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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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スノウメモリー 2



 しばらくして、椿は稽古があるとかで母屋に戻っていった。稽古は昼過ぎだけれど、食事をして着物に着替えて、という手間を考えたのだろう。僕は離れに一人取り残された。テレビも、オーディオも音を出さない。僕はこの部屋でも一人だった。
 お父さんが僕を連れて日本に帰ってきて、一番最初に来たのがこの離れだったと大和さんは言う。僕を預けたいとか、そういう理由じゃなく、ただ大和さんに一番に会いに来たらしい。僕は二歳、椿は生まれたばかりで、ハーフの僕が一緒にいることに流石の大和さんも驚いたとか。その顔は是非見たかったと思う。お父さんが僕と一緒にいたのはそれを含めて最初の数ヶ月くらいで、後は仕事に勤しんでいた。昼間僕をお祖父ちゃんとお祖母ちゃんに預けて、保護者も実質その二人ということになっていた。僕は同年代の子の中でも物分りのいい方だと思う。その頃から、お父さんが仕事ばかりするその状況を仕方ないものと受け入れていた。
 今だってそう思うけれど、ただ、少し分かった気がするのは、お父さんはあの頃まだ子供だったんだろうということ。ちゃんと両親の決断があって生まれた椿と違って、お父さんはお母さんと結婚することは決められても、僕と過ごすことを受け入れられるほど大人でなく、ましてお父さんは僕を見つけるためにアメリカに来たわけじゃなかったから。

「うわ、ほんとにいたよ」

 がらりと扉が開いた音がして、続いて閉める音。立ち上がって玄関へ赴くと、そこには、

「真紘さん」
「よう、樹理」

 短い黒髪、長身。そして一番目を引く、透き通るようなアイスブルーの右目。
 椿の従兄である桜井 真紘さんだった。
 僕の二つ年上で、僕と同じツキ高に通っている。

「今日は何しに?」

 と僕が尋ねるのは多分おかしいことだ。
 全くの他人である僕がここにいる方が、真紘さんがここに来るよりずっと変なのだ。
 真紘さんのお父さんは大和さんのお兄さんで、つまり椿と真紘さんはいとこ同士ということになる。

「椿に辞書借りようと思ったんだけど稽古中だって言うからさ。離れにお前いるって聞いてこっち来た」
「なんでまたわざわざ椿に? みのりさんに借りればいいのに」
「学校に置いて来たから無理ー、とか言いやがったんだよ。ぜってー嘘だな」
「でしょうね」

 というかそもそも、今時本の辞書を使っている学生の方が珍しい。いろんな機会費用を考えると電子辞書の方がものすごく得な気がする。
 寒すぎるんだよ外、とぼやきながら真紘さんは首のマフラーを外し、ローファーを脱いで上がりこんだ。もう昼過ぎだから授業も終わったのだろう、制服姿だ。

「つーかお前、学校サボりかよ。いいのかー? 親先生なのに」
「いいんですよ。真紘さんと違って、成績はちゃんとしてますから」
「お前二つ上にも容赦ねぇな……。椿がうつったんじゃねぇか?」
「嫌ですよ、そんなの」

 続いてコートを脱いで、手近な椅子の背にかける。それから、何かあったかいもんもらえる? と僕に向かって言った。緑茶ならすぐに入れられるから、キッチンへ向かうことにした。
 真紘さんは、椿が苦手だ。あの二重人格なところが無理、俺に対しても猫かぶってくるとことか年相応じゃないとことか無理。とよく言っている。確かに椿は二重人格で猫かぶってて年相応じゃない。真紘さんには椿と同い年の妹がいるから尚更そう思うのだろう。ついでに言うと、真紘さんは勉強も苦手だ。こちらに関しては「遺伝だ!」と毎回言い張るので深く突っ込まないことにしている。
 
「まあ、なんつーか流風先生って独身貫いてるっぽく見えるもんな。お前のこと知ってる俺でも」
「そう見せてるんだから当然ですよ。だから僕、家族の話とか学校じゃ全然しないです」
「それ以前の問題だろ。サボりまくりなんだから。俺もサボりてえなあ」

 真紘さんに湯のみを手渡し、朝に椿が持ってきた大福を出す。さんきゅ、と真紘さんはどっかりソファに腰を下ろした。

「真紘さんのとこは情報回るの早いですからね」
「あのクソババア、人脈だけはありやがる。んな悪知恵使えるならもっとマシな頭脳で生んでくれよって感じだ」
「十分じゃないですか。真紘さんもみのりさんも、お母さん譲りの美人ですし」
「このガタイで美人とか言われても嬉しくないっての」
「そうですか? そのマスクがあるから少なくても月に一度は告白されてるって噂ですけど」
「それは否定しないけど、実際全員に好かれてるってよりかはこの顔のせいで半分は引いてんじゃねぇのかな」

 コレ、と真紘さんは右目を指差す。真紘さんの目は、右だけが青い。左は普通に黒。遺伝子は桜井家でも悪戯をしでかしているらしい。真紘さんの妹のみのりさんは左目だけが青い。お母さんは両目青いのだけれど、瞳だって当然黒が優性なわけで、掛け合えば青って消えるものなんじゃないだろうか。

「それ、僕に言うんですか?」
「だよな。言ってから思った」
「まあ、両方より片方だけって方が妙かもしれないですけど」
「それもあるかも」
 
 真紘さんは自分を変だと思っているらしい。それは僕も同じで、真紘さんよりずっと強く思っている。
 外人みたいな風貌で、なのに日本人で、父親には似ていなくて。でも、この容姿だったからこそお父さんは僕を連れて帰る気になったのだ。お母さんの面影があるから。もし僕が、この髪を矯正して真っ直ぐにして、茶色く染めて、目にカラーコンタクトをしたとしたら、お父さんはどうするだろう。僕を捨てるだろうか。お母さんの面影がなくなるばかりでなく、その時お父さんが目にするのは、自分だ。

「苦労しちゃいないからいいんだけどさ、別に」

 真紘さんはそう言う。
 そりゃそうだろう。それは、親が苦労させないようにしているのだ。
 僕は苦労している。それは、一体どういう意味なんだろう。




息抜きも必要だよね!!(息抜きばっかりだが)
議院内閣制とか出なかったらどうしよう。
5限なのがまだ救いです。


真紘は破天荒だけど常識ある感じ。(矛盾してないか)
幸せに見える子だってきっといろんな悩みはあるんだよ……! というコンセプトにしたらルカを出さざるを得なくなる気がする。
でもルカと面識ある奴がいない。樹理は一方的に敵視しまくってるし。
取りあえず試験勉強をしようと思います。


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2008.01.20(Sun) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

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