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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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ぽちっとな


「ねーケレス君、一年の理央ちゃんて子知ってる?」
「あ?」

 スタンド灰皿に灰を落としながら、ケレスの目の前の青年が訊ねてくる。ケレスは一応記憶の中から該当する名前がないか考えてみたが、ヒットはしない。当然だろう、一年と言えばまだ入学して一か月ほどしか経っていない。他学年との関わりをほとんど持っていないケレスが下級生の名前を覚えているはずもなかった。

「なになに? 女の子? 水くさいなあ、俺にも紹介してよ」

 首を突っ込んできたのはケレスの右隣で同じく煙草を吸っていた茶髪の青年だった。狭い喫煙コーナーだが、今はこの三人しかいない。この喫煙所はあまり利用者が多くない。大教室のある棟や部室棟から結構な距離があるためだろうが、授業中ともなれば誰も近寄らないようなこのエリアは空きコマやサボりの時の暇つぶしには最適な場所だった。
 三人は気が付けばよくここで話をするようになっていた。ケレスの右隣の青年、シーマスはケレスと同じく外国人で、体躯を生かして始めた引っ越し屋のアルバイト先の喫煙所で知り合った。目の前にいる青年、瑶司と知り合ったのはつい半年ほど前のことで、この喫煙所でたまたま三人で居合わせたからなんとなく話すようになっただけのことだった。日本人は相手が外国人というだけで同じ大学の学生であっても敬遠することが多いが瑶司はそんな日本人とは一線を画していたらしく、やたらフランクに話しかけてきたから、打ち解けるのも早かったのだ。

「えー、シーマス君に紹介するとあの手この手でお持ち帰りしそうだからなあ」
「俺が気に入るとは限らないでしょ? いーじゃん」
「一目見たら気に入っちゃうでしょあれは。断言するね」
「そんな断言されちゃあお目にかからないわけにいかないねえ」

 瑶司はいやににやにやした表情で、すっかり短くなった煙草を灰皿に落とす。日本人にしては割と遊び性な瑶司にしては珍しく、気になる女ができたということなのだろう。しかし、他人の恋愛事情に首を突っ込むと面倒しかないということを自分の身で実感しているケレスは、壁に寄りかかって煙草を吸う行為に徹した。

「なんていうかね、大和撫子って感じ? 気強そうに見えるけど優しい子でさあ、おまけに美人とくれば」
「ヨージはてっきりアメリカ人女性の精神性と結婚するもんだと思ってたけど。そんないい子とどこで出会ったのよ」

 シーマスも吸殻を灰皿に捨て、話をすることに集中し始めた。

「図書館。いつもは法学部の方行くんだけど、空きコマの次の授業の教室に近いとこで暇潰してたんだ。したらさあ、財布忘れて授業行っちゃって」
「馬鹿だねえ」
「うっさいな、僕だってそう思ったよ! で、まあきっと財布ごと取られたか中身抜かれてんだろうなと思いつつ図書館に問い合わせたら、まるまるちゃんと届いてんの」
「ははあ、それ届けてくれたのがそのリオちゃん? なわけね」
「そゆこと。理学部の新入生でさあ、真っ黒なロングヘアで、綺麗で賢そうな感じなのよ。んで、いまロックオンしてんの」
「ふうん、じゃあ今度一緒にご飯行こうよ。そんな美人ならご挨拶して、ヨージがいかに危ないか忠告してあげないと」
「危ないのはどっちだよ。シーマス君のがよっぽど狼じゃん。ねえケレス君?」
「あ? あー、」

 話を振られたので返事を考えようとした時に、ジーンズのポケットの中の携帯が震えた。メールなら後で確認すればよかったのだが、これは電話の着信だ。相手にはおよそ見当がついている。画面を確認して、やはりかと小さく嘆息したのを目の前の二人は見逃さなかった。

「ま、学内一の美人とお付き合いしてるケレス君には用のない話か」
「いいねえ、電話彼女からでしょ? 早く出てやんなよー」
「うるせえ、黙ってろ」

 とは言ったものの、間違ってはいないため否定はできなかった。ディスプレイに表示された名前は、相川 千鶴という女のものなのだから。




『ごめんね、今大丈夫?』
「大丈夫じゃなきゃ出ねぇよ」
『ケレス君は、私からって分かったら大丈夫じゃなくても出てくれるかな、と思って』
「寝言は寝て言え」
『ふふ、そうする。じゃあ寝言はまた後ね』

 嫌な女であることは出会った頃から何の変わりもないのだが、当初の初心さをどこに置いてきたのか首を傾げるほどの開き直りようだ。
 電話の相手、相川 千鶴は確かに学内一の美人だろう。有名雑誌にモデルとして載っているのだから、学内という言葉では範囲が狭いかもしれないくらいだ。
 喫煙スペースを出てすぐの電灯の柱に背を預けたまま、会話を続ける。
 
「で? お前、用件は」
『うん? あ、忘れてた、今日仕事早く終わりそうなの! 帰りに部屋寄ってもいい? サークル顔出す?』
「別に。予定はない」
『そっか、よかった。じゃあお夕飯の材料買って行くからね。ドアの前で待たせるなんてことのないように!』

 それだけ言い終えると彼女は一方的に通話を切った。明らかに押しかける側のものではない捨て台詞だ。
 相川 千鶴という女は、美人であり、トップモデルとして活躍する傍ら勉学にも励み、さすがにトップクラスとはいかないがそれなりの成績を維持している。おまけにサークルにも加入していて、マネージャー業務をこなしているのだ。人当りもよく、女性にも男性にも好かれる。そんな表の顔をつくるのが、とても上手い。広く浅くいい顔をすることに長けているのだ。
 彼女には恋人がいる。彼女と同じくモデル業をしていて、この大学の法学部に通い、千鶴と同じサークルに所属する、水城 陸。完璧に息の合った恋人同士。羨む隙すら見当たらない二人。完璧な彼女は、彼の前でも弱さを見せることなく、表と同じ顔をつくろい続ける。陸が突然仕事を極端に減らし、大学にもサークルにも顔を出さなくなってから、彼女の日常が歪んでしまった。
 結局のところを言えば、千鶴は陸を道具としてしか見ていない。完璧に美しく、整った自分の隣に一番相応しいアクセサリー。少し無茶をして人の言う事を聞かない陸、それを窘める母のように広く美しい心を持った千鶴。陸に多少の欠点があることが、より千鶴の美しさを際立たせた。陸は千鶴を美しく見せるために必要な道具で、それが突如いなくなったことで自分を保つことが難しくなってきたようだった。仕事のことについて問い詰めたとき、陸は千鶴に「お前には関係ない」と言い放ったらしい。それを別れの文句と捉えた千鶴は更に動揺した。ケレスが彼女と関係を持つハメになったのは、その頃からである。

「デートの予約が入った感じ?」

 気づけばシーマスと瑶司の二人も喫煙スペースから出てきていて、彼女と通話するケレスをにやにやしながら見ていたらしい。
 携帯をまたポケットに仕舞って、ケレスはひとつ息をついてから答える。

「部屋に来るんだと」
「おー、そんじゃお泊まりだ?」

 瑶司の言葉には両手を上げて、さあ? と首を捻った。

「これから部屋来て日帰りってことはないでしょー。他の子ならともかく、相手はご多忙のトップモデルさんなんだし」
「いやあおにーさん、パーフェクトな彼女がご奉仕してくれる日常なんてすごいですねえ」
「茶化すんじゃねぇよ」

 釘は刺したものの、シーマスと瑶司は顔を見合わせて吹き出した。返答はわかりきっている。自分がそちら側ならおそらく同じ反応をするだろうとケレス自身が思うのだ。
 二人は全くその気のない顔で、「はいはい」と軽く同意してみせる。

「ま、性格重視の僕に言わせるとそんなに羨ましい相手でもないけど、一応男としては羨んでおこうと思って」
「またまたあ、ヨージのは性格重視という名のガチ面食いでしょ? 詐欺しちゃ女の子に怒られるよ」
「いっや心外だなあ、来る者拒まずどころか吸い込み型のシーマス君に言われるとは」
「俺は女性に対して紳士なの。誠実なんです」
「お前らどっちも似たようなもんだろ」

 終わりの見えないどんぐりの背くらべに一石を投じれば、「これこそ正にあなたとは違うんですだよねー」と瑶司が政治専攻らしいのかそうでもないのかわからない返答をした。
 他人の恋愛をとりまく環境などというものは雑談のネタくらいにしかならない。もっとも、ケレスが今直面しているものを恋愛と言い切っていいものかどうかという疑問はもちろんあるのだが。
 まだたっぷりこのコマの授業時間はあるはずだが、「よーじぃ」という甲高い声がこちらにかけられ、三人揃ってそちらに目をやった。女子学生三人ほどがクラッチバッグを抱えてこちらへ小走りで駆け寄ってくる。

「お、そんじゃ僕これからあの子たちとお茶するんで失礼」
「いいねえ、俺も同席させてよ」
「シーマス君に女の子紹介すると(略)」
「君は俺をなんだと思ってんのさ……。じゃあ、おにーさんは可愛い彼女のお出迎えの準備でもするといいよ」

 喫煙スペースで話してた後輩の女はどうしたという疑問が浮かばないでもないが、それはそれ、これはこれであって、瑶司があれだけ言うのだからあちらは割と熱を入れて、こちらは本当にただのコミュニケーションということなのだろう。ケレスにはそこまで突っ込んで聞くようなつもりは元々ない。
 シーマスと瑶司が女子学生を連れてカフェテリアの方向へ向かったのをぼんやり眺めてから、手持無沙汰になったケレスは元いた喫煙スペースへと戻った。







瑶司さんが爽やかにしょうもない人で、すごく私は好きだ。
冬二くんが見たらきっとぶっとばしたくなるような人なんだろうけど、私は割と気に入っている。
この世界の理央には奈央っていう超シスコンの弟がいてガード固くて大変そう。
理央とか絶対瑶司さんタイプじゃないよな……www


久々に紳士同盟引っ張り出して読んでたら楽しくなってしまいました。
小牧マジ可愛い。小牧マジ天使。
あのマンガで一番可愛いのは間違いなく小牧。
小牧見るともれなく椿書きたくなります。でも椿あんなに可愛くない。


さて、もう寝よう。
小田原本当に疲れました。何がって行くのが。帰るのが。
明るければロマンスカーでもよかったなあ。
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2012.04.22(Sun) | IF世界 | cm(0) | tb(0) |

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