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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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久々ご近所!

 その日は朝から雨だった。
 部活を終えて暗く雨の降る家路を辿り、自宅まであと十メートルかという所で、ケレスの足は止まった。隣の家の軒先に黄色いものが見える。小学生の校帽だろう。地面に落ちているわけではないようだが、ドアノブに引っかかっているというわけでもなさそうで、ということはおそらく帽子の主が軒先にしゃがみこんでいるのだ。隣の家にはちょうど小学生、しかもしっかり帽子をかぶらなければならない一年生がいる。
 携帯をポケットから取り出して時刻を確認しながら近寄ると、軒先には青く小さい傘も立てかかっており、その傍で想像通り、小学生の流風がしゃがみこんでいた。

「……何してる」

 もう七時だ。それに、冬に雨。子供が長い時間いれば体調を崩しかねない。
 流風の親が共働きで帰りもいつも遅いことはわかっていたが、こうして軒先にしゃがみこむようなことは今までなかった。
 流風は声をかけられてすぐ顔を上げてケレスを見たが、すぐにふいと視線を逸らした。

「おとーさんとおかーさん、待ってる」
「鍵は」
「……家のなか。たぶん、テーブルの上」

 普段鍵を持ち歩いているから締め出されることなどないのだが、今回はどうやらその大事な鍵を家に忘れてきたらしい。
 しかし、鍵を持っていてもいなくても、こんな風に寒さに凍えることはないはずだ。流風は毎日のようにケレスの家の裏庭から上がりこんで、のんびりとケレスの帰りを待っているのだから。

「何でここにいるんだよ」
「かぎ、ないから」

 そんなことはわかっている。とは思うがそれを率直に言っては泣き出すかもしれない。それはかなり厄介なのでぐっと堪え、うちに入ってればいいだろ、と出来るだけ穏やかに告げる。
 流風は視線を落としたまま、不機嫌そうにごにょごにょと呟き始めた。 

「……にーちゃんの家、やだから」

 毎日毎日居座っているくせに言う台詞がそれか。
 若干苛立ちを感じながらも、そうか、とだけ返して流風を放置して風邪でも引かれれば非はなくとも後味が悪すぎる。
 あれだけ懐いていたのが今日突然こうなるのだから、きっとくだらない理由があるのだろう。進んで聞く気はなかったが、黙っていれば話し出すだろうと、しばらくだんまりを決め込んだ。

「………変なんだって」
「何が」
「俺が、いっつもにーちゃんの家いるのも、本当のにーちゃんじゃないのににーちゃんって呼ぶのも、変っていわれた、から、……でも、なんで変なのかわかんないし……」

 ケレスはため息をついてまたしばし黙った。やっぱりガキにありがちなどうでもいいくだらない理由だ。しかし黙っていれば黙っていたで、「おこってる?」と下から顔を覗きこんでくる。怒ってない、と返しても、どうも悪い方向に考えるようで「おこってる……」と瞳に涙を浮かべ始めた。何をやっても厄介だ。
 さて、この子供を動かすにはどうするべきか。物で釣る以外手段は思いつかないのだが。
 寒さでふるふると震えている小さな手をちらりと見てから、ケレスは再び口を開いた。

「寒くねぇのか」
「さ、むい」
「腹は減ってんだろ」

 流風の大きな瞳がまたちゃんとケレスを見上げると、小動物の鳴き声にも似た小さな音が聞こえる。おなかすいた、と流風が呟いたのはそれとほぼ同時だった。
 スポーツバッグを肩に掛けなおし、右手で傘を差したまま、左手を流風に差し出す。流風の小さな手が、恐る恐るケレスの手に乗せられた。

「ったく、風邪引いたらどうすんだ。お前こじらせるだろ」
「風邪ひかない! 手洗って、うがいもちゃんとしてるっ」

 自慢げに言う流風にはため息をつかざるを得ない。ランドセルをがしゃがしゃ背中で揺らしながら、ものの十数秒でケレスの家の前に出る。傘を閉じ、ポケットを漁って玄関の鍵を取り出していると、流風が神妙な顔で制服の裾を引っ張った。
 何だ、という視線を向けると、変じゃないよね、という妙な返事が来た。

「だって俺っ、にーちゃんのこと大好きだもんっ! もし本当にお兄ちゃんがいたとしても、にーちゃんのこと大好きだと思うっ」

 にへら、と屈託なく流風が笑うので、否定はもちろんできない。そうかよ、といつものように受け流し、そうだよ、と嬉しそうに流風が返す。
 さっきまでの不機嫌そうな顔が嘘のようで、流風が自分から繋いできた手はとても冷たい。だからって暖めてやろうとかそういう風に考えるわけではなく、ただなんとなく、ケレスはその小さな手を握ったのだった。



久々に書いて見たくなって玉砕した。
でもご近所の流風は普通の流風より断然可愛いと思うので可愛く書けたらいいなあ。
この後ホットケーキとか焼いてもらって、「にーちゃん優しいから大好きー」とか言うんだぜこいつ!!(落ち着いてください)
それが中学くらいになるととんでもないツンデレフラグが立ったりするんだぜ!
私どうしてもツンデレな感じの流風が好きみたいなのできっとそっちの方が楽しいんだろうなあ。


そろそろ寝ます。はい、寝ます。


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2008.03.03(Mon) | ご近所物語 | cm(0) | tb(0) |

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