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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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勇猛果敢  3


 時間ぎりぎりまで叔父さんにコキ使われ、都筑の相手をさせられた俺は、琴のライブ開始の2時を少し過ぎた頃ようやく会場のホールに着いた。
 ホールには舞台に近い前入り口と、後ろの入り口との二つの出入り口がある。ギターの音が聞こえているのを考えると、もうライブ自体は始まっているのだろう。もちろん俺は後ろの入り口を使うつもりだったのだが、扉の前には小さな紙袋を手に提げた女子生徒がひとり。扉に手をかけているのに開けようとしない。開けようとはしているのかもしれないが、躊躇っているようにも見えた。つーか、よく知ってる奴。

「よう、塩見」

 後ろから声をかければ俺より三十センチ以上は軽く低いそいつは大げさなくらいびくりと肩を震わせてから振り向いた。こいつはいつもこんな感じだ、正面から声かけてんのにビビる時もある。

「さ、桜井くん」
「琴のライブ見に来たんだろ、入んねぇの?」
「あ、あの、……ちょっと時間に遅れちゃったから、……今入って迷惑じゃないかな、と思って……」
「琴の存在より迷惑なモンなんてこの世にねぇよ、ホラ、入れ」

 俺が後ろから扉を押して開けてやってもまだ入ろうとしないので、仕方なく背中を押して中に押し込んだ。バランス崩してもたもたしていたが、入ってしまえば仕方ないと一番空いているエリアを選んで、俺の席を空けているのか端から二つ目の席に座った。俺はわざわざ空けてもらった一番端に腰掛ける。会場の照明は落とされていて、ステージだけが明るく照らされている。舞台の上には琴とその他三人のバンドメンバー。衣装なんかは特にないらしく、いつも通り崩した制服姿のままだ。曲はまだ始まっていなかったので、さっき廊下で聞こえていたのはチューニングかなんかだったんだろうか。俺の隣に座る女子生徒――塩見織夏は、ただでさえ小さい体を肩をすくめることでもっと小さくしながら、それでも真っ直ぐ舞台を見つめていた。
 俺と琴は小学校が別々、中学校は一緒だったが三年間違うクラスだった。塩見は中学高校と琴と六年間一緒のクラスで、六年間ずっと一緒にクラス委員をやってきたっていう、非常にタフな人材だ。性格は大人しすぎるくらい大人しくて、いつもびくびくしてる感じで、とてもクラス委員なんてキャラじゃないだろ、と高校三年間ずっと俺は思っていた(高校三年間は俺も同じクラスだったわけだ)。確かに塩見としても自分がそんなキャラだとは思っていないようだが、……まあ、そこには俺にでも分かるような理由が存在するわけで。
 琴のバンドのライブ自体は学期に一度くらいの割合でやっているし、新歓の時期や、文化祭と後夜祭、卒業関連のイベントを含めれば、まあ一年に七、八回くらいはやっていることになる。琴は人間としてはどうかと思うが、歌だけはまともに上手いので断る理由は特にない。だから俺も余程の用事がなければ来ているし、塩見はもしかすると全部来ているのかもしれない。ライブは毎回下らないMCから始まる。どかんと一曲やってから、ってんじゃなく、毎回そうだ。アーティストというよりは芸人のようで、けれどしっかり技術は磨いている。そこだけは褒めてやってもいいと思う。

「……鈴城くん、楽しそう」
「あいつは目立つために日々生きてるようなもんだからなあ」
「三年生になってから、毎日朝早くから頑張ってたから……。大変だったんだろうなって、思ってたの」

 やはり一緒に委員をやってりゃ相手の行動なんて嫌でも目に入るんだろう。理解のある奴がいてよかったじゃねぇか、琴。
 そうこうしている間に一曲目が始まった。イントロからもう聞き覚えがある。毎回一曲目は同じ曲だ。

「いつもの曲だなあ」
「この歌、すごく好きみたいだよね、鈴城くん」
「親父さんの部屋から勝手に拝借したCDに入ってた曲だっつってたな、確か」
「鈴城先生が歌上手なんて、あんまり想像つかないね」

 それには俺も同意だ。理央おじさん、もといこの学校の鈴城先生はぱっと見歌をうたいそうにも見えない。それが琴の話じゃ無茶苦茶上手いってんだから、一応理央おじさんの血も琴には流れているらしい。歌の部分に関してだけドーピングという可能性もまだ残されてはいるが。
 琴はガキの頃から音楽が、というか歌が好きで、小学校中学校とおじさんの部屋にあったCDを勝手に持ち出しては聞いていた。中学の頃なんか平気で授業中も聴いてたらしいからなあ。琴は武勇伝として語るが、その後珍しく両親にめためたに叱られたという話は今でも印象に残っている。それでも懲りずに授業中音楽を聴いていた琴のことなんて、六年間同じクラスだった塩見はもっとよく知っているだろう。
 曲調は紛れも無くロックなのだが、うるさくないし聞きやすい。選曲は毎回考えに考えているようだ。
 ライトが照らし出す舞台上、やかましすぎないギターやベース、それからドラムの音に乗る琴の声。ホント、ライブの時だけは無駄にカッコイイ。舞台の目の前で騒ぐ女子もそりゃあ多少は出てくるだろう。隣にいる塩見も、気持ちだけは最前列にいるに違いない。リズムに乗って時折体を小さく揺らしているところが微笑ましいくらいなのだが、……なんで気づかんかねぇ、あいつは。




 琴のライブは短くて四曲程度、長くて六曲とか七曲くらいで終わる。一番長くてもめいっぱい喋り倒して二時間弱くらいだ。今日は引退ライブということもあってか、二時間をたっぷり使うようだった。もうすぐ目安の二時間。最初の曲も決まっているが、締めの曲も決まっている。ボールドが結成して一番最初に練習した曲を毎回最後に歌うのだと決めているのだそうだ。俺たちが入学した当時に流行っていた曲だ、懐かしい。件の締めの曲も終わり、最後の音が消えると歓声が起こった。広いホールは二時間の間にほぼ埋まっていて、曲の最中も遅れて入ってきた奴がそりゃあもうたくさんいた。ほとんどは俺や琴と同じ三年の連中で、うるさくてやかましい(くどいな)鈴城琴也の引退を見届けようって感じなんだろう。三年を中心に野次にも似た賞賛が舞台に投げられ、琴は両手を挙げて偉そうにそれを受けている。ボーカルがボーカルなら他のメンバーもメンバーだ。拍手の渦への態度は琴と大差ない。
 拍手もしばらくすれば鳴り止んで、これで挨拶を済ませれば完全引退となる。スタンドマイクをぐっと握った琴が、過剰なほど息を吸い込んで、話しだした。

『えー、』

 そこでハウリング。この二時間のうちに何度もハウリングは起こしてるのに、最後だと思うとまだ笑いは取れるらしい。

『今日は月見ヶ丘高校が誇る、崇高なるイケメンバンド、ボールドのさよならライブにお越しいただき、あざああああっす!!!』

 琴の声に続いて、メンバーからも「あざーっす!!」との感謝してんだかしてないんだかよくわからん叫びが。

『えーっと、一年に何回もライブやってたんで、ボールドラヴァーなガールズはよく知ってるだろうけど、』

 男もいるぞー!と飛んできた野次に対して琴は舞台の上で、「はァ?」と両手を軽く広げてみせた。

『野郎には興味ないんでサーセン! どうしてもってんならモロッコに出張してから再アタックしてくださーい! つーことで、さっきのが俺らの締めの曲だったんで、ライブはこれで仕舞いです! 足元お気をつけてお帰りくださーい』

 そうは言うが、まだ続きがあるからこれだけ引っ張るのだろう。
 他の観客もそれを期待しているからか、席を動こうとはしない。琴は舞台上でちらりとバンドメンバーと目配せして、それからまた正面を向く。

『えー、お客サン方も通だねェ、まだ何か期待してんのー?』

 会場から一斉に拍手。気を良くした琴は、お昼のバラエティ番組の司会よろしく拍手を操作した。綺麗に拍手の音が切れる。

『いやあ、俺ら押しに弱いからなあ。サービス精神旺盛だし? ……つーことで、もう一曲歌いまーす!!』

 その声と同時に、ばたばたと会場が騒がしくなった。前の入り口から入ってきた数人の生徒が、座席の両端から客席に何か配布しているらしい。
 俺と塩見は何のこっちゃと顔を見合わせていたが、しばらくして自分の手元に回ってきたそれを見ると、折り紙くらいの大きさの紙一枚。配るために走り回っていたのは、軽音の後輩らしい。何やら文字がごちゃごちゃ書かれているのだが、客席の照明は落ちているから何が書いてあるのかはよくわからなかった。客席全体に紙が行き渡ったことをステージ上から確認すると、琴が再びマイクを握る。

『はい、本邦初公開! ボールド初めてのオリジナル曲です、ハイ拍手ー!!』

 いいように操作される観客たち。
 しかし、……いつの間に曲なんか書いてたんだ?

『製作期間がすげえ短いんで未完成もいいとこなんだけど、やっぱ最後はカバーじゃなく俺らじゃなきゃできないことをやりたいと思って? そうなるとやっぱこう、才能溢れる俺がボーカルとして詞を書き? 後ろのこいつらが三人足しても俺には遠く及ばない頭で曲を書き?』
『琴也てめェぜってー後でボコるからな!』
『覚悟してろよ、お前のモテ期俺が全部吸い取ってやる!!』
『お前得意な英語やってただけだろーが!!』

 高慢な発言はメンバーの猛抗議により却下されていた。そりゃそうだ。

『じょーだんじょーだん。うん、まあ、俺日本語じゃ上手くやれる気しなかったんで得意な英語で詞書いてみた。で、もうライブまで数日しかないってのに、無理言いまくって三人に音つけてもらったんだ。何せ俺楽器全然できねーからさ。こいつらだって音つけんのなんて初めてなのに、すげえいい出来になったと思う。今配ったのは歌詞! 大した英語使ってねぇし、一年生でも訳すのは楽勝だと思う、多分。後で明るいとこで見てくれよなー』

 ……なるほど、ほとんど歌わないで朝練ってのはこれのことか。確かに琴なら突然言い出しそうだし、これに関してはバックレるわけにもいかなかっただろう。歌に関しては天性のものがあるから、音覚えんのは早かったんだろうな。メンバーもいろいろキツかっただろう。
 俺が思うより、誰が思うよりずっと、あの舞台の上のメンバーは今日を真剣に見つめていたんだろう。馬鹿やってた三年間、その区切り。来年また新しく始めるとしても、それは今とはまた違ったものになる。今しかできないことをしたいと思うから、琴が持ち出した無理難題もメンバーは受ける気になったのだろうと思う。俺にはわからない感覚だ。

『あー、あっちィな、じゃーこっからほんとにラスト一曲な! 耳の穴かっぽじってよォく聴けぇい!!』

 次に琴が仲間と共に叫んだタイトルは、まんま奴らのバンド名だった。




琴のバンドはカバーばっか。
好きだと思った曲は大体なんでもコピってみる。1曲目はラルク、最後はバンプとかイメージなんだけど、父親が理央だし、ニコタチとかでもいい。略してしまった。
「ホログラム」とか歌ったらかっこいいよな。琴の声のイメージは固まらないんだけど、谷山とか宮野とか歌うまい人で。紀田くんイメージだから宮野が抜けない。しかし谷山も宮野もリストにはもう上がってるので、そうなると直純あたりかな、とかほざきます。いい声www 石田声の子供が直純て、なんという……。とか言いつつ、直純ってテニプリと遥か以外ほとんど知らないんだよなあ。
真紘の声は鈴木達央でもいいかなと今思った。バカテスの雄二っぽい声でいいんじゃなかろうか。


コルダ3がなんかゲーム要素あって面白そう。PS2版買うかな……。
限定版が欲しいんだよな。一番高い奴じゃなくて、通常版より1ランク上のやつ。使用楽曲CDが欲しい。


一応次で終わる予定。
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2010.02.09(Tue) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

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