プロフィール

軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.--(--) | スポンサー広告 |

もうねる




 ごくまれに、エンジと休みがかぶることがある。だからと言って何が変わるわけでもない。俺は休日は丸々でも寝て過ごせる人間だ。エンジはエンジでガキの頃から外で遊びまわるよりは家で本を読んで過ごしたりする方が多かった。気が付けば奴は休日に家事全般をやるようになっていた。教えた覚えもないのによくやるもんだと感心した。だからといって特別褒めたりすることはないが、本当にその辺はよくやっていると思う。――無理矢理人を起こすということがなければ、だ。

「おら親父、いつまでも寝てないでとっとと起きろ!」
「うるせェな、休みの日くらいゆっくり寝かせろ!」

 休みがかぶるとこのやり取りを毎回繰り返す。大概はエンジが折れて、ちッと舌打ちをしてから掃除機をかけ始める。最近は音のうるさくない掃除機なんかも出ているんだろうが、うちの経済状況で最新の家電をそろえるのは到底無理な話だ。随分前にリサイクルショップで買った古い掃除機が耳元で騒音を立てる。部屋が狭いから響き方もすごい。エンジの清掃能力というのは半端じゃない。あれだけ散らかっていた部屋をあっという間に片づける。慣れと言うのは恐ろしいものだ。
 俺が布団で寝ていればその部分に掃除機をかけることができない。一度折れたエンジはまた俺を起こそうとはしないが、敷布団の端を掴み、もう掃除機をかけ終えた場所まで引っ張って俺ごと布団を退ける。そして飲みこんだ嫌味を足に込めて、げしげしと俺の体を蹴る。が、そんなものに構っていては睡眠時間が短くなるばかりだ。頭まで布団をかぶって無視を決め込む。
 布団のあった場所に掃除機をかけ、今度は隅の細かいところの掃除を始めたようだった。これで安心して眠れるな、と思ったときだった。

「あれ?」

 明らかな疑問符つきの声。虫が出たとかネズミが出たとかいうのではなさそうだ。掃除機の音が止んで、エンジの動きもそれきり止まった。
 それまでの騒音から一転、静寂が訪れるとそれはそれで何だか居心地が悪く、目だけを布団から出してエンジの様子を確認すると、何か紙のようなものを手に、じっとそれを見つめているようだった。

「何拾ったんだよ」
「いや、タンスの隙間に落ちてたみたいでさ。……誰?」

 エンジが傍に来てしゃがみこんでそれを見せる。視線を向ければそれは、持っていたことも忘れていた、紗央の写真だった。いつ撮ったのかも全く思い出せないけれど、腰まである濡れたような黒髪、雪のように白い肌、それに、透き通るアイスブルーの瞳は紛れもなく、俺がかつて本気で愛したたった一人の女だった。

「……昔一緒に住んでた女」

 簡潔にそれだけ告げると、エンジは「へえ」と感嘆の声を上げて、またしげしげとその写真を見つめた。

「こんなに綺麗な人でも父さんみたいなダメ男に引っかかるんだな」
「何言ってんだ、そいつが俺にベタ惚れだったんだよ」
「んな見え見えの嘘に引っかかるわけないだろ。どうせあまりにも生活感なさすぎて愛想尽かされたんだろ」

 気持ち分かるなあ、同情する。
 エンジはそう言う。本当のことなんて言えるわけもない。ガキが出来たから捨てただなんて、無事に生まれていればエンジと同じ年頃だなんて、言えるわけがない。
 
「……なあ」

 エンジがこちらを見る。

「ちなみに、この人が母さん?」

 どくん、と心臓が大きく脈打つのがわかった。子供の純粋さをこれほど呪うこともない。
 いや、エンジはこれまで母親の話を聞こうとしなかった。いないものはいないのだから聞いても仕方ないと幼心にわかっていたのかもしれない。なら、この部屋で女の写真を見つければ、それはこれまで気配すら感じられなかった母親かもしれないと考えるのは当然か。
 俺が京都でエンジを攫ったのはこいつが四歳か五歳の頃。もう考える力もしっかりあったから、当然両親のことも覚えているもんだと思っていた。俺を親として認識するはずなんてないと思っていた。でもエンジをそれまで育てた環境が悪かった。エンジの本当の父親は、どうもエンジが生まれて間もない頃に他界しているらしい。母親は健在のようだが、いかんせん金持ちの家だ。親でない大人にずっと世話をされていたのだろう。つまりエンジには、本当の両親の記憶が、ほとんどない。元々おぼろげだった記憶は年と共に薄れていき、代わりに俺が父親として刷り込まれた。これまでもエンジは俺の存在に疑問なんて抱かない。良心の呵責というものに苦しむことも、驚いたことに一応あった。このガキを元いた場所に返すべきかと。しかし、一度存在を否定された子が戻ってきたところで大人の対応は変わらないだろう。

「……絶対会うことはないけどな。そう思っとけ」

 死んだと嘘を言えば楽なのだろうが、俺自身がそれを否定したかった。その嘘だけはためらってしまう。結局母親に捨てられたのだと認識されるだろう。エンジは、そっか、と納得したようだった。

「まあ、これくらい綺麗な人ならコブ付きでない方がこの後うまくいくだろうし。父さんは父さんで一人じゃやってけなかったろ。俺がいてちょうどいいくらいじゃん」
「ふざけんな。食い扶持一人増えるだけで大変なんだよ」
「それくらい真面目に働いてどーにかしろってこった」

 ――そうだ。例えガキがいたとしても、あれだけの美人なら引く手数多だ。あいつの性格は厄介だが、心配はしていない。きっとどこかで幸せな家庭とやらを築いているだろう。
 こんな写真を見せられたら眠気もどこかへ消えてしまった。貴重な睡眠時間を無駄にした気がして、小さく舌打ちしながら上体を起こす。 

「母さんの話って、しちゃいけないもんだと思ってた」
「あ?」

 ぽつりとエンジがそう漏らす。別段悲しいようにも寂しそうにも聞こえない。ただ淡々とした声だった。

「なんで俺には母さんがいないのか、生きてるのか、死んでるのか、今までわかんなかった。聞けば怒られると思ってたし。でも、俺にもちゃんと母さんがいるんだって分かって安心した。ちょっと信じらんねぇけどさ、こんな綺麗な母さんがどっかにいるんだな」

 俺になんか全然似てないエンジ。片づけも、家事も、勉強も、俺ができねェことは大概やってのける。もちろん顔も似ちゃいねえ。それでもこいつは俺を父親と信じて疑わない。写真見りゃ欠片も似てないことは分かる紗央を見ても、これが母親と信じている。最初にコイツを攫った時から、どうしてコイツには誰もいないんだ、とよく思っていた。しかしいつからかそれは変化して、コイツには俺しかいないんだと深く納得するようになった。エンジには誰もいない。その代わりに俺がいる。コイツからすべてを奪ったのは俺自身なのだから、エンジを受け入れてしまった以上、奪ったすべてを俺は与える義務を負っているのかもしれない。
 ――などと柄にもないことを考えてしまった。自分としても気色が悪い。これはどうにかして気分転換をしたいところだ。なので、

「たまにはどっか出かけるか」

 本当に珍しくそんな言葉をかけたのだが、「え!」と驚いたエンジの第二声は、 

「じゃあ食品のまとめ買いするか。珍しいな父さんが荷物持ちしたいなんて」

 というもので、この反応は想像していなかった。

「……お前、もうちょい年相応の反応しろよな」
「誰がこう育てたんだ、誰が」
「うるせェ、お前は勝手に育ったんだよ!」

 年相応という中身をこいつは京都かどっかに忘れてきたんじゃなかろうか。いや、ガキの頃から変な奴だったから、もしかしたら母親の腹ん中に置いてきたのかもしれない。
 溜息が出る。まったく、誰に似たんだか。
 まだ重い腰を上げて、着替えるべくタンスの前に立つ。布団を片づけようとしていたエンジに、ふと思いついて声をかけた。

「その写真、やるよ。あっても仕方ねぇし」 
「は?」

 エンジは最初言葉の意味が理解できない様子だったが、一度写真に目を落として、それから少し困ったように笑った。まだガキっぽい表情も忘れてなかったらしい。そのことに安堵して、俺は心置きなくタンスの中身をいつも通りぶちまけることにした。




もっと短くなる予定だったが、失敗した。
この世界のタっくんは本当にエンジ君大事だな。何があったのか本当に気になる。ここまでキャラが違うと、絶対「俺がこいつを育てる!」って決心した出来事があると思うんだよなあ。なんだろう。
エンジ君もタっくんだけど父親大好きな子になってそう。


擬似親子世界を発端に、エンジ君がちゃんと幸せになれる未来を無限ループでタっくんが探し続け、至ったのが本筋エンド、というシュタゲルートについての考察。
発端は擬似世界で、エンジ君が高校に入ったあたりで椿と出会って、都筑の新しい当主と出会ったあたりで、都筑サイドがエンジ君が生きてることに気付いて殺しにくる。そこでタっくんが慟哭して、悪魔と契約なりなんなりしてシュタゲルート突入。一回やり直すたびに寿命が一年縮むとかな。
いろんなルートがあるんだと思う。エンジ君攫って、紗央とより戻してみのりが生まれて一緒に暮らすんだけど、紗央がどうしてもエンジ君を受け入れられなくて拒絶して、事故で死んじゃうとか、高校まで成長せずに死んじゃうこともたくさんあったりして。
で、馬鹿なタっくんでも、都筑の家にいたままなら安全だってことに気付く。アウェーでも。
けど風哉くんが死んだ状態でエンジ君がいてもあんまり解決になってなかったりして、そのうち自分の身の振り方が影響してくるんじゃないかと思って、マシな仕事についてみる。
警備員やってる時に、ちっちゃいエンジ君が警備員制服を見て「とーさんはおまわりさんなんだよね!」とか言ってたのを思い出して18歳からやり直して警官になってみるとか。そのあたりで紗央と出会って、違う出会い方をした紗央が可哀想で、紗央にも情が移っちゃって、自分が愛したもの全部が幸せになるルートを探してみる。
最終的にハッピーエンドが本筋。風哉君は生きてるし、エンジ君は椿と結婚できて家も継げるし。タっくん自身も紗央と結婚してちゃんとみのりを育てられるし。
みのりは毎回生まれるけど真紘はイレギュラーな存在とかいいな。理御さんみたい。



そんなのタっくんがすげえいい人みたいだ。
エンジ君と椿の結婚式見届けたら死にそうですねこのタっくん。
疑似親子世界より前にリベリオンがあったというのもいいなと思ったけど気色悪いのでやめました!(爽)
もう一回出雲に行きたいです!


スポンサーサイト

2012.01.21(Sat) | 擬似親子 | cm(0) | tb(0) |

この記事へのトラックバックURL
http://hechima1222.blog88.fc2.com/tb.php/899-1294b1a3
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
Name
E-Mail
URL
Title

password
管理者にだけ表示を許可
/
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。