。
 押し黙った俺に、王子はもう一度「また明日な」と声をかけた。今度こそ、扉が閉まる。

「……身分を弁えるのは貴方の方だ……!」

 閉まった扉に小さく呟く。
 ……王子が一人で気ままに動くことさえも王子としての行動だというのなら、俺も従者としての行動をするだけだ。それしか道が無い。ハイそうですかと引き下がるのは、指示を待っているだけの無能な騎士団の連中と何も変わりはしないのだから。
 俺には従者として動く以外のことなんて、できはしないのだ。唇を強く噛み締めて、王子の部屋を離れた。





久々に聖櫃戦争話、慎吾視点。
ファンタジー設定となると、現代設定で空に背負わせてる暗い部分を慎吾に任せてます。二面性っていうかそういう部分。だからファンタジーの空は馬鹿でまっすぐで明るい子、でいいと思ってる。
聖櫃戦争とリベリオン、近代戦パロもちょっと異常なのは慎吾です。


池袋の黄色いお店で、冬コミの新刊買った。絵がものっそい綺麗で、世界観が素敵。二次なのにね。
2冊買って、一冊は再録で一冊はその続きなんだけど、続きの新刊が見つからなくてレジのお兄ちゃんに聞く。なんだか長々手間を取らせて申し訳なかったけど、あってよかった。
モノコムサでそんなに大きくないショルダーも買ったんだけど、どうだろう。あんまり鞄大きくてもなあ、と思ってたんだが。30%引きだったからまあ、いいかな。うん。


リベリオンを進めるのにはなんか無理がある(笑)
聖櫃戦争はこれの次が多分大和を止めに入るところになると思う。手違いでパソコンの中のミスチルのデータを消してしまった。私のHANABI返せ。


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2010.01.03(Sun) | 聖櫃戦争 | cm(0) | tb(0) |

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