プロフィール

軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.--(--) | スポンサー広告 |

月と共に満ちてゆく  5



 俺たちは、瑶子さんの部屋のある方角へ向かって歩いていた。この前居酒屋の帰りに瑶子さんが俺を連れてきた公園、あの方面に案内して欲しいと俺が彼女に頼んだのだ。そこからなら、瑶子さんもすぐに家に帰れる。夜道を送るついでにもなるからちょうどいいだろうと思った。この前は一度駅前まで出たから距離があったらしいが、ここからならそう遠くないらしい。
 瑶子さんが俺の数歩前を歩き、道の分からない俺はその後に続いた。自然、俺が彼女に話しかける時は背中に向かって、ということになる。

「……何から話したら納得してもらえるか分からないんですけど」

 まずはその前置きから入った。
 言い訳と取られるのかもしれないとは思ったけれど、俺がここにいるのはもう単なる自己満足だ。瑶子さんは言葉を押し付ける対象でしかない。
 瑶子さんは返事をせずに、ただ黙々と、でもゆっくり歩いた。続きを促されているような気がして、俺は瑶子さんの後ろを歩きながら、言葉の続きを考えながら口にする。

「……俺が電話したの、気づいてました?」

 俺の問いかけに、瑶子さんは小さく首を振った。その仕草はあまりにも小さくて、否定の返事と断定するのには十分でなかった。しかし瑶子さんはそのアクションの後、ほとんど電源切ってたから、とこれもまた小さく答えた。返答が小さくとも、これで答えは得られたわけだ。

「メールもしました。電話もしました。けど、返事はないし、たまに繋がっても留守電で。瑶子さんの古い携帯、俺からの着信ばっかりで気持ち悪いことになってたでしょうね」

 それを思うと自分でも笑えてくる。滅多に俺から連絡なんてしなかったのに、瑶子さんの携帯には俺からの着信がたくさんあって、それは想像するだけで気色悪い。携帯替えたくなる気持ちも分かる。俺なら気持ち悪いから替えるだろうし。

「自分でも、瑶子さんに何を言いたくて電話かけてみてるのか分からなくて。何を言ったらいいのかなんて分からないし、告白の返事なんて考えてもいなかった。でも漠然と、どうにかしないと、と思ってたんです」

 告白の返事なんて少しも考えていない。ただ、変な焦りばかりに支配されていた。拒絶するように流れる留守番電話や圏外を伝えるトーキーが更に俺を焦らせた。
 人との繋がりが切れることを、ここまで深刻に考えたことがあったろうか。こんなに、恐れを抱いたことがあっただろうか。俺が、普段の生活を狂わすほどに動揺したことなんて、これまでにない。

「……それじゃただのイタ電になっちゃうよ、理央くん」

 瑶子さんがやっと口を開いてくれた。そうだ、俺もそうだと思う。そうですよね、と口にして頷いた。

「多分電話した理由は本当に単純で、さっきやっと実感しました。……瑶子さんの声聞きたくて電話したんですね。耳が馬鹿になってるのかもしれません」
「え、……えっと、」

 瑶子さんがどもる。いつも俺の言葉に動揺した素振りを見せていた瑶子さんらしい反応だ。狙って言ったと教えたら怒るだろうか、……怒るだろうな。

「ば、馬鹿になるって、言い方ひどいと思うっ」

 取り繕うような瑶子さんの言葉に俺も返事をする。

「俺の耳馬鹿にした瑶子さんが悪いんじゃないですか。そう思ったら今度は本当に電話繋がらなくなるし、今度こそ本当に焦りました。瑶子さんは俺のこといろいろ聞きだしましたけど、俺はひとつも聞いてない。俺が知ってるのは瑶子さんの研究室と、携帯の番号、メールアドレス、それからアルバイト先。学校は終わりましたし、携帯の番号もアドレスも変えられたら、俺は貴女と繋がる手段をなくしてしまう。それは嫌だったんです」

 瑶子さんは馬鹿じゃないし、初心でもない。それなりに経験のある人だから、ここまで言えば俺がどうしてここにいるのかも分かっているはずだ。察してくれていようと何だろうと、俺はただぶつけるだけだ。彼女の耳がちゃんと動いているなら、耳を塞いだって聞こえてしまうくらい、何度でも。

「告白の返事云々なんて言い訳で、……俺が、このまま貴女と何もなくなるのは嫌だと思ったんです。昨日今日と寒空の下何時間も待ってでも会いたいと思うくらい、醜いくらい必死でした」
「き、昨日も!? 私昨日バイト入ってないし、……昨日は駅前でクリスマスケーキ販売のバイトしてたし」
「なるほど。売れ行きはどうでした?」
「まあ、……悪くなかったと思うけど」
「瑶子さん真っ直ぐですから。勧められたら買っちゃう気も分かる気がします」
「人を押し売りが得意みたいに言わないの!」

 いつもの調子だ。瑶子さんの小さい背中、白いコート姿を目に入れて、深呼吸を一回。自分の顔はきっと何か諦めたような表情を作っているんだろう。一度周囲に目を向けると、もう見覚えのある公園の近くまでやって来ていた。
 ゆっくり進む目の前の背中に、声を掛ける。

「――瑶子さん」

 彼女のブーツがアスファルトを叩くのをやめた。くるりと振り返った彼女の目の前に立つと、高いヒールを履いていてもやっぱり彼女は小さいんだなと改めて実感した。大きいのは態度だ。少しくらい小さいところがあってくれないと男としては困る。

「……貴女が好きです」

 ゆっくり、ゆっくり、瑶子さんが目を見開いていく。元々大きいと思っていたけれど、驚いたらもっとだ。
 自分から正直に気持ちを言うのは誰が相手でもこれが初めてで、想像していたよりずっと緊張したけれど、どこか落ち着いた感じもあった。思っていることをそのまま伝えるだけだから、難しいことはない。俺の場合、返事を気にする必要はないのだから緊張の度合いも普通よりぐっと下がるのだろう。そうだ、俺は返事を気にする必要が無い。そもそもただ気持ちをぶつけるためだけに会いにきたのだから。
 瑶子さんはそのまま俯いて黙り込んだ。しばらくそのままでいたかと思うと、勢いよく顔を上げた。

「嘘言わないでよ!!」

 想定外の言葉に一瞬唖然としたが、彼女がそう思うのも尤もだ。嘘じゃありませんよ、と答えると、嘘だよ! と強い声でまた否定された。ここまで真っ向から否定されるとは思ってなかった、流石に。

「奈央ちんに言われたの? それとも紗央ちん? 私が可哀想だからって、しょうもない女だから付き合ってあげなさいって言われたんでしょ? じゃなきゃ有り得ないもん、ぜったいっ、有り得ない!!」

 自分は好きになれるのに、相手に同じ権利を与えないってどういう了見だ。差別だろそれ、政治学専攻してんのにそれで大丈夫なのか?
 少し彼女に不安を抱いてしまう。それと同時に、同情にも似た感覚。確かに、この人は可哀想なのかもしれない。けれどそこに奈央やら紗央やらを持ち出されるのは心外だ。
 暗闇に白い息をぽわぽわと吐き出して息を荒げる瑶子さんを真っ直ぐ見つめる。

「確かに、突然すぎるから瑶子さんにそんな風に思われるのも仕方ないのかもしれません。瑶子さんの言葉を否定できる要素は俺にはないでしょうし。でも俺は俺の意思で昨日も今日も貴女を待ちました。あんな別れ方したままじゃ嫌で、返事をしたくて、声を聞きたくて、ずっと待ってました。俺にはそう主張することしかできません。あとは瑶子さんに信じてもらわないと」

 あれだけ振り回されたんだから、最後に少し俺を信じてくれるくらいいいじゃないか。
 今、瑶子さんが俺をどう思っていようとも、俺の気持ちくらい素直に受け取ってくれたって罰は当たらないと思う。まあ、信じてもらえないような非も俺にはあるだろうが。
 そう思ったら、信じて欲しいなんて何と軽薄な言葉だろうと自分を嘲笑ってやりたい気分になった。そうだ、それも伝えないと。

「……と言っても、俺は瑶子さんに信じてもらえないくらい酷いことをしたって自覚は一応あるつもりです。告白を安易に受け入れるなんて、誰に対しても失礼ですよね。そこから気持ちが始まることもあるのかもしれないけど、俺にはその前例がないわけですし、もう少し慎重になるべきでした。どうせあの時告白受けてても、俺はきっともう貴女に惹かれていたと思うので振られるのは時間の問題だったと思います。でも、こう言えるのは今こうして貴女に告白できるまでに至ったからで、あの時の俺はあの時の俺にできる範囲のことしかできなかった。今の俺はあの時の行動を心底恥だと思っていますけど、俺にはきっとああするしかなかったんだと思います」

 瑶子さんは何も言わなかった。
 どう思われていても仕方ないことをした。普通なんてわからないけど、きっと瑶子さんにとっては最低の男に映ったことだろう。あの時の俺を恥じると同時に、あれが無ければ俺はここにいて今の気持ちを伝えることもなかった。複雑な気分だ。
 受け入れてもらえるなんて思わない。ただ俺は、気持ちを伝えに来ただけだ。あの時の瑶子さんのように、貴女に気持ちを置いて、帰る。

「……電話番号も、メールアドレスも変えられて、連絡つかないようにされても仕方ないことをしたと思ってます。だから俺も、瑶子さんと会うのはこれで最後にします。嫌な男の顔なんてそう見たいもんじゃないでしょうし、大学でもできるだけ理学部棟から出ないようにするので、安心して勉強なさってください」

 最初から、彼女とどうこうなりたいとは思っていなかった。
 電話番号もメールアドレスも変えられた、紗央は知っているようだったから、あれは明確に俺を拒絶しての行動だったのだろう。そこまでされてポジティブな解釈をできるほど俺は図太くない。
 ただ、気づいた気持ちを伝えないことほど彼女に失礼なことはないと思った。それに、彼女の声が聞きたかった。俺はこの先何度そうして彼女の声を懐かしむことになるのだろう。それは想像するだけで途方も無く永く、苦しいもののような気がした。しかし、それがこれまでに対する報いだと言うのなら、俺は受けなければならないとも思う。
 
「それじゃあ、俺の話はそれだけなので。聞いてくださってありがとうございました。ここから瑶子さんの部屋、近いんですよね? ここから見送るんで、心配しないで帰って大丈夫ですよ」

 部屋まで行ったら変に不安がらせてしまうに違いない。ここから、彼女が見えなくなるまで見送るのが最善だろう。
 いつものミルクティー色の長い髪も、紺色のカチューシャも、夜の闇の中ではその色を深くするばかりだ。その姿を見るのももうこれで最後になるのだと思うと、卒業式なんかとは比べ物にならないくらいに胸が痛む。それじゃ嫌なんだと騒ぐ心を押し殺して、俺はただその場に立っていた。
 瑶子さんは俺の目の前から動こうとしない。どうしたんですか、と声を掛けようとしてよく見れば、彼女が肩を震わせて、その大きな瞳に涙を溜めているのがわかった。瑶子さんに涙って、不似合いすぎて動揺する。

「……なんでそんなこと言うの……? 意味わかんないよ理央くん……!」
「意味、わかんないって、」

 それはこっちの台詞だ。手の甲でぐっと目の涙を拭う瑶子さんを前に、俺は何も言うことができなかった。

「……なんでもう最後とか、見送るとか、帰れとかっ、勝手なことばっかり言って、何なの? 私のこと好きって言ったくせに、私だって好きなのにっ、そんなのおかしいよ!」
「け、携帯の番号もメールアドレスも変えられて、連絡手段ひとつもなくなって、やっと会えたかと思えば逃げられて、だから最後にした方が瑶子さんのためになるに決まってるじゃないですか!」
「なんでよ! 他の女の子の告白受ける直前だったんだよ、理央くん! わかってる? そんな男の子に告白したって断られるに決まってるじゃない! 好きになってもらえるなんて、思わないもん、……同じ番号だって、アドレスだって、絶対連絡なんか来ないのに、寂しいだけだもん……」

 瑶子さんの目には、拭っても拭っても涙が溢れていた。街灯の明かりが反射して、水滴がきらりと光る。

「……好きになった人に、すきって、言ってもらえたことなんて、ないんだもん、……一回もないんだもん、頑張ったって期待したって伝わってないことばっかりだったんだから……」

 それを言い切ると、今度こそ瑶子さんは泣きじゃくった。止まらない涙を何度も何度も手で拭っていた。
 ……だから、瑶子さんは『有り得ない』と断言したのだろう。俺自身の意思で告白なんかするわけがないと。彼女のこれまでの統計が、俺の行動は誰かに唆されたものだと主張したらしい。瑶子さんはいつも同じタイプを好きになってしまうのだと言った。懲りないのだと。俺もそのカテゴリに入っていたのなら、これまでの経験からそう判断しても仕方ない。俺の行動は瑶子さんの統計からするとあまりにもイレギュラーで、初めてのことで、だからあんなにも不信感をあらわにしたのだろうと思う。それは分かるのだが、……俺の行動ってそんなにおかしかったのか? そうではない気がする。

「……今だから言いますけどね、瑶子さん」

 まだ泣いている瑶子さんに近づいて声を掛ける。瑶子さんはまだ、何度も肩を震わせていた。

「……瑶子さんみたいに、聡明で、すごく可愛い人に真っ直ぐ気持ちをぶつけられて、心が動かない男なんていないと俺は思います」

 震えていた肩が止まったので、その両肩に俺の両手を乗せる。

「だから、瑶子さんが振った男たちは、瑶子さんが勝手に抱いてくれてたクールなイメージのために自分の気持ちも言い出せずに別れてやることしかできなかったんじゃないかなと思ってます。俺は感謝しますけどね、その人たちに」

 そうでなければ出会うこともなかった。その人たちが瑶子さんのためにイメージを崩さずいてくれたから、今の瑶子さんがここにいてくれる。あの時図書館で律儀に職員に名前も所属も教えていた自分を褒めてやりたい気分だ。やはりそれもなければ、彼女と出会うことは叶わなかっただろう。
 研究室に飛び込んでくるような彼女の性格を作り上げた環境にも、全部俺は感謝しなきゃいけないだろう。軽く背を押してくれた奈央と紗央にも、一応。

「わ、……私も、理央くんが馬鹿真面目で律儀だったことに、感謝しちゃうよ」
「何ですかその悪意に満ちた発言は」
「だってそうでしょう? 律儀に今はちゃんと俺って言ってる」

 そっちだって呼び方変えたくせに、よく言うよ。
 そう心の中では悪態をつきながら、やっと笑顔を取り戻した彼女の目尻を親指で拭ってやってから、返事をする。

「……別に、明確に自分の中で区切りがあったわけじゃないですけど。今はもう、これでいいかなって」

 漠然と、他人に対しては僕を使っていたし、近しい人間には俺と使っていた。途中でシフトさせることもあったけれど、こんなにごっちゃになったのは本当に瑶子さんが初めてだ。
 他人にも、近い人としても、どちらでもいてほしくて、でもやっぱり気を使わないでいられる関係でいたいと思ったということらしい。我ながらよくわからない。
 あ、と瑶子さんが声を上げてがさがさコートのポケットを漁って、じゃん、と俺に手にしたものを見せつける。そこには俺が見たことのあるものとは違うデザインの携帯電話が握られていた。

「電話番号とアドレス、教えるね。晴れて両思いという奴なら、私毎日だって電話しちゃうんだから!」
「瑶子さんは昼夜問わず電話してきそうですね……」
「私に自重という言葉を教えようと思うほど理央くんは愚かじゃないよねー。それに、理央くんならいつかけても出てくれるんじゃない?」

 それを言われると否定しきれないのが悲しいんだが、否定できないのは事実だし仕方ない。電話云々は想定の範囲内だし、それも込みだと思えば何てことはない、か。
 新しい携帯を操作する瑶子さんを眺めながら、冷えた手をポケットに突っ込む。赤外線で送信するから携帯出して! と騒ぐ彼女から、さっきまでの泣き顔は面影すらも見出せない。たまに見る分には新鮮だろうけど、あんまり見て気分いいものじゃないし、瑶子さんははしゃいでる方がよく似合う。携帯を出してまた初めて会った時のように連絡先を受け取ると、一段落した実感が湧いてきた。

「それじゃあ、最後に部屋まで送らせてくださいね」

 俺の提案に瑶子さんはさっき以上に嬉しそうに笑う。

「うん、寒いからお茶でも飲んでいきなよ」
「いえ、部屋の場所知りたいだけですし。じゃないと明日迎えにも行けないですから」 
「明日?」

 約束なんてもちろんしてないんだから、俺が勝手に言い出したことだ。勝手ではあるけれど、瑶子さんなら嫌がらないかな、という予測も一応立てている。
 昨日が23日、今日は24日、なら明日は。

「クリスマスまでに彼氏欲しいって言ってたらしいじゃないですか。まだ何も用意できてないですけど、折角ですから明日出掛けませんか? 勿論予定がなければでいいんですけど」

 瑶子さんなら嫌がらない。その予想は見事に的中したらしく、彼女はぶんぶんと首を縦に振った。そんなんで頭痛くならないんだろうかと心配してしまうくらい大きく振っていて、幼稚園児くらいの小さい子供を見ている気分に近い。

「行く! 行きますっ! バイト入ってるけどそんなの全力で蹴っちゃうもんね、恋の病なんです! とか言って休むんだから!」
「お店に申し訳ないですけど、そう言ってもらえて有難いです」
「いいのいいの、理央くんとクリスマスにデートなんて夢のまた夢だったんだから! ……ていうかっ、クリスマス云々って何で知ってるの!? 紗央ちんだよね、紗央ちんが悪意を持ってバラしたんだよね!?」
「悪意があったかどうかはわかんないですけど、紗央から聞きました」
「ああもう恥だよね、好きな人にそんなのバラされるとか、紗央ちん今度シメる」

 拳を固く握り締めた瑶子さんは不敵な笑みを浮かべながら踵を返し、こっちだから、と俺に一言告げて先を歩き始めた。拳が解かれていないところを見ると、余程ご立腹らしい。

「……別に恥なんかじゃないと思いますよ、俺は」
「恥なの! がっついてる可哀想な子みたいじゃない」
「そんな風には思いませんし、寧ろ俺なんかで申し訳ないくらいです」

 瑶子さんの長い髪が規則的に揺れるのを後ろから眺めていたが、俺の言葉の直後、彼女はまた足を止めて振り向くと俺を睨んだ。
 目が大きいから眼力はあると思うけど、紗央ほど怖くは無い。そんな彼女から次に出た言葉は。

「理央くんの馬鹿っ、鈍感っ、イケメン!」

 板についたいつものあの台詞。久々に聞いたな、と思いつつもその単語の並びにはいつも嘆息してしまう。
 ――貴女に対してだけですよ。
 そんな言葉も思いついたけれど、我ながら寒すぎるので口にするのは自重しておいた。彼女に感化されたのだろうが、それでも程度というものがある。それは、俺のキャラじゃない。
 きんと冷たい冬の夜。空に浮かんだ満ちる寸前の月を見上げながら、少し歩幅を広げて彼女を追いかけた。




一応終わった。でも釈然としない(笑)
理央は送り狼は主義に反するとか思ってる人だと思う。送り迎えもするけど、部屋にはなかなか入らない。
手すら繋がない男な気がするので(瑶子さんは腕組んできたりしそうだけど)、その辺の紗央と瑶子さんの会話とか考えるのが楽しいです。
2日も連続で寒い中待ってたら、理央のことだから翌日風邪引くんじゃなかろうかと思うのだがどうなんだろう。


嫌だっつったのに結局論文書かされるハメになりまして、でも厳格なのじゃなくていいと言われたのでテキトーもいいところな感じのにするつもりです。口頭で補足したところを打ち込むだけ。部屋が寒いからリビングでやるわ……。
マジであの日休んだ奴許さん。人に迷惑かけんじゃねぇよという。
銀行員の対応も悪いしそのせいでバイト遅刻するし私の30分ぶんの給料は誰が払うんじゃボケ、とか今日はいろいろ嫌なことが重なって地球滅びたらいいのにと思いました。
とどめとしましては、遊んでるフェレットにちょっかいかけたら「キャン!!」と鳴いて噛み付かれまして、上の牙と下の牙が人差し指に刺さりました。穴、空きました。痛いです。つーかフェレットって鳴かない生き物です。
あまりにも痛いのでいっそ爽やかな気分になりました。簡単な論文でいいから1日あればできるだろうって? 論文を? 1日で? いい度胸じゃねぇの、やってやろうじゃん……! と思うわけです。それでも発表当日休みやがった奴は本気でナメック星に行けばいい。論文は来年度の奴らからっつってたじゃんか、それが貴様らのせいで……!


さて呪詛もここまでにしよう。
みくしーのコラムかなんか読んでたら、「尽くしてくれる男の行動8パターン」なるものがありまして、以下箇条書き抜粋。

①おだてても調子に乗らず、自慢話をしない
②仕事が忙しくて会えなくなったときも、こまめにメールや電話など連絡をする
③女の子の長話に対しても、顔色ひとつ変えずに付き合える
④休日はひとりの時間を楽しむより、彼女との時間を過ごすことに喜びを感じる
⑤悩みを相談すると、「僕が○○してあげようか?」という提案がよく返ってくる
⑥今まで付き合ってきた恋人をフッたことがない
⑦ワガママし放題の彼女に対し、怒るのではなく、悲しい表情をする
⑧仕事後で疲労困憊の状態でも、彼女のために会おうとする

ということで、あれ? 理央じゃね? と思うわけです。(笑)
理央って、電話とかメールとか苦じゃないよな絶対。距離もあんまり問題じゃなさそう。でもちゃんと引き止める。
瑶子さんは一応常識はある人なので深夜とかにはかけないけど、万が一掛かってきても理央はちゃんと出るよ。瑶子さんじゃなかったら出ない、あ、紗央でも出るかな。それがダメなんだな理央は。
クリスマスどうしたんだろう結局。50の質問やってたときに初デートが博物館美術館って言ってたから、多分博物館とか美術館巡って知的に楽しんでからどっかでディナーなんだろう。うん。


寒い。マジで寒い。
おかんが毛布敷いてくれたので布団が温かそうです。これまで毛布なしでよく生きてこれたな私……。
通りで靴下2枚とレッグウォーマーと湯たんぽでも寝付けないわけだ……。
お昼にはラーメンが食べたい。よし、寝よう。

スポンサーサイト

2010.01.14(Thu) | Always I Need | cm(0) | tb(0) |

この記事へのトラックバックURL
http://hechima1222.blog88.fc2.com/tb.php/684-95db01c3
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
Name
E-Mail
URL
Title

password
管理者にだけ表示を許可
/
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。