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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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スノウメモリー 3



「おー、樹理」
「大和さん」

 月曜日、よく晴れた空の下、薄く地面に積もった雪を踏みしめながら体育館前を歩いていた。体育館から顔を出した大和さんは、バレー部のコーチらしいジャージ姿で僕に手を振る。その奥に見えるジャージ姿の長身、あれは。 

「真紘さんってバレー部でしたっけ」
「いや? あれは単なる壁だ」

 壁言うなー!! と向こうから真紘さんの怒号が聞こえるが、大和さんはスルー。バレー部の部員がどんどんスパイクを打っているところからして、本当に壁として呼ばれたのだろう。三年生なのに酷なことだ。

「どうせ付属に進学なんだから使ってやろうと思って」
「けど可哀想ですよ。真紘さん、エリートで警官になるって意気込んでるんですから」

 腕を摩りながら大和さんは体育館から出てくると、おー寒い、と肩を竦めた。確かに寒い。今日だって学校サボろうかどうしようか迷ったくらいだ。
 エリートねえ。大和さんが呟く。

「真紘じゃ無理だと思うけどなあ」
「僕もそう思います」
「お前も大概酷い奴だな。可哀想とか言っておいて」
「仕方ないじゃないですか。エリートって真紘さんのガラじゃないです」
「確かにな。それに、あの両親あってのあの真紘だから100%無理。断言できる」

 余計なこと言うなぁああああ!!! とまたも怒号。そしてスルー。
 
「地位が欲しいならうち継げばいいのにな。世界的地位手に入るし。そしたら真紘とうちの椿交換って感じで、真紘は芹沢の一人息子としてみっちり訓練を受ける、と。俺という父親の愛ある指導があれば良き当主になること間違いなしだ」
「それ、冗談ですか?」

 楽しそうに言う大和さんに、水を注してみる。
 大和さんは常日頃から、冗談は言うけど嘘は言わないと断言しているから、なんとなくほんとっぽい雰囲気を漂わせているこういう時、大和さんはどう思っているのか気になった。
 僕の質問に大和さんは先ほどとは少し違う感じの笑みを浮かべて、マジだよ、と返した。

「いい跡継ぎがいることは旧家にとってはいいことだ。真紘は頭は悪いがやる気になると強い。加えて、男だしな。椿は女だし、賢すぎる。少し馬鹿を気取ってああいう成績を取ってきてるのかもしれないけど、バレてないと思ってんのかね」
「……はあ」

 賢すぎる、というほど椿は賢かっただろうか。僕が離れにいればしょっちゅう勉強を教えろといわれるし、確かにお嬢様口調で賢そうに聞こえるかもしれないが、この前見せてもらった試験の結果はそんなに良いものじゃなかった。授業はちゃんと聞いているのにおかしいですわね、と笑っていたのを覚えている。
 土曜日椿が見せた不思議な表情は、こういう大和さんの考え方に関係あるのかもしれない。大和さんは、跡継ぎにするなら椿より真紘さんの方がいいという。それは、女だからダメで男だからいいとかいう、旧家にありがちな問題というよりは、“誰でもいい”みたいなニュアンスに聞こえた。
 ――違う、跡継ぎにするなら、じゃない。多分、大和さんは自分の子供は何だってよかったのだ。子供が賢かろうと馬鹿だろうと、何だっていい。長子なら確実に家を継ぐことになるのだから、イコール跡継ぎという等式ができてしまうのが普通だ。そもそも子供好きなようには見えないし、僕を可愛がるのはきっとお父さんの子供だからだし、なら椿が存在するのはルミさんが望んだからか。それは、僕と同じ境遇ということ?

「おっと、召集の時間だな。また屋敷来いよ、樹理」
「もちろん行きますよ」

 僕がゆっくりひとりになれるのはあの離れくらいだ。
 大和さんも他人に干渉しないし、あそこはとても居心地がいい。

「じゃあ俺は帰るからな、叔父さん」
「おう、お疲れ。地位と名誉が欲しくなったらいつでも言えよ」
「あんなデカいもん要るかっつーの」

 真紘さんはひらひらと手を振ると、スポーツバッグを肩にかけて、体育館脇の出入り口から出てきた。大和さんは入れ違いに体育館に戻っていく。コーチの仕事も大変そうだ。

「あー、面倒だからこのまま帰っかな。樹理も今帰りか?」
「はい。暇だからほっつき歩いてたんです」
「なら途中でどっか寄ってこうぜ」

 真紘さんは笑ってそう言ったが、いくら美形とはいえジャージ姿の人と並んでどこかの店に入るのは僕としては気が引ける。というか、ジャージの方がずっと寒い気がするのだが。セーターもコートもあるし、女子と違って男子は長ズボンなわけだし。

「だったら着替えてきてくださいよ。そっちの方が寒そうです」
「そーか? 割とあったかいけど」
「僕が見てて寒いんですよ」

 何だかすっきりしない表情で真紘さんは渋々バレー部の部室へ向かって行った。そこが一番着替えやすいだろう。
 真紘さんはスポーツは大体何だってできる。勉強はそうでもない。部活は何に入っていたんだったか。取りあえず、バレー部でないことは確かだ。あんな叔父さんがいる部になんか入ったら何されるかわかったもんじゃねぇ、というのが言い分らしい。その通りだと思う。柔道部だったか剣道部だったか、そんな感じだったと思う。昔から警官を目指していたようだから尚更そうだろう。それでも休日となれば助っ人でいろんな部を渡り歩いていた。時間の使い方が上手い。椿はそう言っていたけれど、椿も相当やり繰りは上手い方だ。あとは部屋の片付けと家事ができれば言うこと無し。
 日陰の雪をしばらく踏んで遊んでいると、制服にコートを羽織った真紘さんが駆け足でやってきた。うん、断然そっちの方が暖かそうだ。

「じゃ、行くか」
「寄るっていってもこの辺じゃ限られますよ」
「あー、……仕方ねえ、ババアの喫茶店で我慢するか。代金は出世払いということで」
「利子のゼロがいくつついてるか楽しみですね」

 僕が言うと真紘さんが軽くこっちを睨んだ。黒と青のオッドアイなんて普通日本人じゃ見ないから幻想的で、だからこそ睨みをきかせた時の威力も大きい。……まあ、そんなに怖くないけど。真紘さんだし。
 一応冗談だという事を真紘さんも理解しているので、軽く笑い飛ばして歩き始めた。僕は背の高い真紘さんの後を追って歩く。真紘さんの短くてさらさらの黒髪を羨ましいと思いながら、僕は黒の入り混じった金髪を揺らした。





とにかく自分のとこの子供世代の暗闇を書きなぐりたい。
しかし最後には流風に戻ってきそうな気が。
「子育てまで先生に教わるんじゃねぇぞ、お前」って台詞を流風に対して言わせたいだけなんだと思います。
前期の奇跡があるからかあまり危機感を感じない木曜のラインナップ。
前期より授業出てないからヤバいんだけどなあ。どうしてだろう。


私もちゃんとネタウェザーっぽいもの書きたいけど来週で。きっと来週で。
先生してる空が見たい。(書きたいわけではない)
ハイカラのベストかけてます。何気に良曲があったりする。

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2008.01.23(Wed) | 未来話 | cm(0) | tb(0) |

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