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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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きづき  3



 基本的に、俺も流風も伊賀奇も文化祭の準備なんざする気はない。企画していろいろ準備してやっただけでもありがたいと思え、ということで実行まで持っていくのはクラスの連中だ。揃えるべきもんは揃ってんだから、あとは内装だの小物だのの準備ばかりだ。その辺は全員わかっているらしく、快く準備を引き受けていた。
 なので文化祭前日。一日まるまる準備に割けるこの日、俺と流風と伊賀奇はフリータイムっつーことになった。伊賀奇は予想通り新聞部の催し物の準備のため葉月に引きずられていき、流風は野島がバスケ部云々で呼びに来る前に、と参考書を抱えて屋上へと逃げていった。俺もそこに同席させてもらうことにして、流風に飲み物のひとつでも買って持っていってやることにした。
 各フロア、がやがやと祭の準備で忙しそうだ。本番は明日だってのに早々と浴衣だの着ぐるみだの着て回ってる奴もいる。浮かれすぎだろ。壁にはべたべたポスターが大量に貼られ、もはや無法地帯に近い。そんな騒がしい様子を横目に階段を下り、食堂で紙パックのジュースを二つ買う。ひとつは流風がよく飲んでるいちごミルク、後は少し迷って普通のカフェオレにした。小さなパックをふたつ持って、今度は屋上へ向かう。階段を上り、三階のフロアに差し掛かったところで、踊り場の壁にポスターを貼る影を発見。各階にいるもんなんだな、この係。そう思いながら通り過ぎようとすると、「あー!!」と思っても無い声が背中にかかった。

「……なんだよ」
「なんだよ、じゃないでしょ! 何っ、サボりなの!?」
「お前と一緒にすんな」
「あたしのどこがサボりに見えんのよっ」
「いや、お前ってサボり顔だから、つい」
「サボり顔ってどんなのよー!!」

 まあ、つまり、俺の目線の下でうごうごと怒っているのは葉山なわけだ。
 浮かれた奴らと違って葉山は制服のままで、階段にポスターを貼るという地道な作業に従事していたらしい。ご苦労なことだ。

「この忙しいのにサボりなんてよくないよ」
「だぁから、サボりじゃねぇっての」
「じゃあなんでこの時間にまったりジュースで休憩しようとかしてんのよ」
「あのなぁ、俺は実行委員で最低限必要なことはやってんだよ。企画も実質俺、衣装提供も俺、九割は貢献してんだろ」

 そう返してやれば、それは確かに、と言葉に詰まった様子で葉山が俺をじとりと睨む。葉山も多分企画とかいろいろやったんだろうが、クラスがクラスだ、諦めた方がいい。

「あたしはクラスの出し物の上に合唱部もあるのにぃ」
「そりゃ大変だな」
「なのになんで芹沢は部活にも顔出さないでまったりしてるわけー!?」
「俺部活はもう引退したんで」
「うるさぁいっ」

 葉山は合唱部だ、ということは引退ももう少し先なんだろう。
 何より文化系の部活って文化祭が目立つチャンスだからな、三年といえど手は抜けないってことか。そこが体育系とは違う。
 ぺたぺた壁にポスターを貼りながら、裏切り者、なんてお門違いも甚だしい台詞を吐きやがる。

「ま、せいぜい頑張れよ。部活のは聞きに行ってやらないでもないから」

 見るからに不機嫌そうな横顔を眺めながら、壁に寄りかかり、気まぐれにそう声を掛ける。
 ぱっと葉山の驚いた顔がこちらを向く。

「ほんと!? え、あ、でも、なんで!?」
「なんで、って……。別に、文化祭つってもそんな楽しむ予定ないし。暇つぶし」
「暇つぶし、かあ」
「そういうこと。じゃ、俺は放課後までゆっくりさせてもらうんで。お勤めごくろーさん」

 壁から背を離し、手にしていたカフェオレのパックを葉山に投げる。
 どうやら運動神経鈍いらしい葉山は(……いや、これくらいの受け渡しに運動神経関係ない気はするが)、ものすごく慌てながらもそれをキャッチした。

「え、あの、芹沢っ」
「要らねぇなら返せよ」
「いる! ありがとう!」
「はいはい、どーいたしまして」

 さっきまで不機嫌そうだった顔が、今度は嬉しそうに綻ぶ。大した会話してないし、大したモンでもないのに、なんでそこで百面相? 男同士なら普通に「おー、気ぃ利くじゃん」で済むやりとりが、鮮やかに見える。
 今度こそ屋上に向かうために階段に足をかけると、「芹沢」とまた声がする。

「今度は何だよ」
「あ、えっと、……文化祭、水城と回るの?」
「あ? 流風?」

 知らず爪が手のひらに食い込む。

「今日もこれから勉強するっつってたし。どうだろうな。まあ動く時は一緒かもしれないけど」
「そっか。合唱部見に来てくれるなら、二日目のお昼一時からだから是非ご一緒に! 席がガラガラなのは寂しいしね」

 付け足されたような説明に嫌気が差す。
 嫌気が差している自分も嫌になる。嫌になる資格があるとでも?
 どうにかなりたいと? どうにかしたいと?
 んなこと考えてる暇があるなら稽古のひとつもしろってんだ。ただ俺たちは、最低限の関わりを持ったにすぎない。
 そう、だから、この不愉快な気分は、行き場を失って、ただただじくじくと俺の手のひらに痛みを与える。

「……気が向いたら伝えとく」
「うん。これ、ありがとね。ごちそうさまです」
「おう」

 わかってる、もうわかってる。わかってるのにどうにもできるわけがない。
 一丁前に妬いてる自分が馬鹿みたいで、それでもアイツはきらきらした目で流風のことを話すから、不快な気分が消えることはない。
 まだ手に残るいちごミルクのパックが温くならないうちに、急いで階段を上った。




「おー、さんきゅヤマト。気ぃ利くじゃん」

 屋上では柵に寄りかかって、流風が参考書を開いていた。
 毎度その中身には感心させられる。書き込みしてあるくせにこいつの教科書だのノートだの参考書だのって見やすいんだ。多分何年もかけてこのスタイルに辿り着いたんだろうが、ここまでやりゃ成績トップクラスも当然だよなと納得する代物。見せてー、と言われてこれを見せられた日には女子なんかもう流風に近づけなくなるに違いない。
 いちごミルクのパックに流風がストローを指す。それから、隣に腰を下ろした俺を見て、首を傾げた。

「お前、コレだけ買ってきて自分の買わなかったのか?」
「あー、いや、」

 葉山にくれてやった、とは、言いたくなかった。

「大金持ちなもんでな、生憎小銭がその分しか無かった。だから一口寄越せ」
「なるほどな。よし、くれてやろう」

 納得してくれたらしい流風は俺にパックを差し出して笑う。俺も笑ってそいつを受け取ると一口啜って、流風の手に返した。独特の甘さが口の中に広がる。
 流風の参考書は化学のものだった。俺は文系脳のくせに理系にいるわけだから、化学や数学はとても流風レベルには追いつけない。他の教科だって流風よりできるもんなんてないんだが。とても熱心に本を読んでおいでの様子なので邪魔するのも憚られる。柵に寄りかかり、しばし携帯をいじる。でも連絡をする相手も特にいないので、そのまま閉じるとポケットに仕舞い、目を閉じる。
 いい天気だ。やることもないし、一眠りするのもいいかもしれない。
 校庭でも企画をやるクラスは下でがやがやとうるさいが、屋上にいる分には聞こえるノイズは小さいものだ。九月も半ば、いい風が吹く。眠るには絶好のコンディションといえる。隣で流風がページをめくる音だけが響いて、真面目に睡眠モードに入ろうとしたところで、

「……葉山のこと好きなんだろ、ヤマト」

 そんな声がした。ゆっくり、瞼が持ち上がっていく。
 流風は本に目を落としたままだった。だから俺もそのままでいた。

「何だよ突然」
「突然なもんかよ。……いいじゃねぇか、俺にくらい喋ったって」
「喋ることなんてねぇよ」

 へえ、と流風は零す。
 視線のずっと遠くを、雲が流れていくのが見える。

「……これ以上はどうにもなんねぇんだ。どうにもできねぇなら、このままでいい」
「……お前は家とかあるもんな。欲しいからって自分の立場蔑ろにしろとか言うほど俺は馬鹿じゃないし、ヤマトがしたいようにすりゃいい」

 自分から話振ってきたくせになんつー態度なんだ。意味がわからん。
 流風は自分で言ってすぐ笑い出した。

「いやいや、これはアレだ、いっつも俺ばっかからかわれんの癪じゃん。普段ヤマトでも俺を女の話ではからかえないだろ? 逆はできるってのが嬉しいんだよなあ」
「性格悪ぃなお前」
「それはそっくりそのまま熨斗つけてお前に返してやるっての」

 本がぱたんと閉じられる。
 そっか、葉山か。と流風が呟く声がする。

「一応王道質問してみようと思うんだけどさ、俺も葉山好きっつったら驚くの? 怒んの?」
「別に。驚くどころか納得するし、このままでいいんだから怒るわけないだろ」
「は? なんで納得?」
「あいつは、お前が努力の虫って知ってんだろ。お前も知られてるってわかってる。寧ろお前確実に葉山に好かれてると思うし」

 黙ってたって人気のある流風だ、内面で努力を欠かさないことを知れば、その好感度はより上がるだろう。羨ましいと思うわけじゃない、ただの事実だ。
 葉山は流風に好感を持っている。流風の内面を知っているから尚更。
 流風は、あー、と声を上げて苦笑して、がりがりと頭を掻いた。次に奴の口から零れ出たのは、

「そいつは嬉しい」

 という言葉。
 それから仕切り直すように息を吐いて、俺を見た。

「ま、だからってどうなるわけでもないんだよな。男友達として好かれてるならそれはそれでいいし、万が一恋愛感情でも、俺は今のところそういうの考えられないし」
「勉強が恋人ってか?」

 皮肉って言ったのに、流風は大真面目に頷いた。

「最短距離突っ走りたいんだ。で、最後にどや顔して戻ってくる」
「お前がそうやって執着すんの珍しいな。バスケだってずっとやってたのに結局高校でやめちまうんだろ」

 流風は高校でバスケをやめるつもりで、でもそれは、俺みたいに家があるから高校でバレーやめるのとは別の理由だ。小学校からずっと続けてきたのに、今になってそれを断ち切るという。夏休み前にそれを聞かされた野島の慌てっぷりは半端じゃなかった。あいつはあいつで、流風だけ目指してバスケやってた奴だから当然だろう。可愛がってきた後輩を振り切って、自分を作り上げたバスケを捨ててでも流風が目指したいと思うものは、何なんだろう。そこまでする価値のあるものなのか? そんなことも思ってしまう。
 俺がそう思っていることを知っているのかどうなのか。それでも流風は迷いなどない瞳で、バスケはいつでもできるしな、とか言う。体育大にでも進めばプロの道もきっとあるだろうに、そんなのはまるで考えてないと言い出しそうだ。

「ガキん時から夢っつーか、憧れてる人がいてさあ。バスケは元々その人に近づくための手段だったわけで、バスケでプロになりたかったわけじゃないんだ。今はいろいろあってちょっと軌道逸れたけど、でも大本は変わってない。ああなりたいと思ったからまずバスケ始めて、やりたいと思ったから勉強してる。そうしたいと思った時がタイミングで、そのタイミング以上に気持ちが乗る瞬間ってもう来ないと思う」
「どこのジジイだよお前。説教か?」
「そうだ、説教だ。――金持ちの坊ちゃんのくせにストイックなんてらしくねぇよヤマト。ってな、俺は思うわけで、葉山のことに限らずやりたいことした方がいいよやっぱ」

 流風は、やっぱりいつも馬鹿だ。
 さっきと言ってること違うし。馬鹿じゃねぇとか言っておきながらやっぱりただの馬鹿だ。しかし大真面目な馬鹿だ。

「……お前と俺じゃ全然違うっつーの、ばぁか」
「なんだよ、親友の忠告だろ?」

 考え方も、背負ってるものも、見てるものも、全部違う。なのにコイツは簡単にああしろこうしろと言ってのける。
 その馬鹿さ加減が俺は気に入っている。努力に裏打ちされた馬鹿っていうのも珍しいもんだ。懸命にやれば叶わないものはないって流風は本気で思っている。

「流風の言う事だから一応耳に入れといてやるか」
「……ヤマト、お前本っ気で性格悪いよな」
「生まれつきなもんで」
「校内放送でお前が葉山好きだって騒いでやる」
「やれるならやってみろよ、一番迷惑被るのは卒業まであと数ヶ月なのに学校に来られなくなる葉山だけどな」
「………やっぱ性格悪い」

 多分流風は俺を睨んでいる。でも俺はそんなの見ないで、寝転んだまま真っ直ぐ空を見た。雲ひとつ無い空だ、秋晴れってやつか。

「あー……」

 下らない話をしたら眠くなった。大口開けて欠伸をすると、隣で流風がいちごミルクを啜る音がした。
 そういや葉山はあれ、飲んだんだろうか。

『……文化祭、水城と回るの?』

 少し照れたような表情、声が少し小さくなって、言いよどんでいた。
 ゆっくり目を閉じる。

 ――悪い、葉山。

 結局流風に合唱部の話をすることはなかった。したくなかったから、しなかった。それだけのことなのにとても悪いことをしたように感じる。変な罪悪感がじくじくと左胸を蝕んでいた。





土浦を見てたらどうしても書きたくなった。けど土浦のかっこよさは大和の比ではない。
階段の大和とルミのやりとりが書けて満足です。流風の話題出されて不愉快さが露骨な感じとかね、大和って俺様とは違うんだ、ただ我が侭なだけなんだ。
流風が憧れてるものはもちろん金髪のお兄さんです。でも卒業まで真相は知らないはず。流風が何かに執着して「コレやろう!」って思ったのって、バスケと勉強だけなんだと思う。どっちも引き金はケレスさんですね。
流風のその辺の話は書いてて楽しくなります。
そいで、流風はルミ気に入ってるし、2年の時とかなら告白されたら付き合いますレベルだったと思うけど、3年の文化祭時期だからそんなことない。本当に勉強が恋人で、今おろそかにすると後悔するの分かってるから半端なことしないと思う。流風がしっかりしてるのってこの時期だけなんじゃねぇのwww


ルミを書くのも楽しい。気持ちとしてはかなり日野香穂子を意識してるんですが、あんな可愛くならん!
そういえばルミと風哉くんって日野ちゃんと衛藤みたいな感じですかねと思ってコミック読んでニヤリとしたのは秘密です。絡ませるタイプとしては慎吾も多分面白いと思う。流風がバスケやめるからどうのこうのと相談したりすればいいとか思ってる。


ぼーっとニコニコしてたんだけど、あにまの「アナザー:ワールドイズマイン」はどことなくタっくんな気がする。王子様とかガラじゃないけど悪い気はしないwww まずお前は俺の嫁な時点でwwww
そいで、「アナザー:白い雪のプリンセスは」はやっぱりシーマスさんだと思うんだすいません。私シーマスさんをあにまワールドで解釈しすぎだと思います。



大和の話を書いて、あとがきは流風ばっかっていうwwww
次ルミ視点で文化祭のターン! その次が一応山場? 後夜祭も一応あるって考えてますっていうか昨日後夜祭の存在を思い出しただけなんですが。
ケレスさんには無理矢理袴穿かせていいんだろうか。A組ならどうにかしてやらせそうな気がするんだがどうしよう。

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2010.08.28(Sat) | きづき/ゆらぎ | cm(0) | tb(0) |

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