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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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花のみぞ知る



 朝早く、賑わいだした市場でりんごを二つ買う。ひとつはボロいカバンに押し込んで、ひとつは服の裾で綺麗に磨いてから、歩みを止めずに齧りつく。つんと鼻を突く冷気の中を、石畳を踏みしめながら仕事へと向かう。真っ赤なりんごを半分ほど食べ終える頃、「おい」と正面から声が掛かって顔を上げた。そこには朝から市場で買い物をしていたのだろう、下町教会の神父が立っていた。背丈は彼とそう変わらない。つまり、それなりに体格のいい男だ。

「今日も墓場か?」
「そこ以外どこ行くってんだよ」
「暇ならうちの庭手伝っちゃくれねぇかと思ってな」
「ざけんな。ただでさえ薄給なのに更に金のねぇ所手伝ってどうすんだ。雇い主くらい選ばせろ」
「たまには庭らしい庭いじらねぇと仕事の幅が減るぜー?」
「余計なお世話だってーの」

 残りのりんごを齧りながら、世間話もそこそこにその場を離れようとしたが、神父はにっと笑って「俺もこっちだ」と隣を歩く。大和も仕事へ急ぎたいし、下町の教会は確かにこちらの方角だ。地理的要因は流石に自分の力ではどうにもならない。仕方なしに大和は神父――冬二と肩を並べて歩き出した。

「妹はどうしてる」

 喧騒の中を歩く。つんと冷える空気に、大和は肩を竦めた。

「あんだよ、尋問か?」
「人が親切で気にしてやってんのに随分な言い草じゃねぇか」
「それも余計なお世話だ。お前らが外に出すなって言ったんだろ。面倒は嫌いだからな、出しゃしねぇよ」
「――――」

 大和とて、それを冬二が言ったわけではないことは分かっている。金持ちの貴族が寄り集まって決めたことだというのは分かりきっているし、歓迎されるわけもないことも分かっている。だからこのままでいいと思っているし、決められている以上は余計な詮索も干渉も不要だ。気にかけてくれているのは悪い気はしないが、気にかけられるだけ無駄だという気持ちもある。隣を歩く神父の顔には、弱者を見捨てることができない気質ゆえの苦悩が滲み出ている。その愉快な表情を見られるだけで十分なのだ。

「人の心配してる暇あったら仕事しろよ。雨漏りしねぇように屋根の補修するとかよ」
「それこそ余計なお世話だ」

 これ以上隣を歩いても気まずい空気になるだけだ。大和は「先に行く」と声を掛けてから駆け出した。




 大和の暮らす家は、下町の人間が出入りに使う門の外側にある。元々は下町に住んでいたが、妹が病に罹ったため数年前に門の外に追いやられた。両親が隣町の人間で、母が亡くなってから父に連れられてこちらに移り住んだ。その父も事故で死に、妹が発病したのはその直後。この町にない病という事で町を追い出されるところまで話が進んでしまったが、冬二や貴族教会のシスターなんかが食ってかかって、門の外に住み、妹を町に入れないことを条件に職だけはここで得ることができた。彼らは大和にとっていわば“恩人”のポジションではあるのだが、毎日感謝していても向こうも疲れるだろうし、という理由で普段その気持ちを露にすることはない。
 鉄柵の扉を開けて、すぐ脇にある小屋へ向かい、扉を叩く。数秒してから開かれた扉の向こうにいる人物に挨拶をする。

「よう、おはよう」
「おはよう」
「荷物置かせてもらうぞ」
「ああ」

 貴重品という程の貴重品など持ってはいないが、自分の荷物は仕事をする上では邪魔にしかならない。そうでなくとも持ち歩く道具の多い仕事なのだから、無駄な荷物は無い方がいいに決まっている。相変わらず暗い衣装に身を包んでいるこの墓場の番人――要の了承を得て、荷物を置くため大和は小屋の中に入る。
 必要最低限のモノだけで構成された殺伐とした部屋。その奥に鞄を置く。

「貴族街教会のシスターが庭の手入れの手伝いを探しているようだが」
「は?」

 要は元いた席に腰掛けてミルで豆を挽き、大和は壁に背を預ける。ミルからはごりごりという音と一緒に、香ばしい香りが小屋中に広がっていく。

「とても庭の手入れにまで手が回らないらしい」
「で? あのシスター俺が暇だとでも思ってんのか」
「さあ。そこまでは聞かなかったな」
「生憎、神への愛だけで庭いじってやるほど暇でもないし生活に余裕もねぇんだよ。ここがどんだけ広いかお前なら分かるだろ」

 この言い分が気に食わないのなら売った恩でも振りかざせばいい。そうなれば大和も言うことを聞かざるを得ない。ただ、彼らはそういう真似をする人間ではないし、だからこそ聖職に身を置いているのだろうとも思う。嫌いなわけではないし、この町で大和を拒まないのはごく一部の人間だけだ。そういう面で、人間として信頼を置いている。

「下町教会のでかいのにも同じようなことを言われたが、あんないじり甲斐のねぇ小さい庭手入れしてもなあ。なら貴族街教会の方が魅力はある」
「そう思うなら顔を出してやればいい。あのシスターもただで人を酷使することはないだろう」
「ただじゃないだけで酷使されるのは決定か。対価がありゃ何でもいいんだけどな、別に」

 当面の問題は、その時間をどう工面するかだ。ちなみに今日は日没まで貴族墓地の雑草をむしり続ける予定で、状況に応じて植木の剪定などもしなければならないだろう。それと、やらなければならないと思っていたのは――

「あ」
「どうした」
 
 思い出してしまった。本当はここに来る途中で調達しようと思っていた。

「……この間の雨でダメになった苗を植え替えようと思ってたんだが、……忘れてた」

 それもこれも途中であの下町神父に出くわしてしまったせいだ、と大和は心の中で悪態をついた。変な話をするから全部予定が狂ってしまったのだ。また市場まで戻るのは面倒だが、でもやらないわけにはいかない。仕事なのだから気づいてしまった以上明日に回すのも気分が悪いし、落ち着かない。
 深くため息をつく。市場へ行くだけならそう時間もかからないだろう。

「市場に戻る」
「そうか」

 置いた鞄をまた持ち上げて、扉へ向かう。要が豆を挽く手を止めて顔を上げた。その横を通り過ぎて、扉を開くとひゅうと冷気が小屋の中に入り込む。あまり中を寒くしても申し訳が無い。ひらひらと手を振って、扉を閉めた。
 高い鉄柵に手を掛ける。そうして大和はまた市場への道を辿るのだった。




もうこれ大和とルミを出す上で重大な世界観齟齬が発生しているんですが。
どうしましょう、どうやっても大和とルミがくっつかないっていうか仲良くすらならないwwwwww


大和と妹(椿)は両親が元々隣町の人間で、母親が死んでから父親に連れられて今の町に来た。
でもって父親が死んで、その後すぐ椿が発病。町にない病気なんで貴族の皆さんに追い出されそうになったところを、冬二くんとか紗央だとかアンドゥーに助けてもらう。壁の外で暮らして、椿を町に入れないことを条件に町で庭師の仕事をもらう。でも薄給で激務なブラック。医者は来てくれないし、呼ぶほどの金もないんで収入はほとんど椿のための薬になる。


っていう設定を作って満足してたんですが、どうもこの大和、ルミには頭が行きそうにない。椿のことがあるから他のこと考えちゃいけないと思ってる。普通のご令嬢とは違うな、変わってるな、とは思うし、お嬢様らしくないから好感も持てると思う。でもそれ以上のことは少しも考えないんじゃないかな。
というのはやっぱり椿がひとりでいるからなので、秋臼さんが炎而くん辺り出して無理矢理椿と関わりもってくれればなんか変わるかもwwwww(それでも希望的観測)
いや別にご近所的にシーマスさんでもいいんだろうけど、今回シーマスさん悪い人だしwwwwww


後はルミが頑張って、「彼を当家の庭師にします!」くらい言ってくれれば別だけど、あの子庶民だから(笑)そんなこと言わないよなあ、とか。
この世界のこいつらはいつも以上に初々しいといいなあ。普段を上回る初々しさwww 君に届けレベルでいいと思う。ちょっと指切った大和を気遣ってルミが薬持ってくるんだけど、手触られた瞬間恥ずかしくて振りほどくとかwwwww 今時少女漫画でもお目にかかれないwwwww


そんな感じ。公式見解待ちですwwwww
そして冬二くんがやはり主人公レベルのかっこよさ……。
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2011.01.25(Tue) | Grave Garden | cm(0) | tb(0) |

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