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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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エデンのドアが開いただけ


 目の前には、切っ先が鋭く光る、ナイフ。
 真っ暗な地下牢。明かりは、隅に置いてある小さなランタンだけ。その中で、その刃はいやにきらきら光って見えた。
 牢の中で膝をつく私は、牢の外に立つ人を見上げる。まだ若い、男の人。私をここにつれてきた人だ。

「“それ”が君の食事だよ。“それ”が食べられないなら君はもう要らない」

 優しい声だけれど、その言葉が何を意味しているのか、幼い私でもわかる。
 ここから出たいなら食べなさい、と。
 生きたいなら食べなさい、と。
 たったそれだけの話だ。元々孤児だった私がここを放り出されても、誰を頼ることもできない。それではきっと死んでしまう。そもそもこんなこと言う人たちは、私が要らないからといって、出してくれるはずはないのだ。食べなければ、どうしたって死んでしまうに違いない。

「“それ”を食べたら次の食事を持って来るから」

 そう言い残して男の人は去って行った。かつかつと石の床を叩く音が小さくなっていく。それを見届けて、私は冷たい床に腰を下ろした。
 目の前にはいやに光るナイフ。
 傍らに横たわるのは、私を拾ってくれた、もう高齢のシスター。これが私の食事。
 それから何日経ったのか、数えなかったわけではない。数えたかったけれど、太陽の光がなければ時間の感覚なんて崩れ去ってしまう。することがないから膝を抱えて眠って、眠れば一日が終わった気がして、眠って起きるだけで一日が終わるなら、何日を経過しただろう。それすらも考えることをやめたから、よくわからない。
 最初は、何日かすればあの男の人がまたやってくるだろうと思っていた。でも、私が何もできないことを見透かしたかのように、誰もこない。シスターは、何日経っても起きない。ひょっとしたらもう死んでしまっているのかもしれない。だとしたらあの人は私の何を試そうとしているんだろう。
 もう何日も、何週間も? 何か月も? 何も食べていない。空腹をしのぐために手足の爪を齧った。だから足も、手も、爪は限界まで減ってしまって、残りを食べようと思ったら何かではがすよりほかないだろう。ナイフを爪と肉の間に入れるのは、とても痛そう。
 何も口にしない状態が、何日も、何週間も? 何か月も? 続いた。他に食べるものはないのか探した。残念ながら牢の中には食べられそうなものは何もない。そんなの、ずっとずっと前に確認したことだ。ならば髪は? 私の髪は長い。これが食べられるなら、少しは何かの足しになるかもしれない。ナイフで毛先の何センチかを切って、口に運んだけれど、それは喉の内側に張り付いて取れなくて、水もないこの状況では苛立ちを高まらせる効果しかなかった。
 なけなしの唾と一緒に髪を吐き出して、私は思う。


 できることは全部試した。


 なら後は、最後の手段に出るだけだ。かなり抗った。頑張った。でもこれ以上は無理。
 

「いただきます」


 ナイフを手にして、手を合わせる。
 それから大きく振りかぶって、その刃を振り下ろす寸前、今まで一度も目を覚まさなかったシスターがぱちりと目を開いて、私を見た。
 一瞬で事情を察して、でも理解できない、ただただ恐怖しているその瞳を、私はきっと忘れない。

 浴びる血の温かさ、その甘さ。これを甘美と世界は言うのだろうと思った。
 正確に心臓を一突き。そこから体に刃物を入れるのは最低限にとどめた。食事は静かに美しくしなさい、とシスターも仰っていたから。
 少し前まで脈打っていたはずの心臓をむき出しにする。既に鼓動はなく、それはただの肉塊。
 真っ赤な“それ”を、私は齧る。齧る。齧る。筋肉でできている“それ”は、とてもとても固かったけれど、噛みごたえがあって、とてもとても美味しく感じられた。
 滴る血を啜る度に、腹の奥で何かが蓄積されていくような、妙な違和感は覚えていた。でも、いい。こうしなければ生きられないと、私の人生は保証されてしまったのだから。
 とても噛みごたえのある肉塊をすべて飲みこんで、流れた血を粗方啜り終わって、私は血まみれの手の甲で口元を拭った。きちんと拭えているかどうかは、さっぱりわからない。
 それでも、私は食べ終えて、冷たい床に腰を下ろす。夥しい量の血液を、石の床が吸い取ってくれるはずもなく、そこはただの血溜まりだった。
 私は、手を合わせる。


「ごちそうさまでした」







「圭一くんもエグいこと考えるね。顔によらず」
「顔って。一言余計でしょ絶対」
「褒め言葉だよ? この温厚で人畜無害そうな青年が、孤児の幼女に恩人殺させて食わせるなんて、どんな狂人だって想像できない」

 地上では、薄暗い図書室の隅で水晶玉を覗き込む男女の姿があった。
 女はにこにこと笑いながら、男は淡々と、当然のことだとでも言うかのように。

「しかもしかもっ、あの子が殺すことを決意するまでシスターを眠らせておくなんてニクい演出までしちゃってさあ! 悪い男だよね、このこのぉ」
「うわ、痛っ、瑶子さんテンション上がりすぎですよ!」
「興奮もするでしょ、そりゃあ。あんなシナリオ見せつけられたら」
「別に、必要なことだからやってるだけですけど?」

 傍から見ればただの好青年、女が言うように人畜無害そうにも見える。
 その青年の口から零れる淡々とした言葉に、女はにこりと満面の笑みを見せた。

「圭一くんひっどぉい、最低っ、惚れちゃうかもv」
「瑶子さんは気が多すぎ」
「自分の気持ちに正直なだけですー」

 水晶玉のその向こうでは、恩人を食らった少女が檻の隅で膝を抱えたまま眠っている。食べ物らしい食べ物をようやく口にできたことで、眠気が襲ってきたのだろう。
 女はその球体の表面をそっと撫ぜる。

「ここまでできる子なら見込みあるよね。私たちの代で箱が開くかもしれないなんて、やっぱり普段の行いがいいからかなあ」

 女の戯言に男は耳を傾けず、冷たささえ感じられる眼差しでじっと水晶玉の奥を見つめた。

「あの子には“たくさん食べて”“英気を養って”もらって、……あとはあの子を飼い馴らすご主人を見つけてやらないと」
「それまでに壊れないといいけどね、あの子」
「大丈夫でしょう。このために壊れない子をわざわざ見つけてきたんですから」

 そう言って男は水晶を片手に席を立つ。女もその後に続いて歩き、それもそうね、と呟いた。

「瑶子さん、次の餌ちゃんと準備してくださいよ」 
「まっかせなさい! ちゃんと圭一くんの指示通り、あの子の孤児院でのお友達、連れてくるから」
「お願いします」

 図書室の大きな扉が開く。古めかしい扉が、ぎいい、と不安な音を立てた。外からはぼんやりとした灯りがこちらに漏れて入ってくる。
 二人が揃って図書室を出ると、広い図書室は元の薄暗さと静寂を取り戻したのだった。




なんか聖櫃戦争のデータ出てきたんで貼ってみる。椿ですなあ。
椿は割とどこにいても高貴な設定にしてるんで、こういうの面白いかもしれない。まあ高貴って言う割に考えること庶民じみてたりしますが。
ノート見直したらエンジ君の設定が「切嗣と言峰足してにやりとした感じ」って書いてあったので、なんぞwwwwwwと思っている次第。
切嗣と言峰足してにやりとして、そして士郎でもあるって、すげえなエンジ君。


リベリオンと聖櫃戦争の設定がごっちゃになってる私wwwww



つり球がはかりしれない面白さで動揺している。
25歳暴露やめてあげて!!!!!! アキラめっちゃかっこよかったわ……。
あとハルとユキは王子だけ除け者にするのやめたげてください。かわいそうです。


ビブリア古書堂の新刊買ったー。あとコミック版も買ったー。おいしいです。
この前新宿で買ったネックレスがすごくかわいくてめちゃめちゃ気に入っている。うん。
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2012.06.22(Fri) | 聖櫃戦争 | cm(0) | tb(0) |

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