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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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イッツ ア スモール ワールド


 そいつは俺の部屋に来るなり、鼻で笑いやがった。
 顔の周りに「やれやれ」の四文字が見て取れる。
 黒髪の入り混じる金糸の髪。薄い緑色の瞳。水城樹理はそういう、性格の悪い人間だ。

「文句あるなら出てけよ」 

 俺がそう言っても、「いいえ?」と妙な疑問文を返すだけ。それがまたイラッとさせる。

「僕がいくら片付けても片付かないですよねこの部屋。芹沢の血って恐ろしいですねー」
「だぁから、嫌なら帰ればいいだろうがっ」
「嫌ですよ。僕がいくら言ってもあいつ片付けないんですから。なら血で片付けられない可哀想な真紘さんの部屋の方がまだ納得がいきます」
「お前は納得しても俺はこの上なく不愉快だ」

 そこまで言っても樹理は動じない。へえそうなんですかあ、と棒読みして右腕を上げた。樹理の右手には紙袋。大体中身の想像はついているが、一応「何だそれ」と聞いてみる。

「真紘さんのお母さんからレモンパイの差し入れです。ここ来る前に向こう寄ったら持たされました。なので勝手にお茶淹れさせてもらいます」

 俺は普段自分でお茶を淹れたりすることはない。自分でやったら食器が割れたりとか大変なことになりかねないからだ。いつも飲んでいるのは浄水器の水か、買いだめしているペットボトルのお茶だとか。樹理はここに来ると勝手にお茶を淹れるので、したいようにさせている。
 樹理は勝手知ったる手つきでティーセットを出し、母さんが前に寄越した紅茶の茶葉を用意した。樹理自身は芹沢によく世話になってたからか緑茶好きだが、パイに緑茶を合わせるほど無粋ではない。
 椅子に腰を落ち着けて樹理が茶を淹れるのを待ちながら、ふと思い、口を開く。

「なんでまたわざわざ向こうに」
「たまたま授業も休講になったんで、暇つぶしですよ。お父さん研究日だったな、と思ってマンションに顔出して、喫茶店に顔出して、そしたらパイ持たされたんで致し方なく真紘さんのところにも足を運んだわけです」
「その恩着せがましい言い方やめろ」

 やかんに浄水器の水を入れた樹理は湯が沸くまで俺の目の前に腰掛けた。
 
「真紘さん、試験ってどうなってるんです?」
「本命が最初だったからな。日曜に別の試験、後は六月だ。全部ダメなら九月に賭けるから」
「まあ真紘さんなら本命で受かりますよ。大学四年間、酒にもサークルにも女にもかまけずなーんにも遊ばないで勉強だけしてたんですから」
「大層な褒め言葉をどうも」

 確かに俺は四年間、世の大学生とは違う時間を過ごしていたんだろう。
 サークルもしてないし、彼女も作らなかった。酒も別に好きじゃないし、したことと言えばバイトと、免許をとったことくらいで、去年琴が学生のくせに地味な結婚式じゃなくド派手に披露宴まで挙げたせいで祝儀を渡さなきゃならなかったのが癪だ。俺や周りの人間からすればあいつらの付き合い始めもお前らようやくかよ、という時期だっただけに祝儀なんか取らずに全部自費でやりやがれ、とはよく思ったものだ。

「で、本命の試験が終わった瞬間に気ぃ抜いたんですか?」
「あ?」
「ツキ高の番長によもや女の影が見えようとは」
「番長言うな! なんだよ女の影って!!」

 樹理からまさかそんな言葉を聞くことになろうとは思わなかった。全く心当たりが無いので樹理を睨みつけたが、緑色の瞳は華麗に俺の視線をスルーして、ホラ、とキッチンの隅を指差してみせる。

「真紘さんって、お母さんから何か届けられても返すことないじゃないですか、皿にしろ容器にしろ何でも。空のタッパを綺麗な紙袋に入れて、芹沢の血引いてる真紘さんが大事に保管してるなんて誰かに渡すものとしか考えられません。普通に考えて男性にそういったものを渡すとは考えにくいですし、あ、いえ、もちろん真紘さんがマイノリティの嗜好をお持ちの方でしたらそうではないかもしれないですけど、え、まさかもしかして」
「言いたいことはわかったから勝手に俺をマイノリティ扱いするのはやめてくれ」
「じゃ、女性の影があることは認めるんですね」
「影ってほどじゃ」

 そんな大層なものではない。ただの優しいご近所さんだ。片付けだの何だのは苦手だが、借りたものを綺麗に返すのは人としての礼儀だ。

「魚の煮つけと漬物貰ったんだよ、入れ物は返すのが当然だろ」
「もしや例の盲目の老女ですか?」
「盲目でも老女でもない。お前あの子に謝って来い」
「いえ、実際に見るまでは真紘さんの妄想という線も消せないので」
「さっき散々推理しといてその予防線は卑怯だろ!?」
「なんですか細かいことをちくちくと」
 
 やましいことはひとつもない。普段口数が少ない樹理がここまで言うってことは、動揺のサインと見ていいだろう。俺に女の知り合いがいることがそんなに意外なのだろうか。……わからなくもないが。サークルも入ってないし、ゼミで多少関わりがあるにしても部屋に呼ぶことなんて一度もなかったわけだし。

「あ」

 あの子に料理を貰った時のことをふと思い返して、気づいた。

「なんですか」

 俺が何かに気づいたらしいことに、樹理も気づいたのか問いかけてくる。

「その女の子の名前っていうか苗字なんだけどさ、ツヅキって言うらしい」
「一般的ではないですけど特別珍しい苗字でもないと思いますよ。僕の苗字だってそんなにメジャーじゃないですけどそこまで珍しいわけじゃないですし」
「けどさ、一般的なツヅキって都に建築の築で都築、だろ? その子の部屋に掛かってた表札見たんだけど、築の一番下の木がないんだよ。筑波の一文字目だよな」

 テーブルの上に指先でその字をなぞる。反対側から見ても言葉で説明している分、樹理にもその字は理解できているらしい。水希、の苗字は、都筑。
 その言葉で俺が問いたいことも、馬鹿じゃない樹理ならわかるだろう。

「都筑くん、……えーと、都筑炎而くんと同じ字ってことですか」
「あいつもそうだよなあ……。こっちの字当てるのって珍しいだろ、多分」
「じゃあ何ですか、都筑くんの妹か何かとでも? 親戚とか? そこまで世界って狭くないと思います」

 馬鹿にしたように樹理が言う。そう、俺もそう思う。特別あいつに似てるとか思ったわけでもないし、ただ、あの字で苗字同じって珍しいなって思っただけだ。それだけだから、馬鹿にしたように返されるのは不本意極まりない。不愉快だ。うるせえよ、と適当に返しておいたが、樹理はその後何かに気づいたように笑った。

「もしその子が本当に都筑くんの妹で、真紘さんがまかり間違って惚れちゃったりしたら面白いですね」
「はぁ?」
「万が一結婚するなんてことになったら都筑くんが真紘さんの兄になって、都筑くんが人の道踏み外して椿と結婚でもしたらそりゃあもう芹沢が大変なことに。いいですねそれ、僕応援するんで真紘さんちょっと頑張ってみてくださいよ」
「そんなに世界狭くないとか言ってたのはどこの誰だ」
「僕は世界が狭い方が生きやすいので、寧ろ奨励します」

 世界プレーヤー目指してる人間の発言とは思えない。
 ただ俺も、広すぎる世界で孤独を感じるよりは、狭い世界で人口密度の高い生活をしている方がいいかもしれない。
 樹理が母さんから預かったという紙袋からホールのパイを取り出すのを見て、余ったパイはせっかくだから彼女に持っていこう、と思った。




そんな感じで!(爽)


明日出かけるしもう寝ないといけませんな。CD買いたい。王子様(笑)のドラマCD。
最近相対性理論聞いてるんですが、中毒性ありすぎる。古いCDも聞きたいなあ。
今のところニコニコの作業用BGM聞いてるけど。


なんか月末の日曜休みになってるらしいので暇な人いたら遊びませんか。
よくわからんが3連休になるかもしれない。店長からストップ入りそうな気がするけど。
いや引きこもって素晴らしき日々クリアするのもいいけど。
明日の夜からゲームやろうかな!


キムタクの「プライド」と、大河の「新撰組!」を見たいんだけど、タイムリーな作品だからかツタヤじゃ借りられてる。いつになったらみんな返すんだ……。


寝ます!

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2010.05.17(Mon) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

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