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軽石へちま

Author:軽石へちま
基本自キャラで凄まじく妄想してみる。
隠れ家なのでBLとか黒とか暗とか主。
キャラ崩壊必至。何とも思わないけども。
妄想についてこれる人だけどうぞ。

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少しも可愛くない君に



「なかなかサマになってんじゃねェか」

 洗面所の鏡の前でネクタイを締めた俺の背後から父さんが声をかけてくる。父さんは学校の案内だとかパンフレットだとかもろくろく読まなかったから、どういう制服なのか見るのも今が初めてだ。思えば中学入る時もそうだった。まあ中学は至って普通の学ランだったからそんなに意外なもんでもなかったんだろう。今日から俺が通う高校は私立高で、それなりに凝ったデザインの制服が定められている。ドラマやアニメみたいに奇抜なもんではないけれど、父さんが学生だった頃から考えれば目新しいものには違いないだろうと思う。これから身長も伸びるからってことで男子の制服ってのは大き目のを頼むようになっている。結構体はでかい方だと思うけど、それでも今はぶかぶかの状態だ。
 壁に寄りかかりながらにやにやこっちを見てる相手を睨みつける。

「何だよ、どっかおかしいんなら言えよ」
「ネクタイ締めんのへったくそ」
「う、うるせえよ、これまでずっと学ランだったんだから仕方ないだろ」

 鏡を見直してみて、確かに曲がっていることを確認して、悪戦苦闘する。これ毎日すんのか。今から先が思いやられる。
 父さんの異様にでっかくてごつい手が伸びてタイをぐっと締める。息が詰まってぐっとなると、父さんはやっぱりにやにや笑っていた。

「まあ入学式の時くらいちゃんと締めてた方がいいだろ」
「け、けどこれ締めすぎだろ」
「あ? こんなモンだろ。じき慣れるし、ちゃんと締めるのなんて最初の一日二日くらいなモンだ」

 そのままネクタイを少し左右に調整して、最初よりはずっとマシになった。父さんに世話になるとか恥ずかしすぎるけど、こればっかは経験の違いだから仕方ない。
 ネクタイさえちゃんとできれば俺の支度は終わっているので、改めて父さんを見る。父さんは父さんで、珍しすぎるスーツ姿だった。押入れの中に出番があるのかわからないスーツが一着あるのは知っていたけど、まさかお目にかかれるとは思っていなかった。

「別に、わざわざ仕事休んでまで来てくれなくていいのに」

 父さんは、小学校の卒業式も、中学の入学式も卒業式も仕事があったから来なかった。授業参観だって面談だって来れたためしがないし、別に来てほしいとも思っていなかったからそれでよかったんだけど、今回はわざわざ仕事を休んで出席すると言い出した。どんな心境の変化なんだか。

「小中は義務教育だろ。黙ってても入れるし、黙ってても出られる」

 さっき俺が「コレくらい持てよ」と渡したハンカチをポケットに突っ込みながら父さんはそう言う。まだ時間に余裕がある。父さんは居間の方へ移動して、壁に寄りかかって、初めて学校のパンフレットを眺めていた。俺も俺で、指定の鞄に筆記用具やら提出の書類やら必要なものを一式確認していく。

「同僚に聞くまで実感なかったけど、すげえ学校なんだな」
「は? そんなすげえってほどでもないだろ」

 今までそんなこと聞こうともしなかったくせに。
 父さんが特待取れたら通っていいと言ったから、それなりに勉強して、受験して、特待取れて、報告した時のあっさりした感じはまだ覚えている。驚いた様子なんか少しもなくて、「そうか」ってだけ。ついでに、「お前そういうとこほんっと俺とは違うよなあ」と苦笑いしていた。俺とは違うってのが、どういうことなのか俺にはよくわからない。似てない、とかじゃなく、違う、っていうのも、その時はスルーしたけど後々変な感じがしていたりする。まあ、そんなに気にしても仕方ないことなんだろうけどさ。
 父さんはちゃんと読んだんだか読んでないんだかわからないパンフレットを放って、準備できたなら早めに出るか、と珍しすぎる台詞を吐いて玄関へ向かう。父さんの履き古した革靴の隣に、俺の真新しいローファーが並ぶ。父さんはいつもの革靴に足を入れて、先に部屋を出る。俺も肩に鞄をひっかけて、その後に続いた。
 先に外に出ていた父さんを追ってボロアパートを出ると、何か思いついたように父さんが振り返って俺を見る。

「……よく頑張ったな、エンジ」

 そんな、珍しいっつーか、気色悪いっつーか、そんな言葉を言いながら、俺の頭にでっかい手をぽんと乗せる。俺は俺であんまり意外だったから頭ん中が真っ白になって、どんな言葉を返すのが正解なのかまったくわからなくなってしまった。
 そんなこと、熱が出たって普段言わないくせに。言うなら受かった時言えよとか、いろんな罵倒の言葉だって思い浮かんだけれど、でもやっぱり嬉しい気持ちの方が大きくて、そんなぐちゃぐちゃな感情はシンプルな言葉にはどうしたってできそうになかった。俺が返答に窮しているのがわかるのか、父さんはくつくつ喉を鳴らして笑う。そのまま押し付けるみたいにぐしゃぐしゃに頭を撫でられて、「急なことに対応できねえのは意外にもあいつに似てんのかもな」なんてよくわからないことを言う。
 俺の髪を乱すだけ乱して満足したのか、父さんは俺の先を歩き出す。俺は髪を軽く整えてからその背を追う。でっかいのは手だけじゃないな、背中もだ。

「……ありがとう」

 背中になら何かしら言えそうな気がしていたのに、その感謝の言葉が果たして正しかったのかどうかはよくわからない。
 父さんはと言えばちょっと意外そうな顔で、横に並んだ俺を見る。それからゆっくり目を細めて、それから眉間に皺を寄せた。

「背ぇすぐ並びそうだなあ」
「あんまりでかくなっても家狭くなるだけなんだけどな」
「チビよりいいだろ」
「ま、そりゃそうだけど」

 そりゃ背はもうちょっと欲しいけど、あんまりでかくなってもあの狭い部屋で男二人ってキツいだろ。だからって引っ越しなんてもんも望めないわけで。その原因の一端は俺だけど、そんなこと気にしたらきっと父さんは俺を叱るんだろうと思う。だから考えない。

「愛する息子の晴れ姿を拝んで明日からの仕事に励みますかねえ」

 スーツ姿で歩きながらぐっと伸びをしつつ父さんがそんなことを言う。嫌味なのか軽口なのか、どっちにせよ俺の心を読んだかのようなタイミングだ。

「そうだ、後で写真撮るか」
「は?」
「晴れ姿っつったら写真だろ。よし、どっかでカメラ買うぞ」

 家の中も頭の中もデジタル化に対応できない父さんだから、今時珍しすぎるインスタントカメラを使うつもりらしい。デジカメがあったところで使えないんだからそれでいいんだろうけど。
 出費がかさむばっかりでこれからずっと嫌な顔され続けるかと思ってたけど、今日見てる限りじゃ結構機嫌良さそうだし、今までの心配が杞憂だったことがわかる。やっぱ俺思ってる以上に愛されてるかもしれない、なんて気色悪いことも思う。父さんはいろんなことにぶっきらぼうで適当だけど、俺のことには割と真面目に向き合ってくれてる。
 言葉にするなら今がありがとうのタイミングだ。今言ったら変だから言わないけど、言わない分たくさん心の中で念じておいた。



「キュアシャウエッセン」「キュアアルトバイエルン」「キュア森の薫り」「キュアウィニー」「キュアポークビッツ」などなど、お好み焼き食べながら妹とソーセージプリキュアについて語りました。
そのうち「キュアヴルスト」が出てくるとか。「本家……だと……?」な展開希望。



入学式あたりを想像したらタっくんの愛情が半端なくてぜひ書いておきたいと思って。マジで愛が痛い。
エンジ君は照れ喜ぶという公式見解をいただいたのですがどうしたらいいかわからずこんなことに。タっくん視点より絶対エンジ君視点だよなと思ってたけど大変だった。エンジ君可愛いです。おいしいです。
タっくんは自分のことには金の使い方下手だけど、子供には割と簡単に金使いそう。この世界だと貧乏だからそりゃ限られてはいるけど、できる限りのことはさせてやる人だと思う。真紘やみのりにも、きっとねだられたらホイホイ与えちゃうお父さんなんだろうな。自分が子供の頃抑圧されて過ごしてきたからこそ、子供には自由にいてほしいって気持ちが大和以上にあるんだと思う。大和は家継いでるから自分と同じ環境を子供にも強いてしまうのですが。
エンジ君はねだらない子だろうしねだり方を知らない子だろうから、タっくんもどうしたらこの子が喜んでくれるんだろうって多少は考えるんだけど、闇雲に与えられるほど余裕はない。けど突然のことにぐるぐるしてるのを見て紗央を思い出して、紗央は言葉ひとつですごく喜んだな、って思い出して「頑張ったな」って声をかける。したらやっぱりそれだけでも嬉しそうにしてくれたから、お父さんとしては満足。そんな感じ。
別にエンジ君は全然紗央とは似てないとは思いますが。ていうか似てませんが。当たり前ですが。


インスタントカメラwwwと思ってちょっと懐かしさに涙が出そうになりました。写真現像して手帳にずっとはさんでるタっくんとか目撃したら私絶対プギャーするのに。


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2012.07.14(Sat) | 擬似親子 | cm(0) | tb(0) |

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